「メンバーの案件の進捗状況がわからない」「うまくいっていたのに、途中で急に失注してしまうことが多い」

といった営業組織には、営業フェーズを設計・管理することが効果的かもしれません。

営業フェーズとは、営業プロセスにおける各段階のことです。

本記事では、営業フェーズ管理のメリットや方法を紹介しています。営業フェーズ管理に興味がある方や、進捗管理に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

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営業フェーズ(プロセス)とは?

営業フェーズとは、営業活動の一連の流れにおけるそれぞれの段階を意味し、「営業プロセス」と呼称されることもあります。

営業活動を始めてすぐに受注できるわけではなく、リード(見込み顧客)の獲得からアポイント獲得、さらには商談、クロージングというように、一連の流れを経て受注に至ります。

さらに、契約後の継続的なフォローまで営業活動に含まれるでしょう。こうした一連の営業活動の流れにおける各段階を「営業フェーズ」と言います。

そもそも「フェーズ」とは「段階」や「局面」といった意味で訳される言葉です。一方の「プロセス」とは「過程」「工程」といった意味をもちます。

そのため、営業フェーズと営業プロセスと同じような意味で扱うこともありますが、詳しく言うと営業プロセスを細分化した各段階が営業フェーズと言えるでしょう。

関連記事:営業プロセスとは?見える化の効果と営業力強化のポイント

営業フェーズと営業確度の違い

営業フェーズと営業確度の言葉の違いを整理しましょう。

営業確度とは?

営業確度とは、自社の営業活動に即した案件の温度感を自由に設定するものです。
その案件に対して、最初に接触したタイミングで得た顧客の温度感や必要とされている要件といった要素から、受注への確度がどのくらいのものかを主観的につけます。
主観的な記録をすることで、後にレポートで自分たちの主観が正しかったのかの測定を行うことができます。

営業フェーズとは?

フェーズとは、案件が現在どのような状態にあるかを確認するためにあります。
そのため、フェーズは客観的かつ定量的な測定可能な指標で管理することが望ましいです。
例えば、「A」「B」「C」といったフェーズだと、人によって解釈が異なり、案件がどんな状態なのかが定量的に測れません。一方で、「訪問済み」「提案済み」といった客観的に誰が見てもどんな状態かがわかるフェーズだと、フェーズに関するレポートで正しい測定が可能となります

営業フェーズ管理のメリット

営業活動において、営業フェーズを管理することは重要な意味があります。

営業フェーズ管理とは、いつ・誰の・どの案件が・どの営業フェーズに位置しているのかという進捗を把握し、各フェーズにおいて「適切なアクションを行っているか」「うまくいった(うまくいかなかった)原因は何にあるのか」といった情報を分析していくことです。

なお、営業フェーズ管理は「パイプライン管理」と同じ意味合いを持ちます。
パイプライン管理について詳しく解説している記事はこちらです。
関連記事:パイプライン管理とは?営業の成果を上げるマネジメント方法・具体事例を紹介

営業フェーズ管理のメリットは、大きく2つあります。

営業の属人化を防ぐ

属人化している営業組織では、営業メンバーによって営業活動の流れが異なることは珍しいことではありません。

たとえば、Aさんは受注までに5つの営業フェーズを経ていることに対し、Bさんは受注までに8つの営業フェーズを経ている、ということが起こっていたのです。

この状態では、一人ひとりで成果にバラつきが生じたり、誰がどの案件をどこまで進めているのか把握しきれなかったりするなど、多くの課題が発生します。

しかし、営業フェーズ管理を実行するためには、まずは自社の営業活動の流れを明確にし、どのフェーズでどのようなアクションが必要なのか整理することが重要です。

さらに、適切に営業フェーズ管理を行うためには、すべての営業メンバーが同じ営業フェーズで進めることも求められます。

そのため、組織内の営業活動のすべてが可視化され、営業の属人化を防ぐ効果があるわけです。

関連記事:【Mazrica Sales活用事例】Mazrica Salesがなぜ営業の属人化を改善し、生産性向上に貢献できるのか?

成果を高められる

営業フェーズ管理ができていないと、「どのフェーズで失注することが多いのか」「このフェーズを突破するためには、どのようなポイントがあるのか」といったことを分析できません。

自社のボトルネックを無視したまま営業活動を進めることになり、成果が出にくくなるでしょう。

しかし営業フェーズ管理を行うことで、失注ポイントや成功パターンなどを分析できます。

自社のボトルネックを改善するように営業フェーズが最適化されれば、すべてのメンバーが同じように営業活動を進めることができ、自然と成果も均一化されていきます。

さらに、同じ営業フェーズで進めれば誰でも一定の成果を得られるため、早期に新人の独り立ちが実現するでしょう。

7つの営業フェーズと管理のポイント

ここまで、営業フェーズ管理の重要性を述べてきました。

それでは、具体的にどの営業フェーズをどのように管理したら良いのでしょうか。

今回は営業プロセスを7つの営業フェーズに分け、それぞれの管理のポイントを解説します。

案件ボード(Mazrica)
リードの経過日数に応じて自動で色分けされ、営業フェーズや契約確度も表示されるMazrica Salesの画面イメージ

①アポイント獲得

営業プロセスにおける最初の営業フェーズは、初回商談を実施するためのアポイント獲得です。

アポイント獲得までの経緯は、見込み顧客によりさまざまです。たとえば、以下のようなチャネルがあります。

  • Web広告
  • オウンドメディア
  • セミナー
  • 展示会
  • メルマガ
  • テレアポ
  • 既存顧客からの紹介

アポイント獲得に至るまでの流入チャネルや経緯によって、最終的な受注率に差が出ることもあります。

そのため「どのチャネルで、どのようにアポイントを獲得したのか」という情報を管理しておきましょう。

関連記事:アポイントのうまい取り方とは?獲得率を上げる3つの方法

②商談見極め

アポイントを獲得できたら、商談内容の見極めを行います。

すべての見込み顧客が、同じくらいの関心度であるとは限りません。

見込み顧客によって「情報収集段階で、ちょっと話を聞いてみたい」という度合いの場合もあれば、「すでに他社製品を利用していて、移行を検討している」といった度合いの場合もあります。

そのため、関心度に合わせた提案を行わなければ、成果につながりにくいでしょう。

「どのくらいの関心度か」という点に関しては、見込み顧客に直接ヒアリングしたり、Webサイトのアクセス履歴やメルマガの開封率などを分析したりすると良いでしょう。

また、見込み顧客の課題や状況を把握することも重要です。見込み顧客は「導入することで課題を解決できるか」「導入できる条件が揃っているか」といった視点で商談に臨むため、課題や状況にマッチする提案をする必要があります。

このとき有効なのが、以下の「BANT条件」です。

  • Budget:予算
  • Authority:決裁権
  • Needs:必要性
  • Timeframe:導入時期

これらの条件が揃っていなければ、商談を行っても受注できる可能性が低くなると言われています。

しかしながら、見込み顧客が懸念している点を解消できる提案ができれば、関心度を高められるでしょう。

たとえば見込み顧客が「自分は決裁権をもっていないから、稟議を通さなければならない」と懸念しているようなら、稟議申請のサポートができる旨を伝えることで見込み顧客を安心させられます。

このように、BANT条件をヒアリングしたりアンケートで回答してもらったりしてから提案内容を考えると良いでしょう。

どの見込み顧客が、どのような状況においてどのようなニーズをもっているのか、という情報を管理しておくことで、見込み顧客に合わせたアプローチが可能になります。

関連記事:BANT条件とは?法人営業のヒアリングに役立つフレームワーク

③初回訪問

次は、初めて見込み顧客と顔を合わせる初回訪問です。

見込み顧客の会社に訪問することが一般的ですが、最近ではオンラインで初回訪問を行うケースも少なくありません。

初回訪問は、信頼関係を築いていくための第一歩とも言えます。相手に信頼感を与えるために、身なりや話し方に気をつけましょう。

また、オンラインでの初回訪問の場合は、オンライン会議システムを導入して会話しやすくしたり、回線が不安定にならないよう対策を取ったりすることも重要です。

このフェーズでは、いつ・誰が・どのような方法で初回訪問を行ったのか管理しておかなければ、ほかの営業メンバーが重複してアプローチしてしまうなどのトラブルが起きかねないため注意しましょう。

④ヒアリング・情報収集

見込み顧客に最適な提案をするために、ヒアリングと情報収集は欠かせません。

ヒアリングの際には、ヒアリングシートを用意しておくとスムーズに進みます。

また、ヒアリングシートがあれば営業担当者によってヒアリング項目にバラつきが生じることもないため、すべての見込み顧客の必要な情報を得られます。

ヒアリングで聞き出せなかったことなどは、Webサイトやプレスリリースなどから情報を収集しましょう。

ヒアリングと情報収集からどのような情報を得たのか、さらにその情報からどのような提案が有効か、といった情報を管理します。

関連記事:営業ヒアリングのコツは?基本項目・管理方法・ヒアリングシートの項目と例文

⑤提案

次は、自社商品・サービスについての提案を行います。

ヒアリング内容をもとに、「自社商品・サービスがどのように課題を解決できるか」「実際の導入企業はどのように活用しているのか」など、導入後を具体的にイメージできるよう提案しましょう。

どの営業資料を使用したか、どのような営業トークで見込み顧客の心が動いたか、といった情報を管理しておくことで、自社の営業の成功パターンを見つけられます。

⑥クロージング

自社からの提案内容に見込み顧客が合意したら、クロージングのフェーズに進んで、具体的に契約について話を詰めていきます。

ここまでスムーズに話が進んでいても、「契約は後日」「社内検討して連絡します」などと言われてクロージングのタイミングを管理していないと、競合他社に奪われたりそのまま話が流れてしまったりして、白紙に戻ることもありえるのです。

契約金額や導入スケジュールなどの合意、オプションや関連商品の購入などについて具体的に話を進め、契約を取り交わしましょう。

関連記事:営業のクロージングとは?クロージング率を高める10テクニックと4つのコツ

⑦フォローアップ

営業活動は「契約して終わり」ではなく、継続して購入してもらう・契約してもらうことが大事です。

契約後のフォローアップには手を抜かず、顧客と信頼関係を築いていきましょう。

フォローアップを手厚くすることで、リピート購入やアップセル・クロスセル、新規顧客の紹介などにもつながります。

また、特にサブスクリプション型のビジネスモデルの場合は、解約せずに契約を続けてもらうことで収益が維持できるため、契約後に営業担当者やカスタマーサクセス担当者が手厚くフォローアップすることが効果的です。

「契約から〇日後に電話で状況を聞く」などルールを決め、適切にフォローアップできているか管理しましょう。

営業フェーズを網羅的に管理できるSFAツールの導入がおすすめ

営業フェーズ管理は、営業プロセスを細分化して可視化したうえで、効率よく管理する必要があります。

マーケティング機能を備えたSFAツールである「Mazrica Sales」なら、リード管理からフォローアップのフェーズまでを一貫して管理することが可能です。

具体的には、下記のような機能で営業フェーズ管理を効率化させることができます。

関連記事:SFAとは?CRM・MAとの違いや選び方から成功事例まで解説

「フェーズ設定」でフェーズ管理を最適化

Mazrica Sales「フェーズ設定」機能では、自社の営業プロセスを各フェーズに細分化することが可能です。

初期設定は「リード」「アプローチ」「ヒアリング」「プレゼンテーション」「クロージング」などがセットされていますが、自社の営業プロセスによって適宜フェーズを追加できます。

「案件ボード」で営業フェーズを見える化

案件ボード(Mazrica)
リードの経過日数に応じて自動で色分けされ、契約確度も表示されるリード管理がしやすいCRM

「案件ボード」では、各案件をカード形式で表示し、各営業フェーズにカードを置くことで進捗を直感的に可視化できます。

カードはドラッグ&ドロップで移動できるため、管理にかかる工数も削減します。

また、対応日数に応じて色分けでアラートが表示されるので、対応の漏れや遅れもスピーディに検視してリカバリーできます。

「フェーズ進捗レポート」で案件の進捗状況を可視化しネクストアクションに繋げる

営業フェーズの分析には「フェーズ進捗レポート」が効果的です。案件の進捗をグラフで可視化し、案件を次のフェーズに進めるためのネクストアクションを考案する際に活用できます。

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終わりに|営業フェーズ管理の効率化ならMazrica Sales

各営業メンバーが抱えている案件や進捗を把握して営業組織を強化するためには、営業フェーズ管理は欠かせません。

適切な営業フェーズ管理を行うことで、属人化を解消して成果につながりやすくなるでしょう。

営業フェーズ管理の際には、Mazrica Salesが効果的です。営業現場が使いやすい設計のため、忙しい商談の合間でもササッとデータを入力でき、リアルタイムで案件の進捗を把握できます。

また、案件ボードや分析機能など、営業フェーズ管理に必要な機能も充実しています。

気になる方は、ぜひ以下の資料をダウンロードしてお役立てください。

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