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名寄せの意味とは?

名寄せの意味とは?

「名寄せ」とは、複数のデータベースのなかから、氏名・住所・電話番号などの情報を手がかりにして、同じ人物や同じ企業のデータを1つにまとめる作業のことです。

企業が扱うデータのなかには、同じ人物や同じ企業などが分散・重複して存在していることがあります。
当然そのままではデータとして抽出する際に「ダブり」が出てくることになり、同じ顧客に同一のDMを複数出してしまうなどのミスが生じやすくなってしまいます。

そういった事態を防ぐために、各々の人物を識別するための名前やメールアドレス、住所、電話番号などの属性が同じものに同一のIDを与えるなどして統合する作業を「名寄せ」と言います。

なぜ名寄せが必要なのか?

近年、顧客リストの管理はSFA(営業支援ツール)やCRM(顧客管理システム)など、クラウド上で管理をすることが多くなってきました。
これらは誰がどこにいても入力や編集、閲覧が出来る便利なツールです。

▶︎▶︎CRM(顧客関係管理)とは?意味・出来ること、ツールを紹介

CRMツール比較35選!顧客管理システム/サービスの特徴から価格まで

しかしその一方で、誰でも入力できるが故に、データの不備・重複に課題を感じている企業も増えているようです。

顧客リストのデータに重複などの不備があると、例えば以下のようなことが起きてしまいます。
・お客さまに同じダイレクトメールを複数回送ってしまう
・自社の営業担当Aさんが先週訪問して商品説明をしたお客さまに、別の営業担当Bさんが同じ商品を提案するアポ取り電話をかけてしまう
・サービスを解約した人に「いつも弊社をご利用いただきありがとうございます」といった内容の連絡をしてしまう

もしあなたがお客さまの立場なら、このような会社に対するイメージは著しく下がるのではないでしょうか。
このようなことを防ぐために、顧客リストのデータは常に正確にする必要があります。

データ入力や編集の際のルールを統一して運用している企業も多いかと思いますが、関係者全員にルールを徹底してもらうことは現実的には難しいですよね。

そのため、顧客リストの正確性を担保するためには定期的なメンテナンスが必要になります。
ここで「名寄せ」作業が発生するのです。

名寄せのプロセス

名寄せ作業は一般的に次のようなプロセスで行います。

(1)対象データの調査・選別

まず、名寄せしたいデータ内の各属性の入力状況を調べ、現状を把握します。
現状の入力状況に応じて最終的な入力方針を決定し、最終的にどのような方向でデータをまとめるのかをこの時点で明確にします。

(2)データ抽出

名寄せの対象となるデータベースから、顧客を特定するために必要となるデータ項目を洗い出し、各データソースから抽出します。
その際には、データ項目の検討が必要です。

たとえば、あるデータベースでは「会社名」となっている項目が、他のデータベースでは「社名」になっていることがあります。
これらが同じものか確認しましょう。

また、例えば以下の例のように、複数のデータベースを統合したいときに同じ情報が異なる形式で管理されていることがあります。
統合する際はどちらの形式で抽出するかを決める必要があるでしょう。
(例)・データベースA:「郵便番号」、「都道府県」、「市町村名」、「番地」、「ビル名」
   ・データベースB:「住所」

顧客データの管理方法を解説!分析と活用で企業成長に繋がる

(3)クレンジング

データクレンジングとは

抽出したデータを「クレンジング」していきます。
データクレンジングとは、データベース内の情報を一貫したルールのもとで、全角文字と半角文字、空白や区切り記号などを統一することです。

データのクレンジングをしておかないと、次のマッチングのプロセスで同一人物とみなすことが困難になり、名寄せの精度が大きく下がってしまいます。
データ内の各要素から重複や表記上の誤り、「表記ゆれ」などを探し、それらの削除や修正などを行うことでデータの質を向上させていきます。

名寄せの作業を複雑にしているもっとも大きな要因が、この「表記ゆれ」問題といわれています。
表記ゆれとは、「同じことを表現しているのに、表記が違っている」という現象のことです。

典型的な表記ゆれの例として、以下が挙げられます。
(例)・氏名(「桜井さん」と「櫻井さん」)
   ・会社名(「株式会社ABC」と「株式会社エービーシー」)
   ・住所(「3丁目1番14号」と「3-1-14」)

これらは数字や空白文字は半角に、カナは全角になど明確なルールに従って統一しておく必要があります。
また、住所や姓などは履歴を見て、最新データに揃えておく必要があるでしょう。

(4)マッチング

データのクレンジングが終わったら、同じ種類・属性と識別された各々の要素に同一のIDを付与し、同一要素として特定できるようにしていきます。
これによって、これまでデータベース内に存在していた要素の「ダブり」を排除し、運用に不具合が生じないようにするわけです。

精度の高い名寄せを行うのは容易ではありません。
特に日本語にはひらがな、カタカナ、漢字と複数の文字種が混在するため先程紹介した「表記ゆれ」が生じやすい傾向があります。

名寄せは顧客対応やマーケティングの高度化など、企業の競争力を高めるために重要な作業ではありますが、それ自体だけでは価値を生みません。
そのため、ツールの活用などで出来るだけ効率化し、コストダウンを図ることが必要でしょう。

▶︎▶︎営業をツール活用で効率化(メール作成、日報作成・・・)

おすすめ名寄せツール7選|営業活動を効率化!

企業の顧客データベースを整理するために必要な「名寄せ」について一通り説明したところで、
最後に名寄せ作業を簡略化・効率化してくれる便利なツールをいくつか紹介しておきましょう。

まとめ表

まとめ表

1.Excel

顧客データの管理を現在Excelで行なっている企業、あるいはSFAやCRMなどのシステムへデータを投入する前処理をエクセルで行っている企業が多いかと思いますので、まずはExcelでの名寄せに便利な関数を3つ紹介します。

①COUNTIF関数
企業リストの重複チェック・削除の際は、「COUNTIF関数」が便利です。

指定した条件に合うデータを検索し、検索したデータに一致するセルの個数を求めることができます。
エクセルの機能にも「重複の削除」というものがありますが、わざわざCOUNTIF関数を使ってから重複を削除していく理由は、「同一社名だが全く違う企業」のような場合が存在するからです。
これが企業リストの統合の難しさの1つでもあります。

=COUNTIF(範囲,検索条件)

②DATEDIF関数
複数のデータを1つに名寄せする際、「いま現在の年齢や、会員期間など」の新しいデータを付与することもあるかと思います。
その際、「生年月日しかなく、今何歳かがわからない」「会員登録日の情報しかない」ということもよくあります。
こういった「期間」に関する多くの問題は「DATEDIF関数」で解決できます。

=DATEDIF(開始日,終了日,単位)

③VLOOKUP関数
「VLOOKUP関数」はエクセルでの名寄せ作業においてもっとも活躍する関数です。
VLOOKUP関数は、表を縦方向に検索し、特定のデータに対応する値を取り出す関数です。
よくある例としては、顧客コード(顧客ID)から氏名や性別を取り出すという使い方があります。

=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, 検索の型)

▶︎▶︎【Excelでの顧客管理に課題を感じたら】顧客管理ソフトの目的と必要性|導入前に知っておきたいポイント


2.FORCAS

【製品概要】
FORCASは、ABM(アカウントベースドマーケティング)の実践を強力にサポートするクラウドサービスです。
データ分析に基づいて成約確度の高いアカウントを特定し、ターゲットリストを自動抽出します。

顧客管理システムや営業ターゲットリスト、請求情報、名刺データなど、社内に点在する顧客情報とFORCASが持つ豊富な企業情報、そして強力な名寄せエンジンによって、精度の高い顧客データ統合を実現します。
また、MA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援ツール)との連携により、より効率的なリードナーチャリングのサポートも可能です。

▶︎▶︎MA×SFA連携のメリット・機能詳細について

【特徴】
・スコア付きのターゲットリストを自動作成
・地域、規模、業種、シナリオなどで簡単フィルタリング
・SPEEDAで培った強力な名寄せエンジン搭載

【費用】
お問い合わせ

【URL】
https://www.forcas.com/


3.DataStage®

DataStage®

【製品概要】
DataStage®は、企業の扱う膨大で複雑なデータを統合し、スムーズな情報活用をサポートするためのETLツールです。
顧客管理システム(CRM)の精度向上や、顧客へのダイレクトメールの費用削減、法改正への対応のために、顧客名や住所のデータを標準化し、精度の高い名寄せを実現します。

【特徴】
・GUIによるビジュアル開発により開発期間の短縮、開発や維持コストの削減を実現
・文字コードの差異を吸収できるため、別システムから抽出したデータでも付き合わせ処理を作成できる
・処理の拡張、開発者の引き継ぎが容易

【費用】
お問い合わせ

【URL】
https://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/soft1/datastage/


4.Agra Vシリーズ

Agra Vシリーズ

【製品概要】
Agra Vシリーズは、社内外にバラバラに存在している、現状「使えないデータ」や「眠っているデータ」を仮想的に統合し、業務に使える「価値あるデータ」を生成してくれる仮想データ統合ソリューションです。

データクレンジング・名寄せに関する機能は「Agra VIQ」としてリリースされており、日本語の特性をしっかりと考慮した名寄せ・データクレンジング機能を提供してくれます。
操作も簡単で、正常化変換、除去、置換などの各機能のボタンを選択するだけで簡単にクレンジングを実行できます。

【特徴】
・既存のシステムやオペレーションの変更は不要
・データベース開発の専門スキルが不要
・充実したデータクレンジング機能

【費用】
お問い合わせ

【URL】
https://www.mamezou.com/


5.TRILLIUM

TRILLIUM

【製品概要】
TRILLIUM(トリリアム)は、世界で約1,500ユーザー、日本においても約200ユーザーの実績を誇るデータクレンジング・名寄せツールです。
「データ表記の不統一」に関する問題を解決し、高度な辞書機能やマッチング機能により、顧客データのクレンジング・名寄せ・統合を行い、企業データの質の向上を実現してくれます。

【特徴】
・各種辞書をベースに高品質なデータクレンジングを実現
・業務に合わせた名寄せ条件の自由な選定
・顧客情報を常に整備された状態で維持可能

【費用】
お問い合わせ

【URL】
https://www.agrex.co.jp/page/trillium


6.Sansan

Sansan

【製品概要】
法人向けクラウド名刺管理サービスのSansanによって、名刺情報の名寄せ(同一人物の古い名刺や新しい名刺、前職の名刺などを正確に名寄せして、一人の人物情報としてまとめること)が可能です。

さらに、SansanのAI技術を結集した高度な名寄せエンジン「顧客データHub」により、SFA・CRMや、Marketo(マルケト)などのMAツール上で管理している顧客データの二重登録を防ぎ、様々な情報を追加付与することで、名寄せ・クレンジングの工数削減が可能です。
▶︎国内トップシェアの名刺管理ツールSansan(サンサン)×営業支援ツールMazrica Sales (旧 Senses)(センシーズ)で実現する営業とは?

【特徴】
・条件によって自動名寄せ、手動名寄せが可能
・名寄せ済みの名刺を別人として設定し、名寄せされた状態を解除することも容易
・名寄せ済み名刺の新旧入れ替えが可能

Sansanとの連携で業務効率化が加速するおすすめツール7選

【費用】
お問い合わせ

【URL】
https://jp.sansan.com/


7.Marketo

Marketo

【製品概要】
MA(マーケティングオートメーション)ツールのMarketo(マルケト)は、メールアドレスを見込客識別の主キーとしているため、見込客が入ってきた時点で自動的に同じメールアドレスの既存見込客の情報と名寄せしてくれます。

これによって、メールマーケティングを行う上で「同じメールが2通以上配信されてしまう」などのような問題を防ぐことができます。

【特徴】
・圧倒的な導入実績
・あらゆるマーケティング機能が集約したプラットフォーム
・コンサルやトレーニングなどの充実したサポート

▶︎▶︎Marketoと連携できるSFA(営業支援ツール)で営業組織の生産性を向上

【料金】
お問い合わせ

【URL】
https://jp.marketo.com/


(おまけ)Mazrica Sales (旧 Senses)|SFAで顧客情報の重複を防止する方法

これまで紹介した様々なツールにより、名寄せを行うことが可能です。

しかし、やることが多く事務作業にあまり時間を使いたくない営業担当者にとっては、日々の営業活動で使用しているSFA(営業支援ツール)の入力時にデータの重複を防ぐことができれば便利ですよね。

そこで、最後にSFAで取引先情報(企業リスト情報)の重複を防ぐ方法について、弊社で開発しているクラウド営業支援ツールMazrica Sales (旧 Senses)を例に紹介します。

▶︎▶︎詳しくはこちら

Mazrica Sales (旧 Senses)は上場企業約4,000社、非上場企業約400,000社(2018年2月時点)の住所、電話番号、財務データ、有価証券報告書の抜粋、プレスリリースを保持しています。
企業情報を入力する際に「Mazrica Sales (旧 Senses)登録企業」に紐付けを行うことで、企業情報が自動で設定されます。

【使用イメージ:企業情報をSFA内のデータベースに紐づけて重複を防ぐ】

案件ボード(Mazrica)

【使用イメージ:企業情報をSFA内のデータベースに紐づけて重複を防ぐ】

【製品概要】
Mazrica Sales (旧 Senses)は「現場の定着」にもっともフォーカスした営業支援ツール(SFA)です。

日本の営業組織の多くが抱える「営業の属人化」の問題を解消するためには、SFAの導入だけではなく、現場がSFAを使ってくれることが必要です。
そのため、Mazrica Sales (旧 Senses)は従来のSFAと異なり、誰でも直感的に使いこなせる画面や現場の事務作業を効率化させる機能などに重きが置かれています。

【特徴】
・Gsuite、Office365などのメール、カレンダー連携により入力負荷の軽減
・直感的に営業の状況を把握できる案件管理画面
・営業のボトルネックを分析できるレポートやAIによるネクストアクションのレコメンドなど、データの蓄積から営業の分析・改善までをカバー

▶︎▶︎Mazrica Sales (旧 Senses)の概要資料はこちら

【モバイルアプリ】
・あり

【価格】
Starterプラン:1社月額27,500円から
Growthプラン:1社月額110,000円から

【こんな企業にオススメ】
・案件管理、進捗管理を手軽に行いたい企業
・営業の入力負荷を下げ、営業効率を上げたい企業
・データを溜めてそれを活用する文化を醸成したい企業

終わりに

いかがでしたでしょうか。
企業にとって顧客データベースは重要な経営資産です。
その貴重な情報に間違いや重複があった場合、健全な営業活動やマーケティングを行っていくことは難しくなり、場合によってはお客さまからクレームをいただくような事態にもなるかもしれません。

そのような事態を避け、業務活動をスムーズに実現するために「名寄せ」は必要不可欠なプロセスといえます。

名寄せの重要性をしっかりと意識し、ツールの活用などによって効率的に実行することで、自社の営業活動やマーケティングを強化できるでしょう。

Mazrica Sales Sansan連携資料

Mazrica Sales × Sansan 〜SFA/CRMと名刺管理ツール連携による営業プロセスの最適化の実現〜

Mazrica Sales(マツリカセールス) × Sansan(サンサン)連携概要資料です。SFA/CRMと名刺管理ツールの連携メリットや連携詳細について紹介します。

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Mazrica Business Lab. 編集部
Mazrica Business Lab. 編集部
Mazrica Business Lab.はクラウドアプリケーションMazricaの開発・提供を展開する株式会社マツリカが運営するオウンドメディアです。営業・マーケティングに関するノウハウを中心に、ビジネスに関するお役立ち情報を発信しています。
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