働き方改革の推進により、限られた時間内で最大の成果を上げる必要が出てきました。
「業務の効率化」は企業の課題となっています。
業務効率化において無視できないのが、システムなどのツールの活用です。
人間では限界のある業務や、反復性があってミスが許されない業務などをシステム化することで、顧客と対面したり頭を使って判断したりする「人間にしかできない業務」に割く時間を増やすことができるようになります。
さて、それでは、営業組織として最大限の成果を出すために、ツールをどう活用するか。それが、現代の営業組織が直面している課題です。
営業組織と強い繋がりがあるツールと言えばSFAですが、個々の営業担当者を支援するだけでなく、組織としてSFAを使っていかに営業活動を管理するかが、これからの営業組織には大事になってくると思います。
このような背景の元、現在はAI(人工知能)を搭載したSFAが注目され始めています。
本記事では、AIを搭載したSFAでできることや、導入時のポイントについて解説します。
この記事の内容
そもそもSFAとは?
SFAとは「sales force Automation」の頭文字を取ったもので、日本語では「営業支援システム」と訳されます。
営業担当者のための営業支援システムとして名高いSFAですが、実は「営業管理」を目的としても活用することができます。
実際、SFAが急成長した欧米では、営業管理を目的として発展してきています。
従来の営業活動は属人的であったため、営業担当者が退職してしまうと顧客情報やナレッジを失ってしまうという傾向にありました。そうなると、引継ぎができていないことによってクレームを招いたり、営業の機会をロスしてしまったり、企業にとって大きな損失に繋がっていたのです。
関連記事:営業管理とは?営業で管理すべき6つのデータと管理方法・秘訣
そこで重要視されたのが、営業活動を管理すること。顧客情報や商談履歴をシステム上で管理することで、営業担当者が退職しても企業側には重要な情報を残しておける仕組みになりました。
SFAでは、次のようなものをシステム上で管理することができます。
- 取引先、顧客管理:取引先と顧客情報の管理
- 案件管理:案件ごとの進捗状況
- 商談履歴:どの顧客と、いつ、どのような商談をしたのか
- アクション履歴:どの顧客に、いつ、どのような行動(メールや電話など)をしたのか
- スケジュール管理:各営業担当者のスケジュールをカレンダーで管理
- 資料管理:提案書、企画書、事例集、マニュアルなどの資料を一元管理
営業活動の履歴や営業活動で必要な情報を一元的に管理することによって、成功事例やトップセールスマンのナレッジを営業組織全体で共有することができるようになるのです。
近年では、SFAにAI(人工知能)を搭載し、さらに営業フローを効率化することが可能になるツールが現れています。
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AIを搭載したSFAが注目される背景
ここでは、AIを搭載したSFAが注目される背景について解説します。
働き方改革の推進
労働生産性を上げるため、日本政府が進めている働き方改革。 どこの企業も、長時間労働や残業を減らす取り組みを導入し始め、実際に働き方が変わったと実感している人も多いのではないでしょうか。
しかし、労働時間を短縮するということは、一つひとつの業務にかけられる時間も少なくなってしまうということ。
限られた時間で業務を円滑に回し、なおかつ受注率も上げるためには、業務の効率化は欠かせません。
特に、営業部門は顧客とのやり取りの時間を制限するわけにはいかないので、“人が行うべき業務”と“テクノロジーに頼る業務”を線引きして、ITに頼れるところは頼ることで自信の営業活動を効率的に行う必要があります。
そこで、SFAの導入が必要不可欠になってくるのです。SFAを活用することで、営業担当者は対面での営業活動に専念できるようになりました。
また、成功事例やトップセールスマンのナレッジを共有することにより、今まで失っていた営業チャンスも逃すことなく、受注に繋げることができるようになります。
また、SFAは、教育のためのリソースを減らすこともできます。顧客情報からトップセールスマンのナレッジまで、自社の営業活動に関わることがSFAには全て入っています。
これにより、教育のための時間もコストも削減することができ、効率よく営業担当者を育てることができるようにもなります。
つまり、少ないリソースで、最大の利益をもたらすためには、SFAなどのシステムに頼ることが必須となっているのです。
関連記事:SFAの必要性とは?現場営業に本当に必要なSFAの機能を解説
AIを搭載したSFAでできること
AIを搭載したSFAでは、今までの営業活動を効率化することが可能です。
AIを搭載したSFAを活用することで可能となる代表的な3つのことについて解説します
- 予実管理の自動化
- ネクストアクションの提示
- 営業パーソン能力の可視化
予実管理の自動化
AIを活用した機能の一つとして、予実管理の自動化が挙げられます。目標に対する実績との差分を可視化し、優先度の高い案件を把握できます。
具体的には、以下のような数値を自動でAIが分析し、割り出してくれます。
・売上目標
・受注金額
・予測受注金額
優先度の高い案件に注力することで、営業組織の生産性が上がり、売上拡大に繋げることができます。
▶︎▶︎予実管理の自動化で、売上拡大を目指したい方におすすめのツールとは?
ネクストアクションの提示
AIを搭載したSFAができることのつ目は、ネクストアクションの提示です。
それまでSFAに登録された案件データを元にAIが営業目標達成に向けて現状とのギャップや、ネクストアクションを提示します。
予測されたリスクからネクストアクションを検討し、受注へ繋げることが可能です。
また、予測確度や予測契約日、予測受注金額まで割り出せるツールもあります。 数値に基づいたネクストアクションを自動で提案してくれるため、営業パーソンは営業業務に集中して取り組むことが可能になります。
営業パーソン能力の可視化
AIを搭載したSFAができることとして、次に挙げられるのは営業パーソン能力の可視化です。
これまで、「売上」という一元的な軸で評価されるケースが多かった営業パーソンの能力ですが、運に大きく左右されてしまう場合もありました。
しかし、AIを活用することで、多面的に営業パーソンの強みや弱みを可視化することが可能になりました。
能力が正当に評価されることで、営業パーソンのモチベーション維持に繋がり、組織全体の営業スキル底上げも期待できます。
関連記事:営業に必要な8つのスキルとスキルアップの方法とは?
AIを搭載したSFA導入を導入するメリット
AIを搭載したSFAには多くのメリットがあります。具体的なメリットは以下の通りです。
- 成功パターンが把握できる
- 業務の自動化が可能
- マーケティングにも活用できる
成功パターンが把握できる
AIを搭載したSFAのメリット1つめは、成功パターンを把握できることです。 AIで営業データを解析し、成功事例における営業活動のパターンを特定できます。
これにより、成約に結びついたアプローチ方法や提案のタイミングなど、成功の要因が明確になります。 営業担当者はこの成功パターンを参考に行動することで、確実に成約率を高められます。
また、優れた営業戦略や手法を組織内で共有し、ノウハウを蓄積していけば、全体の営業力が飛躍的に向上していきます。
関連記事:営業ナレッジマネジメントとは?意味や手法・事例を解説
業務の自動化が可能
AIを搭載したSFAを活用すれば、定常業務の自動化によって業務全体を大幅に効率化することが可能です。
反復的な作業をAIにフォローさせることで、営業担当者の業務負荷が軽減されます。 余剰となった時間を、顧客対応や戦略立案など、より付加価値の高い営業活動に振り分けられるため、生産性が大きく向上します。
適切な業務の自動化によって、営業パフォーマンスとサービスの質が同時に改善され、結果として顧客満足度の向上にもつながります。
マーケティングにも活用できる
AIを搭載したSFAはマーケティング支援にも活用可能です。 AIが大量のデータから市場動向や顧客ニーズを迅速且つ正確に分析し、重要な情報を提供してくれます。
さらに機械学習を活用した予測分析により、将来のトレンドや需要予測も可能です。 このようにAIが提供する精度の高い情報に基づいて戦略を立案し、機動的に意思決定を行うことで、市場の変化に先んじて対応し、競争力を維持・向上させられます。
関連記事:マーケティング戦略とは?立案手順とフレームワーク・事例を解説
AIを搭載したおすすめSFA4選
ここからは、AIを搭載したおすすめのSFAを紹介します。AIを活用したい方は導入するツールの参考にしてみてください。
Mazrica Sales
「Mazrica Sales」は営業現場での使いやすさにこだわったSFAです。ドラッグ&ドロップの簡単操作や色分けにより、直感的に操作できます。
外部サービスとの連携により、情報が自動同期されるため入力の手間がかかりません。
Mazrica Salesに搭載されているMazrica AIには、主に3つの機能が備わっています。
一つ目は、AIフォーキャストです。AIフォーキャストとは、AIを活用しながら予実管理ができる機能です。目標に対する実績の差分を可視化し、優先度の高い案件を把握できます。
さらに、チームごとの予実に加えて、担当者ごとの予実についても把握できます。これにより、どこのチーム・担当者に改善の余地があるのかを把握できます。
2つ目は、インサイト機能です。インサイト機能では、これまでMazricaに登録された案件のデータを元にAIが営業目標達成に向けてのギャップや、ネクストアクションを提示します。
予測されたリスクからネクストアクションを検討し、受注へ繋げることが可能です。
3つめは、セールスメトリクス機能です。
営業の世界ではいままで「売上」という一元的な軸で評価されるケースが多く、運に大きく左右されてしまう場合もありました。しかし、セールスメトリクスの活用で多面的に営業パーソンの強みや弱みを可視化できるようになります。
具体的には、合計7種類の項目について、AIが分析を行い、自分が他者と比較したときに強み(弱み)となる部分を把握できます。
- 分析項目
- 受注金額
- 受注率
- 案件数
- アクション数
- リードタイム
- 単価
- 受注案件数
長所と短所を把握し、営業パーソンのスキルアップに繋げることが可能です。
費用
- 初期費用:無料
- Starter(スターター)プラン:27,500円〜
※5人のユーザーを含む
※追加ユーザーあたり月額5,500円 - Growth(グロース)プラン:110,000円〜
※10人のユーザーを含む
※追加ユーザーあたり月額11,000円 - Enterprise(エンタープライズ)プラン:330,000円〜
※20人のユーザーを含む
※追加ユーザーあたり月額16,500円
URL:https://product-senses.mazrica.com/
Sales cloud
Sales Cloudは、株式会社セールスフォース・ジャパンが提供するAIを搭載したSFAです。
見込み顧客の管理や売上予測など、営業支援に関連したさまざまな機能を利用でき、AI機能はSales Cloud Einsteinで活用可能です。
従来のSales CloudにEinstein AIを追加することで、活動ダッシュボードの自動作成や、確度の高い見込み顧客の予測が可能になります。
意思決定スピード、社員の生産性、顧客満足度の向上に寄与します。商談インサイト・取引先インサイト機能による高精度な分析で、さらなる成約率の向上も可能です。
費用
- 初期費用:無料
- starter:3,000円/ユーザー
- Professional:9,600円/ユーザー
- Enterprise:19,800円/ユーザー
- Unlimited:39,600円/ユーザー
URL:https://www.salesforce.com/jp/products/sales-cloud/overview/
GENIEE SFA/CRM
GENIEE SFA/CRMは、株式会社ジーニーが提供するAI搭載のSFAです。リーズナブルで多機能であるため、コストパフォーマンスに優れています。
また、追加オプション「AIアシスタント」は1ユーザーあたり月額わずか980円で利用可能です。
OpenAIのGPT-4を活用し、営業報告書やメールなどの文章作成をAIがサポートします。入力されたデータが学習されることはないため、機密情報の漏洩リスクに対しても安心して利用できます。
費用
- 初期費用:要問い合わせ・要見積もり
- 月額利用費:1ユーザー2,980円〜(スタンダード)
Sales Force Assistant
Sales Force Assistantは、株式会社NIコンサルティングが提供するAI搭載のSFAです。案件型SFA、ルート型SFA、併用型SFAなど、さまざまなニーズに対応しています。
大きな特徴は、AIを活用した「AI秘書」機能です。営業社員一人ひとりに必要な情報をタイムリーに知らせるほか、名刺情報のデータ化や営業プロセスの見える化、類似案件の抽出、クレーム確認、業務の抜け漏れ防止など、多岐にわたるサポートを提供します。
費用
- 初期費用:50,000円
- 月額利用費:1ユーザー3,500円〜(顧客深耕・クラウド版)
※最低6か月契約が必要
URL:https://www.salesforce-assistant.com/
AIを搭載したSFA導入の注意点
最後に、AIを搭載したSFAを導入する際に注意すべきポイントを解説します。
AI機能を備えたSFAを導入することで、様々なメリットがありますが、真にメリットを享受できるのは、具体的な導入目的を明確にした上でその目的達成に活用できた場合のみです。
つまり、AIを搭載したSFAを導入する前提として、その導入目的を最も慎重に検討する必要があります。
目的設定の際には、”どの業務工程のどの部分を、どのように改善することで、自社の利益につながるのか”といった具体的な内容を明らかにすることが肝心です。
導入目的が曖昧であったり、AIの活用なくしてもその目的は達成できる場合は、AIを搭載したSFAを導入する必要はありません。別の対応策を検討したほうが良いでしょう。
本来必要のないシステムを無理に導入すれば、社員の負荷が高まるだけです。 優れたSFAであっても、新しいシステムへの習熟が求められるため、社員の反発を招く可能性があります。
AIの活用が本当に必要な目的なのかをよく吟味し、その上で適切なSFAを選定することが大切なのです。
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AIを搭載したSFAで営業を効率化しよう
AIを搭載したSFAを導入することで、営業組織に以下のようなメリットをもたらすことを解説してきました。
- 予実管理の自動化
- ネクストアクションの提示
- 営業パーソン能力の可視化
しかし、自社が解決したい課題に沿っていなければ、何を導入しても効果はありません。まずは、自社の課題は何か、そしてそれがAIによってどのように解決できるのかを明確にし、営業組織を今よりも効率化することを目指しましょう。
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