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PDCAサイクルという言葉を聞いた事がある人は多いと思います。
製造業の生産現場では日々改善活動がされており、その中でPDCAサイクルが当たり前のように使用されています。
この考え方は製造業以外にも広く応用されています。今回はPDCAサイクルとは何か?という事を改めて考え、効率的にPDCAサイクルを回す方法をご紹介します。
PDCAサイクルとは?
「PDCAサイクル」は業務改善のフレームワークです。
特に製造業やサービス業などで幅広く使われていた言葉ですが、現在は営業やマーケティングでも使われています。
一言で表現するならば、課題に対して解決策を考えて、改善を継続するサイクルということになります。
ここでは改めてPDCAサイクルに関して考えていきたいと思います。
PDCAサイクルとはP:Plan(計画)、D:Do(実行)、C:Check(検証)、A:Action(改善)のそれぞれ頭文字をとったもので、PからD、C、Aの順番で実施し再度Pに戻ります。
一つ一つ意味を考えていきたいと思います。
1.Plan(計画)
目標を設定して、その目標を達成するためには何をするべきか仮説を立てることです。仮説を立てる際には、過去の実績や将来の予測などをもとに計画を作成することになります。
2.Do(実行)
立てた計画を実行することです。何となく実行するのではなく、結果が見えるように測定したり、数字を記録したりすることが大切です。
3.Check(検証)
実行した際に残した数字を元に計画に沿った結果が出ているのか判断をします。
計画より実行した結果が良かった場合、何が良かったのか?計画より悪い結果となった場合、何が要因で悪かったのか?具体的根拠を付けて検証を行います。
4.Action(改善)
検証で何が良くて何が悪いのかという結果に対して改善をします。改善してこのまま計画を続けるのか、それとも計画を止めるのかという判断もこの段階で考えます。
PDCAサイクルは1周したら完了ではありません。Action(改善)は2周目のPlan(計画)のことも考えて改善策を導きます。そして、2周3周と続ける都度ブラッシュアップさせていきます。
このように継続的に改善を繰り返す事で成長を続けることができます。
PDCAサイクルを回すメリット
PDCAサイクルを回すと「目標を軸にして現状どうなのか?」ということを常に考えることになります。目標に対して今順調に進んでいるのか、何が不足しているのか。そして、改善して目標にどう近づければ良いのか仮説を立てます。
このPDCAサイクルを回す事で得られる一番のメリットは、目標がブレないでしっかりと明確になることです。日々のルーチンを何となくDo(実行)だけをしていると、当初の目標を見失い違う方向に進んでしまうことがあります。
また、PDCAサイクルで常にブラシュアップを継続するため、無駄な作業が削られて作業が効率化していきます。
PDCAサイクルを効率的に回すための3つのコツ
上手くPDCAサイクルを回すコツを3つご紹介します。
1.目標を明確に設定する
PDCAサイクルが回せない一番の原因がPlan(計画)の設定の仕方に問題があるようです。何となく「売上げを上げたい」など目標がぼんやりとしていたり、「2週間で売上げを倍にしたい」といったような明らかに現実と理想のギャップが大きかったりしている場合です。
目標自体がぼんやりしているとDoでどのくらい進捗したのか?という事が数字として目に見えにくいため、CheckやActionに結び付けにくくなります。
1つ1つゴールが想像できるように明確な目標を設定することで、PDCAサイクルを回しやすくなります。
続いては具体例をご紹介します。
優秀な営業Aさんと比べてBさんはアポイントの獲得率が低いです。AさんはBさんのテレアポを聞いて、Bさんが話していることが断りやすいことに気づきます。Bさんが「〇〇といったニーズはありますか?」を聞くとき、顧客からは「ありません」という答えがほとんどです。
Aさんは「ニーズの話は断りやすいからしない方がアポイントの獲得率が上がる」と仮説を立てます。このように具体的な目標、仮説を立てば、実行と効果検証、要はPDCAサイクルを回すことが簡単になります。
2.目標に対する進捗を定期的に確認する
日々の作業に追われていると目標に対する進捗がどれくらいなのか、つい後回しになってしまいます。定期的にPlan(計画)に対する進捗を確認して、次の改善策を出すように意識つけることで日々の作業性も向上します。
まとめて後回しにするとPDCAサイクルの回転が少なくなり、その分改善策が少なくなります。毎日帰社する前に、毎週金曜日に、などある程度ルールを決めて、定期的にPDCAサイクルを回すようにしてみましょう。
3.数字として記録に残す
「今期は売上げを30%上げる」という目標を立てた場合、最低でも誰が、いつどの金額を受注したかを記録に残すことをおすすめします。より効率的にPDCAを回すためにこれ以外のデータも管理することをおすすめします。営業で管理すべきデータについては以下の記事でご紹介しますので、気になる方はご一読してください。
Plan(計画)に対してDo(実行)が例え悪い結果であったとして数字として記録に残すようにします。PDCAサイクルにおいて重要なことは「改善をすること」です。
「売上げが上がらないから」という理由で落ち込んで記録を残さないままだと改善することが不可能になりますので、うまくいかなかった場合でもちゃんと記録を残して、次にどうすれば売上げが上がるかを考えることが重要です。
PDCAサイクルをうまく回せなければどうしたらいいか?
PDCAサイクルを回す事のメリットも理解していただけたと思います。しかし、なかなかサイクルを回せないという方が多いです。
その理由のほとんどはPlan(計画)とDo(実行)はあるが、Check(検証)とAction(改善)がないということです。上から与えられた計画に対して日々の実行に移す。多くのビジネスパーソンがここで止まってしまっています。
具体例として「2件契約件数が目標に対して少ない」という仮説で再度考えてみます。2件契約件数が少ないというCheck(検証)に対して、「頑張りが足りなかった」や「今回は頑張ったからだ!」などは、Action(改善)ではなく単なる感想です。感想だけではPDCAサイクルを回すことが難しいので具体的な改善案を考える必要があります。
例えば「今月は訪問数が少なかったから契約件数が2件少ない。訪問件数を上げることができたら来月は目標を達成できるはず」のように考えると、どうすれば訪問件数が上がるのか、改善案が考えやすくなります。
慣れるまでは難しいのですがCheck(検証)とAction(改善)が単なる感想になっていないか、次のサイクルのPlan(計画)にレベルアップして繋げられるのかを考えながら、サイクルを回す必要があります。
おわりに
日々の業務に追われると当初立てた目標をつい忘れがちになり、オペレーションやルーチン作業ばかりに目が奪われてしまいます。
PDCAサイクルを回す事で当初立てた目標に対して、現在の進捗がどうなのか、何が課題なのか、どのようにして課題を解決するのか、といったことを常に考えるようになります。
初めは小さなサイクル、小さな改善でも構いませんので今回ご紹介した内容を参考にして、まずPDCAサイクルを回してみる事をお勧めします。

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