「なんとなくWEBサイトを運営しているが、アクセス解析をしていないから成果が出ているのかわからない」
「自社サイトのアクセス解析をしたいが、どのツールを使ったら良いのかわからない」
WEB担当者のなかには、このような課題を感じている人も少なくありません。
適切なアクセス解析によって、自社サイトの現状を把握してブラッシュアップをし、成果につなげることができます。
そこで本記事ではアクセス解析で見るべき指標や手順のほか、アクセス解析におすすめのツールを紹介します。
アクセス解析を始めたい、アクセス解析に課題を感じている、といったWEB担当者はぜひ参考にしてください。
※アクセス解析を含む、営業とマーケティング活動が連携できる案件成約に特化したツールを紹介しています。
▶︎▶︎【マーケティングから営業まで一元管理】アクセス解析やフォーム作成が誰でも簡単にできるツールとは?
アクセス解析とは?
アクセス解析とは、WEBサイトを訪問したユーザーの属性や行動を分析する作業です。
アクセス解析で分析するのは、WEBサイト全体ではどのくらいのアクセスがあったのか、どのようなユーザーが訪問してきたのかという視点だけではありません。
このページにはどのようなキーワードで検索してきたユーザーが多いのか、このページからどのページへ遷移したのか、などページごとの分析も重要です。
さまざまな視点からアクセス解析をすることにより、自社サイトへ訪問してくるユーザー層を把握したり、どのようなニーズで流入してきているのかを理解したりできます。
これらのデータはWEBサイトの改善だけでなく、自社商品・サービスの開発やブラッシュアップにもつながるでしょう。
尚、アクセス解析を含む「データ分析」の考え方は、こちらの記事内で詳しく解説しています。
関連記事:データ分析とは?分析に求められる仮説思考とは?
アクセス解析の目的
WEBサイトのアクセス解析は、主に以下の目的によって行います。
WEBサイトの現状を把握する
多角的なアクセス解析により、自社のWEBサイトの現状把握が可能です。
- 「ページAは集客効果が高い」
- 「ページBを閲覧したユーザーは資料ダウンロードをすることが多い」
- 「ページCから離脱するユーザーが多い」
このような事実は、アクセス解析からでしか把握できません。
さらにアクセス解析によりトラブルシューティングの効果もあります。
たとえばGoogleのアルゴリズムのアップデートにより、検索結果の順位が大きく下落するケースがあります。
それまで1位を獲得していても、アルゴリズムの変更により10位以下に下がってしまうことも珍しくないのです。
しかしアクセス解析を怠っていると順位が下がったことに気づけず、適切な対処ができません。
このようにアクセス解析によって検知した数値異常の原因を解明できれば、スピーディに対処できます。
モニタリングにより目標達成度合を図る
何らかの目標をもってWEBサイトを運営している人が大半でしょう。
アクセス解析は、その目標をどのくらい達成しているか把握するという目的でも有効です。
月間のPV数や資料ダウンロード数などの目標を立てている場合、その成果を日々モニタリングして達成度合を見ていくことで、月間目標を達成できるかどうか現状を把握できます。
達成度合が思わしくない場合もすぐに対策を打つことができるため、月間目標を達成するよう調整できるでしょう。
施策の効果測定を行う
WEBサイトへの集客のため、SEO対策やWEB広告、メールマーケティングやSNSマーケティングなどさまざまなオンライン施策を実行します。
それらの施策がどの程度の効果を上げているのかを把握するためには、アクセス解析が有用です。
どのWEB広告やSNSからの流入が多いのか、どのキーワードで検索上位を獲得できているのか、などをアクセス解析により把握できれば、自社サイトが強化すべき施策がわかります。
また、思うように効果が出ていない施策については、その原因を探って改善できます。
▶︎▶︎【MAツールの選び方】マーケティングオートメーションとは?わかりやすく解説します!
アクセス解析の主な指標
アクセス解析では、目的に応じてさまざまなデータを読み解きます。
主に以下の指標について確認すると自社サイトの現状把握や課題発見につながるので、必ずチェックするようにしましょう。
PV(ページビュー)数(表示回数)・アクセス数
そのページの閲覧回数を示すPV(ページビュー)数(表示回数)は、そのページにアクセスされた回数という意味でもあるのでアクセス数とも言います。
PV数は単純にページが表示された回数なので「5人のユーザーがページAを1回ずつ閲覧した」と「1人のユーザーがページAを5回閲覧した」では、同じくPV数は「5」とカウントされます。
たとえばユーザーが「ページA→ページB→ページA」と遷移したら、ページAのPV数は「2」、ページBのPV数は「1」となります。
UU(ユニークユーザー)数
UU数とは、一定期間内にWEBサイトに訪問したユーザー数を示します。
ユーザーのIPアドレスやデバイスなどの情報から個人を識別してUU数としてカウントするため、同一人物が何度訪問してもUU数は「1」となります。
たとえば1日のうち「サイトに1回アクセスしたAさん」「サイトに3回アクセスしたBさん」「サイトに5回アクセスしたCさん」の3人がいても、アクセス回数には関係なくUU数は「3」です。
同一人物がスマートフォンとパソコンなどの異なるデバイスでアクセスした場合でも、Googleアカウント情報をユーザー識別に利用することで、同一ユーザーとして判別できるようになっています。
セッション数(訪問数)
セッション数とは、ユーザーがWebサイトに入ってきて、離脱するまでの一連の流れが行われた回数のことを指します。
1人のユーザーが何ページも閲覧したとしても、セッション数は「1」とカウントされます。
また、1度離脱したユーザーが30分以内に同じサイトに戻ってきた場合も、同じセッションとして扱われます。
ただし以下の場合は、新しいセッションとしてカウントされます。
- 何も操作しないまま一定時間が経過した(デフォルトでは30分)
- 異なるデータストリームを跨いでページ遷移したとき(同一プロパティ内であっても)
- 異なるドメイン間を遷移したとき(同一データストリーム内であっても)
セッション数とPV数に大差ない場合は、ユーザーがサイト内を回遊していないと考えられます。
※PV、UU、セッション数の各指標はGA4の定義に基づいて紹介しています。
直帰率・離脱率
直帰率と離脱率は、どちらも「そのページを見て離脱したユーザーの割合」を示しますが、定義が少し異なるので理解しておきましょう。
直帰とは「そのページだけを閲覧してWEBサイトを離脱した」という場合です。一方の離脱とは「そのページを閲覧してWEBサイトを離脱した」という場合です。つまり直帰は離脱の一部と言えます。
たとえば以下の2つのケースはどちらもページAでの離脱ですが、前者は直帰となります。
ページA→離脱(直帰)
ページC→ページB→ページA→離脱
直帰や離脱を招く要因として「ユーザーがそのページに満足できなかったから離脱した」というケースが考えられます。ただし、そのページを閲覧してユーザーのニーズが満たされた場合でも離脱することがあります。また登録完了や購入完了などのページも離脱率が高くなる傾向です。
このように直帰や離脱はマイナスの要因だけとは限らないため、直帰率・離脱率だけを見るのではなく、検索順位や滞在時間なども含めて検証する必要があります。
回遊率
回遊率とは「PV数÷セッション数」で求められるように、同一セッション内でサイト内の他のページをどのくらい閲覧したかを示す指標です。
回遊率が低い場合は、ユーザーがサイト内の他ページに遷移できていないことを示します。内部リンクを最適化し、ユーザーが他ページへ遷移できる導線を設計しましょう。
CVR(コンバージョン率)
コンバージョンとは、WEBサイト内でユーザーに起こしてほしいアクションです。
サイトによって異なりますが、以下のものがコンバージョンとして設定されることが多く見られます。
- 会員登録
- 商品購入
- メルマガ購読
- 資料請求
- ホワイトペーパーダウンロード
- 無料トライアルへの申し込み
- お問い合わせ
コンバージョン率が低い場合は、最適な導線が設置できていないと判断できます。
ページの内容を魅力的にしたり、CTAボタンを最適化したりして、ユーザーがコンバージョンを起こしやすいよう工夫しましょう。
アクセス解析の手順
アクセス解析は以下の手順を意識すると、スムーズに進められます。
1.自社の目的とWEBサイトの目的(KGI)を明確にする
具体的なアクセス解析を始める前に、ゴールとなるKGIの設定から始めます。
KGIが明確でなければ方向性がブレてしまい、WEBサイトで成果を上げにくくなってしまうでしょう。
KGIは自社のビジネス目標だけでなく、WEBサイトの最終目標も設定します。
たとえば「売上〇%アップ」が自社のKGIだとすると、そのKGIを達成するためにWEBサイトでは「WEBサイトでの売上〇万円」や「WEBサイトからのリード獲得数〇件」といった最終目標を設定するわけです。
関連記事:KGIとは?ーKPI・OKRとの違いをまとめて解説
2.KGIを達成するための要因(CSF)、中間目標(KPI)を設定する
次に、KGIを達成するための具体的な施策となるCSFと、KGI達成度合を評価するための中間目標となるKPIを設定します。
たとえばWEBサイトのKGIが「売上〇万円」とすると、CSFは「ユーザー数の増加」「購入単価のアップ」などになります。
そしてCSFを基に「自然検索からの流入数〇件」「WEB広告からの流入数〇件」「クロスセル〇件」などのKPIを設定します。
関連記事:KPIとは?営業のKPI設定方法とKGIとの違いを簡単に解説
3.目標数値を決定する
WEBサイトの成果を測る指標は多岐にわたるため、どの数値を見るのかを具体的に決めておかなければいけません。
見るべきデータが多すぎたりバラつきがあったりすると、正確な効果を判断できなくなります。
見るべき指標が定まったら、具体的な目標値に落とし込みましょう。
4.ツールを導入する
WEBサイトの正確なアクセス解析には、ツールの活用が欠かせません。
アクセス解析ができるツールはさまざまな種類がありますが、ツールによって使い方や機能が異なります。
専門的なスキルや知見がなければ使いこなすのが難しいツールもあるので、自社の目的や人的リソースなどを考慮してツールを選定しましょう。
5.継続的にデータ収集・分析する環境を作る
アクセス解析は1カ月に1度の頻度では不十分です。できれば毎日、継続的にデータを見るようにすると、数値の傾向を把握したり変動に気づいたりできます。
継続的にデータを収集して分析するには、担当者の意識だけでなく環境整備も重要です。
データを蓄積できるようExcelやGoogleスプレッドシートなどでレポートを作ったり、自動レポーティング機能のあるツールを選んだりすると良いでしょう。
アクセス解析のポイント
アクセス解析の目的は、目標達成のための改善にあります。その上で、つい忘れてしまいがちな、実は大事なポイントをご紹介します。
期間を設定し比較検討を行う
これまで沢山のアクセス解析指標をご紹介しましたが、これらを用いて分析を行う際、期間同士での比較をすることが大切です。
一定期間のみの数値を見ても、その変化の様子はわかりませんし、それ自体に意味を持たせることは難しいです。
施策の効果検証などを行う際にも、必ず比較を行い、そこで出たインサイトを生かして次の施策を考えましょう。
内部要因だけを探らない
改善がうまくいかないと、自分の施策の善悪にのみ目が向いてしまいがちになります。
しかし、WEBサイトへのアクセスは必ず外的要因に影響されています。
うまくいかない時こそ、市場の動向やトレンドを理解してマクロな目線から分析を行うことで、新しいヒントが生まれるかもしれません。
利用者の目線を忘れない
アクセス解析で取り扱うのは、数字です。しかし、その数字は人間であることを忘れてはいけません。
例えば、資料のダウンロードに誘導したいのにダウンロード数が伸びない場合、ユーザーの真のニーズからズレが生じていると考えるべきです。そのため、必ず利用者目線を忘れずに分析・改善を行いましょう。
【無料ツールあり】おすすめアクセス解析ツール9選
ここからは具体的におすすめのアクセス解析ツールを9製品紹介します。
無料・有料問わず、活用できるアクセス解析ツールを紹介するので、自社サイトのブラッシュアップのためにぜひ参考にしてください。
①Mazrica Marketing|SFA/CRM機能搭載のMAツールのアクセス解析
営業支援機能も有するMAツール「Mazrica Marketing」にはマーケティング機能が充実しており、そのうちの一つとしてアクセス解析機能が搭載されています。
リードや顧客のWEB行動履歴を把握できるため、営業担当者はアクセス解析の結果に基づいた提案やフォローが可能になります。
たとえばリードのWEBの行動履歴から抱えている課題を把握できれば、その課題解決につながる内容を提案することで成約率を高められます。
また顧客がFAQサイトのどのページを頻繁に閲覧しているか把握することで、適切にフォローして運用定着につなげられるでしょう。
このようにアクセス解析データと営業データを紐づけて分析することで、より精度の高いマーケティング・セールスプロセスを構築できるのです。
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②Google Analytics|Googleから提供されているアクセス解析ツール
Google Analytics(アナリティクス)は、Googleが提供しているアクセス解析ツールです。
無料でありながらさまざまな機能が搭載されているため、WEB担当者にとっては必須のツールと言えます。
有料版も提供されており、大規模なサイトの解析におすすめです。
Google Analyticsでは自社サイト内でのユーザーの行動を追うことができ、PV数・セッション数・離脱率などの基本項目のほか、ユーザーの属性やデバイス、流入経路やCVRなども分析できます。
なお、2023年7月1日からはGoogle Analytics 4プロパティに完全移行するため、Universal Analytics(GAの第3世代)のサポートが終了となります。
【URL】https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/analytics/
③Google SearchConsole|Google検索での掲載順位を改善する
Google SearchConsole(サーチコンソール)もGoogleが提供しているツールです。
Analyticsは自社サイト内の動きを分析できるのに対し、SearchConsoleはGoogleの検索エンジン上でのユーザーの動きを分析できます。
具体的には、どのようなキーワードでどのくらいの検索順位を獲得したのか、Googleに正しくインデックスされているか、モバイルユーザーに対応しているか、などが把握できます。
WEBサイト訪問前から訪問後のユーザーの動きを正しく理解するために、Google Analyticsとセットで活用できるようにしましょう。
【URL】https://search.google.com/search-console
④Similar Web|あらゆるウェブサイトをチェック分析
Similar Web(シミラーウェブ)は、自社サイトだけでなく競合サイトのアクセス解析までできるツールです。競合サイトとの比較機能を活用すると、自社サイトのボトルネックが把握できるため改善につながります。
無料版と有料版が提供されています。無料版は機能が限定されるため、詳しくアクセス解析をしたい場合は有料版を利用しましょう。
【URL】https://www.similarweb.com/ja/
⑤FARO REPORT|Googleアナリティクスのデータを効率よくアクセス解析レポートに
Googleアナリティクスやサーチコンソールのアクセス解析レポートを自動作成できるのがFARO REPORTです。無料版と有料版が提供されており、1サイトのみであれば無料版でも充分に活用できます。
「データを読み解くことはできるが、レポートを作成する時間がない」という人でも、FARO REPORTであればわずか1分でレポートが自動作成されるため、会議などのためにわざわざレポートを作成する必要がありません。
分析機関を指定したレポートや売上指標も網羅したECサイトレポートなども作成できるため、必要なレポートを抽出しておけばさまざまな用途に活用できるでしょう。
【URL】https://faro-adreport.com/
⑥User Heat|無料ヒートマップ解析ツール
ユーザーが熟読した箇所やクリックしたポイントなどをヒートマップ形式で分析できるUser Heat。ヒートマップ形式なので、直感的に把握できるのが特徴です。
パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットからのアクセスにも対応しており、デバイス別のユーザーの動向を把握できます。
⑦User Local|スマートフォン解析ツール
業種にもよりますが、モバイルからのアクセス数が増加しているという企業も多いのではないでしょうか。そのようなサイトにおすすめなのがUser Localです。
ユーザーのスマートフォンの機種や属性まで分析できるため、自社サイトにアクセスするのはどのようなユーザーが多いのかを把握できます。
【URL】https://www.userlocal.jp/
⑧AIアナリスト|AIがWebサイトを分析
AIアナリストは、Googleアナリティクスに連携しておくだけで利用できるツールです。Googleアナリティクスなどでアクセス解析ができたとしても、具体的な改善策にまで落とし込むのは難しいと感じている人におすすめです。
AIアナリストはGoogleアナリティクスのアクセス解析データを基に、AIがWEBサイトの改善点を提案したり、自動でレポートを抽出したりできます。WEB担当者の負担が軽減し、作業効率がアップするでしょう。
⑨FC2アクセス解析|高機能アクセス解析
FC2アクセス解析は、タグを埋め込むだけで利用できる無料のアクセス解析ツールです。120ページまで解析できるため、運営しているのが1サイトであればFC2アクセス解析で充分に分析できるでしょう。
人気検索キーワードを解析する「ソーシャル解析」や、サイト上の有効なリンクを解析する「リンク先解析」などの充実した機能が無料で利用できます。
【URL】https://analyzer.fc2.com/
アクセス解析はサイト運営に必須
WEBサイトを運営している企業にとって、アクセス解析は欠かせない作業です。自社サイトを適切にブラッシュアップして成果を上げていくためには、アクセス解析によって現状把握や課題発見をしましょう。
またアクセス解析のデータは、WEBサイトの改善だけでなく、他のマーケティング施策や営業活動などにも活用できます。アクセス解析データを有効に活用し、自社のビジネスを促進しましょう。
マーケティング〜営業のプロセスの劇的に効率化|Mazrica Marketing概要資料
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