ユーザーの課題やニーズを知る方法として「インテントデータ」が注目されています。インテントデータを活用した「インテントマーケティング」は、ユーザー一人ひとりに最適化したアプローチができるため、現代とマッチしたマーケティング手法と言えます。
本記事では、インテントマーケティングのメリットや施策例、活用できるツールなどを紹介します。マーケティング活動を改善したい方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の内容
インテントマーケティングとは
インテントマーケティングとは、インテントデータを活用してユーザーの課題やニーズにマッチしたマーケティング活動を展開する手法です。
インテントデータとは、検索履歴やWebサイト上の閲覧履歴など、ユーザーが何らかのインテント(意図/目的)をもって起こしたアクションについてのデータを指します。
インテントデータを分析することで、ユーザーごとのニーズや課題、興味・関心などを把握でき、それぞれに最適化したアプローチができます。
ユーザーのニーズを理解できていないと、すべてのユーザーに対して画一的なアプローチになります。
しかしこの方法では、あるユーザーにとっては有益な情報だとしても、別のユーザーにとっては不必要な情報を提供することとなり、成果の底上げにはつながりません。
そのため、精度の高いインテントマーケティングによって、ユーザーのニーズにマッチしたアプローチをする必要があるのです。
インテントデータの種類・取得方法
インテントデータは、3つの種類に分けられます。自社で収集した「1stパーティデータ」、パートナー企業から提供された「2ndパーティデータ」、公的機関や調査会社などが収集した「3rdパーティデータ」です。
1stパーティデータは「自社サイトへ訪問したユーザーの閲覧データ」「展示会やセミナーで名刺交換やアンケートをしたデータ」など、自社独自で収集したデータとなります。
2ndパーティデータは、レビューサイトやニュースメディアなどが広告主やパートナー企業などに対して公開・提供しているデータです。
ユーザーの閲覧データや購入データなどが提供されます。
そして3rdパーティデータは、政府などの公的機関や、調査会社、コンサルティング会社などが提供しているデータです。
このようにさまざまなデータを活用・分析し、必要に応じて自社のユーザーだけでなく統計的な傾向なども把握したうえで、ネクストアクションを立案しましょう。
関連記事:インテントデータを活用したインテントセールスとは?更に加速するデータドリブン営業
インテントマーケティングを実施するメリット
インテントマーケティングを実施すると、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。主な効果を紹介していきます。
ユーザーのニーズを把握できる
インテントマーケティングはインテントデータを分析することで、ユーザーの課題や関心ごとを把握できます。
たとえば、自社で業務効率化ツールを提供している場合、自社サイトに多くのユーザーが訪問してきても、すべてのユーザーが同じ課題を抱えているわけではありません。
非効率な業務フローに課題を抱えているユーザーもいれば、他社ツールからの乗り換えを検討しているユーザーもいるでしょう。
ユーザー一人ひとりのページ閲覧データやメール開封データ、資料ダウンロード履歴などを分析することで、具体的にどのようなことに課題や関心をもっているのか把握できます。
マーケティングの個別化(パーソナライズ化)
ユーザーによって課題や関心ごとが異なるということは、求めている情報も違うということ。
つまり、今までのようにすべてのユーザーに対して画一的なアプローチでは、ニーズにマッチしない情報を提供してしまうことになります。
そのため、一人ひとりが求めていることにパーソナライズしたアプローチ「One to Oneマーケティング」が求められています。
アプローチ方法をパーソナライズ化するためには一人ひとりのニーズを把握する必要があるため、インテントデータを活用することが効果的なのです。
関連記事:パーソナライズとは?意味やメリット・デメリットとツール紹介
インテントマーケティングの4つの施策例
インテントマーケティングはどのような施策に活用できるのか、本章で解説します。
ABMの強化
インテントマーケティングはABMに活用できます。
ABMとは「アカウント・ベースド・マーケティング」のことで、自社がターゲットとしたいアカウント(企業・団体等)を特定して戦略的にアプローチしていくマーケティング手法です。
インテントデータを通じてターゲット企業の課題やニーズを分析できるため、よりパーソナライズしたアプローチが可能になり、ABMが加速するでしょう。
関連記事:ABMとは?アカウントベースドマーケティングのメリットと事例、6つの導入手順を解説
リードナーチャリングのタイミングキャッチ
適切にリードナーチャリングするためには、最適なタイミングで最適なアプローチをしなければなりません。
たとえば、情報収集段階のユーザーと他社からのリプレイスを検討しているユーザーでは求めている情報が異なります。
また、購買意欲が高い状態のユーザーに対して的外れのアプローチをしてしまうと離脱を招いてしまうでしょう。
インテントデータを追うことで、適切なタイミングを見逃さずにアプローチすることが可能です。
リアルタイムのデータも確認できるため、最適なタイミングでリードナーチャリングができ、商談創出へとつなげられるでしょう。
関連記事:リードナーチャリングとは?6つの手法と成功のためのポイントを解説
解約リスクの検知
解約を事前に防ぎたい場合にもインテントデータが役立ちます。
自社サービスのリプレイスや解約に関するキーワードを検索していたり、自社サイトの解約手続きに関するページを閲覧していたりするユーザーは、解約リスクが高いと判断できるでしょう。
そのため、優先的にフォローしてユーザーの不安・不満を解消してあげることで、解約を未然に防ぐことが可能です。
以下の記事では、解約率(チャーンレート)について詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
関連記事:チャーンレート(解約率)とは?計算方法や改善方法を解説
コンテンツSEOの最適化
Webマーケティングの一環として、コンテンツSEOに取り組んでいる企業も多いでしょう。
インテントマーケティングはコンテンツSEOと親和性が高いため、SEO効果を高められるかもしれません。
自社ユーザーの検索キーワードや、閲覧ページ(FAQページや記事コンテンツ)などのデータを分析することで、ユーザーのニーズにマッチした記事コンテンツを提供できます。
また、すでに作成している記事コンテンツに関しても、その記事コンテンツへ流入してきたユーザーの検索キーワードや、その後の遷移したページなどを分析すると、ユーザーがさらにどのような情報を求めているのか理解できます。
そのため、内容をリライトすることでブラッシュアップでき、コンテンツSEOが強化できるでしょう。
関連記事:コンテンツSEOとは?8ステップで成果を出す手順と事例を紹介
インテントマーケティングにおすすめのツール
インテントマーケティングを実施するためには、ユーザーのデータを収集・分析できるツールの活用が必須です。
そこで、インテントマーケティングに活用できるおすすめのツールを3つ紹介します。
Sales marker(セールスマーカー)
「Sales marker」は、設定したキーワードを検索している企業をリアルタイムで検知し、さらにユーザーごとの検討段階と興味領域を抽出するため、質の高いアプローチを最適なタイミングで実施できます。
また、ワークフローを設計しておけば、AIが自動でアプローチしてくれるため業務効率化を図れます。
さらに、部署単位の電話番号や、約200万件のキーパーソンのデータベースなど、アプローチに役立つ機能が豊富です。
DealPods(ディールポッズ)
「DealPods」は、自社と取引先だけがアクセスできる専用プラットフォームで、マーケティングや営業に関するデータをすべて一元管理できるツールです。
営業資料や議事録などの書類を一カ所に集約でき、いつ・誰が・どこを・どれだけ閲覧したのかというデータを取得できます。
そのため、閲覧ログを分析することで、自社サービスのどの点が気になっているのか、どの点に興味を抱いているのかを把握でき、質の高いアプローチができるようになります。
URL:https://product-senses.mazrica.com/lp-enterprise-sales-dealpods-lab-io
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Bombora(ボンボラ)
「Bombora」は、5,000以上のBtoBメディアの情報からインテントデータを提供しています。
また、優先すべきユーザーに順位をつけてくれるため、成果につながりやすいユーザーに対してスピーディにアプローチできます。
終わりに|顧客情報を有効活用してインテントマーケティングを実現しよう
かつてのような画一的なマーケティング活動を脱却し、一人ひとりにパーソナライズしたアプローチが求められている今、インテントマーケティングは有効な手法の一つです。
ユーザーの課題や関心ごとを把握していないと、的外れなアプローチになってしまい成果につながりません。
そのため、インテントデータを分析したうえで最適なアプローチを仕掛けていくことが重要です。
本記事では、インテントマーケティングのメリットや、役立つツールを紹介しました。ぜひ参考にして、インテントマーケティングを成功させてください。
◆なお、営業のデータ分析や記録蓄積に役立つSFAに関する記事はこちら!
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