使い勝手がよく、グラフの作成も簡単なExcelは、仕事において欠かせないツールです。
営業部門では、個人ごとやチームごと、さらには部署全体でさまざまなシートを用いて顧客管理や売上目標の達成度を測っている企業も多いのではないでしょうか?しかし、こんなことを感じたことはありませんか?
「もっと効率的に管理できる方法はないだろうか?」
実は、そんな悩みを解決する方法があります。
この記事では、Excelでの案件管理における限界を明らかにし、Excelの代わりに営業支援ツール(SFA)を使うことのメリットを詳しく解説します。
この記事の内容
Excelでの案件管理の限界
案件管理とは、案件の進捗や状況を管理することです。
ただ管理するのではなく、そこから課題を見つけ出して改善をしたり、漏れなく対応できるようにすることで、受注率を上げるなど成果に繋げていくことが目的です。
営業フェーズの全体に渡って状況を把握できるようにするため、商談日、取引先、営業担当者、商材、商談の経緯、商談内容、案件の進捗、受注の確度、受注予定日、売上予測額、営業メンバーの行動履歴など、さまざまな情報を入力する必要があります。
また、営業フェーズや状況に応じた分析も必要になってきます。
このことから、特に「入力」と「分析」の場面で以下のような課題や限界を感じることが多いようです。
関連記事:エクセルで案件管理をするポイントと使い方【無料テンプレあり】
①データが紐付かない、重複入力がある
取引先情報などのデータが紐付かないため、案件ごとに一から情報を入力しなければならず、作業が煩雑になります。
また、管理上の都合で同じ情報を複数のシートに入力しなければならないこともあります。このように、データの整合性が取れないと、情報を探すのにも時間がかかり、必要な情報にアクセスするのが難しくなります。
さらに、ファイルが分かれている場合には、検索が手間取る上、重複して情報を入力してしまうことも多く、結果的に無駄な作業が発生します。
②データ集計に時間や労力などの工数がかかる
例えば、営業担当者ごとに売上数字を把握するために、棒グラフや折れ線グラフを作成することがあるでしょう。
過去のデータはそのまま引き継がれますが、当月のデータは日々更新されるため、グラフが自動で更新されることはありません。
そのため、新しい案件が追加されたり、進捗があった場合には、グラフを手動で更新する必要があります。
これにより、営業状況をリアルタイムで把握できず、タイムリーに対応できないケースが発生することがあります。
③一覧性が少ない
商品ごとの売上構成を円グラフで、顧客規模別の売上を棒グラフで表示すれば、視覚的に状況を一目で把握することができます。
しかし、Excelの場合、データは基本的にリスト形式で表示されるため、数値を見ただけでは直感的に状況を把握することが難しく、さらに、異なるデータを比較するのも手間がかかります。
そのため、素早く情報を得ることができず、意思決定のスピードが遅くなる可能性があります。
④入力の抜け・漏れがあっても通知がない
Excelでは、進捗の遅れや入力ミスがあっても通知機能がないため、手動でチェックしない限り、案件が抜けてしまうことがあります。
このため、管理に意識的な確認が求められ、ミスが放置されるリスクがあります。
「脱エクセル」による業務管理の強化については、こちらの記事で詳しく解説しています。
SFAで案件管理をすることで生まれる価値とメリット
案件管理をExcelでやる方法のほかに、SFA(営業支援ツール)を導入するという選択肢があります。
SFAで案件管理をすることで、営業マネージャー、営業メンバー、経営者にどんな価値やメリットがあるのか、見ていきましょう。
ここではSFA/CRM(営業支援ツール)Mazrica Salesの機能を例にして説明をしていきます。
①案件の進捗状況が可視化できる
■案件ボード
案件のフェーズと案件担当者や商品、確度や契約予定日など基本情報を一覧で確認することができる機能です。
1週間動きがない案件は黄色、1ヶ月動きがない案件は赤といったように設定することで、直感的に状況が把握できます。
▶︎案件ボードについてはこちらもご参考ください
■ファネル分析
ファネル分析とは、初回アポから受注までの営業プロセスを可視化し、分析や改善を行うことです。
例えば、AさんとBさんという2人の営業メンバーがいて、アポの取得数は同じなのに売上額が違う場合に、どこにボトルネックがあるのかを見つけ出し、次の打ち手や改善策を考えることができます。
<営業マネージャーにとってのメリット>
・進捗が止まったままの案件や、値引額が大きすぎるなど、イレギュラーを発見しやすい
<営業メンバーにとってのメリット>
・ミスや漏れを防ぐことができる
<経営者にとってのメリット>
・マネジメントの中身が見えることで、営業マネージャーの適正な評価ができる
②データが必要な項目に自動で紐づく
コンタクト(担当者)の情報が取引先(会社)情報に紐付き、さらに取引先情報が案件情報に紐付きます。また同時に、コンタクト情報と案件情報も自動で紐付きます。
このようにすべての情報が紐付いていることで、案件情報を確認している最中にどんな提案資料を送ったのかということも、すぐに把握できます。
入力作業についても、案件を作成するときにどこの取引先に関する案件かを設定するだけで情報が紐付くため、いくつもの場所に同じ内容を入力する必要がなく、Excelより格段に入力作業が楽になります。
<営業マネージャーにとってのメリット>
・案件に関する情報をスピーディーに把握できることで、的確に受注確度を判断したり、タイムリーなアドバイスができる
<営業メンバーにとってのメリット>
・自分や他の営業メンバーが成功した過去の行動パターンを知ることで、受注率が上げることが出来る
<経営者にとってのメリット>
・提案資料などナレッジの共有がツール上でできることで、先輩や上司に聞かなくても勝ちパターンを学べる=教育コストの削減に繋がる
③レポートを簡単に出力できる
SFAでは検索条件を設定するだけで、自動でデータを集計してくれます。
進捗を更新した案件や新しく追加した案件もすべて含めて最新の情報がグラフやレポートに反映されるため、更新・追加があるたびに作り直す必要がありません。
<営業マネージャーにとってのメリット>
・業績報告や会議の際に提出するレポートの作成時間が大幅に短縮できる
<経営者にとってのメリット>
・どの業界の顧客が増えていて、どんな受失注理由が多いのかなど、市場や顧客、組織全体の状況が簡単にわかるため、データに基づくスピード感のある経営判断ができる
関連記事:【Mazrica Sales活用事例】Excel管理から脱却し営業活動を効率化する方法
ExcelからSFAに切り替えるタイミング
Excelでの案件管理の限界とSFAを導入することによるメリットを見てきましたが、もし、Excelでの管理に限界を感じていなければ、SFAを導入する必要はありません。
Excelで上手くいっている状態でSFAを導入しても「わざわざ新しいものを覚えるのはめんどくさい」「Excelで十分なのに・・・」といった現場からの反発に遭い、失敗する可能性が高いからです。
なので、Excelで限界を感じたら導入を検討するという形で十分です。
Excel管理に課題をお持ちの方は、こちらを参考にしてください。
▶︎▶︎エクセルから脱却すべきタイミングとは?〜SFAの導入で変わる営業組織〜
その他には、組織拡大や制度改革・仕組み化するタイミングでSFAを導入するというやり方もあります。新しいことをやるという気持ちに組織全体が向かっているので、現場も受け入れやすいです。
ただ、この場合、導入すること自体が目的になってしまうことが多いので、
・SFAを組織でどう活かそうとしているのか
・どういった効果を求めているか
・その効果が出るのに何をしたらいいか
などを考えた上で、導入するようにしてください。
なお、導入する際の目的・期待する効果については、以下の導入した目的で挙がる理由を参考にしてみてください。
①売上を上げる
②トップ営業のナレッジを共有する
③営業の進捗を見える化する
④営業活動を管理する
⑤教育コストを軽減する
※詳しくは「SFAの導入目的とは?稟議の際に参考にしたい5つのポイント」をご覧ください。
おわりに
最初にお伝えした通り、案件管理の目的は単なるデータ入力や状況把握ではなく、営業活動を改善し成果を高めることです。
そのために、SFAの活用が効果的だと説明しましたが、現時点でExcelが使いやすいのであれば無理に変える必要はありません。
ただし、案件や営業メンバーが増え、管理が難しくなった際には、SFAという選択肢があることを覚えておいてください。
そして、その際にMazrica Salesをぜひご検討ください。

エクセルから脱却すべきタイミングとは?
営業管理におけるExcelの課題とSFA/CRMの特徴についての資料です。ExcelからSFA/CRMに移行すべきタイミングとSFA/CRM導入によるメリットを紹介します。
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