「営業部門の現状に満足していないため、自社の課題を特定したい」
「今後生じる可能性のある課題を把握しておき、事前に対策を講じたい」
このように考えている経営層やマネージャーも多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、営業部門でよくある課題を10個紹介します。また、それぞれの解決策も詳しく解説するので、自社の営業課題解決にお役立てください。
営業部門でよくある10の課題と解決策
営業部門は仕事の種類や量が多いうえに、顧客や社内メンバーなど関わる人物も多いため、さまざまな課題が生じやすい部門です。
営業部門でよく耳にする課題は、主に以下の10種類に分けられます。
- 営業活動が属人化している
- 顧客管理ができていない
- 営業の進捗状況が把握できない
- 営業成績に極端な差が出てしまう
- 新規営業開拓が上手くいっていない
- 営業とマーケティングの部門間連携が上手くいかない
- 人材育成が上手くいかない
- 社員のモチベーションが上がらない
- 営業のコア業務に専念できていない
- 営業社員のスキルが足りていない
また、それぞれの営業課題に対する解決策も紹介するので、ぜひご参考ください。
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1. 営業活動が属人化している
営業職は、一人ひとりの営業担当者がそれぞれの顧客を担当します。個々の営業担当者が個別で動くため、いつ・どの顧客に・どのような商談を行っているのかが不透明になり、属人化しやすい職種でもあります。
営業活動が属人化してしまうと、案件の進捗がつかめないため、予算目標にどれほど達しているか把握できません。
また、業務のミスや顧客とのトラブルなどが発生していても気づくことができず、事態が深刻化する場合もあるでしょう。
ほかにも、属人化していると特定の担当者にしかできない業務が発生し、他の人では対応できなくなるリスクも生じます。その結果、特定の担当者の業務負荷が大きくなったり、担当者が退職や異動をすると他の人では対応できなくなったりするなど、トラブルに発展することもあります。
関連記事:営業の属人化はなぜ起こる?4つの原因と7つの解決方法
営業活動の属人化に対する解決策
営業活動の属人化を防ぐためには、情報共有の体制構築が有効です。部門内で情報共有ができていれば、案件の進捗や顧客とのやり取りも可視化されるため、属人化を防げます。
また、業務マニュアルの作成も一つの手です。マニュアルがあることで、特定の担当者でなくても品質の高い業務を行うことができ、異動や退職にも対応しやすくなります。
関連記事:営業マニュアルの作り方|テンプレートや運用方法も解説
2. 顧客管理ができていない
営業部門は顧客に関するさまざまな情報を保有しますが、それらの情報を適切に管理できないという課題を抱える組織も少なくありません。
顧客の氏名や連絡先、やり取りの履歴や取引履歴などが管理できていないと、顧客のニーズを把握できません。
そのため、顧客のニーズに合った提案ができなかったり、受注後のフォローを怠って解約につながったりする場合もあります。
また現在の顧客だけでなく、見込み顧客や休眠顧客を把握することも難しくなるでしょう。営業チャンスをロスしたり、重複してアプローチをしたりすることにつながり、とても非効率です。
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顧客管理の課題に対する解決策
顧客情報を管理するためには、SFAやCRMといったツールの導入が効果を発揮します。
Excelなどで顧客管理をしていると、項目が多すぎて管理しきれなくなり、いずれ限界を迎えます。また、高度な分析をするためには関数の知識も必要です。
しかしSFAやCRMは、顧客に紐づいてあらゆる情報を一元管理でき、知りたい情報にすぐにアクセスできます。
過去の履歴も蓄積できるため、データを分析して顧客のニーズをつかんだり購買傾向を把握したりすることも可能です。
関連記事:顧客管理とは?基本やメリット・ツールの選び方を分かりやすく解説
3. 営業の進捗状況が把握できない
営業組織は複数の案件が同時に進みますが、どの案件がどのフェーズにあるのか把握できないといった課題に悩まされている組織も多く存在します。
案件の進捗を管理できないと、予定通りに進んでいるか把握できず、営業の目標金額を達成できるか予測が立ちません。
また、対応の遅れ・漏れなどで止まっている案件があっても把握できないため、失注につながりやすくなります。
営業の進捗状況を把握するための解決策
進捗管理には、ExcelやSFAなどで案件ごとの進捗を一元管理すると良いでしょう。どの案件がどのフェーズにあり、最終対応日からどのくらい経過しているか把握できます。
また、進捗管理をすることで、自社の営業で停滞しやすい営業フェーズも把握できます。
たとえば「初回訪問から見積書提出まではスムーズだが、クロージングで止まりやすい」というボトルネックを把握できれば、事前に対策を取ることが可能です。
関連記事:営業の進捗管理の方法とは?7つの管理項目とポイントを解説
4. 営業成績に極端な差が出てしまう
営業担当者によって営業成績にバラつきが生じるケースもよく見られます。
経験やスキルによって成果に差が出てしまい、極端なケースでは営業の売上自体が特定の担当者に依存する場合もあります。
この課題の原因としては、営業担当者一人ひとりの強み・弱みを把握できていないため、適切なフォローやアドバイスができていない点が挙げられます。個々のボトルネックをそのままにしているため、営業成績に大きな差が生じるのです。
また、社内で営業ナレッジの共有ができていないことも原因でしょう。成果の高い営業担当者のナレッジや成功パターンを共有できていないため、成果が個々のスキルに依存してしまうのです。
営業成績の個人差に対する解決策
個々の営業成績に差が生じている場合は、営業の最適化・標準化が効果的です。
成果を出している営業担当者の営業プロセスや成功パターンを組織内で共有し、すべての担当者がその流れで営業活動を進められれば、組織全体の営業力の底上げができます。
また、一人ひとりの強みや弱みの把握も重要です。売上金額だけの評価ではなく、受注率やリードタイム、顧客単価などさまざまな視点から各営業担当者を分析することで、個人の得意な業務やボトルネックを発見できます。
分析結果から、強みを伸ばしたり弱みを改善したりするなどの対策も講じることができるでしょう。
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5. 新規営業開拓が上手くいっていない
売上を伸ばす方法は「顧客一人あたりの単価を上げる」もしくは「顧客数を増やす」といった施策が必要です。このうち、顧客数を増やすためには新規開拓が必須となります。
しかし、新規営業開拓がなかなかうまくいかない組織も珍しくありません。
その原因として、ターゲティングやアプローチ手法が間違っているケースが見受けられます。
ニーズのない層にアプローチしても効果は得られません。また、従来のようにテレアポや飛び込み営業などのPUSH型営業よりも、オウンドメディアやセミナーなどPULL型営業のほうが効果的な場合もあります。
ほかにも、既存顧客のフォローに時間を取られており、そもそも新規開拓に時間を割けないというリソースの課題もあります。
新規開拓の課題に対する解決策
新規開拓の課題を解決するためには、まずは自社の戦略を見直しましょう。どのターゲット層に、どのような手法でアプローチするか、適切な戦略を立て直す必要があります。
また、営業人員を増やしたり業務フローを見直したりするなど、リソースの確保も必要です。
関連記事:新規開拓の8つの営業手法とうまくいかない時の対処方法とは?
6. 営業とマーケティングの部門間連携が上手くいかない
リードの獲得や育成をマーケティング部門が行い、商談から受注を営業部門が行うという、分業体制を取っている組織が増えています。
しかし部門が異なると情報共有がしにくく、リードの情報やニーズがうまく引き継げない場合があります。
また、マーケティング部門と営業部門ではKPIとしている指標が異なるため、目標意識がバラバラになってしまいうまく連携できません。
営業とマーケティングの連携課題に対する解決策
営業とマーケティングの連携をスムーズにするためには、まずは意識のすり合わせが必要です。お互いの役割や目標、ペルソナなどがすれ違っていると、いつまで経っても溝は埋まりません。
また、情報共有をしてお互いを理解し合うことも重要です。営業部門はマーケティング部門がどのような経緯でそのリードを獲得したかを把握し、マーケティング部門は自分が引き渡したリードが営業部門でどのように対応しているか知ることで、お互いにどのように貢献し合っているか理解できます。
関連記事:マーケティング・営業の連携の秘訣とは?メリット・トラブル解決策を解説!
7. 人材育成が上手くいかない
人材育成の課題も、営業部門に起こりがちです。
新人営業が入社しても、独り立ちできるまでには一定の教育リソースがかかります。また、なかなか成果を出せない担当者に対して適切な教育をしなければ、いつまでも成果を出せないままです。
しかし、教育担当者も自身の営業活動があり、なかなか人材育成にリソースを割けない場合も少なくありません。
そのため人材育成が思うようにいかず、新人営業が独り立ちするまで時間がかかったり、成果にバラつきが生じたりするのです。
人材育成の課題に対する解決策
社内で人材育成をすることが難しい場合は、外部の研修やセミナーを活用するのも一つの手です。専門家やプロが講師となって営業ナレッジを教えてくれるため、社内で教育体制を整えなくても人材育成ができます。
また、営業ナレッジや成功事例を蓄積しておき、マニュアルのように活用する方法もあります。自社ならではの勝ちパターンを共有できるため、誰でもすぐに成果を出せるようになるでしょう。
関連記事:営業人材育成を効率化し売れる営業パーソンに量産する方法
8. 社員のモチベーションが上がらない
社員のモチベーションは営業成績に直接影響します。士気が低下するとパフォーマンスも落ち、最終的には売上にも影響が出るでしょう。
日常生活の中でモチベーションが低下することは誰にでも起こり得ますが、本人にモチベーションを上げるよう求めたところで、すぐに改善するものではありません。
社員のモチベーションを向上させるためには、企業全体でその原因に対処する取り組みが必要です。
社員のモチベーション向上の解決策
社員のモチベーションを維持するには、評価制度の見直しが効果的です。
努力に見合った報酬を得られる環境を整備し、社員が企業への貢献を実感できるようにすることで、モチベーションの向上が期待できます。
例えば、上司だけでなく同僚や後輩も評価に参加する「360度評価」を導入するのも一案です。
多方面からの評価を受けることで、評価される社員だけでなく、他の社員も納得しやすくなります。
また、個人の目標が企業全体の目標の一部であると認識してもらうことも重要です。目標が不明確だと行動が疎かになりがちで、モチベーションも上がりません。
企業の成長における自身の役割を見出すことで、モチベーションが向上し、営業活動のパフォーマンスも向上するでしょう。
関連記事:MBO(目標管理制度)とは?メリットや目標設定の方法を解説
9. 営業のコア業務に専念できていない
営業社員が本来集中すべきコア業務(顧客とのコミュニケーションや提案活動)に時間を割けず、事務作業やデータ入力などの雑務に追われてしまうことがよくあります。
雑務に時間を割きすぎて、コア業務に専念できていない状況では、営業活動全体の効率が下がり、売上に悪影響を及ぼす可能性があります。
営業のコア業務に専念できていない課題に対する解決策
解決策としては、営業支援ツール(SFAやCRMなど)を活用し、データ管理やレポート作成の自動化を進めることが有効です。
また、営業代行やアウトソーシングサービスを利用するのも1つの手です。営業の即戦力を確保し、営業社員がコア業務に集中できる環境を整えられるでしょう。
関連記事:営業代行会社・営業アウトソーシングサービス比較13選!料金・特徴を解説
10. 営業社員のスキルが足りていない
営業成績が伸び悩む場合、原因の一つとして、社員のスキル不足が考えられます。
社員によって、「顧客のニーズの掴み方が分からない」「顧客との信頼関係を築くのが難しい」など異なる悩みを抱えているでしょう。
営業社員に求められるスキルは幅広く、多岐にわたります。
商談の際には、ヒアリングを通して顧客のニーズを的確に引き出さなければなりません。
また、商品やサービスの価値を正確に伝えるためのマーケティング力や、顧客との信頼関係を築くためのコミュニケーション力も重要です。
営業社員のスキル不足に対する解決策
営業社員のスキル不足を解決するためには、定期的なトレーニングや研修プログラムを導入すると良いでしょう。実務に即したケーススタディやロールプレイングを取り入れ、実践的なスキルを磨く機会を提供します。また、メンター制度を活用して、経験豊富な社員が若手社員をサポートすることで、個別の課題に対処することができます。
組織の営業力の底上げのため、成果につながるノウハウやナレッジをまとめた「営業プレイブック」を作成することも有効です。
営業プレイブック作成の際は、目的や対象者ごとに作成すると、情報共有や人材育成がよりスムーズになるでしょう。
関連記事:営業プレイブックとは?営業組織のレベルアップの必須アイテム
営業課題の解決にSFAを導入する
営業部門はさまざまな課題が生じやすい部門です。それらの課題には、SFAを活用することで解決が期待できます。
SFAとは?
そもそもSFAとは「Sales Force Automation」の略で、日本語では「営業支援ツール」などと訳されることが多いです。
その名の通り、営業活動を自動化・効率化するためのツールで、営業に関するあらゆる情報を一元管理してデータの分析ができます。
その結果、情報共有が促されたり、データ分析によってボトルネックを発見して改善できたりするでしょう。
関連記事:SFAとは?CRM・MAとの違いや選び方と営業の成功事例まで解説
SFAを導入するメリット
SFA導入により、業務効率化や情報共有促進などさまざまなメリットが得られます。
その中でも大きなメリットが、営業ナレッジの共有です。
今まで属人化されていた営業プロセスが可視化されたり、個々の成果が数値として分析できたりするため、受注につながりやすい「成功パターン」を導き出すことができます。
自社の営業ナレッジが共有できるため、誰でも成果を出しやすい環境となり、組織全体の営業力が底上げされます。
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SFAの主な機能
ツールによって搭載されている機能は異なりますが、以下がSFAの主な機能として挙げられます。
- 顧客管理機能
- 案件管理機能
- 営業アクション管理機能
- 分析・レポーティング機能
- 外部ツール連携機能
SFAによっては、AI分析などの独自機能が搭載されているものもあります。
関連記事:SFAでできること|7つの基本機能を営業フローに合わせて解説
Mazrica Salesを活用した営業活動の課題解決例
SFAは営業課題の解決に役立つツールですが、具体的にどのように活用できるのでしょうか。
弊社が提供するSFA/CRM「Mazrica Sales」で営業管理をすると、本記事で紹介したような営業課題の解決が可能です。
顧客情報の一元管理
顧客の氏名・連絡先だけでなく、企業情報や商談履歴、取引履歴などのあらゆる情報を一元管理できます。
今までは「顧客の連絡先は名刺管理ツール、商談履歴はExcel、取引履歴は請求書作成ツール」などとバラバラに蓄積されていたデータが、Mazrica Sales一つにまとめることができます。
担当者が知りたい情報にすぐにアクセスできるだけでなく、属人化防止にもつながるでしょう。
フェーズ進捗管理
営業プロセスのフェーズ別で、どのくらいの案件が動いているか分析できます。
案件の進捗が可視化され、対応の遅れ・漏れを発見したり、次フェーズへと移行するためのネクストアクションを分析したりできるでしょう。
また、営業担当者別に次フェーズや最終フェーズへの到達率も分析できるため、個々のボトルネック発見にもつながります。
マーケティングと営業活動のシームレスな連携
Mazrica SalesはMAツール Mazrica Marketingとデータの共有が可能なため、ツール連携の手間なく、マーケティング部門と営業部門の情報共有が円滑になります。
マーケティングが獲得したリードがどのようなプロセスを経て、受注や失注に繋がったのかの分析や、逆に営業部門のデータから新たなマーケティング施策を考案することもできます。
マーケティング、営業双方で振り返りができる状況をつくることが、営業課題の解決にもつながります。
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終わりに
営業部門は属人化や情報共有などが生じやすく、さまざまな課題が成果にも影響を及ぼしかねません。逆に言うと、課題を解決できれば今よりも大きく成果を高められる可能性があるということです。
本記事では営業部門にありがちな課題と、その解決策を紹介しましたが、まずは情報共有の基盤を作るためにもSFA導入をおすすめします。
しかし、実際にどのSFAを使ったら良いかわからない方も多いでしょう。
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