山の頂上を目指すとき、事前にどのような道順で登るか考えてから進まなければ、時間内に頂上に達成できないだけでなく、最悪の場合は遭難してしまいます。
営業活動も同じで、ゴールとなる目標を設定するだけでゴールに至るプロセスを設計できていなければ、目標を達成できなくなるのは明白です。
そこで大事になるのが、目標達成までの計画を設計する「アクションプラン」。
今回は営業アクションプランの立て方・書き方について解説します。
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この記事の内容
営業アクションプランとは
アクションプランとは直訳するとわかるように、目標達成のための行動計画です。
つまり営業におけるアクションプランとは、目標を達成するために「いつ」「誰が」「何をやる」といった行動の計画表になります。
営業部やチームで共有するアクションプランと、営業パーソンごとのアクションプランを作成し、組織レベルと個人レベルでやるべきことを具体化します。
また、中長期的なアクションプランと短期のアクションプランを作成することで、より自分のやるべきことが明確になるでしょう。
▶︎営業のアクションプランを作る際に役立つ「営業効率化ツール」7選
営業でアクションプランを作るメリット
営業部には「目標を達成しろ!」と結果を求められることが多々あります。
しかし目標にたどり着く道筋を描けていなければ、いくら目標を意識しても達成できなくなりますよね。
現に、仕事の進め方や次にやるべきことが分からずに、営業活動が思うように進まない営業パーソンも少なくありません。
そこでアクションプランを活用し、目標にたどり着くまでの道筋を明確にし、いつ・何を・どのくらいやらなければいけないかを具体化します。
結果として自分がやるべきことのスケジュールを把握でき、営業活動が効率化して生産性の向上が期待できるのです。
また部門やチームでアクションプランを作成することにもメリットがあります。
事前にアクションプランで人材の配置をしておくことにより、限られた営業リソースを有効に活用できるのです。
また、いつ・誰が・何をするのかをアクションプランで明確にすることで、人材や案件の管理もしやすくなるでしょう。
【関連記事】営業情報共有ツール3選!導入の目的と効果
営業アクションプランの立て方5つ
営業アクションプランを立てるには、どのように進めていけばいいのかわからない人も多いかもしれません。
BtoB/BtoCや業種、営業体制などによっても異なりますが、基本的には以下の手順で進めていきましょう。
1.目標を設定する
営業アクションプランを立てるうえで目標設定は不可欠です。
目標設定は大きな目標を土台にしてなるべく細分化して設定すると、より細かくアクションプランを立てることができ、目標達成の確率が高まります。
たとえば最終的に「月間売上○万円」を達成したいのであれば、そこに至るまでには「新規リード獲得数○件」「新規受注数○件」「アップセル契約数○件」などの目標を達成していく必要がありますよね。
これらの細分化した目標をベースにして、具体的なアクションプランを設計していきます。
【関連記事】目標管理の4つのコツ|部下のモチベーションを最大限引き出す
2.目標達成のためにやるべきことを洗い出す
目標を設定したら、その目標を達成するためにやるべきことを洗い出します。
先述の例では、下記のようなタスクが挙がるでしょう。
【新規受注数○件】
- 毎日○件テレアポをする
- ○件の既存顧客から新規を紹介してもらう
- 毎日○件商談を行う
- 提案資料を改善する
- 電子契約を導入してリードタイムを短縮する
このようにやるべきことを洗い出すことで、優先してやらなければいけないことも把握できます。
3.リソースを分配する
タスクを洗い出したら、それぞれにかかる工数を見積もり、リソースを分配します。
特に組織のアクションプランでは、予算や人材などのリソースを考慮して適切に配置しなければ、最終的に無理のあるアクションプランになってしまいます。
また、作業量の見積もりを適当にしてしまうと「実際には倍以上の時間がかかってしまった」となってしまい、目標達成までの時間も延びかねません。
このように、工数の見積もりとリソースの分配は、アクションプランを円滑に進めるために欠かせない工程です。
4.タスクをスケジュールに落とし込む
それぞれのタスクをスケジュールに落とし込み、アクションプランとして設計していきましょう。
前の段階で工数や担当者の分配が完了しているため、その情報を基にして具体的な日付を当てはめていきます。
このとき、少し余裕をもって期日を設定しておきましょう。
思わぬトラブルや突発的な仕事が入り、予定通りにスケジュールが進まない可能性もあるからです。
組織のアクションプランの場合は、関わるメンバーにスケジュールを共有し、無理なく進められるか確認することも忘れないようにしましょう。
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5.アクションプランを作る際の形式
アクションプランに決まった書式・形式はありません。
極端に言うと、管理できるのであれば箇条書きでも問題ないのです。
ただし、管理のしやすさや見やすさの点から、ガントチャートを用いることが多く見受けられます。
ガントチャートはExcelやPowerPointで作成でき、テンプレートも豊富に流通しています。
また、タスク管理ツールをはじめとするITツールを導入するのもおすすめです。
【関連記事】タスク管理ツール・ToDo管理におすすめ12選を徹底比較【2022年最新版】
営業アクションプランを作る際のポイント4つ
営業アクションプランを作成する際には、以下のポイントを意識すると精度が高まります。
1.実際の行動を記録する
アクションプランの目的は、作成することではありません。アクションを実行し目標を達成することが目的です。そのため、実際の行動履歴の記録は欠かせません。
記録をしていくことで、プラン通りに進んでいるかどうか把握できます。
さらにプランと現実の乖離も見えるようになり、早い段階で軌道修正ができるようになるでしょう。
2.障壁となりそうなリスクを想定しておく
アクションプランの作成時点で、目標達成の障壁となりそうなリスクも洗い出しておきましょう。
たとえば「人的リソースが足りなくなりそう」「A社には競合他社が介入しそう」「B社は稟議が通りにくそう」などの営業リスクが想定できるはずです。
これらのリスクを洗い出すことにより、事前に対策を取ることができます。
たとえば「A社には競合他社の介入が想定される」という障壁には「A社を優先して訪問する」「競合他社の提案内容を調査しておく」などの対策ができるでしょう。
これらの対策もアクションプランに盛り込んでおくことで、行動の抜け・漏れを防ぎ営業チャンスを逃しません。
3.具体的な数字で考える
アクションプランは、定量的に計れるよう数字で考えましょう。
日付はもちろんですが、件数や金額など具体的な数値で設定すると、目標達成までの度合いがわかりやすくなります。
またPDCAを回す際にも、数値で分析するほうがプランと現実の乖離が見えやすくなるでしょう。
4.PDCAサイクルを回す
アクションプランは定期的に分析・検証し、必要があれば軌道修正することも必要です。
時代の変化やリスクなど想定外のことが起き、プラン通りにスケジュールが進まないことも少なくありません。
今まで通りのアクションプランでは変化に対応できずにチャンスロスしてしまう状況であれば、アクションや数値の変更をしていきましょう。
アクションプランを変更するだけでなく、目標自体を変更しなければいけないこともあるので、臨機応変に対応できるよう常にPDCAサイクルを意識することがポイントです。
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SFAを活用したアクションプランの作成
※営業支援ツールSenses(センシーズ)を活用したアクションプラン作成の一例
ExcelやPowerPointのアクションプランは、なかなか営業チーム全体で共有することが難しく、運用が定着しない懸念があります。
そこで、営業活動に関わる情報を一元管理できるSFAをアクションプランとして活用するのがおすすめです。
SFAについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:SFAとは?CRM・MAとの違いは?意味・役割・主な機能を徹底解説
ここでは、Senses(センシーズ)を例にアクションプランとしての活用方法を紹介します。
目標を設定する
Sensesには目標設定機能があり、売上目標とアクション目標を設定することができます。
売上目標では、週次・月次・四半期・半期・年次で目標を設定でき、契約金額と計上金額の2種類で設定が可能です。
アクション目標では、週次・月次・四半期・半期・年次ごとに各営業アクションの目標値を設定することができます。
それぞれ営業担当者ごとに目標を設定できるため、チームの目標と個人の目標を追っていくことができるのです。
行動予定と実際の行動履歴を入力する
Sensesでは案件や顧客に紐づいて営業アクションを登録できます。
アクションには「予定アクション」と「完了アクション」があり、予定アクションで行動予定を管理し、完了アクションで実際の行動実績を登録することが可能です。
たとえば週間の訪問件数やオンライン商談件数などを目標値として設定している場合、予定アクションにて「いつ・誰に・何をする」を事前に設計しておくことにより、やるべきことが明確化します。
さらに、営業アクションを実行できたら完了アクションとして登録し、実行できなかったら完了アクションには登録しない、とルール決めをしておけば、プランと現実の乖離も見えてきます。
【関連記事】営業のアクション管理の重要性|3回で1案件受注が増える?
目標までの達成度を分析する
売上金額・営業アクションの目標は、それぞれ「売上予測レポート」「アクション予測レポート」にて達成度を確認できます。
アクションレポートでは未完了のアクションも抽出できるため、行動の抜け・漏れを防ぎ、確実に目標達成まで近づけます。
※Sensesの「売上予測レポート」では直感的に分かりやすいグラフで、未来の売り上げ見込みを予測できます。
達成率は自動で計算され、直感的にわかりやすいグラフで抽出され、分析にかかる手間や時間を省く効果もあります。
【こちらの記事もおすすめ】SFA(営業支援システム・ツール)比較44選|2022年最新版
DSRを活用したアクションプランの作成
デジタルセールスルーム(DSR)とは、BtoB企業が見込み顧客と情報や営業コンテンツを共同し、効率的な営業活動を行うことを目的としたオンラインスペースのことです。
デジタルセールスルームでは、売り手と買い手がリアルタイムでチャットのやり取りをしたり、チャットや動画メッセージ、資料の共有などによってオンデマンドでの交流を行うことができます。
DealPods(ディールポッズ)は営業と顧客においてやり取りされる、
- 製品紹介や提案書などの資料
- 参考Webページやデモンストレーション動画などのURL
- 議事録や案件サマリーなどのテキストメモ
- 約束や宿題、確認事項など双方のタスク管理
- 連絡や質問などのチャットコミュニケーション
これらの情報を、たったの数十秒で構築できる堅牢な招待制マイクロサイト(専用Webページ)のURL一つにまとめて共有します。
営業は、マイクロサイト内での買い手の行動情報を取得し顧客分析を可能にすることで、求められている情報を求められているタイミングで提供できるようになります。
これにより買い手は、より早く、楽に、知りたい情報を取得でき購買体験が向上します。
営業は、より早く、確実にお客様と信頼関係を築きながら案件を受注できます。
営業も顧客も、互いに協力し合い案件やプロジェクトを前に進められるようになるのです。
終わりに
営業活動では、目標設定だけでなくアクションプランの設計も大事だとご理解いただけたと思います。
予定通りに進むのは難しいかもしれませんが、SFAを活用して実績入力と分析を繰り返していくことで、より精度の高いアクションプランが出来上がるでしょう。
まだアクションプランの作成をしたことがない人は、これを機会にぜひ挑戦してみてくださいね。

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