SFAの市場規模は、テレワークの普及や営業活動のオンライン化などに伴って年々拡大を続けてきました。DX推進の流れも相まって、営業の効率化や属人化を排除する動きも強まり、多くの企業がSFAの導入を決めています。
本記事では、SFAの市場規模が伸びている要因を詳しく解説すると共に、現在高いシェアを誇るおすすめのSFAを比較します。
SFA導入の流れに乗り遅れたくない方、SFAを導入したいと考えているもののツールが多くて選べない方はぜひ読んでみてください。
拡大するSFAの市場規模
SFAの市場規模は年々着実に拡大を続けてきました。以下は、IT専門調査会社であるIDC Japanによる日本国内のSFAマーケットサイズの調査です。
日本国内SFAマーケットの年別ARR規模
2017年: 約650億円
2018年: 約720億円
2019年: 約790億円
2020年: 約850億円
2021年: 約920億円
2022年: 約1000億円
出典:国内パブリッククラウドサービス市場予測、2024年~2028年
日本国内のSFA市場は年率10%前後での着実な成長を遂げてきました。この勢いは今後も落ちることはないとされ、その根拠については次章で解説します。
SFAの市場成長率
SFA市場全体の今後の成長率に注目すると、2024年のSFA市場は今後数年間で急速に拡大する見通しです。
具体的には、2023年から2030年までの間にSFA市場は年平均成長率(CAGR)18.7%で成長し、2023年には273.55億ドルから2030年には908.21億ドルに達すると予測されています。
この成長を牽引している主な要因は、政府のデジタル化推進施策や企業のDX投資拡大などが考えられます。
また、COVID-19の影響でリモートワークが一般化したことも要因の一つです。営業チームの管理や営業の進捗管理を効率的に行う必要が出てきたことが、SFA導入を後押ししています。
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SFA市場が拡大する背景
次に、SFA市場が拡大する背景について解説します。SFA市場が伸びる主な理由は以下の5点に集約できるでしょう。
- リモートワークの定着化
- 市場の激化
- 顧客の購買行動の変化
- 営業の平準化の促進
- 労働生産性向上のニーズ
リモートワークの定着化
COVID-19のパンデミックによって、企業の営業活動は大きな変革期を迎えました。
リモートワークが推進され、パンデミック収束後、営業だけでなく様々な職種でリモートでの勤務が定着しました。
リモートワークの普及に伴って、顧客との接点も対面からデジタルへと移行し、顧客情報や商談進捗等を電子的に管理する必要性が高まったことがSFA導入の流れに繋がっています。
また、リモートワークの課題として、従業員の行動管理やチーム内での情報共有が挙げられており、これらの問題解決としてSFAが役立つことも一因です。
市場の激化
少子高齢化などの社会的背景により経済規模が縮小し、企業間の競争が激化しています。
そのため、これからは見込み客に優先順位を付けて営業活動を行うなど、より戦略的な新規顧客開拓方法を考える必要があります。
営業活動を支援するツールであるSFAは、確度の高い見込み客にアプローチする際に非常に効果的です。
顧客の購買行動の変化
インターネットが社会インフラとして普及したことにより、BtoBビジネスにおける顧客の購買行動が変化しています。
従来は、企業の営業担当者が直接提案して取引に発展することが一般的でしたが、インターネットの普及により大きな変化が生じました。
特に、買い手企業が自ら商品やサービスの情報を収集できるようになった点が大きな変化といえます。特定の商品やサービスの評判をインターネットで検索すると、すぐに情報が得られるため、問い合わせの段階で買い手側は既に一定の知識を持っていると考えられます。
この状況において重要なのは、顧客のフェーズやニーズに合わせて最適なタイミングと内容で提案を行うことです。
SFAを用いて顧客の情報をリアルタイムに管理し、データに基づいた営業活動を行う必要があります。
関連記事:BtoBマーケティングとは?BtoCとの違いや基本的な手法を紹介
営業の平準化の促進
営業の平準化が促進されていることもSFA市場が伸びる原因の一つです。多くの営業組織が抱える課題として、営業パーソンごとの営業力のバラツキ、属人化がありました。
日々の営業活動をSFAに入力することで、情報の集約・共有が可能になり、部署全体のレベルアップに繋がります。営業活動の情報がノウハウとして蓄積されるため、商品ごとの受注パターンをデータに基づいて分析が出来たり、新人への教育コストを下げることも可能になります。
また、トップセールスの営業手法を共有することで、営業組織全体の営業力向上が期待できるでしょう。
労働生産性向上のニーズ
SFA市場が伸びる理由の3つ目として、労働生産性向上のニーズがあります。
労働人口の減少や転職活動の活発化による人材流動性の高まり、働き方改革による労働時間の減少などの理由から、労働生産性の向上が多くの企業にとって急務となっています。
SFAの導入によって、営業パーソンの営業に関する事務作業(付帯業務)の効率化が実現できを行うことが可能になり、生産性向上を図ることが可能です。
具体的には、営業活動の記録・見積書作成・日報報告などの業務効率化を行うことができ、結果として営業パーソンが営業業務そのものに集中できる環境づくりを実現できます。
関連記事:生産性指標とは?算出手法や種類・向上のための取り組みを解説
SFAの選び方
SFAは企業の営業活動全般を支援する方法、およびツールを指し、商談開始から受注までの営業情報の可視化と共有をサポートします。
現在市場には様々な特徴を持ったSFAがありますが、以下のような点がポイントを鑑みて選ぶことをおすすめします。
- 自社の導入目的に合う
- データが入力しやすいツールを選ぶ
- データ活用がしやすい
- 自社の商習慣に合う
- サポートが充実している
関連記事:SFAの選び方|失敗しない営業支援システム導入のポイント
自社の導入目的に合う
SFAツールにはそれぞれ異なる強みや機能があるため、自社に最適なツールを見極めることが重要です。
まずは、「なぜSFAを導入するのか」「SFAによって解決したい課題は何か」といった導入目的を明確にしましょう。
導入目的がはっきりすれば、必要な機能やサポートが見えてくるため、自社に合ったSFAツールを選びやすくなります。
関連記事:SFAで解決できる課題とは?導入メリット・デメリットも解説
データが入力しやすいツールを選ぶ
データを活用するには、まずデータが蓄積されることが前提です。営業現場で入力しやすいSFAツールを選べば、自然とデータが集まりやすくなります。
例えば、インターフェースが見やすく、入力項目がシンプルで、モバイルデバイスからも簡単に入力できるものが理想的です。
無料トライアルを利用して実際の使い勝手を試し、営業担当者の意見も参考にしながら選定を進めましょう。
データの活用がしやすい
データの入力がしやすいだけでなく、そのデータを活用するのが容易であることも重要です。
例えば、自動分析機能が搭載されているツールなら、Excelにデータを転記して関数を使って分析する手間が省けます。
また、AIを搭載したSFAツールもあり、データを自動で分析し、ネクストアクションや改善策を提案してくれるため、データ活用がさらに促進されるでしょう。
自社の商習慣に合う
業界や商材により商習慣が異なるため、SFAツールに求められる機能も異なります。
例えば、新規開拓が中心の企業には、マーケティングやインサイドセールスに対応しているSFAツールが適しています。
一方、既存顧客のフォローやルート営業が主な場合、顧客との関係性を重視した機能を持つツールが良いでしょう。
自社の商習慣に最適なSFAツールを選ぶために、各ツールの機能や設計を理解することが大切です。
充実したサポート体制を確認する
SFAツールを導入し、社内に定着させるには、ベンダー(開発企業)のサポートが不可欠です。
機能の使い方が分からない時や、さらに活用するためのアドバイスが欲しい時に、適切なサポートを提供してくれるベンダーを選びましょう。
サポート体制はベンダーによって異なり、メールやチャットのみ対応する場合もあれば、利用状況を分析して活用促進を提案してくれるベンダーもあります。
自社のニーズに合ったサポートを提供できるベンダーを選定することが重要です。
おすすめのSFA5選
ここまで、SFAの市場が伸びる理由や、SFAの有用性について解説してきました。
しかし、いざSFA導入を検討しても、SFAは数多く存在しており、どのツールを導入すれば良いか迷ってしまうと思います。
そこで、おすすめのSFAを5つ紹介します。
Sales Cloud
【製品概要】
世界でトップシェアを誇るSFAであるSales Cloud。導入実績から多種多様な営業形態に合わせた活用パターンを持っており、様々なツールとAPIで連携が可能である点が特徴です。
ただ、その反面あまりに多機能なため、実際の運用にはかなりのコストがかかります。
うまく活用している企業の多くは、Sales Cloudの運用担当を社内に設けており、導入企業の多くは大企業が中心です。自社の業務内容に合わせて細かいカスタマイズを行いたい企業におすすめのSFAです。
【費用・料金】
- Starter:3,000円/ユーザ/月 ※10名までの利用
- Professional:9,600円/ユーザ/月
- Enterprise:19,800円/ユーザ/月(最も利用されているプランです)
- Unlimited:39,600円/ユーザ/月
【特徴】
- セキュリティ性が高い
- あらゆる社内データを一元化可能
プロダクトサイト:Sales Cloud
関連記事:Salesforce(セールスフォース)は役に立たない?評判・口コミ・料金を紹介
Mazrica Sales
【製品概要】
Mazrica Salesは、これまでCRM・SFAを導入した企業が感じていた「定着しない」「上手く使いこなせない」などの課題を解決すべく開発されたクラウド営業支援ツール(SFA/CRM)です。
多くの営業組織が抱える「営業の属人化」の問題を解消するためには、SFA/CRMの導入だけではなく、現場がSFA/CRMを使ってくれることが必要です。
そのため、Mazrica Salesは誰でも直感的に使いこなせる画面や現場の営業活動を効率化させる機能などに特徴があり、従来のSFA/CRMと現場への定着率が圧倒的に異なります。
【費用・料金】
- 初期費用:無料
- Starterプラン:月額27,500円から
※5人のユーザーを含む
※追加ユーザーあたり月額5,500円 - Growthプラン:月額110,000円から
※10人のユーザーを含む
※追加ユーザーあたり月額11,000円
【特徴】
- 直感的に営業の状況を把握できる案件管理画面
- 営業のボトルネックを分析できるレポートやAIによるネクストアクションのレコメンドなど、データの蓄積から営業の分析・改善までをカバー
プロダクトサイト:Mazrica Sales
多くのアワードを連続受賞
Mazrica Salesは、「ITreview Grid Award 2024 Summer」 セールス3部門・企業規模別4部門、計7部門でLeaderを受賞しており、市場でも高い評価を得ています。
さらに、3年連続でLeaderを獲得しており、数多くあるSFAツールの中でも存在感のあるおすすめのSFA/CRMツールです。
Zoho CRM
【製品概要】
Zoho CRMはCRM(顧客関係性マネジメント)とあるように、SFAに特化したものではなく、メール一括送信や他サービスとの連携などの機能が付いています。
価格も非常に安く、低コストでCRMを活用したい企業にとってはおすすめです。幅広い利用シーンがあることに加えて、利用料金が安いことから、全世界で5万社が導入しています。
【費用・料金】
- 初期費用:無料
- 1ユーザー月額2,400円
【特徴】
- G suiteやOutlookなど、さまざまなサービスとの連携で業務を効率化できる
- マルチチャネル活用(メール、電話、ソーシャルメディア、チャット、訪問)
- 多言語対応
プロダクトサイト:Zoho CRM
eセールスマネージャーRemix Cloud
【製品概要】
「eセールスマネージャーRemix Cloud」の95%という高い定着率は、SFAの機能が日本の営業スタイルに合致していることに起因します。
主な機能としては、商談管理や顧客情報管理、マーケティング支援、業務ワークフロー管理など、実際の営業活動を幅広くカバーしたユーザー目線の設計がなされています。
また、導入後のきめ細かいサポート体制が評価されています。ベンダー側が初期設定から運用フォロー、カスタマイズ対応、定期的な機能アップデートなどを手厚く行うことで、顧客企業の業務にフィットした利用を継続的に支援しています。
【費用・料金】
- 初期費用:0円〜
- 月額費用:6,000円〜
【特徴】
- 活用支援専任チームが定着をしっかりサポート
- クラウド、オンプレミスを選べる
プロダクトサイト: eセールスマネージャーRemix CLOUD
関連記事:eセールスマネージャーとは?評判・口コミ・料金を詳しく解説
Sales Force Assistant
【製品概要】
NIコンサルティングが提供する主力製品「Sales Force Assistant」は、新規開拓向けの機能を搭載したもの、ルート営業スタイルに特化したもの、案件営業、ルート営業、リピートサイクル営業の統合型のものなど、計6種類のSFAが存在し、全てのツールに「顧客管理」「日報管理」「工数管理」の機能が付いたSFA/CRMです。
【費用・料金】
- 初期費用:50,000円
- 月額費用:1ユーザー3,500円〜
【特徴】
- AI秘書を使って業務のサポートを実現
- 顧客深耕、顧客創造などのシリーズがあり、自社に合わせたパッケージを利用可能
サービス名:Sales Force Assistant
関連記事:NIコンサルティング(Sales Force Assistant)の評判・口コミ・向き不向きを紹介!
まとめ
本記事では、SFAの市場動向やおすすめのSFAについて解説してきました。
SFAの需要は今後も高まる一方で、導入企業も増加の一途をたどるでしょう。裏を返せば、多くの企業が営業の生産性を高め、競争力を高めることを意味します。
SFA導入の波に乗り遅れないためにも、SFAの必要性を理解し、自社での活用方法を検討することをおすすめします。
以下では、40種類以上のSFAを比較できる分類チャートを配布しています。導入するSFAに迷った際はぜひ参考にしてみてください。
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