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感染症対策のために企業の働き方も大きく変わっています。
今までの日本の働き方は時代に即さなくなってきて、代わりに「ジョブ型」といわれる欧米では一般的な雇用形態が注目を浴び始めています。

ジョブ型はWEB制作会社などで取り入れられることが多いですが、実は営業組織でも取り入れやすい雇用スタイルなのです。 営業組織を「ジョブ型」化することによって、プレイヤーにとってもマネージャーにとってもメリットを受けることができるでしょう。

今回は営業職のジョブ型について詳しく解説していきます。

▶︎▶︎オンラインでも業績UPのコツとは?

withコロナで露見されたリモートワークでの人事評価の難しさ

ジョブ型雇用と営業職|導入すべき理由と評価方法とは?| Mazrica Sales (旧 Senses) Lab.|1

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、東京都を中心にリモートワーク(テレワーク)という働き方が急速に広がりました。
なかなか収束の兆しが見られず、リモートワークを継続している組織も少なくありません。
株式会社あしたのチームが2020年7月21日に発表した調査によると、全国緊急事態宣言発令時にテレワークを経験した300名のうち「今後もテレワークをしたいと思う」と答えた人は全体の78.6%(「そう思う」42.3%、「ややそう思う」36.3%)という結果になり、ビジネスパーソン本人もリモートワークの価値を感じているようです。

その一方で“メンバーと顔を合わせずに仕事をする”という働き方ならではの課題も浮き彫りになっています。
「テレワーク時に仕事ぶりの評価について不安を感じたか」という人事評価についての質問では、「感じた」13.3%、「やや感じた」36.7%という回答結果になり、少しでも不安を感じている人は半数にのぼりました。
中でも社歴やキャリアが浅い20代は「感じた」14.7%、「やや感じた」44.1%となり、リモートワークでの人事評価に不安を感じている人が多いという結果になりました。
そんな中で「今後テレワークを想定してどのように仕事ぶりを評価してほしいか」というこれからの人事評価についての質問に対しては、「予め設定した目標の達成度」を評価してほしいという人が55.2%でした。

▶︎▶︎リモートワークの実態とは? リモートワークでサボっている人も……?

このリモートワークならではの人事評価の課題は、実際に評価をつける側の管理職の立場のビジネスパーソンも感じています。
同社の2020年4月調査によると、73.7%がリモートワーク時の部下の人事評価について「オフィス出社時と比べて難しい」と回答。

理由として「勤務態度が見えないから」72.6%、「成果につながる行動(アクション数、内容等)を細かく把握しづらいから」67.1%、「勤務時間を正確に把握しづらいから」45.2%という回答となりました。
これを受けてテレワークに適していると思う人事評価制度を質問してみると「成果(数値結果)をもとにした評価制度」と答えた人が77.0%となり、評価する側もされる側も人事評価の難しさに直面していることが分かりました。

「ジョブ型」導入の必要性

これからのwithコロナ時代の日本では働き方の変革が一層求められるため、このような人事評価の課題は更に拡大することが予想されています。
そこで注目を浴びているのが、欧米企業や外資系企業が導入している「ジョブ型雇用」。
事前にジョブ(職務)を明確に定め、その仕事のスキルや経験を持っている人を配置するという雇用方法です。

具体例としてWEB制作を想像してみるといいかもしれません。
WEB制作の大まかな流れは、営業が顧客と打ち合わせた内容をプログラミング、デザイン、コーディングなどと分業して完成させます。
つまり、一人の力で完成させるのではなく、それぞれの業務のプロフェッショナルを配置してプロジェクトを完遂するのです。
このようなジョブ型雇用では業務の細分化が不可欠であり、一つひとつの仕事に対して評価基準を設ける必要があります。
これは先述のような「予め設定した目標の達成度」や「成果(数値結果)をもとにした評価制度」といった評価の仕方がしやすくなり、現在の日本の人事評価制度の課題を解消できる可能性が高いのです。

ジョブ型とは?メンバーシップ型との違い

ジョブ型雇用と営業職|導入すべき理由と評価方法とは?| Mazrica Sales (旧 Senses) Lab.|2

それでは「ジョブ型雇用」とは具体的にどのようなものなのかを確認する前に、従来の日本の雇用方法を振り返ってみましょう。

従来の日本型雇用は「メンバーシップ型」といわれ、新卒で一括採用した人材に一斉に教育をし、適性や会社の状況に応じて部署・職種に配置するという方法です。
メンバーシップ型では年功序列で終身雇用されるため、一人の社員は全ての社内職種(業務)をこなせることを前提として総合的に任されることになります。
つまり「メンバーシップ」という名の通り、組織の一員として社員全員で協力し合いながら会社を成り立たせます。

仕事の成果に対する報酬よりも、残業代などの労働時間に応じた報酬であることが多く、リモートワークや時短勤務などが一般化しつつある現在の働き方には適さなくなってきました。
そこで、メンバーシップ型に代わるのが「ジョブ型」という雇用です。
仕事の内容や範囲を明確に定めてそれに合った適性やスキルを持つ人材を採用することで、その中での目標管理や評価をします。

「Aさんはこれをやる人」「Bさんはあれをやる人」と目標設定をすることにより、個人の専門性を高めてプロフェッショナルを作り出すこともできます。
ジョブ型雇用では「ジョブディスクリプション」と呼ばれる仕事内容や必要なスキル、目標や条件を具体的に規定した書類に落とし込むことで、どのような人材が必要なのかを明確化します。
端的に表現すると、メンバーシップ型はまずは人材を採用してから適性を見て配置するのに対し、ジョブ型は配置先が決まっていてそこに人材をあてがうという違いがあります。

このジョブ型雇用はもともと欧米では一般的なもので、日本でも外資系企業で多く取り入れられています。
日本企業で注目を浴びるようになったのはコロナ禍でのリモートワーク普及のタイミングで、日立や富士通などの企業もジョブ型を導入する意向であると報じられました。

営業職にも「ジョブ型」が導入しやすい理由と評価方法

ジョブ型雇用と営業職|導入すべき理由と評価方法とは?| Mazrica Sales (旧 Senses) Lab.|3

営業組織のニューノーマル

従来の営業スタイルは、一人の営業担当者がアポイント獲得から商談、クロージングまでの全ての営業プロセスを担当し、それに関わる提案書作成や請求書作成などの業務も行っていました。
しかしコロナ・ショックは営業活動にも変化をもたらし、オンライン商談やメールマーケティングなど営業のデジタル化・リモート化が進んでいます。

ところがこのような営業では、

・一人の営業担当者が独り立ちするまでに時間がかかること

・ITリテラシーが低いメンバーにとっては負担になってしまうこと

・各営業プロセスで必要となるスキルが異なるため各営業担当者にとってボトルネックとなる営業アクションが出てきてしまうこと

などが懸念されていました。

そこで営業の新しいスタンダードモデルとして各企業が導入を進めているのが、営業のジョブ型。
つまり営業プロセスを分業して、それぞれの業務に人を振り分ける方法です。
具体的な営業フローとしては、マーケティングから引き継いだリードをインサイドセールスが育成して商談化し、フィールドセールスが実際の商談を行います。

 

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営業といっても、インサイドセールスが必要とするアポイントを獲得するための見極めやテレアポのスキルと、フィールドセールスが必要とする交渉や提案のスキルは異なるため、分業することでそれぞれのスキルに特化したプロフェッショナルになることができるのです。
分業することによって生産性も向上するため、組織としても大きなメリットを得ることができるでしょう。

営業におけるKPIの細分化と評価方法

営業をジョブ型化するにあたって業務を細分化する必要がありますが、その際にはまずは目標となるKPIを細分化すると良いでしょう。
KPIとは最終ゴールであるKGIを達成するための「中間目標」となる指標なので、KGIを「売上総額」とする営業組織では、中間目標となるKPIは「商談件数」「受注率」「顧客単価」などになります。
KPIが定まることでそれぞれのKPIを達成するためにやらなければいけないことが明確になります。
例えば、商談件数を増やすためには「テレアポをする」「オウンドメディアを始める」「WEB広告やSEOに力を入れる」などの業務が発生するので、それぞれをジョブとして振り分けることが可能になるのです。

これらのジョブは細分化したKPIを基準にして定めているため、評価する際にもKPIを重視する必要があります。
具体的な数値目標を設定することによってジョブの達成度を計測することができます。
数値を評価していくためには、それぞれのジョブに関するデータを細かく蓄積して分析しなければいけません。

▶︎▶︎データを活用した再現性のある営業活動の仕組み作りはセールスイネーブルメント

営業組織の場合は、単に「売上金額」「受注件数」といった指標だけでなく、「顧客」「流入チャネル」「アクション内容」などのデータと組み合わせて分析しなければ正しく測定できません。
成果に結びつけるためには、見るべきデータをしっかりと蓄積していける環境を整備する必要があります。
そのためには、SFAやCRMなどのデジタルツールを活用してデータを蓄積・分析していきましょう。

SFA/CRMを活用した評価方法 ―Mazrica Sales (旧 Senses)(センシーズ )の活用例

先述の通り、ジョブ型の営業組織での人事評価ではSFAやCRMの活用がおすすめです。
今回はSFA「Mazrica Sales (旧 Senses)」を例にして、具体的なジョブ型の評価方法をご紹介します。

Mazrica Sales (旧 Senses)では主に「顧客データ」「営業案件データ」「営業アクション(行動)データ」「目標値データ」などを管理することが可能です。

これらのデータはそれぞれが紐づいており、担当者や取引先、営業アクションやチャネルなどさまざまな基準から分析をすることができます。

例えば、売上金額をKPIとしている場合は営業担当者ごとの売上実績や売上予測金額をグラフ化したり、受注率をKPIとしている場合は営業担当者ごとの受注率や営業フェーズごとのファネル分析をしたりするなど、多角的に数値を分析できます。
これらの営業活動に関わるグラフや表を、Mazrica Sales (旧 Senses)では自動で抽出することが可能。

▶︎▶︎【90秒動画】Mazrica Sales (旧 Senses)のデモ動画はこちら

ファネル分析

カスタムレポート機能を活用すれば、自社にとって必要なデータ同士を組み合わせて更に精度の高い分析をすることができます。
また、2020年3月にリリースされた「ダッシュボード機能」では、複数のカスタムレポートを一画面に集約。
必要なデータのみをすぐに確認することができるため、効率的に評価業務をこなすことができるでしょう。

 

【料金】
・Starter:月額2.5万円~
・Growth:月額10万円~
・Enterprise:月額30万円~

【URL】
https://product-senses.mazrica.com/

終わりに

今までの営業職は一人の営業担当者がアポイントからクロージングまでの全プロセスを担っていましたが、これからは分業することで効率的に生産性を上げていく必要があります。
プレイヤーにとっては自身の得意を伸ばしてプロフェッショナルを目指すことができ、マネージャーにとってはリモート環境下でも管理や評価がしやすくなるというメリットがあります。
これからの時代に合わせた営業組織はジョブ型が主流になっていく可能性が高いため、制度設計や環境整備を進めていきましょう。

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Mazrica Business Lab. 編集部
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Mazrica Business Lab.はクラウドアプリケーションMazricaの開発・提供を展開する株式会社マツリカが運営するオウンドメディアです。営業・マーケティングに関するノウハウを中心に、ビジネスに関するお役立ち情報を発信しています。
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