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皆さん、こんにちは!マツリカの佐藤です。フェスティバルライフを謳歌していますか?
今回は祭り化条件3「近い距離感でその取組みに関わっていること」ついて、営業現場においてはどのように活かせるのかを考えてみたいと思います。
前回のコラムで本条件が意味するところは、「当事者意識」と「手応え」であるということをお伝えしました。今回はそれらを営業現場でどのように生み出すのか、マネジメント側、メンバー側の両面から考えてみます。
まずマネジメント側から考えます。結論から言って、私は「権限委譲」がポイントだと思います。「任せる」ということです。任せるということは、メンバーに裁量を与えるということですが、メンバーにとっては同時に責任も生じることになります。
つまり「当事者にならざるを得ない」ということです。マネジメント側がメンバーにそのような環境を創る、機会を提供することが、メンバーの当事者意識を生み出す一つのアプローチになるのではないでしょうか。
もちろん、これは「丸投げ」することではありません。
それでは逆効果になりかねません。対象となるメンバーの状況に応じて、適切に切り出して任せることが必要です。これは言うは易く行うは難し、だとは思います。メンバーをよく観察し理解していないと難しいことです。また実際は任せた後のサポートも必要です。その関わり方、関与度合いも見極めが必要になります。
丸投げでもダメ、結果的に巻き取ってしまう状況もダメ、且つメンバーごとに対応を変えていかねばならないという具合です。偉そうに記載していますが、私自身も過去にそのバランスが悪く、メンバーに当事者意識を芽生えさせることが出来なかったこと多々はあります。
しかし、この観点を意識すると、少なくともメンバーをよく見るようになります。そして、試行錯誤の中でマネジメントスキルとしての「任せる力」は高まっていくのではないかと考えています。
また適切な権限委譲がなされれば、それはメンバーの「仕事の手応え」に繋がることが多いように思います。責任ある環境の中で、自分の精一杯を出し尽くして仕事に向き合っているならば、その最中、間違いなく手応えを感じているはずです。
営業ということであれば、
- プレイヤーだったメンバーにリーダーとしての役割を付与する。(これは管理職にするということではなく、チーム内での役割を与えるということです。なので、OJT担当を任せる、勉強会を主催させるなども一つだと思います。)
- 戦略/戦術立案などのディスカッション相手に指名する。
- 大事なプレゼンでのメインスピーカーを任せる。
- 自社の重要顧客の担当にアサインする。
などが具体例として挙げられるかと思います。
一方でメンバー側はどうでしょうか。私は「当事者意識」という点では「視点の切り替え」が、「手応え」という点では「コンフォートゾーンからの脱却」がキーワードになるのではないかと考えています。
まず1点目の視点の切り替えというのは、「○○のつもりで考えてみる」ということです。社長だったら、マネジャーだったら、あのプロジェクトの主担当だったら、商品開発担当だったら…etc、どう考え、どう判断し、どう動くだろうかということを意識して、目の前のことに取り組んでみるということです。
仮に営業チームのメンバーだったとしても、営業マネジャーになったつもりで戦略を立ててみる。そうするだけで営業活動に対する当事者意識は芽生えるのではないかと思います。
自分だったらこうするという考えがある中で、営業マネジャーの指示を仰いでいるため、単純にやらされているわけではありません。戦略に対する興味関心が高まり、理解度が高まり、時に自分の考えをぶつける機会も生まれるかもしれません。
このような状況は営業チーム(の活動)を「自分事化」できている状態といえるのではないでしょうか?
またこれは「経験の“つもり貯金”」になっています。この「経験の“つもり貯金”」は今の行動の質を高めるだけでなく、確実に未来の投資にもなります。いざその役割、その立場になった時に動じることはありません。
常に準備万端の状況なのですから。逆にその立場になってから準備を始めるのでは圧倒的に遅いのです。加えて、この「視点の切り替え」に長けているということは、当然のことながら「お客様の立場、相手の立場」にも立てるはずなので、営業パーソンとしての基礎力アップに繋がります。
次に2点目のコンフォートゾーンからの脱却というのは、「居心地のよい状況から、敢えて一歩踏み出す」ということです。出来て当たり前のことに対して、人は手応えを感じるでしょうか?
答えはNoだと思います。
自分の身の丈を超えることに挑戦し、乗り越えた時に、人は手応えを感じるのではないでしょうか。結果としての成功や失敗は二次的要素で、あくまで身の丈を超える挑戦とそれに向き合う姿勢が手応えを生む源泉だと思っています。
もちろん成功した(上手くいった)方が手応えは感じやすいと思いますが、仮に失敗であっても、次回への手応えが芽生えていることは往々にしてあると思います。
また先に述べた「視点の切り替え」と「コンフォートゾーンからの脱却」は繋がっているように思います。普段とは違う立場になったつもりで行動してみることは、イコール「日常の自分の枠を超えた動き」のはずですからね。
今回は祭り化条件3を営業現場で活用する為のポイントを考えてみました。読者の方がマネジメント側の方であれば「権限委譲」を、バリバリのプレイヤーの方であるならば「視点の切り替え」と「コンフォートゾーンからの脱却」を意識してもらえると良いかと思います。それが営業活動との距離感を縮めることに繋がり、営業の祭り化にまた一歩近づくはずです。
投稿者プロフィール
- Mazrica Business Lab.はクラウドアプリケーションMazricaの開発・提供を展開する株式会社マツリカが運営するオウンドメディアです。営業・マーケティングに関するノウハウを中心に、ビジネスに関するお役立ち情報を発信しています。
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