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皆さん、こんにちは!マツリカの佐藤です。フェスティバルライフを謳歌していますか?

今回はサイドストーリー第3弾(過去分はこちら vol.4 , vol.8 です。)です。私の祭り化した原体験の中で生まれた印象的な学びや大事にしている考えをお届けします。

さて今回も高校時代の夏のある日の出来事です。私の高校では9月に体育祭が行われていたので、夏休みは重要な準備期間になっていました。そんな夏休みに入る前のことでした。教室の後ろに貼ってあったチラシが目に飛び込んできました。

第2回俳句甲子園、参加チーム募集中!!

「なんだ、これは…。俳句にも甲子園というものが存在するのか。しかも申し込めば参加出来る、そんなハードルの低い甲子園があったのか…!!」

もちろん俳句の嗜みなどこれっぽっちもありませんでしたが、私達はルールを見て「これなら気合いでいけるのではないか!?」そう思ったのでした。

5人1組のチームで参加すること、また「議論」による俳句の鑑賞点を競うこと

俳句甲子園の試合は赤白に分かれて対戦します。

各チーム1句ずつ披露し、それぞれ制限時間内に質疑応答を行います。両方の句に対して議論が終了すると、複数の審査員がどちらかの旗を上げ、その本数で勝敗を決めます。

そして、その判定は俳句の出来である「作品点」と、議論の内容である「鑑賞点」の総合判断で決めるようになっています。

つまりは、俳句を創る力が無くとも「議論に勝てば何とかなる」ということです。実際はそうではないのですが(笑)、あの時の私達はそう判断したのです。そして「なんかオモロそうやし、勝てそうやし、申し込もう」とその場のノリで申し込んだのでした。

そしてそれから一ヶ月以上経った当日の朝…。眠たくて面倒臭くてドタキャン寸前でしたが、皆で何とか会場に向かいました。もちろん事前準備ゼロです。ただどうしても1名だけ都合がつかず、急遽代打として「J君」を呼び出て参加してもらうことになりました。J君は心の準備もゼロのままの会場入りとなりました。

ここからの記憶はかなりうろ覚えなのですが、当日に「朝顔」とか「風鈴」とかお題(季語)が提示され、その場で考えて提出する形式だった気がします。もしかすると予選のお題は事前に通達があったかもしれませんが、少なくとも私達はその場で考えました。

さて私達の結果はいかに・・・

今思えば大変失礼な振る舞いだと思うのですが(苦笑)、俳句自体は適当に創っていました。私達は俳句部でも何でもないので、「五・七・五で季語を入れる」、「字余り・字足らず」くらいしか知りません。

かろうじて種田山頭火先生は知っていたので、「無季自由律」という存在は知っていましたが、ハードル高過ぎです。そこを意識すると、全て「分け入っても 分け入っても 朝顔」とか「分け入っても 分け入っても 風鈴」とか全部に分け入ってしまいそうです。

ただ私を含むチームメンバー(当日参加になったJ君以外のメンバー)は討論には勝てるという自信だけはありました。今にして思うと、討論に強いとかではなく、勢いを武器に、揚げ足を取り、挑発や屁理屈を繰り返していただけなので、単にディスっていただけです(笑)。

ただ実際に初戦、2回戦と順調に予選を勝ち抜くことは出来ました。

「やはり気合いで何とかなる。気合いと勢いでこのまま優勝や!」

そして準決勝です。テーマは「鰯雲(いわしぐも)」です。私は先鋒でした。先手必勝でいこうと意気込んでおりました。

しかしさすがは準決勝。私達がどれだけ屁理屈こねても挑発しても意に介さず、です。

淡々と自分達の句に込めた意味、私達の句の浅さを指摘してきます。

私の句は惨敗でした…。

次鋒にもエースを据えていましたが、まさかの敗北。後がありません。

その間もJ君は一言も発していません。

私は「来てくれただけで御の字。いきなりだし仕方ないよな…」と諦めていました。

そして三句目です。敵チームは次のような句でした。

「大空に スクラム組んだ 鰯雲」

たぶん違います(笑)。

ただ鰯雲の様子をスクラムに見立ててその力強さや雄大さを表現していたような句でした。

句自体もそうでしたが、句の説明の納得感があり過ぎて、私達はうまく先方の弱点を突くことが出来ず、まさに防戦一方です。客観的に見て三本目も取られておかしくない状況でした。

その時でした。突如、J君がマイクを取り上げました。

えっ? J君、なんだ!?

そして控えめに語り始めたのです。

「スクラムっていうのは・・・」

この言葉しか覚えていませんが(笑)、ラグビーだった彼が、本当のスクラムっていうのを知っとるんか!!と、言ってくれたわけです。

鰯雲というのは、細長い雲が集まってイワシの大群のように見える雲です。

スクラムというのはそういうものじゃない。
スクラムっていうのは男たちが密集し合う、もっと力強く神々しいものである。
鰯雲を表現するのに全く適していない。

と実感を込めて語ってくれたわけです。

J君――――!!!!!

対戦相手はぐうの音も出ていませんでした。リアルに勝るものはなし。彼らは俳句部なので俳句の熟練者ではあると思いますが、ことスクラムに関してはJ君なのです。

これまで無言だったJ君が魅せた、ここ一番の一閃!!これは効きました。

一気に形勢逆転です。当然、この3本目は獲りましたし、その後、奇蹟の大逆転をかまして決勝に勝ち上がったのでした。

私はこの俳句甲子園を通じて、色々なことを学びました。

  • 勢いでやってみることが大事。
  • 世の中、大概のことは気合いで何とかなる。しかし、気合いだけでは何とかならないことも稀にある。
  • リアルに勝るものはなし。

少しだけ決勝のことを。

決勝は県内屈指の進学校が対戦相手でした。ボッコボコにされました。3-0で完敗です。句が難し過ぎて何を言っているか分かりませんでしたし、討論もムカつくほど冷静でしっかりしたものでした。

彼らは俳句に真剣に向き合っていたので当然ですよね。本当に凄かったです。

ちなみにその時に最終優秀賞を獲得した方は、その後、わが母校で俳句部の顧問をやっていらっしゃいました。当時、俳句部は無かったと思いますが、今では俳句甲子園に最多出場している高校になっています。

そのきっかけを創ったのは、もっと言うならば、俳句甲子園を全国区の大会にしたのは僕ら功績だと密かに思っています♪ちなみに私が披露した句に興味がある方はいつでもご連絡ください(笑)。ここに載せるのは恥ずかしいので直接お伝えします!

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Mazrica Business Lab.編集部
Mazrica Business Lab.編集部
Mazrica Business Lab.はクラウドアプリケーションMazricaの開発・提供を展開する株式会社マツリカが運営するオウンドメディアです。営業・マーケティングに関するノウハウを中心に、ビジネスに関するお役立ち情報を発信しています。

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