営業本部 営業推進部 営業推進グループ 主任 田子 光太郎 様
営業活動を正しく評価・分析するために、
“営業活動全体の流れ”の可視化が課題となった
1)企業紹介
「自然を、おいしく、楽しく。」をブランドステートメントとして掲げ、食品や飲料、調味料などの製造・販売を手がける、カゴメ株式会社。
農業から生産・加工・販売まで一貫したバリューチェーンを持つことを強みとする同社は、1899年の創業以来120年以上にわたって日本の食のあり方を提案し続けてきた。現在は「トマトの会社から、野菜の会社に」をビジョンとし、現代における “野菜不足” という課題の解決に向けた取り組みを加速させることで、人々の健康に貢献している。
2)Mazrica Sales導入前の営業組織の状況と課題
カゴメ株式会社では、営業活動において、一部の事業部でSFA/CRMを導入し営業管理を行なっていたが、”営業活動全体の流れが見えない”ことが課題になっていたという。今回Mazrica Sales導入をリードした田子氏は、当時の状況をこう振り返る。
「原料費・物流費の高騰や人口減少による市場の縮小など多くの環境変化に直面する中で、何か変化が起きた際に迅速に対応できる仕組みを作るために、まずは営業組織の現在地を把握することが重要だと考えました。
顧客接点や売上の管理は問題なく行えていた一方で、”商談の進捗度合いはどうか”といった営業活動全体の流れが見えず指標を標準化できていないことが課題として挙がりました。
原因として、元々のシステムでは業態ごとにプロセスを分けて管理することが難しい点や、入力負荷が高くこれ以上項目を増やすことはできない点が考えられました。」
見えないプロセス部分は個人的にエクセル管理をしているメンバーもいて、それ自体は主体性が生まれる良さがあると思う一方で、組織としては属人化していることや、基準・目線が合っていないことが問題だと感じていたという。
「日報では商談や提案の結果の報告が主であり、”なぜうまくいったか、うまくいかなかったか”そのプロセスの深堀りは難しく、正しく評価・分析するのは難しいと考えます。
データの不足によって “売上変化が外部環境に起因するものなのか・営業活動に改善点があるのか” を深掘りして分析することができませんでした。
そして、このようにせっかく入力した情報が適切に活用されていない状況が、営業メンバーたちに “何のためにデータを入力しているんだろう” と感じさせてしまうという、悪循環に陥っていました。」
こうした状況を受け、売上目標達成に向けて適切にPDCAサイクルを回していくために、“点” の情報ではなく営業活動全体の流れを “線” として見通せる仕組みを新たに作り直そうと、SFA/CRMの見直しを行うに至った。
入力負荷を軽減するUI・レスポンスタイムと、
営業活動を可視化する「案件ボード」の一覧性の高さが決め手に
3)SFA/CRMの選定プロセスと決め手
新たなSFA/CRMに求められるのは、【営業活動全体の流れを可視化できる】こと、そしてそのために欠かせないデータを不足なく入力してもらえるよう、【使い勝手がよくメンバーの入力負荷を軽減できる】こと。これらを基準に、複数のツールの比較検討が行われた。
多数の候補の中からMazrica Salesを選んだ決め手について、田子氏はこう語る。
「まずUIが優れており、直感的な操作で入力や検索ができる点が大きな魅力でした。また要求に対するレスポンスタイムが非常に短く、スムーズな操作やページ遷移が叶うことも、決め手の一つです。何百名という営業メンバーが毎日データの入力や日報の提出を行うことを考えると、旧ツールと1〜2秒の差とはいえ大きな変化だと感じました。」
【営業活動全体の流れの可視化】の観点では、“一覧性の高さ” が重要なポイントになったという。
「案件ボードには各案件の進捗がフェーズ・ステータスごとに羅列され、“この案件が今どこまで進んでいるのか” と流れを追うことができる上、“商談前の案件はどれか” など全体を見通すことも可能です。また、業態ごとにボードを分けて管理することができるので、それぞれの営業プロセスに適した形で使えます。このような仕組みがあれば、営業メンバーにとっても使いやすいだろうと思えました。」
こうして選定基準が満たされた上、都度状況に合わせて設定変更が簡単にできるという”柔軟性”や、Mazrica Sales自体が今後も変化を続けより良いツールになっていくという”期待”も後押しとなり、導入が決定した。
売上実績と活動量の相関を可視化し、
データに基づく質の高い意思決定と営業力向上を目指す
4)Mazrica Sales導入による成果
Mazrica Sales導入による成果について、田子氏はこう語る。
「今回改めて必要な指標を整理し直した上でMazrica Salesを導入したことで、“商談状況にまつわる過不足のないデータ” と “売上目標の達成・未達” を簡単に比較できるようになり、売上実績と活動量の相関の可視化という課題の解決に繋がりました。
また以前はツール上のデータをExcelに出力して加工しており、各支店や部署で独自のレポートが生まれていましたが、Mazrica Salesのレポート機能を活用することで “全国で同じKPIを同じビジュアルで” 確認できようになりました。これによって、より効率的により有効な指標が確認でき、公平な評価ができる点も大きな成果だと捉えています。」
5)今後の活用に向けて
一部の支店で試験的な運用を開始してから約2ヶ月が経過し、いよいよ全社展開となった今、田子氏が抱く今後の活用に向けた思いとは――。
「まずは、Mazrica Salesの導入によって可視化された情報をもとに、営業推進部として “どのような方針を設定すれば質の高い営業活動をサポートできるか” を考えたり、企画部門が “どのような施策を打てば無駄のない商談ができるか” を考えて打ち手を磨いたりと、質の高い意思決定ができるようになるのではという期待があります。
また現場で高いパフォーマンスを発揮しているメンバーの行動を可視化することもできるため、ノウハウを横展開し、組織として営業力を高めることにつなげていきたいなと。
これらの実現によって成約率を高め、営業メンバーの頑張りが結果として売上に返ってくるという状態を目指していきます。
その過程において、ぶれない軸を持ちながらも、環境の変化や新たな課題への対応をしっかりと行っていけるよう、カスタマーサクセス担当の方々には今後も変わらぬ柔軟なご対応で伴走いただければ心強く思います。引き続き、よろしくお願いいたします。」