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皆さん、こんにちは!マツリカの佐藤です。フェスティバルライフを謳歌していますか?

今回は「内発的動機づけ」について、もう一歩踏み込んで考えてみたいと思います。

前回コラムの最後に外発的動機づけと内発的動機づけという観点で考えるならば、この条件が示しているのは、「内発的に動機づけられている状態」であるとお伝えしました。

本来であれば、このように小難しいことを考えずとも、目の前の行動が好きで楽しいと感じるのであれば、それで問題ありません。その側面だけで“祭り化”とは言えませんが、必要条件はクリアしていると思います。

ただし、世の中必ずしもそうとは限りません。特に本コラムの想定読者である営業パーソンや営業マネージャーの方々は、営業という行為を「楽しい」と捉えられる人ばかりではないと思います。

本コラムの目的はモチベーション理論を紹介することではなく、「少しでも祭り化した状態で営業をしてもらうこと」「祭り化する営業組織創りのヒントをお伝えすること」ですので、その観点から進めていきたいと思います。今回はどちらかというと、マネジメント向けかもしれません。

内発的動機づけの3つの欲求

さて、内発的動機づけには3つの欲求が影響していると言われています。自律性の欲求、有能性の欲求、関係性の欲求です。

自律性の欲求

この欲求が満たされると自己決定感が高まります。「自分の意志で自由に選択している」という感覚が持てているかどうかです。

有能性の欲求

この欲求が満たされると有能感が高まります。「自分はできる」「うまく出来る」「次は出来る」という感覚を持てているかどうかです。

関係性の欲求

「誰かと結びついていたい」という欲求で、「他者に受容されている」という感覚が持てているかどうかです。

これらをマネジメントに活かして、その欲求を満たしていけば、関わるメンバーが少しずつ内発的に動機づけられるようになるということです。

外発的動機づけの活用

さて、前回コラムの最後にもう一つお伝えしていることがあります。

それは「外発的動機づけがダメで、内発的動機づけが良い」というようなものではないということです。最終的には内発的に動機づけられている状態を目指すべきだと思いますが、その合わせ技として外発的動機づけも上手く活用すべきだと考えています。

また繰り返し述べていますが、外的報酬というのは、金銭報酬や地位報酬だけではありません。上司からのフィードバックや激励・承認などは立派な外的報酬なのです。

ではマネージャーがメンバーの自己決定感を満たす為には、どう関わればよいかを考えてみましょう。これは「祭り化するための条件その1」で少し触れていることにも近いかもしれません。

「自ら決めた目標が大事である」という部分です。

やらされ感を払拭するために自分で決めるが有効だとお伝えしました。つまり、ある程度の裁量を持たせたり、選択権を与えたりする工夫が必要だということです。組織である以上、全てを決めさせることは出来ませんが、少しでも本人のコミットを促すやり取りができればよいと思います。

同じように有能感を満たす場合はどうでしょう。

与えられた目標に対して「こんな高い目標やれるわけない」と感じているメンバーがいる場合、そのままだと先は見えています。無理だと感じるものに前向きに取り組もうとする人は稀です。

ともすると最初から諦めモードになってしまう懸念もあります。このような場合、「一緒にマイルストーン(中間目標)を立ててあげること」で少しは有能感を感じる機会を創り出すことが出来るのではないでしょうか?

また実際にメンバーがアクションを起こした際には、「良かった点・改善すべき点をきっちりフィードバックしてあげること」で、「次はやれる」という感覚に繋がるはずです。(フィードバックについては改めて触れる機会を設けます。)

マネジメント側のサポート

関係性の欲求にも関わってきますが、自己決定だからといって、「任せっぱなし」や「投げっぱなし」はNGです。やはりマネジメント側のサポートは必須なのです。

特に経験の浅いメンバーはサポートがないとうまく有能感や自己決定感が醸成されないと思います。また、これらが結果的に関係性の欲求を満たすことにも繋がります。

具体的には、

  • 大前提として、営業目標や営業活動に対する意味づけを行う
  • 営業目標に対するマイルストーン目標を設定する。チームのマイルストーンで不十分であれば、そのメンバー用にマイルストーンを用意する
  • 戦略や戦術、行動計画を考えさせる。アドバイスや軌道修正を行う必要があるが、自ら考えて実行させてみる。※本当に経験が浅いメンバーはマネジメント側が与えて、その意味をしっかり伝える方がよい
  • フィードバックする機会を設けておく。即時フィードバックが望ましいが、少なくとも毎日15分、週1回1時間などの時間を確保しておく

といったことではないかと思います。

まだまだあるかもしれませんが、大事なのはメンバーに「小さな成功体験を積ませること」です。それらの経験が一人ひとりに営業の楽しさや醍醐味を与えるのではないでしょうか?そして営業の楽しさや醍醐味を味わったメンバーが増えているならば、その組織は祭り化する営業にまた一歩近づいているはずです。

さいごに

メンバーの中には既に「営業が楽しくて大好きで仕方ない」という方もいらっしゃるでしょう。そういう方々に対しても、上記のような関わりは行ってください。

アンダーマイニング現象(内発的に動機づけられていることに外的報酬を加えるとネガティブに働き、かえってやる気を損ねてしまう場合があるというもの)を勘違いして、内発的に動機づけられているメンバーには外的報酬を与えない方がいいのだと捉える人がいます。

ここでネガティブに働くのは、あくまでコントロール的意味合いが強い外的報酬です。頑張ったことにしっかりと報いる金銭報酬やきちっとしたフィードバックがネガティブに働くことはありませんのであしからず。

 

投稿者プロフィール

Mazrica Business Lab.編集部
Mazrica Business Lab.編集部
Mazrica Business Lab.はクラウドアプリケーションMazricaの開発・提供を展開する株式会社マツリカが運営するオウンドメディアです。営業・マーケティングに関するノウハウを中心に、ビジネスに関するお役立ち情報を発信しています。

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