MAツールやメール配信システムを活用してマーケティング活動にメール配信施策を取り入れれば、効果的な顧客育成が可能です。
しかし、どちらを選ぶべきか悩む担当者は少なくありません。
そこで本記事では、MAツールとメール配信システムにおける機能やメリット・デメリットなどの具体的な違いを解説します。
おすすめの企業の特徴もご紹介しますので、システム導入の参考にお役立てください。
この記事の内容
MAツールとメール配信システムとは?
まずはMAツールとメール配信システムの違いについて解説します。
MAツールとは
MAツールとは、マーケティングオートメーション(Marketing Automation)の略称で、マーケティング活動を自動化・効率化を目的としたソフトウェアです。
顧客管理機能を搭載しており、見込み顧客の獲得や育成(リードナーチャリング)、営業アプローチ、顧客エンゲージメント強化を支援します。
MAツールを活用すれば、マーケティング施策を自動化できるため、生産性を向上させて商談獲得数を最大化することができます。
MAについては、次の記事も参考にしてください。
関連記事:MA(マーケティングオートメーション)とは?意味や導入メリット・おすすめのツールを紹介
メール配信システムとは
メール配信システムは、大量のメールを一斉配信できる特化型のツールで、メール配信業務の自動化や効率化を目的としています。
メールを作成・配信できるだけでなく、ABテストやセグメント配信も可能で、メールマーケティングには必須のシステムです。
視覚的な効果が期待できるHTMLメールも直感的な操作で簡単に制作できるのも特長です。
メール配信システムについては次の記事も参考にしてください。
関連記事:メール配信システム有料/無料14選を比較!機能や選び方も解説
MAツールとメール配信システムの違い
ここからは、MAツールとメール配信システムの機能、メリット、デメリットにおける違いを解説します。
機能
ここでは機能面での違いを解説します。
MAツールの機能
MAツールにはマーケティング業務全般を自動化・効率化する機能が多数搭載されています。
具体的には、顧客管理機能や見込み客の育成機能(リードナーチャリング)、シナリオ作成機能などがあり、効果的なマーケティング施策の実施を支援します。
MAツールはCRM(顧客関係管理)、SFA(営業支援ツール)などの外部ツールと連携可能なものが多く、社内全体で顧客情報を共有でき、顧客に対して一貫したアプローチを行えるのがメリットです。
また、多くのMAツールにはメール配信機能も搭載されています。
メール配信システムの機能
メール配信システムは、メールマーケティング専用の機能が搭載されているのが特長です。
例えば、一斉送信や顧客一人ひとりにパーソナライズされたメルマガ配信が可能で、効果的なメールマーケティングを実現します。
また、視覚効果の高いHTMLメール作成、メール開封率やURLクリック数の分析ができ、メールマーケティングに必要な環境をワンストップで構築できるシステムです。
メリット
次にメリット面での違いを解説します。
MAツールのメリット
MAツールのメリットは、マーケティング業務の一部を自動化し、効率化できることです。
業務を自動化することで作業効率が向上し、マーケティング部門におけるコスト削減が実現します。
簡易的な作業を自動化することで、本来の業務にあてる時間が増えるため、顧客提案やサポートにリソースを集中できるのも利点です。
MAツールには、顧客管理機能やパーソナライズ機能などが備わっているため、顧客情報に基づいたパーソナライズされたコミュニケーションが可能になり、顧客との良好な関係構築や顧客ロイヤルティの向上にも寄与します。
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メール配信システムのメリット
メール配信システムのメリットは、リスト作成やメールのパーソナライズなど、メールマーケティングの業務効率を大幅に改善できることです。
搭載機能をメール配信に特化しているため、MAツールよりも安価なものが多く、初期費用やランニングコストを抑えやすいのも利点です。
また、シンプルな設計で直感的に操作できるので、初心者でもすぐにメールマーケティングを始められます。
デメリット
次に、デメリット面の違いを紹介します。
MAツールのデメリット
MAツールはマーケティング業務に関する機能を多く搭載しているため、初期費用、ランニングコスト、運用保守費用が高額になる傾向があります。
また、ツールの性質上、マーケティングやデータ分析に関する専門的な技術や知見が必要になります。MAツールを使いこなすための人材が確保できない場合は、導入以前に比べて業務量が増える可能性があるので留意しなければなりません。
ツールの複雑さゆえに、導入後に十分な成果を上げられないリスクもあることを理解し、利用目的や運用環境を十分検討したうえで導入する必要があるでしょう。
メール配信システムのデメリット
メール配信システムはメールマーケティングに特化しているため、そのほかの複数チャネルを活用した施策が実行しにくいのがデメリットです。
具体的には、SNSやWebサイトとの連携が難しく、MAツールのようなマルチチャネルアプローチは制限されてしまいます。
また、メール配信システムでは、読者登録している対象への一斉送信ができる一方で、メールが受信者の迷惑メールフォルダーに分類される可能性があります。
顧客に読まれないリスクを理解し、ほかのマーケティングとも組み合わせながら、メールマーケティングを実施する必要があります。
MAツールとメール配信システムのどちらを選ぶべき?
MAツールとメール配信システムは、機能や強み、コスト面で異なります。
それでは、新たに導入する場合はどちらを選ぶと良いのでしょうか?ここでは、各ツールと相性の良い企業の特徴をご紹介します。
MAツールがおすすめな企業
MAツールの導入をおすすめするのは、以下の企業です。
- SNSなどメール配信以外のマーケティング施策も展開したい企業
- 顧客情報を企業全体で共有したい企業
- 顧客に最適な施策を実施したい企業
- SFAやCRMと連携して、マーケティングから営業、カスタマーサクセスに至るまでの運用を行いたい企業
MAツールはメール配信システムより多機能で、見込み顧客のセグメントや行動解析が可能です。
そのため、メールマーケティングに加えてその後の施策も継続的に行いたい場合はMAツールの導入が推奨されます。
MAツールの導入にあたっては、導入目的や運用体制、コンテンツ作成のリソースを明確にすることが重要です。
特に、営業やカスタマーサクセスとマーケティングとの連携を強化したい場合は、MAツールの導入により、効率的かつ効果的なマーケティングを実施できるでしょう。
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メール配信システムがおすすめな企業
メール配信システムの導入をおすすめするのは以下の企業です。
- メールマーケティングを行いたい企業
- 初期費用やランニングコストを抑えたい企業
メール配信システムはメール配信に特化しているため、シンプルな機能で導入コストを抑えられます。
また、搭載機能もMAツールと比較すると少ないため、マーケティング初心者でも扱いやすいのが特長です。
マーケティング専任者がいない場合などスモールスタートをしたい企業は、メール配信ツールから導入してマーケティング施策を始めるのが良いでしょう。
まとめ
MAツールの目的はマーケティング業務の自動化を図ることであるのに対し、メール配信システムの目的は、メール配信業務の効率化に特化している点で異なります。
そのため、搭載機能やメリット・デメリットも違います。
どちらを導入すれば良いのか迷った時は、自社の導入目的や運用体制を整理して、どのような施策を実施したいのかを明確にすることが大切です。
SFAやCRMなど、ほかのツールとの連携可能性なども検討して、自社に最適なツールを導入しましょう。