近年、営業活動や営業組織運営の効率化が求められ、そのためにSFAなどのツールを導入することが一般的になりつつあります。

個々の営業担当者を支援するだけでなく、組織としてSFAを使っていかに営業活動を管理するかが、これからの営業組織にとっての課題になります。

SFAにはAI機能を搭載したものが多くあり、その多くが営業組織の生産性を向上させるための機能を有しています。

本記事では、AIを搭載したSFAでできることや、導入時のポイント、おすすめのAI搭載SFA10選にについて解説します。

AI機能搭載のSFAとは?

SFAとは「sales force Automation」の頭文字を取ったもので、日本語では「営業支援システム」と訳されます。

営業担当者のための営業支援システムとして名高いSFAですが、実は「営業管理」を目的としても活用することができます。

実際、SFAが急成長した欧米では、営業管理を目的として発展してきています。

従来の営業活動は属人的であったため、営業担当者が退職してしまうと顧客情報やナレッジを失ってしまうという傾向にありました。そうなると、引継ぎができていないことによってクレームを招いたり、営業の機会をロスしてしまったり、企業にとって大きな損失に繋がっていたのです。

関連記事:営業管理とは?営業で管理すべき6つのデータと管理方法・秘訣

そこで重要視されたのが、営業活動を管理すること。顧客情報や商談履歴をシステム上で管理することで、営業担当者が退職しても企業側には重要な情報を残しておける仕組みになりました。

SFAでは、次のようなものをシステム上で管理することができます。

  • 取引先、顧客管理:取引先と顧客情報の管理
  • 案件管理:案件ごとの進捗状況
  • 商談履歴:どの顧客と、いつ、どのような商談をしたのか
  • アクション履歴:どの顧客に、いつ、どのような行動(メールや電話など)をしたのか
  • スケジュール管理:各営業担当者のスケジュールをカレンダーで管理
  • 資料管理:提案書、企画書、事例集、マニュアルなどの資料を一元管理

営業活動の履歴や営業活動で必要な情報を一元的に管理することによって、成功事例やトップセールスマンのナレッジを営業組織全体で共有することができるようになるのです。

近年では、SFAにAI(人工知能)を搭載し、さらに営業フローを効率化することが可能になるツールが現れています。

AIを搭載したSFAは、営業の中核業務を人間が担いつつ、パターン化できる部分をAIが自動化し、営業効率を向上させるために設計されています。

営業プロセスにはパターン化しやすい要素が多く、AIを活用することで多くの業務を自動化することが可能です。

AI搭載のSFAを活用することで、営業活動の属人化を防ぎ、マーケティングとの統合や再現性のある営業フローの確立が実現します。

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AI機能搭載のSFAでできること

AIを搭載したSFAでは、今までの営業活動を効率化することが可能です。

AIを搭載したSFAを活用することで可能となる代表的な3つのことについて解説します

  •  予実管理の自動化
  • ネクストアクションの提示
  • 営業パーソン能力の可視化

予実管理の自動化

AIを活用した機能の一つとして、予実管理の自動化が挙げられます。目標に対する実績との差分を可視化し、優先度の高い案件を把握できます。

具体的には、以下のような数値を自動でAIが分析し、割り出してくれます。

  • 売上目標
  • 受注金額
  • 予測受注金額

優先度の高い案件に注力することで、営業組織の生産性が上がり、売上拡大に繋げることができます。

▶︎▶︎予実管理の自動化で、売上拡大を目指したい方におすすめのツールとは?

ネクストアクションの提示

AIを搭載したSFAができることのつ目は、ネクストアクションの提示です。

それまでSFAに登録された案件データを元にAIが営業目標達成に向けて現状とのギャップや、ネクストアクションを提示します。

予測されたリスクからネクストアクションを検討し、受注へ繋げることが可能です。

また、予測確度や予測契約日、予測受注金額まで割り出せるツールもあります。 数値に基づいたネクストアクションを自動で提案してくれるため、営業パーソンは営業業務に集中して取り組むことが可能になります。

営業パーソン能力の可視化

AIを搭載したSFAができることとして、次に挙げられるのは営業パーソン能力の可視化です。

これまで、「売上」という一元的な軸で評価されるケースが多かった営業パーソンの能力ですが、運に大きく左右されてしまう場合もありました。

しかし、AIを活用することで、多面的に営業パーソンの強みや弱みを可視化することが可能になりました。

能力が正当に評価されることで、営業パーソンのモチベーション維持に繋がり、組織全体の営業スキル底上げも期待できます。

関連記事:営業に必要な8つのスキルとスキルアップの方法とは?

AI機能搭載のSFAを導入するメリット

AIを搭載したSFAには多くのメリットがあります。具体的なメリットは以下の通りです。

  • 成功パターンが把握できる 
  • 業務の自動化が可能 
  • マーケティングにも活用できる

成功パターンが把握できる

AIを搭載したSFAのメリット1つ目は、成功パターンを把握できることです。 AIで営業データを解析し、成功事例における営業活動のパターンを特定できます。

これにより、成約に結びついたアプローチ方法や提案のタイミングなど、成功の要因が明確になります。 営業担当者はこの成功パターンを参考に行動することで、確実に成約率を高められます。

また、優れた営業戦略や手法を組織内で共有し、ノウハウを蓄積していけば、全体の営業力が飛躍的に向上していきます。

関連記事:営業ナレッジマネジメントとは?意味や手法・事例を解説

業務の自動化が可能

AIを搭載したSFAを活用すれば、定常業務の自動化によって業務全体を大幅に効率化することが可能です。

反復的な作業をAIにフォローさせることで、営業担当者の業務負荷が軽減されます。 余剰となった時間を、顧客対応や戦略立案など、より付加価値の高い営業活動に振り分けられるため、生産性が大きく向上します。

適切な業務の自動化によって、営業パフォーマンスとサービスの質が同時に改善され、結果として顧客満足度の向上にもつながります。

マーケティングにも活用できる

AIを搭載したSFAはマーケティング支援にも活用可能です。 AIが大量のデータから市場動向や顧客ニーズを迅速且つ正確に分析し、重要な情報を提供してくれます。

さらに機械学習を活用した予測分析により、将来のトレンドや需要予測も可能です。 このようにAIが提供する精度の高い情報に基づいて戦略を立案し、機動的に意思決定を行うことで、市場の変化に先んじて対応し、競争力を維持・向上させられます。

関連記事:マーケティング戦略とは?立案手順とフレームワーク・事例を解説

AI機能搭載のSFAを導入する際の注意点

AIを搭載したSFAを導入する際に注意すべきポイントを解説します。

AI機能を備えたSFAを導入することで、様々なメリットがありますが、真にメリットを享受できるのは、具体的な導入目的を明確にした上でその目的達成に活用できた場合のみです。

つまり、AIを搭載したSFAを導入する前提として、その導入目的を最も慎重に検討する必要があります。

目的設定の際には、”どの業務工程のどの部分を、どのように改善することで、自社の利益につながるのか”といった具体的な内容を明らかにすることが肝心です。

導入目的が曖昧であったり、AIの活用なくしてもその目的は達成できる場合は、AIを搭載したSFAを導入する必要はありません。別の対応策を検討したほうが良いでしょう。

本来必要のないシステムを無理に導入すれば、社員の負荷が高まるだけです。 優れたSFAであっても、新しいシステムへの習熟が求められるため、社員の反発を招く可能性があります。

AIの活用が本当に必要な目的なのかをよく吟味し、その上で適切なSFAを選定することが大切なのです。

また、AIを適切に運用するためには、AI技術やSaaSベースのシステムに精通した人材が必要です。専門知識を持つ人材の採用や、既存の従業員に対する教育・訓練を行うことが不可欠です。

しかし、ツールによっては誰でも簡単にAIを活用できるものもあります。次章では、簡単にAI活用できるツールを含めおすすめのSFAを紹介します。

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AI機能搭載のおすすめSFA10選

ここからは、AIを搭載したSFAのおすすめ10選を紹介します。AIを活用したい方は導入するツールの参考にしてみてください。これから紹介するSFAは、以下の10ツールです。

  • Mazrica Sales
  • Sales cloud
  • GENIEE SFA/CRM
  • Sales Force Assistant
  • Zoho CRM
  • Sansan
  • Dynamics 365
  • GeAlne
  • CCReB AI
  • Sales Marker

Mazrica Sales(マツリカセールス)

Mazrica Sales」は営業現場での使いやすさにこだわったSFAです。ドラッグ&ドロップの簡単操作や色分けにより、直感的に操作できます。

外部サービスとの連携により、情報が自動同期されるため入力の手間がかかりません。

そして、Mazrica Salesには、誰でも簡単にAIによって営業活動を効率化できるMazrica AIが搭載されています。

Mazrica Salesに搭載されているMazrica AIには、主に3つの機能が備わっています。

1つ目は、AIフォーキャストです。
AIフォーキャストとは、AIを活用しながら予実管理ができる機能です。目標に対する実績の差分を可視化し、優先度の高い案件を把握できます。

さらに、チームごとの予実に加えて、担当者ごとの予実についても把握できます。
これにより、どこのチーム・担当者に改善の余地があるのかを把握できます。

2つ目は、インサイト機能です。
インサイト機能では、これまでMazricaに登録された案件のデータを元にAIが営業目標達成に向けてのギャップや、ネクストアクションを提示します。

予測されたリスクからネクストアクションを検討し、受注へ繋げることが可能です。

3つ目は、セールスメトリクス機能です。
営業の世界ではいままで「売上」という一元的な軸で評価されるケースが多く、運に大きく左右されてしまう場合もありました。
しかし、セールスメトリクスの活用で多面的に営業パーソンの強みや弱みを可視化できるようになります。

具体的には、合計7種類の項目について、AIが分析を行い、自分が他者と比較したときに強み(弱み)となる部分を把握できます。

  • 分析項目
  • 受注金額
  • 受注率
  • 案件数
  • アクション数
  • リードタイム
  • 単価
  • 受注案件数

長所と短所を把握し、営業パーソンのスキルアップに繋げることが可能です。

【費用】

  • 初期費用:無料
  • Starter(スターター)プラン:27,500円〜
    ※5人のユーザーを含む
    ※追加ユーザーあたり月額5,500円
  • Growth(グロース)プラン:110,000円〜
    ※10人のユーザーを含む
    ※追加ユーザーあたり月額11,000円
  • Enterprise(エンタープライズ)プラン:330,000円〜
    ※20人のユーザーを含む
    ※追加ユーザーあたり月額16,500円

【URL】
https://product-senses.mazrica.com/

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Sales cloud

Sales Cloudは、株式会社セールスフォース・ジャパンが提供するAIを搭載したSFAです。

見込み顧客の管理や売上予測など、営業支援に関連したさまざまな機能を利用でき、AI機能はSales Cloud Einsteinで活用可能です。

従来のSales CloudにEinstein AIを追加することで、活動ダッシュボードの自動作成や、確度の高い見込み顧客の予測が可能になります。

意思決定スピード、社員の生産性、顧客満足度の向上に寄与します。
商談インサイト・取引先インサイト機能による高精度な分析で、さらなる成約率の向上も可能です。

【費用】

  • 初期費用:無料
  • starter:3,000円/ユーザー
  • Professional:9,600円/ユーザー
  • Enterprise:19,800円/ユーザー
  • Unlimited:39,600円/ユーザー

【URL】
https://www.salesforce.com/jp/products/sales-cloud/overview/

GENIEE SFA/CRM

GENIEE SFA/CRMは、株式会社ジーニーが提供するAI搭載のSFAです。
リーズナブルで多機能であるため、コストパフォーマンスに優れています。

また、追加オプション「AIアシスタント」は1ユーザーあたり月額わずか980円で利用可能です。

OpenAIのGPT-4を活用し、営業報告書やメールなどの文章作成をAIがサポートします。入力されたデータが学習されることはないため、機密情報の漏洩リスクに対しても安心して利用できます。

【費用】

  • 初期費用:要問い合わせ・要見積もり
  • 月額利用費:1ユーザー2,980円〜(スタンダード)

【URL】
https://chikyu.net/

Sales Force Assistant

Sales Force Assistantは、株式会社NIコンサルティングが提供するAI搭載のSFAです。
案件型SFA、ルート型SFA、併用型SFAなど、さまざまなニーズに対応しています。

大きな特徴は、AIを活用した「AI秘書」機能です。営業社員一人ひとりに必要な情報をタイムリーに知らせるほか、名刺情報のデータ化や営業プロセスの見える化、類似案件の抽出、クレーム確認、業務の抜け漏れ防止など、多岐にわたるサポートを提供します。

【費用】

  • 初期費用:50,000円
  • 月額利用費:1ユーザー3,500円〜(顧客深耕・クラウド版)
    ※最低6か月契約が必要

【URL】
https://www.salesforce-assistant.com/

Zoho CRM

Zoho CRMは、BtoB・BtoC対応のSFA/CRMです。

電話やチャットを通じて、確認したい内容が即座に返答したり、新しい情報をSFAに自動で追加できるAIアシスタント「Zia」(ジア)を搭載しています。
これにより、今までは時間がかかっていた細かい業務も効率的に進めることができ、営業活動に専念することができるように。

また、Ziaは確度の高いリードを判別したり、効率的な営業プロセスを分析してワークフローを提案してくれたりするため、業務を自動化して効率化を図りたいと思っている企業におすすめです。

【費用】

  • 初期費用:無料
  • スタンダード:¥1,680(1ユーザー/月額)
  • プロフェッショナル:¥2,760(1ユーザー/月額)
  • エンタープライズ:¥4,800(1ユーザー/月額)
  • アルティメット:¥6,240(1ユーザー/月額)

【URL】
https://www.zoho.com/jp/crm/

Sansan

Sansanは、名刺管理機能をメインとするAI搭載型のSFAです。社内の名刺関連の業務や、営業の商談準備における効率化に役立ちます。

搭載AIの高度な認識技術により、名刺を99.9%の精度で正確にデータ化することが可能です。

名刺をスキャンするだけで正確な顧客データベースを構築できます。

【費用】

  • 初期費用:あり
  • 月額料金:要問合せ

【URL】
https://jp.sansan.com/

関連記事:Sansanとの連携で業務効率化が加速するおすすめツール7選

Dynamics 365

Dynamics 365は、必要な機能だけを選んで利用できるSaas型のSFA/CRMです。

Dynamics 365にはAIが搭載されており、あらゆる業務を最適化・効率化してくれます。
例えば、Sales機能ではAIが営業活動を提案するため、営業担当者は次にするべきアクションが明確になります。

また、Customer Service機能ではAIが会話から類似するサポート案件やナレッジ記事を提案してくれ、顧客の問い合わせ内容に対して素早く回答することが可能です。

【費用】

初期費用:要問合せ

月額料金:プランによる

【URL】
https://www.microsoft.com/ja-jp/dynamics-365

関連記事:Dynamics 365とは?概要・メリット・料金・評判を解説

GeAlne(ジーン)

GeAIneは、問合せフォーム・企業メールへの営業を自動化できる、BtoB向けの新規開拓営業支援ツールです。

搭載AIによってフォーム営業に必要な文章を自動的に生成できるため、営業マンの作業負担を軽減します。

企業の商材に特化したメッセージで、多様な市場や顧客層へ迅速かつ効率的にリーチすることができます。

【費用】

  • 初期費用:あり
  • ビジネス:¥40,000(月額)
  • スタンダード:¥67,500(月額)
  • ハイエンド¥80,000(月額)

【URL】
https://the.geaine2.jp/

CCReB AI(ククレブ・エーアイ)

CCReB AIは、不動産業界向けのAI搭載SFAです。

搭載AIが企業の不動産売買動向の予測値を自動でスコア化し、不動産を保有していて将来的に売却(取得)の可能性がある会社を可視化します。

不動産営業における日々の営業アプローチや情報収集・分析作業の効率化に打ってつけです。

【費用】

  • 初期費用:無料
  • 月額料金:要問合せ

【URL】
https://lp-gateway.ccreb.jp/

Sales Marker

Sales Markerは、Web検索行動データの解析によって、顧客ニーズをくみ取ることに特化した営業ツールです。

Sales Markerの「AIセールス」機能では、インテントデータの分析を通じて、今アプローチすべき企業を検出します。

また、ターゲット企業から最適な部署や人物を特定し、相手に合わせた文面の生成とアプローチの実行を自動で行うことが可能です。

【費用】

  • 初期費用:あり
  • 月額料金:要問合せ

【URL】
https://sales-marker.jp/

AIを搭載したSFAで営業を効率化しよう

AIを搭載したSFAを導入することで、営業組織に以下のようなメリットをもたらすことを解説してきました。

  • 予実管理の自動化
  • ネクストアクションの提示
  • 営業パーソン能力の可視化

しかし、自社が解決したい課題に沿っていなければ、何を導入しても効果はありません。まずは、自社の課題は何か、そしてそれがAIによってどのように解決できるのかを明確にし、営業組織を今よりも効率化することを目指しましょう。

弊社が提供する「Mazrica Sales」では、AIを搭載し、上記の機能を全て取り揃えています。さらに、現場で使いやすいUI,UXデザインを追求し、導入のハードルが低いSFAになっています。 興味のある方はぜひ下の資料をダウンロードしてみてください。

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Mazrica Business Lab.はクラウドアプリケーションMazricaの開発・提供を展開する株式会社マツリカが運営するオウンドメディアです。営業・マーケティングに関するノウハウを中心に、ビジネスに関するお役立ち情報を発信しています。

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