多くの企業では期初に事業計画を立て、目標を決めて予算を組みます。

そして、事業計画に向かって日々事業活動を実施していくことになります。

その際、当初立てた計画に対して実績を常に把握することが予実管理です。

経営者やマネージャーだけではなく、部署や個人でも営業目標を立てて達成度合い、進捗を定期的に見るマネジメント手法は一般的に行われていると思います。

しかし、予実管理がうまくいかないケースも見受けられます。

なぜ、予実管理がうまくいかないのか実例と対策について考えていきましょう。

予実管理とは?

予実管理とは「予算(予定)」と「実績(実際)」を合わせた用語です。

「予算(予定)」と「実績(実際)」のそれぞれの数値を管理し、企業経営に活かすことを意味します。

予実管理は「予算実績管理」とも呼ばれます。

ほとんどの企業では目標が設定されており、予算が決められているはずです。

決められた予算に対し、実績が滞りなく進捗しているかどうかを確認し、差異がある場合に何らかの施策を打つ一連のプロセスが「予実管理」です。予実管理は企業の意思決定における重要な材料となります。

▶︎▶︎予実管理をエクセル→SFA(営業支援ツール)に切り替えるタイミングとは?

予実管理と予算管理の違い

予算管理とは「予算を達成するために、期初の計画(予算)と期末の実績(活動の結果)を比較・分析し、適切な対応をしていくこと」を指し、一般的に予実管理と同義だとされています。

予実管理は企業だけにあてはまることではありません。個人で旅行に行く際も企業と同様に、予算を決めるはずです。

そもそも予算とは、特定の目的のために立てた数値目標のことを指します。

つい旅行が楽しくなってしまい、決めた予算以上に買い物をし過ぎてしまったら帰りの飛行機をLCC(ローコストキャリア)に変更するなり、食費を抑えるなりしてお金の使い方を軌道修正する必要があるわけです。

企業も同じように、決められた予算に対して実績の進捗がどの程度進んでいるのか?このまま予定通り進んで良いのか?軌道修正は必要ないのか?など、予算と実績を比較・分析し、定期的にモニタリングすることが重要です。

予算管理については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:予算管理とは?予算管理の方法とPDCAサイクル | ツールも紹介

予実管理表とは?

予実管理表とは、予実管理を分かりやすく数値化してまとめた表を指します。

予実管理表を作成する場合、エクセルやスプレッドシートを使った方法と、SFA(営業支援ツール)などを活用することになるでしょう。

予実管理表を作成する目的としては、目標となる予算の数値に対して、現状どの程度の達成度なのか?を把握するために作成されます。

エクセルやSFA(営業支援ツール)を活用した予実管理表の作成方法・事例については、本記事内でも紹介していきますので、参考にしてみてください。

関連記事:SFAとは?CRM・MAとの違いや選び方から成功事例まで解説

なぜ予実管理が必要なのか?

※営業支援ツールMazrica Salesの売上推移レポート。各期間における比較が容易にできる。

企業が設定した予算に対して日々の営業活動の実績が合致しているのか、予算と実績の差を定期的に認識します。

ただ単に「今月は差が大きい」と思うだけではなく、予算と実績に差が生じている要因を徹底的に分析することが重要です。

下図の第3四半期のように、予算に対して実績が足りていない場合は何の要因で予算に達していないのかを分析し、第4四半期で対応する策を検討します。

逆に第2四半期のような予算を実績が上回っている場合でも、予想以上の強みの分野があるから予算以上の実績をあげられているかもしれません。

伸ばすべき所は伸ばすという軌道修正も重要です。

伸びているからといって問題がないのではなく、業績が伸びている場合も原因を分析する必要があります。

定期的に予算と実績を把握し、それを分析することで企業が持っている課題や弱み、逆に強みや伸ばすべき分野が見え、来期からの改善に活かすことができるようになります。

SFAを活用すると、以下の画像のような目標金額と売上実績の比較レポートが自動で作成でき、予実管理が簡単に行えます。

予実管理の進め方5つのステップ

予実管理の具体的な流れを理解しておきましょう。

次の①~⑤を予実管理のフォーマットとして使ってもらうと予実管理を正しく実行できるはずです。

  1. 目標を設定する
  2. 具体的な数字目標に落とし込む
  3. 全社の予算に合算して確認する
  4. 予算と実績の差異を確認して課題を抽出する
  5. 解決案の検討

▶︎▶︎予実管理をエクセル→SFA(営業支援ツール)に切り替えるタイミングとは?

①予算目標を設定する

全社の事業目標に従い、部門ごとで予算作成などの目標を設定します。

予算目標の設定の際に、先述したように目標の数字が適切かどうか判断しながら設定する必要があります。

目標数値の妥当性を判断する際のポイントとしては、過去の実績・成長率などから大きく外れていないこと、競合他社や業界全体の実績・成長率から外れていないことが挙げられます。

経営側の理想や願望を反映することも重要ですが、現実的な数字になるように気をつけましょう。

②具体的な数字目標に落とし込む

目標利益が設定された場合、人件費や減価償却費など使える経費を確認し、費用の予算も設定します。

粗利益率を決めた上で部門別の利益目標を決定します。

③全社の予算に合算して確認する

部門ごとに設定された予算や費用を全社予算として再度確認し、事業目標と相違が生じてないか確認します。

ここまでが予算策定のプロセスです。④から実績側の活動が入ってきます。

④予算と実績の差異を確認して課題を抽出する

設定した予算に対して実績がどうだったのか集計して、その差異の要因分析をします。

分析する際にはKPIを設定し、事業の強みや弱みを把握します。

⑤解決案の検討

強みや弱みが把握できたら、来期以降の対策へと反映させます。

弱みであれば課題への対応、強みであればより伸ばす施策などの検討になります。

▶︎▶︎予実管理をエクセル→SFA(営業支援ツール)に移行するメリットとは?

予実管理を成功させるための2つのポイント

予実管理を成功させるためには、どんなことが必要なのでしょうか?

1つは適切な予算設定、もう1つはPDCAサイクルを回して改善することです。

それぞれ見ていきましょう。

予実管理を成功させるポイント①適切な予算を設定する

予実管理がいまひとつ上手く機能していないという企業も多く存在しています。

そのような場合、予算と実績が正しく設定されていない可能性があります。

予実管理は実際に設定した予算と実績が数字として定量的に把握できます。

そのため、差を大きく出したくないからという理由で予算を低く設定したり、逆に実現不可能なほど高い予算を設定したりすることは問題です。

簡単に到達できるような予算設定は簡単に実現できてしまうため、会社として「伸ばそう」とする意思が欠落してしまいます。

逆に高すぎる予算では企業の強みも弱みも分析できないまま、「予算未達」で終わってしまいます。

予実管理とはただ単に「予算を達成した」、「予算を達成できなかった」ということだけではなく、自社の強みや弱みなどの課題を抽出できるようにすることが重要となります。

予実管理を成功させるポイント②PDCAサイクルを回して改善する

最適な予実管理をしていくには、現状を正しく把握した上で、改善をしていかなければなりません。

そのためには、定期的にSFAツールなどで現状を把握し、改善するためのPDCAを回していく必要があります。

PDCAサイクルを回し、予算設定の精度を高めることができれば、課題を早期に解決することが期待できるわけです。

関連記事:効率的にPDCAサイクルを回す3つのコツを紹介

予実管理でありがちな失敗例

予実管理は、企業の目標達成のための重要な施策です。しかし、方法を間違えると、効果を出せず失敗してしまうこともありえます。
ここからは、予実管理でありがちな失敗例を2つ紹介します。

細かい差異の分析が目的になってしまう

予実管理を行う際、実績と予算の細かな差異に過度に焦点を当ててしまうことがあります。

予算と実績のズレに対して過敏になりすぎると、重要な意思決定のタイミングを遅らせ、組織全体の柔軟性を損なうリスクがあります。

予実管理の目的は、予算と実績の差異の分析を通して企業が抱える課題や弱み、または強味を特定し、来期からの改善につなげることです。手段が目的にならないよう、気をつけましょう。

予算にこだわりすぎる

予実管理において、予算に過度に固執することもよくある失敗の一つです。
予算は理想的な目標を示すものであるべきですが、状況の変化や新たな情報を反映させないままに予算を絶対視すると、柔軟な対応ができなくなります。

予算と実績が合わない場合、設定した予算がふさわしくなかったという場合もあります。

効果的な予実管理のためには、予算をあくまでガイドラインとし、必要に応じて予算の見直しも視野に入れるなど、柔軟に対応することが重要です。

予実管理をする3つの方法

では次に、実際に予実管理をするにはどうすれば良いのか?3つの方法を見ていきましょう。

1つはExcel(エクセル)やスプレッドシートで予実管理表を作成する方法。もう1つはSFAや予実管理ツールで予実管理をする方法です。

そして3つ目に、Excel(エクセル)とSFAのデータを統合した予実管理の方法も紹介します。

Excel(エクセル)を使った予実管理表の作成方法

個人、あるいは中小企業であれば紙で予実管理をしている会社も少なくありません。

しかし、Excelやスプレッドシートでも、簡単に予実管理をすることは可能です。

▶︎▶︎予実管理をエクセル→SFA(営業支援ツール)に切り替えるタイミングとは?

■月次ベースの予実管理表サンプル

予実管理とは?予実管理の流れと管理方法を紹介(Excel・ツール) | Mazrica Sales (旧 Senses)  Lab. |月次ベースの予実管理

例えば、列に「商品リスト」、行に「月」を並べることにします。カテゴリーごとに「予算」「実績」「差異」の項目を割り当てます。

月次ベースの予実管理のサンプルの例では行を1月単位とし、3ヶ月おきに4半期(1Q~4Q)の小計を入れています。

さらに1Qから4Qの合計である年合計を最終行で計算しています。

■日次ベースの予実管理表サンプル

予実管理とは?予実管理の流れと管理方法を紹介(Excel・ツール) | Mazrica Sales (旧 Senses)  Lab. |日次ベースの予実管理

日次ベースの予実管理のサンプルでは月別にシートを作成しており、行を1日単位としています。

月別ベースの予実管理と同様に最終行に合計を計算していますが、これはこの2月の合計の数字となります。

■カテゴリー別の差異分析

前述したように、予実管理は予算と実績を比較し差異を出すことがゴールではありません。

予算以上の事を達成したら何の要因で伸びたのか、未達であれば弱みが何だったのかを分析します。

月次ベースの予実管理から年間ではスキンケアが予算を大きく未達、ボディケアが予算を上回る好業績を出しています。

内訳をさらに見ていきます。

スキンケア事業の4Qの売上が弱いということがわかります。

クリスマス商戦で他社に顧客を奪われた可能性があるのであれば、来年はクリスマスキッドを発売するなどの対応策が検討されます。

このようにExcelで簡単に予実管理を実施することもできます。

もし紙で実績を管理しているというような事業者さん、Excelで実績を入力しているだけで予実管理は実施していないというような企業がいましたら、上記例を参考に予実管理をExcelで作成してみてください。

関連記事:Excelショートカットキー53選【仕事が早い人は使っている】

BIツールを活用した予実管理

予実管理の方法の3つ目は「BIツール」を活用することです。

BIとはBusiness Intelligenceの略で、さまざまな場所にあるデータを1つにまとめる(統合する)ことで、組織がよりデータに基づいた意思決定を行えるようにするためのツールです。

関連記事:BIツールとは?おすすめ9選の機能や仕組み、料金を徹底比較

前述したExcelやSFAのそれぞれにデータを集めていたとしても、BIツールがあれば両者のデータを統合し、新たな視点でデータの分析と意思決定ができます。

主にExcelやスプレッドシートを使ってデータ管理をしていた人も、SFAをメインに活用していた人も、一歩先の分析・ビジネスの意思決定ができるようになるわけです。

比較的簡単にデータの統合ができるツールもありますので、ぜひビジネスの意思決定と成果を上げるために活用してみてください。

尚、営業支援ツールMazrica SalesにもBI機能が搭載されています。
▶︎▶︎直感的に使用できる営業支援ツールMazrica SalesのBI機能の詳細はこちら

SFAや予実管理ツール・システムを活用する

事業規模が小さい場合はExcelでの予実管理でも十分かもしれません。

しかし、規模が大きくなるとExcelのメンテナンスが頻発します。

例えば、商品カテゴリーの追加などExcelの場合、行挿入して式をコピー&ペーストすれば追加は可能ですが、頻発するととても手間がかかります。

さらに商品単価の変更だったり、月別の平均売上が必要となったりした場合にExcelのフォームが煩雑になったり、計算式を間違えたりする可能性もあります。

事業規模の拡大に合わせて予算管理ツール(予実管理システム)の導入を検討しても良いかもしれません。

計算式を間違えてしまうという心配やクラウド上でデータを保持しているため、データが破損するようなケースなどの問題を解決してくれます。

▶︎▶︎予実管理のための細かい入力作業が不要なSFA(営業支援ツール)の詳細はこちら

予実管理におすすめの営業支援ツール(SFA)

エクセルでの予実管理に限界も感じている方におすすめなのがSFAです。

SFAを活用することで、売上だけでなく、そこに紐づく取引先、案件、名刺情報などを集約することができます。

おすすめのSFAについては、こちらの記事でも紹介しています。
関連記事:SFA(営業支援ツール)おすすめ比較10選【2024年最新】

Mazrica Sales(マツリカセールス)|「見やすく・使いやすい」あらゆる営業組織におすすめ

Mazrica Sales はAIを搭載したクラウド型SFA/CRMです。

案件に関する進捗は一覧性のあるカード形式で直感的に確認が可能です。放置されている案件はカードの色が変化していくので、案件の抜け漏れを防ぐことができます。

案件の更新も、ドラッグ&ドロップで簡単に行えるのも特徴で、モバイルアプリもあるため出先でも簡単に入力・確認ができます。

また、アクション(営業活動)を登録することで、AIが過去の類似案件の中から参考になるアクションの情報を提示してくれるため、改善策を立てるのに役立ちます。

関連記事:AIの営業活動への活用例|よくある営業課題への解決方法

もちろん、売上目標や売上実績をダッシュボードで把握できるレポーティング機能も充実しています。

予実管理だけでなく、数字の裏側にある案件の背景や日々の営業活動を結びつけて可視化したい方にはおすすめです。

その他にもグループウェア(G Suite、office365)や名刺管理ツールなどの外部ツール連携により、営業メンバーの日々の行動を手間なく把握できます。

▶▶予実管理か簡単にできるMazrica Salesの概要資料はこちら

おすすめ予実管理ツール(クラウド型予実管理システム)

そろそろExcelでの予実管理が厳しくなってきたと感じ始めている事業者様向けに、予実管理ツールを2つご紹介します。

それぞれクラウド型の予実管理ツール(システム)です。

Oracle Cloud Enterprise Performance Management

国内予算管理市場で圧倒的なシェアを誇る管理会計・予算管理システム。

管理会計や予算管理で必要となるデータを実績系のシステムから収集し、クラウド上で予実管理やシュミレーションレポート作成までトータル的にサポートし業務を効率化してくれます。

集計/配賦などの自動計算機能で最新データを即座に確認する他、アドホック分析機能により、ユーザがその場で分析したい視点で容易に画面を作成することができます。

流通・小売業、サービス、飲食業、製造業といった様々な業界に適応した豊富なテンプレートが揃います。
初期投資が少なくSmallStartできるという点も魅力的ですね。

Oracle Planning and Budgeting Cloud Service:
https://www.oracle.com/jp/performance-management/

BizForecast

「”脱”Excel→”活”Excelへ」を目標にしているグループ経営管理システム。BizForecast はExcelと似た操作性ですので、今、予実管理をExcelで実施していて、メンテナンスの手間がかかっている会社には導入しやすいツールです。

各部署、営業所等が入力した予算データは、責任者によって承認又は否認等の確認を行う事ができます。

BizForecastの経営管理機能によって予算データを集中管理し、ステータスを一覧で管理する他、ワークフロー管理画面で各担当者の作業ステータスを一元管理。資料受領を待たずして、リアルタイムで入力状況などをウォッチすることも可能。

経営者向けに報告が必要となる差異分析やグラフなどはボタンを押すだけで提示され、柔軟性と使いやすさに優れた特徴を持つツールです。

効率の良い予実管理にはSFA/CRMツール「Mazrica Sales」

予実管理とは「予算を達成した」「予算が未達だった」と、一喜一憂することが目的ではありません。

予実管理の結果内容を分析し、次のアクションを起こすことが重要です。

そのための管理方法もExcelを使って具体的にご紹介させていただきました。

Excelでの管理で乱雑になることが想定される場合には、SFAツール、予実管理ツールの導入をおすすめします。

SFA/CRMツール「Mazrica Sales」なら、データ入力、データ整形コストが圧倒的に低く、かつ誰でもすぐに使いこなせる性質から、効率良い予実管理が実現できるでしょう。

今回ご紹介した予実管理の目的、方法、ツールを参考にしていただき、できる所から実施してみてください。

Mazrica Salesのサービス紹介資料はこちらから無料ダウンロードいただけます。

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Mazrica Business Lab.はクラウドアプリケーションMazricaの開発・提供を展開する株式会社マツリカが運営するオウンドメディアです。営業・マーケティングに関するノウハウを中心に、ビジネスに関するお役立ち情報を発信しています。

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