営業の現場やマネジメントの現場で役に立つ本は、世の中にたくさん流通しています。
しかし、毎日忙しい営業部門の方にとっては、本から学ぶことが多いとは分かっていても「本を読む時間なんてないよ」という方も多いかもしれません。そんな方に、今回は「スキマ時間でもいいから、この本だけは読んでほしい!」という編集部おすすめの本をご紹介します!
配属されたばかりの新人営業マンも、マネジメントの立場の営業部長も、ぜひ読んでみてください。
現場営業パーソン向け
まずは、現場営業パーソン向けのおすすめ書籍を解説します。
SalesTech大全 攻めの営業DXを実現する最先端テクノロジー
本書は、営業を取り巻く環境変化を解説しながら、日本のみならず、世界に目を向けて最先端のテクノロジーを紹介しています。
革新的な技術進歩の中で、私たちの購買プロセスは劇的に変化し続けています。
VUCAと呼ばれて久しい現代ビジネス界において、その変化がより顕著に、複雑化していることは、最前線で戦う営業パーソンであるほど、肌で感じていることでしょう。
しかし同時に、営業パーソンにとっての追い風も吹いています。
営業生産性を向上させるツールやソフトウェア、いわゆる「SalesTech(セールステック)」の加速度的な発達が、営業活動の効率化・高度化をかつてないレベルで実現可能にしています。
最新のテクノロジーを正しく利活用し、営業パーソンが進化して行くためにはセールステックをパートナーとして営業活動を行う必要があります。
本書を通してトレンドからDXの進め方までを学ぶことができ、セールスパーソンとしてステップアップしたい方におすすめです。
営業の科学
本書は、著者の高橋浩一さんが12年にわたり4万人以上の営業パーソンを指導し、2万人の営業データと顧客調査をもとに、営業の成果を最大化するためのノウハウを科学的に解き明かしています。
「お客様の本音がわからない」という営業の壁を乗り越えるために、努力が実を結ぶポイント(=急所)を明確にし、それに基づいた具体的なアクション(=武器)を学ぶことができます。
データとロジックを活用し、誰でも成果を上げられる体系化された手法が特徴です。
特に「ガンバリズムの罠」や「購買者の仮面」という概念を通じて、努力の方向性を正し、顧客の本音を引き出す提案活動を提唱している点が特徴です。
これらの理論は、営業活動をより効率的に進めるための実践的な方法としてまとめられ、アポイントや受注の増加につながるとしています。
本書を通じて、がんばり方を変えることで、どんなに努力しても成果が出ないという悩みを解消し、営業チーム全体の成果を向上させるためのヒントが得られます。
Sales is 科学的に成果をコントロールする営業術
本書では、営業支援のトップ企業セレブリックスが23年にわたって蓄積した営業ノウハウを公開しています。
勘や偶然に頼らず、科学的なアプローチで「成果をコントロールする」手法を確立してきた彼らは、これまで1,100社・12,000商品を取り扱い、成功してきました。
そのメソッドの中には、トップセールスが持つ「売れるマインドセット」、新規顧客へのアプローチ方法、営業プロセスを細かく分割して問題点を排除する手法などが含まれます。
これらのノウハウは、営業の基本から商談での具体的な戦略までを網羅し、営業マンのレベルに関係なく役立つ内容が詰まっています。
また、本書の特徴は、そのメソッドが新人からベテランまで幅広く応用できる点にあります。
営業パーソンが持つべき基本的なマインドセットを確立させるだけでなく、顧客との商談の中で他者と差をつけるための具体的なテクニックまで詳細に解説されています。
さらに、このノウハウは本来、営業支援の顧客向けに提供される高額な内容であり、それが一般向けにわかりやすく解説されている点も大きな魅力です。
商談の際に接戦を制するための「3つの質問」や、顧客の期待と実際の営業活動のズレを解消する「4つの力」など、実践的かつ再現性の高いメソッドが紹介されており、
多くの営業パーソンがこの手法を活用して売上を劇的に向上させています。
無敗営業
本書は、営業力を「技術」として誰でも習得できるものとし、その技術を体系化した内容が魅力です。
著者は先述の営業の科学を執筆している高橋浩一さんで、東京大学卒業後、外資系戦略コンサルを経て起業し、これまでに3万人以上の営業パーソンを指導した経験があります。
その実績を基に、営業で確実に成果を出すための実践的なノウハウを紹介しています。
特に注目すべき点は、顧客との情報ギャップを埋める「3つの質問」や、顧客の期待と営業活動のズレを解消する「4つの力」を具体的に解説している点です。
これにより、営業担当者が勘や経験に頼らず、誰でも再現可能な形で成果を上げることができる方法が示されています。
実際に「営業を科学する」というモットーのもと、着実な成長と成果を手に入れた事例が数多く寄せられています。
営業活動で困難に直面している人や、さらなる成長を目指す営業パーソンにとって、目から鱗が落ちる内容が満載の一冊です。
もっと売上を上げたい、利益の高い商材を売りたい。営業マンなら誰しもが思うことです。ただし、それがお客様に対しての「押し売り」になっているのなら、それは営業ではなくなってしまいます。
営業職の本質が分かる本や、営業職として働いていくための心構えなどを学ぶことができる本を5冊ご紹介します。
嫌われる勇気-自己啓発の源流「アドラー」の教え
フロイトやユングと並ぶ心理学者アドラーの思想を、青年(質問者)と哲人(回答者)の対話形式で進めていく自己啓発書です。心理学と聞くと難しそうだと感じる方もいるかもしれないですが、こちらの本は対話形式となっているので、わかりやすく学ぶことができます。
営業職について書かれている本ではないものの、今回のテーマで紹介するのには理由があります。それは、営業職とは人と接する機会が非常に多いから。その分、つらいことも多い職種です。
例えば、失注してしまったつらさ、営業先に冷たくされたつらさ、上司から叱責されたつらさなどが挙げられます。こんなつらさも、営業先や上司が原因なのではなく、実は自分が引き起こしているものだというのがアドラー心理学の考え方です。
「なんで自分ばっかり…」などと劣等感を感じている方や、「他人に良く見られたい」などと思っている方にとっては、目から鱗の一冊。今までの考え方とは違った見方で物事を考えていくことで、日々感じているつらさも和らいでいくはずです。
凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク
伝説のマーケターとも言われるマーケティング・コンサルタントの佐藤昌弘氏の著書。
タイトルに「魔法のセールストーク」と書かれていますが、実はそこまで特別なことは本文中には書かれていません。商談などの際に話す基本的なテクニックについて学べるのですが、商材を無理やり売り込む話術などにも言及されていません。
セールスとは、相手が本当に望んでいるものを聞き出し、そのニーズに合った商材を提案するというシンプルな仕事です。
営業の成績が良い人は、人柄ももちろんですが、相手のニーズを聞き出すのが上手だという素質もあるかもしれません。
その“相手が望んでいることを聞き出す”のは、実はちょっとした工夫を加えれば良いだけ。4つのステップに沿って話していくだけという覚えやすいテクニックなので、一読の価値はあります。また、営業職を始めたばかりの新人に読んでもらうのもおすすめですよ。
営業は準備力: トップセールスマンが大切にしている営業の基本
筆者のソフトブレーン・サービス株式会社代表取締役の野部氏がトップセールスマン2,000名に調査した結果、「営業成績の良い人は、事前準備力とヒアリング力が強い」ということが判明。その内容から営業力を紐解いていくのが本書です。
事前準備力とヒアリング力が営業力にも結び付きます。商談の場で、顧客からどんな質問が投げかけられるか・顧客がどんな問題を抱えているのか。
その仮説を立てながらきちんと準備している営業パーソンであれば、実際の商談の場でどのようにヒアリングするべきかも瞬時に判断でき、質問や要望を言われても対応できるようになります。
何も事前準備をせずに商談の場に行っている方、営業がマンネリになっていてただ商談の場をこなすだけの方、自分もトップセールスに仲間入りしたいと思うのならぜひ一度読んでみましょう。
▶︎▶︎トップセールスに共通する法則を知りたい方はこちらから
営業マネージャー向け
慣れないマネジメントに頭を悩ませていたり、組織内のコミュニケーション不足を感じているマネージャーは多いはず。
取引先だけではなく、チーム内での人間関係にも気を配る必要があるので、気苦労はひとしおかと思います。そこで、マネージャー職にとって大切な力を学ぶことができる本を5冊ご紹介させていただきます。
関連記事:営業マネージャーなら読むべき本とは?営業組織運営に役立つ本5選
THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス
本書では、著者がオラクルやセールスフォースで得た経験を基に、マーケティング、インサイドセールス、営業、カスタマーサクセスの連携と分業から共業への変革を提案しています。
顧客が商談の半分以上を進めた段階で初めて接触する現状に対応するため、従来の営業手法からの変革が不可欠であることを唱えています。
著者は、マーケティング、インサイドセールス、営業、カスタマーサクセスの4部門が連携し、営業プロセスを最適化する方法を提案。
SFAやMAツールの運用方法も詳細に解説し、営業部全体を強化するための具体的な施策を提供しています。
さらに、顧客の期待と実際の営業活動とのギャップを埋めるための実践的なフレームワークも紹介されています。
これにより、部門間の連携を強化し、競争力を高め、持続的な成長を実現することが可能です。
特に、営業部門を率いるマネージャーとして、組織の中で効率的かつ科学的に成果を最大化するための方法論が豊富に盛り込まれています。
組織の目標を達成し、営業活動を次のステージに引き上げたい営業部長にとって、この本は必読の一冊となるでしょう。
人を動かす
本書は、ビジネスパーソンにとって不朽の名作とも言われています。タイトルの通り、人を動かす立場にあるマネージャー職の方にとっては必読の一冊です。
人を動かすスキルだけではなく、人に好かれる法則、人を説得する法則、人を変える法則など、営業マネージャーに重要なスキルを学べます。
相手に関心を持ち、相手を認め、相手を非難しないことが大事だという内容。昨今重要視されている「聞く力」の原点とも言えます。
人間の原理や本質を紐解き、そこから自分がどのような言動をするべきなのかを説いています。
関連記事:【部長の役割とは?】課長との違いは?部長の6つの仕事を紹介
7つの習慣
自己啓発書としてロングセラー本。テクニックやスキルではなく、まずは自分自身の人格を磨くことが大事だと再認識させられる一冊です。人格は、日々の行動の繰り返し(習慣)によって形成されます。
管理職におすすめな理由としては、対人関係やコミュニケーションについても書かれているからです。
特に、本書で説いている「Win-Winの関係」は、顧客との関係だけでなく社内やチーム内でも意識すべきことだと分かります。
また、本書でも「聞く力」の大事さを謳っています。本書の内容を意識して習慣化していくことで、自分自身も成長していけるはずです。
3分間コーチ ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術
相手との対話によって相手のやる気を引き出す“コーチング”。本書はタイトル通り、とてもシンプルで簡単な方法を紹介しています。
それは、たった3分間だけ部下との会話の時間を設けること。その3分だけの会話によって、部下との関係が良好になったり、部下自身の自発的な行動を促すことができるのです。
ただし、ダラダラと3分間話すだけではいけません。その3分間の間に課題を解決するのではなく、自分自身の心の中で、内側で繰り広げられる会話(セルフトーク)に導くということが大事です。
具体的にどうすればいいか分からないという人にとっても、本書は実践的な内容が書かれているので参考になりますよ。なかなか部下との会話の時間を設けられない方にとっても、3分という短い時間でコーチングができるので負担にならずに済みますね。
最強の営業戦略 企業成長をドライブするマーケティング理論と実践の仕掛け
世界的な経営コンサルティング会社のA.T.カーニーが、今まで実践してきたメソッドの中で有効であると実証されたものを紹介した一冊。
戦略の立案からセールスへの落とし込みまでを、各ステップに沿って説明してくれています。実践的な内容のため、読んだその日から実行できるというメリットもあります。
本書で紹介しているフレームワークは高い評価を得ており、全てのフレームワークを実践することが難しくても、自社に合ったものや自社の課題に合ったもののみ実践してみることで、自社の営業力改善に繋がるのではないでしょうか。
終わりに
気になる本はありましたか?全てを読む必要はありませんが、自分のためになりそうだと感じたり、少しでも興味を持った本があったらぜひ読んでみてください。
2~3冊を並行して読むことで、知識が深くなるだけでなく、関連付けて読み進めることができるので自社に応用できる実践法を発見することもできると思いますよ。
今回紹介させていただいた本は、読んだだけでは身につきません。実際に実践してみることが大事です。
営業マネージャー向けのおすすめ本で紹介させていただいた本の中で、営業プロセスを可視化したり営業戦略を現場に落とし込むという内容のものがありましたが、営業支援ツールであるSFAを導入することで、より自社で実践しやすくもなります。
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