働いてもお金が十分にない状態であるワーキングプア。

随分前から問題視されてきたにも関わらず、なかなか問題は解決していません。
ワーキングプアの本当の原因はどこにあるのでしょうか。

この記事ではワーキングプアの意外な原因の1つとして「働き方改革」を名指しします。
そして、ただ働き方改革の功罪について論じるのではなく、どのような働き方改革を行うことでワーキングプアが解消しうるのか解説を行います。

▶︎▶︎働き方改革についてはこちらの記事を参考に

ワーキングプアとは

働き方改革の副作用? ワーキングプアとその対策| Senses Lab. |1

ワーキングプアが問題であるといっても実態はどのようなものなのでしょうか。
ここではワーキングプアについて一歩踏み込んだ解説を行います。

ワーキングプアの定義

世界では、就労しているにも関わらず貧困線以下の収入しか得られない人々のことをワーキングプアと言います。
しかし、日本では国民貧困線が設定されていないのが現状。

それゆえに、日本で一般的に言われるワーキングプアの定義とは「就労しているにも関わらず生活保護水準よりも下の収入しか得られない人々」「フルタイムで勤務しているにも関わらず生活の維持がギリギリである人々」のことです。

ちなみに、生活保護でもらえる金額は状況に応じて異なりますが年間200万円ほど。

もしくは、日本の貧困線を約155万円としている研究もあります。

これらの金額よりも少ない年収しか得ていない人がワーキングプアと呼ばれるのです。

ちなみに、ワーキングプアの一般的に提唱されている原因は労働市場の流動化と日本の景気の停滞、小さな政府型の社会保障などです。

パート・アルバイト雇用の増加と日本の景気の悪化、政府の一部の政策は人々の生活に暗い影を落としているのです。

ワーキングプアの実態

では、実際のワーキングプアの人々の割合とはどれくらいなのでしょうか。

現在千葉商科大学で専任講師を務める戸室健作氏の2016年の論文によると、2012年の全国の貧困率は18.3%、そのうちワーキングプア率は9.7%でありかなり高い割合となっています。

また、日本総合研究所の星貴子氏によると、2012年のワーキングプア率は7.4%で2017年になるとその割合は6.4%であると報告されています。
この報告の中で2017年のワーキングプアの世帯数は約247万世帯であり、北海道の世帯数が243万世帯であることと比較してその数の多さが強調されています。

ちなみに、これらの報告の中で割合に差があるのは、ワーキングプアの定義とする数字に若干の違いがあることに起因します。

しかし、いずれにしてもワーキングプアの割合は高い水準で推移していることがうかがわれます。

働き方改革の副作用としてのワーキングプア

働き方改革の副作用? ワーキングプアとその対策| Senses Lab. |2

では、働き方改革の副作用としてのワーキングプアについて解説していきたいと思います。
労働者の待遇や権利をよくするためのものだったはずの働き方改革がワーキングプアを生み出したという説があるのです。

非正規雇用の増加

働き方改革により正社員として自由な働き方をして十分な収入を得よう、という風潮が流行しています。

しかし、実際には正社員ではなく非正規雇用業界が盛り上がっていることが現状です。

働き方改革によって、見かけ上「自由な働き方」である非正規雇用の労働者が増え、会社にとっては賃金が安く使いやすい労働力として酷使されているのです。

本当の意味で労働者を優先しているわけではない働き方改革がまかり通ってしまった結果、ワーキングプアが増加してしまいました。

サービス残業の増加

過労死が相次いだことにより、残業時間・労働時間の見直しが進められています。

人間らしい働き方ができるように配慮がなされるような環境になってきました。

しかし、実際には残業を減らそうという運動が起きていても仕事の総量が変わっていない人も多いようです。

結果として、残業代の出ない早朝出勤や持ち帰り残業などが増え、本来得られなければならないはずの残業代が懐に入らない事態に。

残業代の出ない残業のことをサービス残業と言いますが、そのサービス残業が増えてきているというのです。

残業代がなければ貧困に陥ってしまうという状態自体も問題のあるものですが、サービス残業が貧困に拍車をかけていることもまた事実だと考えられます。

▶︎▶︎過重労働問題とは?

残業の増加を食い止めるため、SFAなどのツールを使うことを考えねばならないし、そうすべき状況であると言えます。

誤った実力主義

さらには、働き方改革が見当はずれの実力主義を増長させているという意見もあります。

働き方改革が自由な働き方を重視するあまりに過程に注目せず結果のみを重視する体制になってしまっているがゆえに、労働者を競わせる体制になってしまっており、会社の思い通りに働く社員のみが優遇されているというのです。

その結果として、労働者が権利を主張することができなくなってしまっていることは問題と言えそうです。

労働者の権利と待遇が悪化すればワーキングプアが増加することは明らかであり、極端な実力主義はその悪化に拍車をかけるとも考えられます。

▶︎▶︎現在、「働きがいのある人間らしい仕事」としてディーセントワークが推進されています。ディーセントワークについてはこちら

働き方改革とワーキングプアの減少を両立させるには

働き方改革の副作用? ワーキングプアとその対策| Senses Lab. |3

このような働き方改革の副作用をどのように解消していけばいいのでしょうか。

ここでは、「最低賃金」「地域経済改善」「ワークシェアリング」の3つの柱を用いて解説します。

最低賃金を上昇させる

ワーキングプアの根本的な解消にはそもそも最低賃金を上昇させることが重要です。

もちろん、最低賃金の上昇により傾く会社も出てくると考えられますが、構造的な人手不足が存在している現在、そうした会社の社員もより業績の良い会社に吸収されていくことが考えられます。

地域経済の活性化

ワーキングプアの顕著な特徴として地方にそういった人々が多いということが挙げられます。

それゆえ、地方経済を活性化させることでワーキングプアの人々を救済することができるのです。

地方における地道な努力が必要となってくるでしょう。

▶︎▶︎地域活性化をもたらす1つの方法であるサテライトオフィスとは?

ワークシェアリング

ワークシェアリングとは1つの業務を複数人で分かち合う労働状態のこと。

トヨタやTOWAが取り入れたことで働き方改革の一つとして注目されるようになりました。

ワークシェアリングでは、労働時間が少なくなり、副業や複業に時間を割くことも可能に。

コミュニケーションコストがかかるなどのデメリットもありますが、仕事を低負担にした上に雇用と賃金を守ることができます。

前述のように他の仕事も可能になるためにワーキングプアの改善にも効果があることが期待されます。

ワークシェアリングについてより詳しく知りたい方はこの記事を参考になさってください。

終わりに

働き方改革は欠点のない完璧無比なものであるとは限らず、ワーキングプアなどの問題を作り出してしまうことがあるようです。

しかし、注意して働き方改革を行うことでその問題もいずれ解決される糸口が見つかることでしょう。

がむしゃらに改革を進めるのではなく、その問題点も理解した上で改革を進めていくことが重要です。

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