「DXが注目されているが、どのように進めたら良いのだろう」
「自社をDX化するために、何から始めたら良いのか知りたい」
このような人は、まずはDX戦略の立案から始めてみてはいかがでしょうか。
DX戦略は、自社のDX化を進めるための方向性を定めたものです。明確なDX戦略を立案することで社内の足並みが揃い、DX化をスムーズに推進していくことができます。
本記事では、DX戦略を立案するポイントや、推進するプロセスを詳しく解説します。成功事例についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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この記事の内容
DX戦略とは?
まずは、そもそもDXとは何か?DX戦略とはどんな戦略なのか?ということを正しく理解しましょう!
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
DX戦略について解説する前に、DXとはどのような概念なのか理解しましょう。
DXとは「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略で、ITを活用してビジネスや生活をよりよい方向へと変革する取組みを指します。
近年、AIやビッグデータ、IoTなどのIT技術が急速に進歩しています。さらにサブスクリプション型サービスやフリーミアムサービスなどが普及し、手軽にITを取り入れられるようになっています。
このような環境を活かし、ITを活用してより良い方向に変化させることをDXと言います。
【関連記事】DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?意味・定義と成功事例を紹介
現代ビジネスに欠かせない「DX戦略」
市場において自社の地位を確立し、他社には真似できない独自の価値を提供する必要があります。しかし現代のビジネス環境は変化が激しく、市場や消費者のニーズの変化を読み解くことは困難を極めます。
そこで活用できるのがIT技術です。ITを活用すると蓄積したデータの分析から将来の動きを予測し、自社の課題や優位性を発見できます。
つまり今後のビジネスでは「IT技術を活用してビジネスをよりよくしていく」という意味を持つDXが欠かせません。
そして自社における課題を明確にし、その課題を解決する目的でDXを推進していくDX戦略が必要となるのです。
【関連記事】営業DXとは?3つの成功事例と失敗しないためのポイントを解説
企業にDX戦略が必要な理由
DX戦略は、企業にとってなぜ必要なのでしょうか。
まず第一に、DX化を進めるには、全社一丸となって推進する必要があるためです。
DXはこれからのビジネス環境を生き抜くポイントとなるため、社内にとっても大きな変革になります。しかしDX戦略がないと社内の意識が統率できず、足並みが揃いません。
またDX戦略がなければ、自社の課題や目的があやふやなままDXを進めることになります。それではDXを進めることが目的となってしまうでしょう。
しかし、あくまでもDXは自社の目的を達成するための手段です。
そのため自社の課題をDXでどのように解決するか、という方向性を示したDX戦略を立案し、全社一丸となってDXを進めていく必要があります。
また、DX化が進んでいる企業では業績アップ傾向にあるというデータも出ています。事業の拡大のためにも、DX化は欠かせないといえるでしょう。
経済産業省のDX推進ガイドラインについて
自社のDX戦略を進めるうえで理解しておきたいのが、経済産業省の「DX推進ガイドライン」です。そこで、DX推進ガイドラインとはどのようなものなのか解説します。
DX推進ガイドラインの概要
DX推進ガイドラインとは「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」の略で、経済産業省が民間企業向けにDXの取り組み方について解説したガイドラインです。
DXの重要性は気づいているものの、どのように取り組めば成果につながるのかが分かっていない企業は少なくありません。そのような背景を踏まえ、経済産業省は民間企業がDXを実現できるようガイドラインを策定しました。
DX推進ガイドラインは、大きく以下の構成に分かれています。
- DX推進のための経営のあり方、仕組み
- DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築
上記2部により、DX戦略を進めるために必要な経営の視点や、実行するにあたってのポイントが解説されています。
DXレポート
DX推進ガイドラインと併せて確認したいのがDXレポートです。
DXレポートには、かの有名な「2025年の崖」について記載されています。「2025年の崖」とは、従来のITシステムの老朽化やエンジニア不足などにより、2025年以降に企業は大きな経済的損失を被るとされる問題です。
DXレポートでは2025年までに企業がやるべきDX施策が記載されており、もしDXをせずに放置していた場合のリスクも語られています。経済産業省が発表しているレポートには以下の2種類があります。
目前に迫る2025年に向け、企業は損失を最小限にするために早急にDX化を進めなければいけません。DXを推進していくためにも、その基盤となるDX戦略が必要となります。
DX戦略を策定する4つのポイント
今後の企業経営においてDX戦略は欠かせないものですが、やみくもにITツールを導入したりエンジニアを増やしたりしても、満足のいく成果は得られません。
DX戦略を成功に導くための、策定時のポイントを4つ紹介します。
1. DX戦略の目的・方向性を明確にする
DX戦略を策定する際には、事前にそもそものDX戦略を策定する目的、進むべき方向性を明確にしましょう。
DX戦略を成功に導くために欠かせないのが、社内の協力です。全員の協力を得るためには「DX戦略をなぜ進めるのか」「DX戦略で何を実現したいのか」といった目的や方向性を示し、意識を統率する必要があります。
まずは自社の課題を洗い出し、その課題を解決するためにDXをどのように活用するのかという、DX戦略の目的を定めましょう。
そしてDX戦略によりたどり着きたいゴールを目標として定めることで、方向性が明確になります。
2. 自社の強みや課題を明確にする
DX戦略を策定するにあたり、自社の強みと課題の把握も必要です。DX戦略により自社の強みをどう伸ばしていくか、また自社の課題をどのように解決するかが明確になります。
DX戦略は単にIT技術を自社に導入することが目的ではなく、自社のビジネスをより良くしていくことが目的です。そのためには自社の強みと課題をしっかりと把握したうえで、DX戦略にも取り入れると良いでしょう。
強みや課題を分析するのにぴったりのフレームワーク、「SWOT分析」についての記事も併せてご覧下さい。
関連記事:SWOT分析とは?事例や分析手法をわかりやすく解説
3. 現状と理想像とのギャップを埋めるための戦略を立てる
自社のDX戦略の方向性や、伸ばすべき強み・解決すべき課題などで現状が充分に理解できたかと思います。その現状を踏まえて、自社の理想像とのギャップを探ってみましょう。
理想像に近づくために自社で必要なことを洗い出し、それを実現するためにはDXをどのように活用していくか考えます。
4. テクノロジーの導入を計画する
次は、自社の理想像を実現するためのテクノロジーの導入計画を立てます。
ビジネスに活用できるテクノロジーの種類は多岐にわたります。例として、以下のものが挙げられます。
- クラウドサービス
- AI(人工知能)
- IoT
- ビッグデータ
- モバイル対応
- ロボット化
- デジタルツイン、メタバース
これらのテクノロジーの中から、自社にとって必要なものを選定しましょう。
ただし自社に開発のリソースがなければ、外部のベンダーに依頼する必要があります。自社で開発する場合も、外注する場合も、コストやスケジュールなどの計画を立てておくことで、スムーズに計画が進むでしょう。
関連記事:セールステックとは?7つの主要カテゴリーを徹底紹介【カオスマップ付き】
DX戦略の推進プロセス
DX戦略を策定したら、実際に自社のDXを推進していくフェーズに進みます。DX戦略を進めていき、成功へと導くプロセスを解説します。
長期的な視点で立案し小さくスタートする
DX戦略を推進するうえで重要なポイントが、長期的な視点です。
短期間に社内すべてのシステムを見直したり、すべての業務にテクノロジーを導入したりすると、現場にとって大きな負担となります。今までのやり方が大きく変わってしまうため、ミスやトラブルを招くことになるでしょう。
そのため、最初は小さくスタートすると良いでしょう。大きく始めてしまうと失敗したときのリスクが大きいため、リスクの小さな業務から始めます。
DX人材を確保する
DX戦略を推進していくためには、DX人材の確保も重要です。IT技術に精通した専門的な知識を持つ人材を確保しましょう。
DX人材がいないと、戦略を推進していく中核となる人物がいない状態なので、途中で止まってしまう可能性があります。また予期せぬトラブルが起きた際にも迅速に対処できずに、より大きなトラブルになるでしょう。
DX人材は、現在いる人材を育成する方法と、新たに採用する方法、そして社外の人材に依頼する方法があります。自社のリソースを考慮し、どの方法が適しているか見極めましょう。
効果検証を実施し、改善のサイクルを回す
DX戦略を成功させるためには、PDCAサイクルが欠かせません。どのくらい目標に近づいているか、定期的に検証して実績を確認しましょう。
また効果検証の結果、目標との乖離が判明した場合には、改善策の立案も必要です。問題をそのままにしておくとDX戦略は失敗してしまうので、改善策を講じましょう。
関連記事:PDCAサイクルとは?PDCAサイクルを効率的に回す3つのコツを紹介
DX戦略の成功事例
DX戦略を推進し、自社のビジネスを成功させている企業の事例を3社紹介します。
大道エンジニアリング株式会社
産業用電気機器や設備などを開発する、安川電機の一次販売代理店として高い実績を誇っている大道エンジニアリング株式会社は、営業活動が属人化し、内容がブラックボックス化していたために、自社にとっての障壁を見逃しやすい状況でした。
そこでSFAの「Mazrica Sales 」を導入し、DXを推進することにしました。
Mazrica Salesは現場にとっての使いやすさにこだわり、営業データの一元管理ができるSFAです。大道エンジニアリング株式会社はMazrica Salesの「忙しくても入力しやすい、直感的な操作性」などに魅力を感じ、導入を決めました。
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導入の結果、営業プロセスのボトルネックを発見し、どこに注力する必要があるのか?が明確になるだけでなく、社内の営業文化の醸成にも大きく役立っているそうです。
【事例】SFA運用の定着で日報を撤廃|デジタル化で進む営業ビジョンの浸透
株式会社翻訳センター
国内でも最大規模の翻訳サービスを展開している株式会社翻訳センターは、営業担当は管理用のエクセルを使わず、自身でメモを作って営業管理をしていました。
そのため、管理用のエクセルの営業履歴欄は空欄のまま、取引先の担当者が交代しても情報を更新しない等、まさに属人的営業の状況だったといいます。
エクセルシートが1,000件を超えたあたりから容量が重くなり、起動するのに時間がかかったり、データの扱いにストレスを感じるようになった同社。そこで、チーム全体で改善手法の調査に乗り出し、SFA/CRMの役割や機能を知った同社は、すぐさまSFA/CRMの導入へと動き出しました。
Mazrica Sales導入以前は、各メンバーが記憶上の顧客状況を報告・相談するだけでした。しかし、Mazrica Salesの『売上予測レポート』から各顧客のフェーズを分析することで売上確度の見極めができるようになり、適切なアクションを考えられるようになりました。
今では、新規契約した時点でCS向け案件を作り、契約更新の2ヶ月前にアクションを作成して予約登録しています。これにより対応漏れがなくなり、確実にフォローする運用を構築できました。この運用を取り入れたこともあり、現在では解約率は1桁台を維持しています。
【事例】営業データの「記録」から「活用」へ|エクセル脱却で実現した営業活動の最適化
マイクロソフトの事例
マイクロソフト(Microsoft)は、自社のビジネス形態を方向転換してDX戦略を成功させました。
それまでWordやExcelなどのMicrosoft Officeソフトは買い切りのみで、購入を踏みとどまるユーザーも少なくありませんでした。
そこでクラウドサービス「Office365」として新たに打ち出し、WordやExcelなどのOfficeソフトのほか、TeamsやOutlookなどもセットとして提供することに。
さらに月々の利用料金を支払うことで利用できるサブスクリプションモデルを採用したことで、買い切りではなく継続的に売上を作る仕組みを構築しました。
その結果、ユーザー数が増加し収益は1,220億ドルを達成したのです。
終わりに|営業・マーケティングのDX戦略実行に必須のツール
グローバル化や労働力不足などで、今後ますます競争が激化すると予想されている日本を生き抜くためには、DX戦略による大きな変革が必要です。
DX戦略を進めるためには、自社の現状を把握したうえで、しっかりとした目的をもつことがポイントとなります。また自社に最適なテクノロジーを見極めることも重要と言えるでしょう。
Mazricaでは、マーケティング・営業現場の使いやすさにこだわった、マーケティング・営業DXの推進に役立つプロダクトを開発・提供しています。
Mazrica製品を活用すれば、顧客データを一元管理できるため、最適なタイミングでアップセル・クロスセルの提案をしたり、契約満了日より前に契約継続のアプローチをすることが可能です。売上の高い顧客層を分析して、新規開拓に役立てることもできるでしょう。
BI機能も有しているため、高度なデータ分析を行い、分析から得られた示唆をもとに、より精度の高い施策を打つことも可能です。
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