皆さん、こんにちは!マツリカの佐藤です。フェスティバルライフを謳歌していますか?
前回は「自分の行動に対する結果が明確であること」という条件の基礎編として、「物事の結果が明確になる状況を自ら創り出し、その結果を糧に動きを加速させることの重要性」をお伝えしました。
今回は前回の基礎編に続き、応用編です。
私は「相手の反応」も自分の行動に対する結果だと捉えています。前回のコラムに照らして表現するなら、自分の働きかけに対して、相手の反応がポジティブであれ、ネガティブあれ、「無反応」に比べると断然良いということです。
この点を突き詰めて考えていくと、チームメンバーの行動に対するリアクションを効果的に活用することができれば、祭り化する営業に近づくということです。
ここでは行動に対するリアクションの一つとしてフィードバックに着目をしたいと思います。フィードバックに関しては、過去のコラムでも言及していますし、メンバーの行動に対する適切なフィードバックが育成やモチベーションマネジメントの側面から効果的であることはご存知だと思います。
今回は祭り化する為の要素としてフィードバックをご紹介しますので、特にモチベーションマネジメントの側面からポイントをお伝えします。(今回はややマネジメント向けの内容かもしれません。)
ポジティブフィードバック
フィードバックにはポジティブフィードバックとネガティブフィードバックがありますが、行動を加速させるという点では、ポジティブフィードバックが効果的です。「相手の行動の良い点を取り上げて褒めてあげる」ということです。
もちろん、時にネガティブフィードバックも必要ですが、
前向きに取り組む姿勢を形成するには
ポジティブフィードバックを活用するのがよい
と思います。
その際に意識すべきは以下の3点だと考えています。
- いつ?
- タイミングを逃さない
- 即時に
というのが効果的です。
どんなに素晴らしいフィードバックを行っても、ずいぶんと時間が経ってから行ったのであれば、そもそも記憶が薄れることもあり、何に対するフィードバックなのかが不明瞭になってしまいます。
裏を返せば、即時にフィードバックしてあげることで納得感も高まり、成長を実感しやすくなるのです。即時フィードバックを行うためには、前提としてメンバーのことをよく観察しておく必要がありますし、動きを把握しておく必要があります。
「何を?結果ではなくプロセス」
に対して行うのが効果的です。
ポジティブフィードバックは「良い点を取り上げて褒める」と記載しましたが、結果だけを見てしまうと、時に褒めるポイントが無い場合があります。しかし、結果に至るまでの行動に目を向けると、何かしら成長した部分(上手く出来たところや以前に比べて出来るようになったこと)が見つかるはずです。
それが見つからないということは、メンバーが一生懸命取り組んでいないか、もしくはフィードバックする側が漠然と対峙しているだけかのいずれかだと思います。
「どのように?具体的に。そして良い点を伝えてから改善点」
を伝えるのが効果的です。
営業活動を加速させるフィードバックポイント
ポジティブフィードバックは単純に褒めればよいというわけではありません。
「よく出来たね!」「素晴らしい!」という声掛け自体はよいと思いますが、それで終わってしまうのはフィードバックとは言えません。具体的に何が良かったのかを明示するからこそ、次もその行動を行う誘因になります。
また必要であれば、ポジティブフィードバックとは言え、改善点はしっかりと伝えるべきだと思います。その際は頭ごなしに否定するのではなく、良かった点を伝えた上で、具体的に何を改善すればさらに良くなるのかを示してあげることが大切です。
営業現場においてフィードバックする機会はたくさんあるかと思いますが、上記3点を踏まえて考えると、私は
同行アポイント後のフィードバックが非常に重要
だと感じます。
もちろん定例ミーティングや評価面談の機会にしっかりとフィードバックすることも大切ですが、営業活動を量・質ともに加速させるのは、アポイント後のフィードバックではないでしょうか。
また蛇足かもしれませんが、アポイント後のフィードバックを効果的に行うためには、まずアポイントのゴールをしっかりと定める必要があります。そしてそのゴールに向かうためのアポシナリオを設計します。ここでヒアリングすべき内容や提示すべき情報などアポイントの場でのアクションを明確にしてきます。
このような事前準備がないと、フィードバックは機能しません。フィードバックする側の皆さんは事前準備から関わるようにするとよいのではないかと思います。
まとめ
営業メンバーの行動を加速させる「結果」には、周囲メンバーのリアクションも含まれます。その中でも重要なのはフィードバックです。是非、マネジメント側の皆さんは効果的に活用してみてください。
また言うまでもないかと思いますが、フィードバックする上での大前提は相手との「信頼関係」です。そして密にコミュニケーションを取ることが信頼関係を構築していく第一歩だと言えます。
そういう意味でも相手の言動に対してリアクションを示すことは大事なのです。ですから、「効果的なフィードバックをしなければ…」と難しく考えることなく、まずは「挨拶」「声掛け」「承認」など出来ることから始めるとよいかと思います。それは信頼形成にも繋がりますし、相手にとっては行動を加速する誘因にもなっているはずです。
チームメンバーの行動に対してしっかりとリアクションする組織は、祭り化する営業に近づいている
のだと思います。