AIが急成長しているなか、営業組織の課題解決のためにAIを活用する事例も増えてきました。

SFAやCRMなど営業活動で活用するツールに次々とAI機能が搭載され、より便利なものにアップデートされています。

今回は営業課題に対してAIがどのようにサポートできるのかを解説した上で、具体的なツールの例を用いて活用例を紹介します。

AIの進化が営業活動に与える影響

近年のAIの進歩は著しく、ビジネスや日常生活のさまざまなシーンで活用されています。AIは営業課題の解決への活用も期待されているのです。

昨今のAIの進化の源になっているのは、深層学習いわゆる「ディープラーニング」です。

ディープラーニングは機械学習技術のひとつですが、従来の機械学習とは大きな違いがあります。

それが、AI自身が規則性や法則を導き出す点です。従来の機械学習は、人間が指定した規則(パターン)の特徴に則ってAIが学習していました。しかしディープラーニングは人間が特徴を指定しなくても自らパターンを見つけ出します。

さらにディープラーニングのAIは、学習するデータが多いほどパターンの精度が向上するのです。

つまり営業の案件数や顧客数が膨大な数になるほど、AIはパターンとして情報を蓄積して予測精度が向上します。

案件数が数千件までになると、さまざまな情報が複雑化していき人間では追いきれません。

しかしAIは膨大なデータがあるほど予測精度が高くなり、良いパターンを導き出せます。つまり営業データが溜まりやすいSFAにAIが搭載されていれば精度の高い成功パターンを導き出せるため、SFAとAIは相性が良いと言えるでしょう。

SFAに関する記事はこちら:

また、ディープラーニングのAIは入力値に対して望ましい出力値を出すことを目的としています。

人間の視覚や聴覚などの入力に対し、AIが手を動かしたり話したりするなどの出力を行えるため、AIが営業活動を代替できる可能性もあるのです。

関連記事:AI導入の実態と成功するための3つのポイント

AIと営業職の未来

次に、AIと営業職の関係性が、この先どのように変化していくのかについて解説していきます。

営業職がなくなる可能性について

AI技術は、業務の効率化や新たな価値創出の手段として、さまざまな業界で活用が進んでいます。営業の分野においても例外ではなく、AIの導入が加速する中で、「将来的に営業職がなくなるのではないか?」といった議論が聞かれることもあります。

しかし、結論としては、AIによって営業職が完全になくなる可能性は低いと考えられます。

確かに、AIは顧客管理や資料作成などの定型業務を自動化し、事務作業の負担を大幅に削減できるという利点があります。

しかし、顧客との関係構築や、相手のニーズを的確にくみ取りながら提案を行うといった、営業の本質的な業務は、現状のAIでは代替が難しい領域です。

むしろ、AIの活用が進むことで、営業担当者は煩雑な業務から解放され、本来の営業活動である商談や顧客対応に集中できる環境が整っていくと考えられます。

つまり、営業職がAIに取って代わられるのではなく、AIを活用することで業務の効率化や生産性の向上が実現されるということです。

その結果、営業担当者はより多くの顧客と関わり、深い信頼関係を築きながら、案件の獲得につなげていくことが可能になります。

AI時代の営業に必要なこと

AI技術は今後さらに進化し、営業職における役割や求められるスキルも変化していくでしょう。

AIによる自動化が進むことで、営業担当者には「より戦略的な思考」「高度なコンサルティング能力」「データ分析に基づいた意思決定」など、新たなスキルが求められるようになります。

また、AI導入は一度のプロジェクトで完了するものではなく、継続的な改善と最適化が必要です。企業は最新の技術を取り入れつつ、営業プロセスのアップデートを行い、データドリブンな組織へと進化していく必要があります。

今後は、AIが営業の補助的な役割にとどまらず、営業戦略そのものを支える存在となることが予想されます。適切なAIツールの活用と、人間の強みである「対話力」や「関係構築力」との融合が、営業組織の競争力向上の鍵となるでしょう。

AIを活用した営業課題の解決事例

それではAIをどのように活用すると営業課題を解消できるのでしょうか。

先ほど挙げた具体的な営業課題を例に、AIでの解決方法について解説します。

アプローチの自動化

アプローチ先の選定についての営業課題は、AIによる精度の高いターゲティングで解消できます。

人間の目や手でアプローチ先の選定を行う場合、経験や勘が大きく作用します。

そのため新人営業など営業経験が少ない人や、営業成績が思わしくない人は、アプローチ先の選定ができません。

そこでAIの活用により、データに基づいた精度の高いターゲティングが可能になります。

AIに顧客データや過去の取引データなどを学習させることで、AIは受注に至りやすい(確度の高い)パターンを導き出します。さらにAIはそのパターンに該当する顧客を割り出し、アプローチすべき顧客を抽出してくれます。

関連記事:営業アプローチとは?営業手法や成功のポイントを解説

議事録記入の負荷軽減

AIによる音声認識を活用すると、商談中の議事録記入の負担を軽減できます。

AIは音声を言語データとして文字起こしでき、商談中にメモを取る必要がなくなります。さらにAIは話者を区別できるため、誰がどの発言をしたのかがデータで明確にわかります。

商談後は文字起こしのデータを整理して議事録として作成できるため、商談後すぐに顧客に議事録を送付できる点もメリットです。

またSFAと音声認識機能ツールを連携させることで、営業活動と商談が紐づきます。どのような営業トークが効果的だったのかがパターン化され、確度の高い商談パターンを導き出せるのです。

営業の進捗状況の可視化

営業管理が各営業担当者に属人化してしまっていると、マネージャーが進捗状況を把握できずトラブルの発見が遅れてしまうリスクがあります。

担当者自身も進捗がわからなくなり、次に自分が何をすべきか混乱しかねません。また案件に照らし合わせて客観的に営業状況を説明することが難しくなります。

しかしAIは、過去の案件データから現在進行中の案件の受注確度を予測できるため、営業担当者とマネージャーが客観的に案件について話し合い、効果的な次の一手を打ち出しやすくなるのです。

 営業情報の入力の自動化

顧客データや商談内容などの営業情報の入力は工数がかかるため、忙しい営業現場で働く担当者にとっては骨が折れる作業です。また手入力により入力データのミスを引き起こすことも。

たとえば展示会やセミナーなどで交換した膨大な名刺情報を入力するのは、非常に手間がかかります。

しかし、OCR機能が搭載されているSFAを使えば、名刺をスキャナーやカメラで読み取るだけで名刺情報を自動でデータ化してくれます。入力する手間とミスの削減につながり、作業効率化とデータの質担保が同時に実現します。

提案書作成の効率化

提案書作成の手間を削減するにもAIが有効です。

提案書は自分なりに作成している人が多いかと思いますが、他の営業メンバーの提案書を活用できる場合もあります。

他のメンバーの提案書をそのまま活用するだけでなく、ベースにして少し手を加えるだけで自身の商談用にアレンジも可能です。

提案書を一元管理しておけば、AIが提案書内のキーワードを読み取って自動でタグ付けしたり、自然言語処理機能でスライドを検索したりすることもできます。

また顧客情報や商談状況に応じて、AIが最適な提案書をレコメンドしてくれるものもあります。

これにより提案書作成の時間が削減し、提案内容のブラッシュアップや顧客フォローなどの時間に充てられます。

 営業情報の一元管理

営業管理における課題として、営業情報がバラバラに登録されてしまっているという点も挙げられます。

たとえば「同じ顧客情報が重複して登録されている」「営業担当者ごとに別々のExcelファイルで営業管理をしている」といった課題です。

営業情報の管理にもAIが活躍してくれます。

営業支援システム(SFA)は、顧客情報や案件情報をデータベース化して管理を行うのに最適です。

ここにAIが搭載されると、管理のみならず、AIからの「提案」を受けることが可能になります。

AIが自社の持つ成約済みの顧客データを自動で分析・学習することで、重複データなどは簡単に見つけ出せますし、膨大なデータベースの中から新しい見込み顧客のリストを自動で作成するなど、より実用的に管理ができるようになるのです。

AIの自動で学習し、提案を行う機能によって、営業情報がバラバラになるのを防げます。

関連記事:案件管理/進捗管理システム・アプリ比較10選|おすすめツールを紹介

ネクストアクションの提案

案件の進め方がわからないときは、さまざまな案件から情報を抜き取って次のアクションを考えなければいけません。しかし忙しい営業担当者は、そのような分析や戦略立案の時間を充分に確保できません。

しかしAIは、過去の類似案件のデータを自動で探し出し、その案件のどの部分が受注につながるポイントだったのかを見つけ出せます。

過去案件が受注に至った経緯やポイントがわかることで、営業担当者は次のアクションを考えやすくなります。また過去案件の担当者とのコミュニケーションもスムーズになり、より精度の高い商談を展開できるようになるでしょう。

関連記事:SFAとAIで実現するこれからの営業管理|営業の生産性向上への第一歩

営業でAIを活用する際の注意点

営業活動でAIを活用することには、多くの利点がある一方で、注意すべき側面も存在します。

すでに企業の間ではさまざまな問題が発生しており、適切な活用方法やリスク対策の重要性が高まっています。

情報漏洩のリスク

AIを利用する際には、個人情報や機密情報の取り扱いに細心の注意を払う必要があります。 特に、個人情報保護法などの法規制を遵守し、データのプライバシーとセキュリティを確保することが不可欠です。

万が一、情報漏洩が発生すると、社会的信用の喪失につながるだけでなく、最悪の場合、企業の存続が危ぶまれる事態に発展する可能性もあります。

そのため、機密情報を取り扱う際には、AI利用のルールを明確に定めるとともに、データの暗号化やアクセス制限を徹底し、外部への流出を防ぐ仕組みを構築することが求められます。

著作権侵害やプライバシー侵害のリスク

生成AIの発展により、専門的なスキルを持たない一般のビジネスパーソンでも、高品質な画像や文章を簡単に作成できるようになりました。

しかし、この利便性の裏には、意図せず著作権やプライバシーを侵害してしまうリスクが潜んでいます。

AIが生成したコンテンツを商用利用する場合は、 その著作権や利用許諾がどうなっているのかを事前に確認することが不可欠です。

規約を十分に理解せずに利用すると、後に法的トラブルに発展する可能性があるため、慎重な対応が求められます。

誤った情報の生成リスク

AIの精度は、学習データの質に大きく依存します。不正確または偏ったデータが入力されると、AIが生成する情報も同様に不正確または偏ったものになってしまいます。

特に生成AIにおいては、ハルシネーションと呼ばれる、AIが実際には存在しない情報をあたかも事実のように生成してしまう現象が起こり得ます。

このような誤った情報を知らずに活用すると、企業の意思決定に悪影響を及ぼし、大きな損害を招くことにもなりかねません。

AIはまだ発展途上の技術であり、完全に信頼できるものではないため、生成された情報は必ず人間が精査し、正確性を確認するプロセスを導入することが重要です。

AIの営業活動への活用事例

Mazrica Sales製品イメージ

先述のとおり、AIは営業活動との親和性が高く営業課題の解消に役立ちます。

ここからは、具体的なAI搭載ツールを例にして営業活動への活用例を紹介します。

今回紹介するのは、当社が開発・提供しているSFA/CRMの「Mazrica Sales」です。Mazrica Salesは営業現場での使いやすさを第一に考えた機能を搭載しています。

▶︎▶︎Mazrica Salesとは?【資料DLはこちらから】

そのうち、AIを活用した機能の一部を以下で紹介します。

  • OCR:名刺や手書きメモなどを読み取ってデータ化する
  • AIフォーキャスト:進行中案件の受注確率を予測し、想定できるリスクを提示する
  • 名寄せ:重複している顧客情報を一括にまとめる

それでは、上記3つの機能をそれぞれ詳しく解説します。

▶️▶️Mazrica製品に搭載されているAI機能、Mazrica AIの紹介資料はこちら

OCR

OCRとは「光学文字認識」とも言い、画像データのなかにある文字を認識してテキストデータ化する機能です。

Mazrica SalesにはOCR機能が搭載されており、名刺や手書きメモなどをデータ化できます。データ化するために画像を読み込むのは、スマートフォンのカメラで可能です。

交換した名刺の情報を読み取って自動で顧客データとして登録したり、商談中の手書きメモをデータとして残したりできるため、入力負荷の軽減や入力ミスからの脱却が期待できます。

また日本語だけでなく英語にも対応している点も特徴です。

関連記事:自動文字起こしツールおすすめ10選|音声・OCRを活用した営業DXの促進

AIフォーキャスト機能

Mazrica SalesのAIフォーキャスト機能は、過去の類似案件に基づいて進行中案件の受注確率・契約金額・契約日を予測してくれる機能です。

各予測に対する影響項目も提示されるため、事前にリスクを把握して対策を取ることができます。

また類似した案件を確認でき、その案件の進め方で何が良かったのかを理解できます。

また次のアクションを提案してくれる機能もあり、進行中案件の進め方について具体的にイメージできるでしょう。

名寄せ

AIの営業活動への活用例|よくある営業課題への解決方法|Mazrica Sales (旧 Senses)  Lab. | 7

Mazrica Salesには名寄せ機能も搭載されています。

週に一度、重複している顧客情報をAIが自動で検知して抽出してくれます。あとはどのように名寄せするのかを選択するだけで自動でデータが統合されるため、手間をかけずに名寄せが可能です。

また営業担当者が複数いると、表記の不統一が引き起こされることも少なくありません。たとえば「Mazrica」と「マツリカ」のように、同じ意味なのに表記が異なる例です。

しかしMazrica Salesの名寄せ機能は英語にも日本語にも対応しているため、入力した担当者による表記の不統一も解消されます。

関連記事:名寄せとは? | 効率的な顧客データ管理方法とおすすめツールも紹介!

▶︎Mazrica Salesの実際の使用感が確かめられる【デモ動画】はこちらから!

AIを搭載したSFAを導入して営業を更に強くする!

AIの営業活動への活用例|よくある営業課題への解決方法|Mazrica Sales (旧 Senses)  Lab. | 8
Mazrica Sales搭載AIが収集データを活用に導く仕組み

AIは身近なものになっており、営業活動でも役立てられるものです。AIをうまく活用することで、営業課題の解決だけでなく、営業活動の効率化や受注数の増加などが期待できます。

AIが搭載された営業ツールも次々と開発されており、さまざまな機能が搭載されています。

なかでもMazrica SalesのAI機能は、営業現場の生産性向上を目的としたものなので、営業課題を抱えている組織にはおすすめのツールです。

ぜひMazrica Salesを活用して営業課題を解決してください!

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Mazrica Business Lab.はクラウドアプリケーションMazricaの開発・提供を展開する株式会社マツリカが運営するオウンドメディアです。営業・マーケティングに関するノウハウを中心に、ビジネスに関するお役立ち情報を発信しています。

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