「SALES SOFA TALK」は、VUCA時代と言われる今、競争激しいビジネスシーンをサバイブする営業パーソン、経営者・役員・営業責任者の皆様に有益な情報をお届けするトークイベントです。毎回豪華ゲストをお招きし、営業にまつわる旬の話題や課題をテーマに最新のノウハウをお話いただきます。

第二回目は、株式会社RocketsからCSO(最高戦略責任者)の鈴木 純太氏をゲストにお招きし「営業パーソンのコンテンツ戦略」について対談しました。

実際のYoutube動画はこちらから!

<GUEST>
株式会社Rockets CSO(最高戦略責任者) 鈴木 純太氏

デザイナーからキャリアをスタート。27歳から営業をはじめ、KDDIグループのmedibaに売却した株式会社AppBroadCastで営業を担い、売却までの営業売上の大半を担当。その後、朝日新聞社アクセラレータープログラムでの営業講師など、スタートアップの営業を数多く支援。現在はスタートアップの営業支援をしながら、株式会社RocketsでCSOを務める。また、Voicyパーソナリティとして、「スタートアップ営業ラジオ」を平日毎朝配信。

<聞き手>
株式会社マツリカ執行役員 VP of Sales & Marketing 中谷 真史
新卒にて外資系製薬会社へ入社、MR約1000名中トップセールスを経験。その後コンサルティングファーム2社にて、セールス分野のプロジェクトを中心としたコンサルティングに従事。2018年よりマツリカに入社。カスタマーサクセス統括部長に就任し、顧客のSenses活用による営業成果向上の支援に従事した後、現在では執行役員として営業・マーケティング組織を管掌する。また平行し、Sales Science Lab, Inc. Founder & CEOを務める。
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なぜ、営業がコンテンツを考える?

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鈴木さん:前回では今井さんが「コンテンツが大事」というお話をされていたので、今回はセールスマンにフォーカスした話をしようかなと思います。

まず、セールスがコンテンツを考える理由ですが、自分のアピールができること、仕事につながること、キャリアにつながることの3つがあると思っています。

かくいう僕も、1年半前は誰にも知られていないセールスでした。しかし、継続的に発信することで役職についたり、Voicyのパーソナリティになれたりとか。ほかにも、リードや受注にもつながったり、いろんな人とつながって、そこからビジネスに発展することも多くありました。

中谷さん:キャリアチェンジを狙って、発信をはじめたのですか?

鈴木さん:自分のMAXの行動量や売上がある程度見えてきたころに、自分のノウハウやスキルをコンテンツとして発信し、営業を自動化できないかなと思ったのがきっかけですね。

中谷さん:「セールスもコンテンツの時代」とは言われていますが、個人単位で見ると、意外と数える程度しかいないですよね。難しいからなのか、それともやるのが億劫なのか、なぜなんでしょう?

鈴木さん:うーん……色々あると思いますが、「自分は優れたコンテンツなんて書けない」と思いこんでいたり、継続できなかったり、とかがまず考えられますよね。

また、自分のノウハウをシェアしたくないというのも理由の一つとしてあるかもしれませんね。ノウハウをシェアすれば、会社全体の生産性や営業レベルは上がるけれど、個人の成績は落ちるかもしれないわけで。

中谷さん:確かにそうですよね。スペシャリティがない人たちも、まずはやってみたほうがいいってことですか?

鈴木さん:セールスは、現場に出ているから、たくさん情報入るじゃないですか。だから伝えられることは多いと思うんです。とはいえ、同じようなトーク、営業をしていると、インプット(気づき)は生まれてきません。日々インプットが増えるような提案をお客さんにできているかがポイントになってくる気がしますね。

どうやって営業がコンテンツを考える?

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鈴木さん:まずは、「とにかくやる」ことが大事です。他の人がやりだしたら、もう遅いので。チャレンジのハードルを下げて、PDCAを高速で回すことが大切ですね。最初の記事やツイートには反応はないですが、それでも少しずつ改善しながらやっていけば、フォロワーや反応の数は必ず増えていきます。

それに、TwitterなどSNSでの発信を積み重ねていけば、それをまとめるだけでnoteのコンテンツにすることができるので、継続は大事ですね。もし、社外で発信するのはハードルが高ければ、社内報や社内通信みたいな感じで、まず社内向けで発信の練習をしてみてもいいですよね。

中谷さん:人に求められているとかではなく、僕は吟味して自分が納得できるモノを出すみたいな、自分の主張をどこかにぶつけることを大切にしていますね。だから、あまり更新頻度が多くないんです。少々、職人気質なのかもしれませんが(笑)

鈴木さん:最初は、とにかく数をこなしていき、最終的にはそうなっていくと理想かなと思いますね。それがまさに「独自の価値」ですよね。

例えば、日記はみんなできることだから価値が出ないんですよね。自分の名前が誰かの名前になっても成立しそうなコンテンツですよね。文体も内容も具体例も、あの人の記事だなと思ってもらえる文章にできると理想ですよね。

中谷さん:鈴木さんの資料は一発で分かるし、見やすいですよね。セールスって、わかりやすい資料を作るのが苦手な方が多いと思っていて、そのあたりはいかがですか?

鈴木さん:デザイン的な部分だけじゃなく、内容とスライドが一致していなかったり、構成が整っていなかったりするのは気になりますね。ただ、資料作りは、普段セールストークのときに頭の中で無意識にやっていることと一緒だと思っていて。その話の組み立て方や構成を考えることは発信にも役に立つと思います。

まず、営業として何をする?

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鈴木さん:さっきもお話しましたが、実践してそれを言語化することはセールスが日頃からしていることだと思っていて。その出来事を抽象化すればノウハウになるし、業界に絞れば独自価値になりますよね。だから、セールスはものすごくコンテンツを作るのに適した仕事だと思います。

中谷さん:実践から言語化、どのセールスにもできそうですね。ちなみにスライドにある「日常と生産を結ぶ」というのは、具体的にはどういうことでしょう?

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鈴木さん:日常生活で、コンテンツになりそうなネタを常に集める習慣をつけることですね。僕は、細切れにメモしたり、下書きにメモしたりしているのですが、こうしていると、少し加工するだけで、すぐにSNSで発信できたりするので。

Q&Aコーナー

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Q:さっきのスライドのデザインはKeynoteで作られているのですか

鈴木さん:このスライドは、Illustratorで作りました。普段から使い慣れているから、Illustratorを使っていますが、このくらいのデザインならPowerPointやKeynoteでも作れます。デザインは色彩感覚よりも論理構成が大切です。構成が美しければ、自然とデザインもきれいになるので。

Q:どのくらいの登録数(フォロワー数)があれば、コンテンツ成功といえますか?

鈴木さん:登録数があってもエンゲージメントが低ければ意味がないと思っていて、良い出会いや、リード数や受注数が生まれることが大切ですね。

中谷さん:ちなみに、SNSからの問い合わせって、実際にどのくらいありますか?

鈴木さん:そうですね。記事からの問い合わせは月数件ほどあります。ただ、全てが受注につながるわけではなくて。すぐに導入しそうな確度の高いお客様は営業しますが、まだ時期が違う方には、「フォローしてください」とか「メルマガ登録お願いします」みたいに、まず僕のことを知ってもらうようにします。この誘導する「受け皿」の部分は何が良いのかというのは、いつも検証しています。

中谷さん:note、Twitter以外でやっているSNSはありますか?

鈴木さん:Facebookコミュニティは3つやっていて会員数が各100人くらい、メルマガを毎週月曜日に配信しています。会社の名義なんですが、僕が全部書いています。

中谷さん:Twitter、noteなどそれぞれ足すとざっくり5000人くらいのフォロワーになるかと思いますが、その中で実際に会ったことがある人はどのくらいですか?

鈴木さん:数十人くらいだと思います。

中谷さん:なるほど……!では、ほぼ知られていない人に情報発信しているんですね。

Q:SNSはそれぞれどのくらいの頻度で投稿していますか?

鈴木さん:noteは月1回、Twitterは平日毎日、voicyの平日毎朝、インスタは毎日、メルマガは月一回ですね。基本的に、コンテンツの再利用をしているので、回り出せばそこまで大変ではないです。同じコンテンツを配信していても、それぞれSNSで層も違うので、むしろいろいろなSNSで発信したほうがいいのかなと思います。

Q:良い構成を作るコツは?

鈴木さん:難しいですね。逆に中谷さん得意じゃないですか?

中谷さん:セールスが売上を上げるときに、商談数、成約率、リードタイム短縮、単価アップみたいな変数があって、それぞれの物事を分解したときに、どの変数が生まれるかというのは常に考えています。基本的には頭の中で論理構成を組み立てていますが、複雑な時はホワイトボードに落とし込みますね。

鈴木さん:noteを書く時も書き出したりするんですか?

中谷さん:そうですね。このスライドのように、フレームワークを使ってまとめます。

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鈴木さん:箇条書きにするより、粒度を揃えたほうがキレイに見えるというのはありますね。「グロービスMBAクリティカル・シンキング」とかは、このあたりの話が書かれていて参考になりますね。

Q:なぜ営業なのに金髪なんですか?

鈴木さん:白髪が多いから染めたくて、でも黒に染めたくないから色染めしたってだけなんです(笑)あと、Voicyやりはじめたときに、他社の方がすでにやられていて、髪色がピンクで……。あれってまさに独自価値じゃないですか。自分も独自価値を出そうと意識して金髪にしている側面もありますね。

Q:思考をコンテンツに落とすときに、どのように整理していますか?

中谷さん:ホワイトボードで整理していますね。

鈴木さん:僕は、ホワイトボードにひたすら箇条書きで書いて、そのあとにグルーピングするようにしていますね。

Q:プロダクトにユーザーの声を反映させることが難しい、セールスチームからプロダクトを引っ張るコツは?

鈴木さん:いくつかポイントがあって、一番いいのはユーザーの声をプロダクトチームに話すことかなと。議事録にメンションをつけたりして、議事録をきっかけにコミュニケーションを作る文化ができるといいのかなと。

中谷さん:プロダクトチームとレベニューチームの壁をどれだけなくせるか、風土作りの話にもなってきますよね。

Q:中谷さんのコンテンツ発信のモチベーションは?

中谷さん:僕は完全に自己満足です(笑)それを隠す必要もないのかなと。みんなに認められたいというのもあって、質が高くて自分が納得できるコンテンツを出したいと思っていますね。

鈴木さん:いま本を書かれているそうですけど、それはどういったモチベーションなんでしょうか?

中谷さん:「セールスというアートをサイエンスして日本の営業をアップデートする」ことをどうすれば達成できるかを常に考えていて、2021年は”セールスサイエンズ”元年にしたいです。出版だけじゃないですけど、それを皮切りに色々仕掛けられたらなと。

鈴木さん:人間味とサイエンス、このバランスはどう考えているんですか?

中谷さん:7〜8割は平準化しようと。人がセールスを行う以上、その先はサイエンスしきれないと思っています。サイエンスして標準が引き上げられて、はじめてクリエイティビディが発揮されるのかなと。

Q:コンテンツに記載すべき箇所と口頭で説明する場所はどのように切り分けていますか?

鈴木さん:コンテンツって、概念みたいなものだと思っていて。トークスクリプトが図になっていたり、記事になっていたり。トークだろうか図だろうか、形が違うだけなので、あとはどうお客さんに合わせて提供するかだと思います。

あと、転職したばかりだと、すでに資料があるケースも多いと思いますが、僕の場合だと、一回分かりやすく作り変えてしまいます。いつも、転職したらそれを最初にやりますね。

まとめ

今回のウェビナーでは、鈴木氏・中谷氏から、セールスコンテンツの具体的な作り方・ポイントについて、セールスマン側の視点でお話を聞くことができました。第3回目は、株式会社ベーシック パートナーアライアンス推進室 室長の持田 雄一氏をゲストにお招きし「セールスイネーブルメント」をテーマにお話を伺います。

SALES SOFA TALK #03 持田雄一氏

セールスイネーブルメント -経営層・営業マネージャーが取り組むべき営業改革-

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Mazrica Business Lab. 編集部
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Mazrica Business Lab.はクラウドアプリケーションMazricaの開発・提供を展開する株式会社マツリカが運営するオウンドメディアです。営業・マーケティングに関するノウハウを中心に、ビジネスに関するお役立ち情報を発信しています。

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