ビジネスの現場ではDX:デジタルトランスフォーメーションが浸透してきており、デジタルツールを活用した企業活動の変革が行われてきています。
そのようなシーンは営業現場にも見られ、営業を支援してくれるツールの活用によりDXが加速している最中。
デジタルとヒトの力を融合させることで営業組織や営業活動に変革をもたらしてくれるDXですが、ツールへのデータ入力の負荷や入力ミス、入力漏れなどの新しい課題も出てきています。
そこで、今回ご紹介するのは自動で文字起こし(テキスト化)してくれるデジタルツール。
音声会話の内容をAIが文字起こししたり、画像内のテキストを自動でデータ化してくれることで、営業業務が簡略化し効率アップにつながります。
求められる営業のDXの促進
私たちの日常でデジタル技術が欠かせないものとなっている今、現代のビジネスでもさまざまなシーンでITツールの活用が進んでいます。
業務内容や目的に最適なツールを活用して課題を解決していき、更に新しい価値を創造したり変革を行ったりすること、つまり「DX」こそが企業の成長のカギを握っていると言っても過言ではなくなってきました。
ここで少しDXについて確認すると、DXとはデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略で、2004年にスウェーデンのエリック・ストルターマン教授が「進化したIT技術が人々の生活に浸透することで、あらゆる面でより良いものに変革する」と定義したものです。
このDXが企業活動に浸透してきており、もちろん営業現場でもDXの取組みが求められてきています。
関連記事:DX戦略とは?戦略立案・推進のポイントとDX化の成功事例を紹介!
しかし、まだまだ営業ではDXが定着しているとは言い難いのが現状。
なぜならば、ただ単にCRM/SFAにデータを入力しただけで満足してしまったり、そもそもデータ入力にすら時間がかかってしまっていたりする「導入しただけで活用しきれていない=より良い状態へ変革できていない」という組織が多いからだと考えられます。
これを裏付けるデータとして、2019年11月にITRが行った「営業力の強化・レベルアップに向けたSalesTech活用ニーズ調査」では、SFA導入時の期待値と導入後の効果のギャップが明確になっています。
SFAに関する記事はこちら!
特に差異が大きいのは「営業スキルの標準化」、次に「提案力の強化」。
「営業スキルの標準化」も「提案力の強化」も、ツールを導入しただけでは実現するものではなく、実際にデータを分析したり業務プロセスを見直したりすることで実現するものです。
つまり、期待して導入したものの、実際には活用しきれていないために効果が出ていないという組織が多いことがうかがえます。
働き手が減ったことによる営業リソースの不足や、インターネットの発展による消費者の購買行動の変化により、営業活動もデジタルシフトしていく必要性が高まっています。
また、SaaS型ツールの普及により、オンプレミスのような面倒もなく便利なツールを手軽に導入できるようにもなりました。
だからこそ、ツールを活用しきれないという落とし穴にハマらないことが重要です。
自社に必要なツールを選別する目と営業プロセスの再設計をポイントに進めていくことが、営業DXを進めるうえでポイントになってくるでしょう。
このことから、今回は「自社の営業プロセスに組み込みやすい」という視点から音声やOCRを活用した『文字起こしツール』をご紹介します!
データ入力の工数を大幅に削減してくれるので、営業活動が飛躍的に効率化することが期待できます。
関連記事:AIを搭載したSFAでできることとは?導入時のポイントなども解説
アポ取り
アポ取りのための電話営業には課題があります。
メモに集中して会話が弾まない。会話に集中してしまうとメモを取るのを忘れてしまう。会話の内容が多いと、電話のあとにツールに入力するのが大変。
そのような課題を解決するのが、文字起こしの機能が搭載されたクラウド型の電話システムです。
自動で文字起こししてくれるだけでなく、ツールによっては内容を選別してツールへ自動入力してくれる機能も搭載されています。
pickupon(ピクポン)
pickuponはAI搭載のクラウド型電話。
pickuponを使って通話をすると、顧客との通話内容から重要箇所をピックアップしてテキスト化し、連携したCRM/SFAに自動で入力してくれます。
今までの「電話をしながらメモを取って、その内容を整理しながらツールに入力する」という業務がなくなり、入力負荷が減るだけでなく入力漏れを防ぐ効果も期待できます。
連携可能なツールはMazrica Sales、Salesforce、Hubspot、Slackなど。
また、電話をかけずにデータを閲覧するだけのアカウントは無料で利用できるので、経営層やマネージャー、他部門もシームレスに情報共有が可能になります。
【利用料金】
月額6,000円/1ユーザー+電話料金
【URL】
https://service.pickupon.io/
MiiTel(ミーテル)
クラウドIP電話のMiiTelは、搭載されたAIが通話内容を解析して定量評価してくれるツールです。
すべての通話内容が自動で録音されるだけでなく、全文を文字起こししてくれるため重要部分を抜粋したり細かいニュアンスまで共有したりすることも可能になります。
文字起こしによる入力工数削減だけでなく、AIの解析によって電話スキルの向上も期待できるので成約率のアップにもつながるでしょう。
CRM/SFAやビジネスチャットツールとも連携できるため、リアルタイムの情報共有もできるようになります。
【利用料金】
月額5,980円/1ID
【URL】
https://miitel.jp/
オンライン商談・社内会議
関連記事:ウェビナーツール徹底比較おすすめ17選!動画配信によるナーチャリング戦術
テレワークの普及により、オンライン商談やWeb会議が浸透しています。
商談や会議では議事録を記録していなければ後々のトラブルにもつながりかねませんが、議事録にばかり集中していると商談が進まなかったり会議で発言できなかったりするというデメリットも。
そこで、オンライン商談システムと連携して自動で文字起こしをして議事録を作成できるツールをご紹介します。
議事録作成の時間を削減するだけでなく、商談内容の報告を簡略化したり情報共有を円滑にしたりする効果も見込めます。
Sloos(スルース)
オンライン商談システム(ビデオ会議システム)と連携し、発言者ごとに自動で文字起こしができるSloos。
名前を入力して音声を録ることでシステムが声を認識することで、人ごとの文字起こしが可能になりました。
顧客と1対1のオンライン商談だけでなく、キーマンや自分の上司を含めた複数人での商談でも「誰がどんな発言をした」という正確な履歴を残すことができます。
また、参加者の多い社内のビデオ会議でも会議に集中できますね。
連携できるのはZoom、Teams、Google Meets、Skypeなど。
2020年6月現在、機能を限定したβ版を無償提供しています。
【URL】
https://sloos.qcore.co.jp/
Texta(テクスタ)
Textaはオンライン商談での会話の内容をリアルタイムで文字起こししてくれるツールです。
リアルタイムで自分と相手の発言を文字起こしできるため、商談の終わりに内容を振り返ったり、会議を終える間際に決定事項を再確認したりすることができます。
音声ファイルをアップロードするとその内容の文字起こしもできるため、イベントや講演会の内容を文字起こしすることもできますね。
2020年12月末まで無料で提供しているので、すぐに試せるのも嬉しいです。
【URL】
https://texta.lightblue-tech.com/landing_page
Otter
OtterはスマートフォンやPCで会議や取材の様子を録音すると、その内容を自動的に「書き起こし」してくれるツールです。
その精度は非常に高く、国際会議でも利用されています。
雑音が多い場所でも正確に書き起こしが可能で、話者も識別してくれます。
2020年6月現在、英語対応のみで日本語への対応は未定です。しかし2019年12月にドコモとの協業が発表され、今後日本語対応への開発も加速していくでしょう。
普段英語でのミーティングや取材が多い場合はぜひ活用してみてください。
【URL】
https://otter.ai/jp
User Local 音声議事録システム
User Local 音声議事録システムは複数の話者の音声を認識し、会議の内容をテキストとして自動で保存できるツールです。
会話の内容や発言者の感情をテキストマイニングで分析し、ワードクラウドやグラフでも可視化することもできます。
会議の可視化機能では、会議中の頻出単語を1枚のワードクラウドにまとめて表示することや、ディープラーニング技術でユーザーの発言を分析し、ネガティブ・ポジティブを判定して表示することも可能。
【URL】
https://voice-dashboard.userlocal.jp/
Mee2box(ミーツボックス)
オンライン商談システムのMee2boxには、議事録作成機能が搭載されています。
他のツールを起動することなく文字起こしをしてくれるので便利。
議事録はテキストとしてダウンロードすることも可能なので、商談相手へメールで送ることもできますね。
オンライン商談システムならではの資料や画面の共有機能、自分にだけ見えるトークスクリプトの表示、通話内容の録画や録音なども可能です。
【利用料金】
・初期費用98,000円
・月額36,000円/4ID ※追加1IDあたり9,000円
商談後の報告
商談後の報告の際にお勧めのツールはこちらです。
Mazrica Sales(マツリカセールス)
クラウドSFAのMazrica Salesでは、画像から文字データを取り込むOCR機能が2020年6月8日より提供開始されました。
メモや名刺の写真、スクリーンショットの画像から文字データを取り込んで、自動でMazrica Sales内に反映させることが可能になりました。
例えば、商談中のメモ、顧客とのチャットやメッセージでのやりとり、ホワイトボードのメモなどをOCR機能で取り込むと、営業活動情報としてMazrica Sales内に登録されます。
入力工数がかからずにすぐに営業アクションを登録できるため、商談後の報告や情報共有がよりスピーディーになります。
営業活動の取り込み機能はMazrica Sales全プランのユーザーが利用できます。
また、名刺データを取り込んで自動で取引先情報/顧客情報として登録することも可能。
【利用料金】
・Starter:月額27,500円~(5ユーザまで使用可能。追加ユーザーあたり月額5,500円)
・Growth:月額110,000円~(10ユーザまで使用可能。追加ユーザーあたり月額11,000円)
・Enterprise:月額330,000円~(20ユーザまで使用可能。追加ユーザーあたり月額16,500円)
【URL】
https://product-senses.mazrica.com/
※※無料トライアル実施中!※※
営業タスク管理ツール『Mazrica Sales』は無料でお使いいただけるプランがあります。
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(番外編)名刺管理
紙ベースでの名刺管理をやめ、クラウド型の名刺管理ツールを導入する企業も増えています。
名刺管理ツールでは、紙の名刺をスマホカメラや専用スキャナで取り込むだけで、OCR機能やオペレータの手入力によりデータ化することができます。
紙ベースの名刺管理を脱却して、属人的だった名刺管理を企業全体で一元管理することにより、名刺から人脈がつながって営業チャンスに活かすことができるようになるのです。
Sansan
2020年1月の調査でクラウド名刺管理ツールのシェア83%を占めているという結果に輝いたSansan。
名刺を専用機器でスキャンもしくはスマホカメラで撮影するだけで名刺情報が自動でデータ化されるので、名刺情報をわざわざツールへ手入力するという手間がなくなります。
登録された名刺情報はCRM、SFA、MAツールなどの顧客情報へ自動登録されるといった連携機能も充実しています。
【利用料金】
お問い合わせ
【URL】
https://jp.sansan.com/
CAMCARD
CAMCARDは世界最高クラスのOCR機能により、取り込んだ名刺情報が最短5秒でデータ化される名刺管理ツールです。
名刺交換をしたらすぐに名刺データを社内で共有できるためビジネスのスピードが加速します。
オペレータによるデータ補正は、最短5分というスピードで精度はほぼ100%。
正確な顧客情報は、連携したCRM/SFAやMAツールなどとシームレスに連携可能です。
【利用料金】
・STANDARD:月額1,400円/1ID
・PROFESSIONAL:月額2,200円/1ID
【URL】
https://www.camcard.jp/business/
終わりに
SFAなどのツールに情報を入力したり、社内へ報連相をしたりすることは、意外と手間も時間もかかる営業業務です。
その業務を文字起こし・テキスト化ツールで自動化することにより、入力業務にかける手間を削減するだけでなくミスや漏れをなくし、本来の営業活動にかけるリソースを増やすことができます。
文字起こしツールは普段の営業プロセスに組み込みやすいツールなので、自動化・効率化を進めたい組織にとっては比較的導入しやすいのではないでしょうか。
文字起こし技術を活用して営業のDX化を進めましょう!
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