現代のビジネスで重要視されている「データドリブン(Data Driven)」。データに基づいて客観的に意思決定を行うことを指します。

データドリブンは、マーケティングでも必要とされる視点です。より効果の高いマーケティング施策を打ち出すためには、今までのデータや市場データなどを分析して客観的に判断することが必要となります。

そこで本記事では、データドリブンマーケティングについての概要や成功するためのポイントを紹介します。

データドリブンマーケティングとは?

データドリブンマーケティングとは、経験や勘に頼らず、データから導き出した分析結果を基にしてマーケティング施策を策定・実行していくことです。

かつては「今まで、この施策をしていたから」「なんとなく効果がありそうだから」といったあいまいな理由でマーケティング施策を実行していました。

しかし、オンライン化やグローバル化、新型コロナウイルスなど、ビジネスを取り巻く環境は急速に変化しています。それに伴って消費者のニーズや購買行動も変わっていき、従来のように経験や勘に頼った施策では効果が得られなくなってきました。

そこで、データに基づいて客観的に判断する、データドリブンの視点が重要になっています。

特にマーケティングの領域では、消費者のニーズに合った施策を行わなければ的確にアプローチできません。

消費者と接点を持つ方法は、WEBサイトやSNS、動画やWEB広告などオンライン化・多様化しています。

そのため、データから消費者のニーズや行動を客観的に分析する「データドリブンマーケティング」が求められているのです。ターゲットと接点を持つには、自社のターゲットがどのようなチャネルを利用するのか、どのような情報を求めているのか、などを把握する必要があります。

関連記事:データドリブンとは?営業にデータドリブン戦略が必要な理由と促進ツール紹介

データドリブンマーケティングの3つのメリット

マーケティングにデータドリブンの視点を取り入れることで、どのような効果が期待できるのでしょうか。データドリブンマーケティングで期待できるメリットを3つ紹介します。

  1. 客観的なデータ比較や分析ができる
  2. マーケティング業務の工数削減・効率化につながる
  3. 顧客満足度の向上につながる

客観的なデータ比較や分析ができる

データドリブンマーケティングの大きなメリットは、データを基に客観的な視点で比較や分析ができる点です。

データ分析をしていない場合、「今回の施策は効果があった」などのように、主観的な感覚や価値観から施策の効果を評価するしかありません。しかし、これでは実際の効果を把握できないため、無駄な施策を続けてしまう可能性もあります。

一方、データドリブンマーケティングを行うと、データから施策の効果を検証できます。さらに、いくつかの施策を試してみて効果を比較したり、効果検証の結果から施策内容をブラッシュアップしたりすることも可能です。

関連記事:データ分析とは?分析に求められる仮説思考とは?

マーケティング業務の工数削減・効率化につながる

データ分析をしていないと、マーケティング施策の成果を把握できず、ダラダラと施策を続けることになります。その結果、コストや手間が無駄になりかねません。

しかしデータドリブンマーケティングでは、施策の成果をデータで評価できるため、判断がスピーディになります。

「Aの施策は中止する」「Bの施策はこんな課題があったから、こう改善する」「Cの施策は継続する」といった判断ができるようになり、コストや手間を適切に配分できるのです。

結果としてマーケティング業務が効率化し、生産性の向上が見込めるでしょう。

顧客満足度の向上につながる

かつてのマーケティングは、不特定多数に向けた一方的なアプローチが主流でした。

しかし消費者の価値観やニーズが変化した現代では、一人ひとりに合わせたアプローチが求められています。

データドリブンマーケティングは一人ひとりの顧客のニーズや課題をデータに基づいて分析でき、それぞれに合わせた施策を実行できます。

ニーズに合わせた情報提供やコミュニケーションができるため、顧客満足度向上にもつながるでしょう。

関連記事:顧客満足度とは?CS向上のための4つのポイントとツール7選

データドリブンマーケティングで成果を出すための5ステップ

データドリブンマーケティングを実行するには、単にデータを分析すれば良いというわけではありません。

成果を出すためのポイントを、以下の5つのステップで解説します。

  1.  マーケティング上のKPI設計
  2. データ収集
  3. データの可視化
  4. データ分析
  5. アクションプランの実行と振り返り

1. マーケティング上のKPI設計

最終的な目標であるKGIを達成するために、マーケティングではどのようなKPIを設定すべきか考えましょう。KPIが定まっていないと、どのようなデータを分析して、どのような施策に展開していくべきか、不透明になってしまうからです。

マーケティングでよく用いられるKPI指標としては、例えば「WEBサイトへの流入数」「メルマガの開封率」「WEB広告のクリック率」「獲得したリードの商談化率」などが挙げられます。あくまで一例なので、自社のKGIからKPIを設計しましょう。

適切なKPIが設定できると、どのようなデータを分析すべきか明確になります。

関連記事:KPIとは?営業のKPI設定方法とKGIとの違いを簡単に解説

2. データ収集

データドリブンマーケティングでは、データを分析しなければなりません。そのために、データ収集から始めましょう。

WEBサイトに関する解析データであれば、GoogleサーチコンソールやGoogleアナリティクスなどのツールがおすすめです。

他にも、マーケティング施策に関するデータを蓄積できるMA(マーケティングオートメーション)や、顧客や営業活動に関するデータを一元管理できるCRM/SFAなどもあります。

分析したいデータによっては、実際に顧客に対してアンケートを実施したり、実店舗のPOSデータを収集したりする必要もあるでしょう。

いずれにしても、有用なデータを収集することが、その後のデータ分析や施策立案の質を高めることにつながります。

なお、顧客データの収集・統合・分析に役立つプラットフォーム「CDP」についての記事はこちらをご覧ください。
関連記事:CDPとは?カスタマーデータプラットフォームのメリットや機能を解説

3. データの可視化

次は、収集した膨大なデータを整理して可視化します。

データドリブンマーケティングではさまざまなデータが必要となるため、複数のツールからデータを収集することになるでしょう。

しかし、その場合は以下のような問題が起こりえます。

展示会で獲得したリード情報は名刺管理ツールに入っているが、WEBサイトで獲得したリード情報はMAに入っている
Googleアナリティクスの解析データと、WEB広告の解析データを一緒に分析したい

このように、データがツールごとに点在していると、分析しにくかったり分析の手間がかかったりするといった懸念があります。

そこで、データをExcelやGoogleスプレッドシートにまとめるなど、データを可視化する必要があるのです。

複数のツールに入っているデータをつないで一まとめにできるBIツールというツールもあるので、必要があれば活用しましょう。

関連記事:データ可視化とは?必要な思考法とツールも紹介!

4. データ分析

必要なデータが揃ったら、データを分析していきます。

データからどのようなことが読み取れるか、そしてどのように仮説を立てられるか、といった視点で分析しましょう。

そして、データ分析の結果を基に、次のアクションプランを立てます。

コンテンツ制作やSEO対策などのWEBマーケティング施策だけでなく、場合によってはテレアポなどのインサイドセールス施策や、展示会やセミナーなどのオフライン施策が必要になることもあります。データから顧客のニーズを読み解き、ニーズに合わせたアクションプランを検討しましょう。

関連記事:マーケティングの成果を上げるデータ分析手法9選

5. アクションプランの実行と振り返り

アクションプランを実行する際には、優先度を決めて実行すると良いでしょう。

施策によって、コストや人手がかかるものや、成果が出るまで時間がかかるものもあります。どのような順番が最適か考えてから、実行に移しましょう。

そして、実行後は振り返りを忘れてはいけません。どのくらいの成果が出たのか必ず振り返りましょう。

振り返りの際にも、データを基準にします。データから顧客の反応を読み解き、次の施策につなげたり施策をブラッシュアップしたりします。

関連記事:営業アクションプランの書き方とは?目標達成への道筋の立て方を解説

データドリブンマーケティングに必要不可欠なツール

データドリブンマーケティングで基本となるのは、データの収集と分析です。しかし必要となるデータは膨大な量になるため、人手によるデータ収集・分析は困難でしょう。

そこで必要不可欠なのが、ツールです。

膨大なデータを蓄積して分析できるツールを導入すると、データドリブンマーケティングが効率化してPDCAが加速します。

それでは、データドリブンマーケティングを実行する際にぜひ導入しておきたいツールを紹介します。

関連記事:マーケティングツールとは?選び方とおすすめツール比較12選を紹介

WEBアクセス解析ツール

WEBサイトの流入数やCVR(コンバージョン率)などをKPIとしている場合は、WEBアクセス解析ツールを導入しましょう。

WEBサイトへの流入数やCVR、直帰率・離脱率などのデータを分析できるツールです。また、検索エンジンでの検索順位や、自社サイトへ流入してきたきっかけとなる検索キーワード、閲覧しているユーザーのデバイスなども分析できるツールもあります。

WEBアクセス解析ツールでは、GoogleサーチコンソールやGoogleアナリティクスなどは多くの企業で導入されています。他にも、ツールベンダーが開発・提供しているツールもあるので、それぞれの機能や料金を比較して選びましょう。

関連記事:Webアクセス解析とは?目的・指標・手順とオススメツール9選

MA(マーケティングオートメーションツール)

営業データを活用したマーケティング活動を支援するMAツール「Mazrica Marketing」

マーケティング業務を自動化・効率化するMAツールは、リードの情報や各マーケティング施策のデータなどを分析できるツールです。

ツールによっては、先述のWEBアクセス解析機能が搭載されているものもあります。

他にも、メルマガ配信やお問い合わせフォーム作成、LP作成などの機能が搭載されています。

MAツールの大きなメリットは、リードを点数化してホットリードを見極められる点です。「メルマガを開封したら2点、ホワイトペーパーをダウンロードしたら5点」などとアクションに応じて点数を付けられるため、購買意欲の高いリードを抽出して優先的に対応できます。

当社が提供しているMAツール「Mazrica Marketing(旧Senses Marketing)」は、営業データを基にしたマーケティング活動を可能にし、集客〜営業案件の受注まで1ツールで管理できます。

基本的なMA機能に加えSFA機能も利用できるようになっているため、営業データを基にしたリスト作成、メール配信に加え、Web行動の履歴は自動的に営業に連携されるなど、マーケティング活動を一段と効率化。

業界最後発だからこその、使いにくい、分かりにくい、運用定着しないというツール側の問題を解消したユーザビリティと、手厚いサポート体制が特徴です。

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関連記事:MA(マーケティングオートメーション)とは?意味や導入メリット・おすすめのツールを紹介

SFA(営業支援ツール)

営業活動に必要な顧客、案件、行動、名刺などのすべての情報を一元管理できる「Mazrica Sales」

営業活動を支援するSFA(Sales Force Automation)は、電話やメールなどのインサイドセールス施策のデータや、商談内容のデータ、顧客の契約データなどを分析できます。

顧客別や商材別の売上データも分析でき、マーケティング施策に活かすことが可能です。

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また、当社が提供しているSFA/CRM「Mazrica Sales」は、WEBアクセス解析やメール配信などのマーケティング機能も搭載されています。外部のMAなどのツールとの連携も可能なので、マーケティングから営業まで一貫したデータ収集と分析ができます。

関連記事:SFAとは?CRM・MAとの違いや主な機能から成功事例まで徹底解説

CRM(顧客関係管理ツール)

CRM機能を備えたSFA「Mazrica Sales」営業・マーケ両部門のデータ活用を促進!

CRMは、顧客に関するあらゆる情報を一元管理し、顧客との信頼関係を構築するためのツールです。

顧客ごとの購買履歴やお問い合わせ履歴などを分析でき、自社顧客の購買行動の傾向をつかめます。

データドリブンマーケティングでは、自社顧客のニーズの把握が欠かせません。そのため、CRMで自社顧客について深く分析することで、顧客ニーズを読み解くことができます。

関連記事:CRMとは?意味や機能・おすすめの顧客管理ツールをわかりやすく解説

BI(ビジネスインテリジェンスツール)

データの集計・蓄積から分析・可視化を効率化!社内のデータ活用を促進する「Mazrica BI」

MAやSFA、その他ツールやExcelなど、社内に点在しているデータを一まとめにするためには、BIツールがおすすめです。

BIツールはさまざまなデータを集約して、自動で集計や分析を行います。人の手では難しい膨大なデータの集約や集計が自動化できるため、データ分析が効率化するでしょう。

ちなみに、当社が提供しているBI「Mazrica BI」はMazrica Salesに蓄積された顧客・案件データや行動データをワンプラットフォームで集計・可視化し、営業活動におけるデータ活用をこれまで以上に促進します。

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関連記事:BIツールとは?おすすめ9選の機能や仕組み、料金を徹底比較

データドリブンマーケティングで起こりうる失敗事例

マーケティングにはデータドリブンの視点が重要だと理解していても、実行するとなるとなかなかうまくいかない企業も珍しくありません。

そこで、ここからはデータドリブンマーケティングでよくある失敗事例を紹介します。失敗事例を教訓に、自社で事前に対策を取っておくと、失敗を回避できるでしょう。

目的が不明瞭なままツールを導入してしまう

データドリブンマーケティングの目的が不明瞭だと、どのようなデータを分析するべきか、どのような施策に展開するべきか、といったことがあやふやになります。

軸がない状態のため、いくらさまざまなデータを分析したところで、なかなか成果を得られません。

そのため、データドリブンマーケティングを取り入れる際には、まずは目的の設定から始めるべきです。何のためにデータドリブンマーケティングを行うのか、どのようなKPIを達成したいのか、といった軸を定めてから、データドリブンマーケティングを実行しましょう。

データドリブンマーケティングを推進できる人材が不足している

人材不足も、データドリブンマーケティングが失敗する要因となります。

データの収集や分析はツールで可能ですが、分析結果から仮説を立ててアクションプランへと落とし込むのは人間にしかできません。

したがって、マーケティングやデータ分析の専門スキルを持ち合わせ、自社商材についても深い理解がある人材が必要です。

今いる人材を育成したり、新しく採用したりする方法の他、コンサルティング会社やマーケティング代行会社などに外注する方法もあります。

データ分析結果から実際のアクションに繋げられていない

前述の内容と重複しますが、データを分析するだけで、次のアクションプランへとうまくつなげられていない企業が少なくありません。

データドリブンマーケティングはデータを分析することが目的ではなく、分析結果から次のアクションを策定してより良い方向へと導くことが目的です。

しかし実際にはデータ分析だけで満足してしまい、次にどのようなアクションを行うべきか見えていないことも珍しくないのです。

改めて、自社のマーケティング課題やKPIなどを見直し、データの分析結果からネクストアクションを設定できる体制を構築しましょう。

関連記事:データ分析とは?分析に求められる仮説思考とは?

終わりに|ツール導入でデータドリブンマーケティングを実現しよう

データドリブンは、現代のビジネスで重視されている視点です。もちろんマーケティングで客観的に状況を判断して意思決定をするためには、データドリブンが重要となります。

「経験則でマーケティングを行っている」「センスだけで施策を決めている」といった場合は、データドリブンマーケティングを取り入れることでデータに基づいて効果的なマーケティング施策を行えるようになるでしょう。

ぜひ本記事を参考に、データドリブンマーケティングを取り入れてみてください。

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各ツールの詳細情報を1度に理解できる資料となっていますので、是非お気軽にダウンロードしてご覧ください。

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