営業チームのメンバーで売上に大きな差が出てしまい、悩んでいる営業マネージャーは多いのではないでしょうか。
売れる営業の知識やノウハウを共有することで、「売れない営業」が「売れる営業」へと変わり、新人の教育コストを削減できるというメリットもあります。
つまり、事業の成長には「営業の属人化」の解消が必要不可欠です。
今回は営業の属人化がなぜ起こるのか?解消の方法と併せて解説していきます。
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この記事の内容
営業の属人化とは?
営業が「属人化」しているとは、どういうことなのでしょうか?
実用日本語表現辞典を調べてみると、属人化とは、「企業などにおいて、ある業務を特定の人が担当し、その人にしかやり方が分からない状態になることを意味する表現」となっています。
営業の仕事に当てはめると、営業担当それぞれのカンやコツ、経験、モチベーションによって、売上げが左右されしまっている状態ということですね。
営業の属人化が引き起こす問題
なお、営業組織が属人化していると、以下のような問題を引き起こします。
- 個人が長時間かけて築きあげてきた営業活動のノウハウが社内に残らない
- 営業活動を分析して課題を抽出したり、改善策を考案・実行できない
- ノウハウが共有されないので、新人の教育に時間がかかる
- 担当が異動や退職をした場合、既存顧客との引き継ぎが上手くいかないなど、トラブルが発生しやすい
組織が属人化していると、個人事業主やひとり社長として営業をしているのと変わらず、チームとしての力を発揮することができません。
営業はなぜ属人化してしまうのか?
では、属人化を防ぎ、解消するにはどうしたらいいのでしょうか?
まずは「属人化」してしまう理由を考えてみると、解決の糸口が見えてきそうです。
①立場を守りたい
「知識を共有することで他の人にも成果を上げられてしまうと、売上実績や組織の中で自分が優位に立てなくなるのでは」などの考えから、知識やノウハウを自分だけのものにしたがる人は多いです。
特に、相対的に社員を評価して給与やボーナスを決めている場合には、相手を優位に立たせてしまうという恐れから、情報を隠しておきたがる傾向が強くなります。
②ミスが発覚しないようにしたい
すべての情報を共有すると、成果だけでなくミスも共有される可能性があります。
ミスがみんなに知れ渡るのは誰にとっても嫌なことなので、隠したくなる気持ちもわかりますが、これによって客観的なチェックができなくなったり、ミスの発覚が遅れ、対応が後手に回ってしまいます。
③自分の仕事で手一杯
3つ目の原因は、忙しすぎて情報共有ができてない状態です。
上述した①、②と違って意図的に隠しているわけではないものの、必要な情報すら伝達できていないと、トラブルやミスが起きかねません。
また、「自分でやった方が早い」との考えから周囲に仕事を回さない人もいますが、属人化に繋がるだけでなく、新人教育の観点からもあまり好ましいこととは言えません。
④属人化を防止する仕組みや対策がない
基本的な行動が標準化・平準化されていなかったり、組織として属人化することを良しとしている場合、いつまで経っても属人化した状態から抜け出せません。
営業の属人化を解消する7つの方法
前項で見てきたように、意図しているにせよ、していないにせよ、「属人化」している方が本人たちにとってはメリットが多い状態に変わりはありません。
つまり、情報共有をするよう個人の意識を変えるのは、なかなか難しいのです。
では、どのようにすれば属人化を解消し、チーム内で情報を共有できるようになるのでしょうか?
ポイントを7つ紹介します。
こちらの記事では営業の属人化をはじめいくつかの営業課題に関する解決策を紹介しておりますので併せてご覧ください
関連記事:営業のよくある7つの課題と解決策を徹底解説!
①情報共有を大切にする社風をつくる
「もっと情報共有をしよう!」という話は、定期的にマネージャーやメンバーから出てきます。
都度、チャットを導入したり、週一回の定例でランチミーティングをすることにしたりと、さまざまな案が出て、実行されると思いますが、効果を感じられなかったり忙しかったりといった理由で、なかなか続かないのではないでしょうか。
これらはあくまでも情報共有のツールだったり、手段に過ぎません。
使う側の人間の意識が変わらなければ、使わなくなってしまう(やらなくなってしまう)のは当然だとも言えます。
しかし逆に言えば、使いたくなる・やりたくなる仕組みを作ればいい、ということになります。
例えば、情報共有をするごとにThanks(ありがとう)ポイントが溜まり、四半期ごとに集計してトップだった人には賞品が出たり、コメントに必ずフィードバックがあるだけでも「情報共有しよう」というモチベーションに繋がります。
②営業組織の目標を明確にする
続いて、組織の方向性を統一するため、組織全体で共有すべき目標を明確化しましょう。
目標を設定することで、全てのメンバーが同じ方向に向かって努力でき、各個人の成果が全体の成果にどう貢献するかが見えやすくなります。
具体的な売上目標、顧客獲得数、または契約の更新率など、測定可能で現実的な目標を設定し、全員がその達成に向けて協力する体制を整えましょう。
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③管理するデータを決める
情報は際限なく増えるもので、すべてをみんなで共有する=見える化したり、管理することは、不可能です。
しかも、見える化した情報全てが必要だとは限りません。
そこでまずは、共有すべき情報・データを決めることから始めます。
営業の組織であれば、以下の情報・データを網羅できるようにしておくといいでしょう。
- 取引先・コンタクト・顧客管理・・・企業や担当者の情報、商談の履歴・進捗
- 目標管理・・・組織と個人の目標と、目標の進捗や達成度合い
- 案件管理・・・商談日、取引先、営業担当者、商材、商談経緯、商談内容、案件の進捗受注の確度(見込度)、受注予定日、売上予測額(見込額)、営業の行動履歴
- 行動管理・・・営業が取った行動の内容、担当者、フェーズ、改善施策と実施結果、使った資料(提案書など)
これにより、「いつ」「誰が」「どんな案件を」「どのように処理したのか」を全員で共有できるようになります。
ただし、いきなり全ての情報を共有するのは営業にとって負荷になりかねません。
上記の情報にも優先順位をつけておき、共有の範囲を少しずつ広げると良いでしょう。
関連記事:営業のデータ活用を推進する5ステップと企業のデータ活用事例
④営業プロセスを見える化・共有する
売れない営業を売れる営業にするには、売れる営業のやり方を真似させるのが、一番の近道です。
提案資料やお客さまに伝えるフレーズ、メールを送るタイミング一つを取っても、各営業担当それぞれに特徴があります。
特徴を一つ一つ分析して、良いパフォーマンスと悪いパフォーマンスを明確にすることで、成約に結びつく理想の営業プロセスを見つけることができます。
さらに売れる営業は、お客さまに合わせてアイスブレイクを変えたり、取引の危険信号を敏感にキャッチしたりといった、高度なノウハウやスキルを持っている人が多いです。
本人も意識していなかったり、言語化しづらい部分ではありますが、先輩や上司が上手にヒアリングすることで、引き出すことができます。
営業のプロセスの見える化に関しては以下の記事も参考になります。
関連記事:営業プロセスの見える化とは?可視化の3ステップを解説
⑤ITツールを導入する
営業プロセスを見える化・共有を進めるため、CRM(顧客関係管理システム)やSFA(営業管理ツール)などのITツールを導入しましょう。
CRMやSFAは、顧客情報や営業活動を一元管理し、リアルタイムでのデータアクセスを可能にするツールです。
また、自動化されたレポート機能やアラート機能により、営業活動の進捗やパフォーマンスを継続的に追跡してくれるため、属人化の解消の効率化に役立ちます。
関連記事:SFAとは?CRM・MAとの違いや選び方と営業の成功事例まで解説
⑥営業マニュアルを導入する
営業マニュアルとは、営業活動の流れや営業で成果を出すためのノウハウなどがまとめられたものです。
営業活動では、顧客の購買意欲を刺激するトーク力や、顧客の課題を聞き出すヒアリング力など、さまざまな営業スキルが必要になります。しかし営業活動が属人化している組織では、営業担当者一人ひとりの営業スキルが均一ではないため、成果にもバラつきが生じます。
そこで営業マニュアルを活用し、自社の営業プロセスやノウハウを理解することで営業のスキルを底上げでき、成果の均一化が実現します。
参考記事:営業マニュアルの作り方|テンプレートや運用方法も解説
⑦営業プレイブックを導入する
営業プレイブックとは、誰が・何を・どのくらいできるようになるか、という営業活動に関わるノウハウやナレッジなどをまとめた資料です。「プレイブック」とは、もともとスポーツでの戦略をまとめた「戦略集」を指しますが、戦略が重要なビジネスシーンでも活用されるようになりました。
特に、営業活動は単なるルーティン作業ではなく、ノウハウやナレッジを活かした戦略的なアプローチが求められます。そのため、属人化の解消。営業力強化のために営業プレイブックを活用する企業が増えています。
参考記事:営業プレイブックとは?営業組織のレベルアップの必須アイテム
営業の属人化解消のために必要なSFA(営業管理ツール)
営業の属人化解消のために、これまで紹介してきた、
- 情報共有を大切にする社風をつくる
- 管理するデータを決める
- 営業プロセスを見える化・共有する
以上を実践していくためにはSFA(営業管理ツール)が必要不可欠です。
中でも、SFAツール Mazrica Salesを活用すれば、過去のやり取りや使った提案資料、先方のキーマンの情報など、誰がいつ見ても分かりやすく、案件の情報を整理することができます。
蓄積された案件や営業活動の情報はMazrica Sales独自のアルゴリズムによって分析され、同じような提案状況にいる営業パーソンに、おすすめアクションとして成功事例を共有することも可能です。
似た状況で行われた営業トークや、提案書、プロジェクトの進め方を全員が学習することもできます。
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関連記事:【Mazrica Sales活用事例】Mazrica Salesがなぜ営業の属人化を改善し、生産性向上に貢献できるのか?
おわりに
これまでの解説からわかるように、情報共有を効果的・継続的に行うには、仕組みをつくることが大切です。
しかし、直接的な利益がなかったり、仕事が進まなければ、なかなか情報共有はしないもの。
特に、売れる営業、優秀な営業からしてみたら、自分は情報を提供するばかりで、そのための資料を作ったりなど、不利益を被っていると感じてしまうことにもなりかねません。
そこで有効なのが、何もしなくても情報共有できる仕組みを作ってしまうことです。
例えばSFA(営業支援ツール)を導入すると、いつものように案件登録やメール送信などをするだけで、
- 営業活動に関する情報を全員が閲覧できるようになる
- 案件の更新、各担当者の行動情報などが通知される(営業の動きがリアルタイムで分かる)
- ツールが、成果に繋がる最適なネクストアクションを提案してくれる
・・・などのように、簡単に情報共有ができ、属人化することを防げます。
SFAには、さまざまな機能や価格のものがあり、自社に合ったものを選ぶことが重要です。
比較や検討をする際にはぜひ、「SFA/CRM分類チャート」を以下のリンクよりダウンロードください。
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