アドテクノロジーという名前を聞いたことがあっても、いったいどういうものなのかと聞かれると説明できない人も多いのではないでしょうか。
今や大量のモノや情報がオンライン上でやり取りされる時代であり、マーケティング分野でもデジタルマーケティング、Webマーケティングが主流になってきています。
自社の認知の質、量を向上させていくためには、アドテクノロジーのノウハウを理解し有効活用する必要があります。
今回は、アドテクノロジーの定義やメリット、基礎知識をわかりやすく解説します。
アドテクノロジーの知識をおさえて、費用対効果の高いマーケティング術をみにつけていきましょう!
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アドテクノロジーとは?
アドテクノロジーとは、「Advertising Technology」の略で、インターネット広告に関するシステム全般のことをさします。アドテク等とも呼ばれることが多いです。
一昔前では「純広告」と呼ばれる広告システムが一般的で、特定の掲載期間の枠を広告媒体側から購入して、期日までに広告を入稿するというものであり、急な広告掲載はできませんでした。
そのため、多くの広告主はチャンスを逃してしまったり、広告媒体側の方も枠を持て余してしまうことがありました。
そこで近年成長してきたアドテクノロジーにより、瞬時の広告掲載や、予算管理、広告の効果測定などが一括でスムーズにできるようになりました。
アドテクノロジーの普及により、広告主は、広告の効果測定が出来るので、投資対効果(ROI)の把握が容易になり、最適化がしやすくなります。
媒体側は、広告主が多く掲載されることで収益を上げやすくなる上、ユーザーにとっては、自分にとって有益な広告が出る機会が増えるというメリットがあります。
アドテクノロジーの種類
アドテクノロジーは様々なシステム・ツールで広告主、メディア媒体、ユーザーをサポートすることができます。そんなアドテクノロジーにはどういった種類があるのか紹介していきます。
アドテクノロジーツールについては、こちらの記事でもl詳しく紹介しています。
関連記事:アドテクノロジーおすすめツール・プレイヤー20選|広告運用を効率的に!
アドネットワーク
アドネットワークとは、WebサイトやSNS、ブログ等様々な広告媒体を一つにまとめたネットワークで、一括で様々な媒体で広告配信ができる仕組みです。
一度入稿すると、そのアドネットワーク傘下の媒体に大量出稿ができ、傘下のWebサイトがカテゴリ分類されているため、指定したカテゴリのみへの広告配信ができます。
インプレッション、クリック数、CTR、コンバージョン、CVRなどの効果測定データを、まとめて見ることができるため、業務効率化にも繋がります。
また、時間・曜日・地域指定などを細かく設定できるため、広告効果を高めることができます。
しかし、出稿媒体を選定できないため、ターゲットとしていないWebサイトに出てしまうことがあることに注意が必要です。
アドネットワークごとに課金形態や入札システム、ターゲティング手法、ターゲットユーザー層が異なるため、各アドネットワークに合わせた運用を行う必要があります。
アドエクスチェンジ
Ad Exchange(アドエクスチェンジ)とは、各媒体やアドネットワークが持つ広告掲載枠をチェンジできるしくみのことです。
アドネットワークは複数の広告サイトを束ねるネットワークですが、アドエクスチェンジはさらにそのアドネットワークを複数束ねているプラットフォームだといえます。
アドネットワークでは様々な課金方法が混在していましたが、アドエクスチェンジでは課金方法は「入札型インプレッション課金」に統一されています。
これにより、公平性を保ちつつ、よりリーズナブルな広告配信が可能となりました。
インプレッション(impression)とは広告が表示された回数のことを言い、入札型インプレッション課金ではインプレッションが発生する毎に入札が行われ、料金を支払うことになります。
例えば、Yahoo!広告の「ディスプレイ広告(予約型)」では、インプレッション1,000回毎に広告費が発生する課金体系(CPM単価)が採用されています。
また、Ad Exchange(アドエクスチェンジ)では、RTB(Real Time Bidding)方式が採用されており、広告出稿数(需要)と広告枠(供給)のバランスにより、リアルタイムで広告枠の入札単価が変動します。
RTBは、「広告枠でインプレッションが発生する毎に入札が行われ、その時に最も高い掲載枠価格を入札した広告が表示される」という仕組みです。
この際、「セカンドプライスビッディング」が適用されるため、最も高値を付けた入札者は入札金額をそのまま支払うのでなく、「2番目の入札者の金額+1円」で課金されることがほとんどです。
アドネットワークは入札対象が”ネットワーク全体への配信入札”である一方、アドエクスチェンジは”各広告枠への配信入札”である点が、相違点となります。
ターゲティング
ターゲティングとは、ユーザー情報を利用してユーザーにとってより価値のある広告を配信することで、広告の効果を高めることをいいます。
- ユーザー利用環境(ex.OS、ブラウザ、IPアドレス)
- ユーザー属性(デモグラフィック情報:年齢、性別、地域、サイコグラフィック情報:趣味・嗜好など)検索キーワード
- 閲覧コンテンツ履歴
といった情報がターゲティングに利用できます。
デモグラフィック情報では「誰が」商品を買うのか、 サイコグラフィック情報「なぜ」その商品を買うのかということが示されるといえるでしょう。
例えば、ユーザーが自動車について検索したり広告やWebサイトをクリックすることが多いとするとその人は自動車が好きであるということがわかります。
そのような人には自動車関連の広告を表示することが大変効果的です。
特に、一度Webサイトに訪れたことのあるユーザーに対して広告を表示することをリターゲティングといいます。
ユーザー属性を用いたターゲティングプロセス
- ユーザーがウェブサイトを訪問する。
- Webサーバーがユーザー属性を取得する。
- ユーザー属性を付加したアドタグ(指定した箇所に広告を配信するようアドサーバーへリクエストを送信するためのタグ)がアドサーバー(広告配信と広告枠管理を実現するサーバー)へ情報を戻し、広告をリクエストする。
- アドサーバーはユーザー属性に合った広告を返す。
ユーザー行動を利用したターゲティング(行動ターゲティング)プロセス
- ユーザーが広告主サイト(例:靴の販売サイト)を訪問する。
- 広告主のWebサーバーがコンテンツを返す。
- クッキーに靴販売サイト閲覧履歴をのせて行動ターゲティングサーバーに送信される。
- ユーザーが、行動情報を共有している媒体主のサイトを訪問する。
- 媒体主のウェブサーバーがコンテンツを返す。
- 行動ターゲティングサーバーが、ユーザーの行動情報(靴販売サイトを閲覧)を付加したクッキーをユーザーに送る。
- 媒体主のコンテンツに含まれるアドタグからアドサーバーにユーザーの行動情報をのせて広告をリクエストする。
- アドサーバーはユーザーの行動情報を見て、靴の広告を配信する。
関連記事:ターゲティングとは?代表的なフレームワーク(STP分析・6R)を紹介
広告主向けプラットフォームDSPと媒体主向けプラットフォームSSP
DSPは「Demand Side Platform(デマンドサイドプラットフォーム)」の略で、広告主側の広告出稿の費用対効果を最大化するツールです。
ターゲットや予算等を予め設定しておくことで、DSPができるだけ低い出稿金額で売り上げを最大化させるために最適な広告配信を一元管理して行います。
一方SSPは「Supply Side Platform(サプライサイドプラットフォーム)」の略で、広告媒体側の収益を最大化させるためのツールです。
SSPを活用することで、複数のアドネットワークのなかから最も高い掲載費を支払うことができる広告を自動で配信することができます。
ユーザー向けプラットフォームDMP
DSPとSSPによって広告主と媒体社は互いの収益拡大を実現することができました。
しかし、広告主と媒体社間の都合だけで広告を配信していてはユーザー(購買者)に対するメリットはなく、結果として広告効果が減ってしまいます。そこでDMPの出番です。
DMPとは「Data Management Platform(データ マネジメント プラットフォーム)」の略で、インターネット上の様々な情報データを管理し、マーケティング活動に活かせる情報へと最適化するプラットフォームということです。
DMPで取り扱うデータは、
- 1stパーティデータ(自社で収集・保有したデータ。ex.自社の会員情報、自社製品の購入データ、SFA/CRMに蓄積された顧客データ)」、
- 「3rdパーティデータ(外部のデータ。ex.ユーザーごとの属性・興味関心データ、ユーザーごとのWebサイトの行動履歴)」
の大きく2つに分類することができます。
1stパーティデータを利用するDMPをプライベートDMP、3rdパーティデータを利用するDMPをオープンDMPと呼びます。
DMPを活用することにより、過去に商品を購入したユーザーからのリピート購入を狙った広告配信や、お問い合わせフォームで離脱したユーザーだけをターゲットにした広告配信をするなど、それぞれのユーザーに合ったOne to Oneマーケティングが実施できるようになります。
データエクスチェンジ
データエクスチェンジは、クッキー情報を利用し、ユーザーの属性や行動履歴などのオーディエンスデータを流通、売買するプラットフォームのことです。
データエクスチェンジで扱うデータを2ndパーティデータ(パートナー企業が保有しているデータ。
自社に関する他社の1stデータとも言える。)といい、一般的には「個人が特定できないセグメント」として提供されています。
データエクスチェンジによって、複数のサイトから収集されたオーディエンスデータ(クッキー情報)を共通化、ラベリングすることができます。
媒体側は運営メディアに蓄積されたデータを販売して収益を上げることができ、広告主側はオーディエンスデータを活用する事で、より詳細で適切なターゲティングが行えるほか、消費者の希望の再現度の高い商品開発が可能になります。
3Pas(第三者配信)
3Pasは、アドエクスチェンジやDSPと違って、広告枠の買い付けや配信の最適化機能などはありません。
3Pasを利用すると、「リッチメディア配信」「広告管理効率化」「メディアを横断した効果測定」ができるようになります。
リッチメディア広告とは、ユーザーがそのコンテンツに関心を持ち、クリックするように促すために、動画や仕掛けなどが施された高機能なWEB広告のことです。
3Pasを活用することで、「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「純広告」などの異なるメディア広告の配信から効果測定までを一元管理することが可能です。
ポストインプレッション効果(広告を見た事で、その後のユーザー行動が変わる効果の事)
おわりに
オンラインでの購買活動が恒常化してきた現在では、広告技術も以前よりバラエティーあふれるものになってきています。
そこで活用すべきなのがアドテクノロジーです。
アドテクノロジーを活用することで、広告の一元管理や広告費の最適化が可能になります。
アドテクノロジーを賢く活用して、売り上げアップにつなげていきましょう。
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