「顧客データが重複していて、どの情報が正しいのかわからない」
「同じ会社なのに別のリードとして登録されてしまい、適切なアプローチができていない」
といった課題に心当たりのある方は意外と多いのではないでしょうか?
営業やマーケティングでは、重複データが原因でアプローチのミスが起こり、営業の機会を逃すことがあります。
この問題を解決するのが「名寄せ」です。営業活動を効率化させ、マーケティング施策の精度も向上させるには、名寄せ作業が欠かせません。
本記事では、名寄せの基本から、CRMを活用した名寄せの方法、最適なツールの選び方までを解説します。リード管理をスムーズにしたい方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の内容
名寄せとは?基本概念と重要性
まずは「そもそも名寄せとはどういったものを指すのか」「なぜ名寄せが必要になるのか」といった基本から解説します。
名寄せの定義と仕組み
名寄せとは、同じ企業や顧客の情報を一つに統合し、正確なデータを維持する作業を指します。
例えば、同じ企業の担当者が「株式会社A」「(株)A」「A社」と異なる表記で登録されていたり、同じ顧客が異なる部署や支店ごとに別のリードとして管理されているものを、同じ表記に統一する作業などが挙げられます。
名寄せを行うべき理由
顧客情報のデータベースに重複や誤ったデータが含まれていると、すでにアポイントを取得した顧客に別の社員が重複して連絡を取ってしまうなど、ミスやトラブルが発生することがあります。
こうしたトラブルは、顧客の不信感を招き、ビジネスチャンスの損失につながる恐れもあるため、正確な顧客情報を維持するためにも名寄せは必要な作業になります。
CRMの名寄せ機能とは
名寄せの作業は、目視で確認して手動で行うだけでなく、CRMなどのツールを利用して自動で統合する方法もあります。
入力・蓄積されたデータの類似性をCRM側で判定することで、表記を統一させたり、不要なデータを削除することが可能です。
CRMで名寄せを行うメリット
名寄せを手作業で行うことも可能ですが、CRMを活用することでより正確かつ効率的にデータを整理・統合することができます。
具体的なメリットとして、3つのポイントを解説します。
関連記事:CRMシステムを導入する3つのメリットと機能|選定のポイントとは?
データの重複・誤りを防ぎ、売上機会損失を回避
データの重複や誤りがあると、同じ顧客に対して複数の営業担当者が接触してしまい、信頼を損ねたり、混乱を招いたりするリスクがあります。また、適切に管理されていないデータが原因で、本来アプローチすべき顧客が見落とされてしまうこともあります。
CRMの名寄せ機能を活用することで、一貫性のある正確な顧客データを維持し、無駄なアプローチを防ぐと同時に、新たなビジネスチャンスを逃さない体制を整えられます。
顧客情報の一元管理による営業効率の向上
名寄せを行うことで、一つの顧客情報に複数の接点や取引履歴を紐づけることが可能になります。これにより、営業チームは顧客の最新状況を簡単に把握でき、最適なアプローチを取ることができます。
また、CRMを活用すれば、企業内の営業・マーケティング・カスタマーサポート部門が統一された情報をもとに連携できるため、チーム間の連携ミスを防ぎ、業務効率が向上します。
関連記事:顧客データベースの作り方 CRMとエクセルでの顧客管理方法を解説
マーケティング施策の精度向上
データが整理されていないと、ターゲティングの精度が低下し、適切なマーケティング施策を打つことができません。
例えば、重複データの影響で一部の顧客には過剰にアプローチが行われる一方で、他の顧客には適切な施策が届かないといった事態が発生します。
CRMの名寄せ機能を活用することで、正確なターゲットリストを作成でき、パーソナライズされたマーケティング施策を実施することが可能になります。
また、統一されたデータを基にした分析ができるため、施策の効果測定や改善もスムーズに進めることができます。
名寄せの方法|手動 vs 自動
名寄せを行う方法には、大きく分けて「手動での名寄せ」と「自動での名寄せ」の2種類があります。自社に合った方法を選ぶことが重要になるので、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
手動での名寄せの特徴(Excelやスプレッドシートでの管理)
手動での名寄せは、Excelやスプレッドシートを活用し、人の目でデータを整理・統合する方法です。
誰でも着手しやすくコストもかけずに作業が可能ですが、Excelやスプレッドシートでの手作業は、小規模なデータベースでは有効ですが、データ量が増えると非効率になり、ミスも発生しやすくなります。
メリット
- 小規模なデータであればコストをかけずに対応可能
- データ統合のルールを柔軟に設定できる
- 自動化ツール導入前の一時的な対策として活用できる
デメリット
- 作業時間が膨大になる(データが多いほど負担が増加)
- 人的ミスのリスクが高い(表記ゆれや見落としが発生しやすい)
- 定期的なデータ更新に対応しにくい
関連記事:なぜ脱エクセルが必要?営業で脱エクセルする4つのメリットと成功事例・おすすめツールを紹介
自動での名寄せの特徴(ツールでの管理)
CRMや専用のデータ統合ツールを活用すると、名寄せ作業を自動化することができます。
データ量が多く、継続的に名寄せ作業を行う必要がある場合は、CRMの自動名寄せ機能を活用する方が効率的で精度も向上します。
特に、営業・マーケティングのデータを一元管理する際には、手動での運用には限界があるため、自動化を検討する価値は高いでしょう。
メリット
- 短時間で大量のデータを整理できる(処理スピードが圧倒的に速い)
- データ統合の精度が向上(類似情報の識別を自動化)
- 定期的なデータ更新にも対応でき、リアルタイムで情報を最適化できる
- 外部ツールとの連携が可能(MA・SFA・ERPなどと統合し、より高度な分析ができる)
デメリット
- ツールの導入コストがかかる
- 名寄せルールの設定や運用管理が必要
CRMで名寄せを行う具体的なステップ
CRMの名寄せ機能を活用すれば、効率的かつ正確にデータを統合し、クリーンな顧客情報を維持できます。しかし、適切な名寄せを行うには、正しい手順を理解し、ルールに従って作業を進めることが重要です。
ここでは、CRMを活用した名寄せの具体的なステップを解説します。
①データを更新する
まずは、最新の顧客データを取得し、CRM内の情報を最新の状態に保ちます。
古いデータが含まれていると、正確な名寄せが行えず、統合ミスの原因となります。そのため、データの入力ミスや表記ゆれを事前にチェックし、適宜修正しておくことが重要です。
②名寄せルールを選択する
次に、データを統合する際のルールを決めます。
CRMでは、企業名やメールアドレス、電話番号などの情報をもとに類似データを自動検出できますが、統合ルールを適切に設定しないと、誤って異なる顧客データが統合される可能性があります。
③統合先(保存対象)と統合元(削除対象)を選択する(データクレンジング)
名寄せの際には、統合対象となるデータの「統合先(保存対象)」と「統合元(削除対象)」を決定する作業が必要です。
例えば「株式会社A」「株式会社 A」といった類似データが発生した場合、間にスペースを挟まない表記が正しければ「株式会社A」を統合先に指定する、というイメージです。
データの統合の際には、正確性の高いデータがどれになるかを判断することも重要な要素の1つになります。
④統合を行う(データマッチング)
最後に、CRMの名寄せ機能を使って、データを統合します。
CRMで統合を行う場合は「統合結果をプレビューし、誤ったマージがないかチェック」「必要に応じて、手動で修正を加える」といった、手動での最終確認を行いながら、正しくデータを統合することが重要です。
名寄せに適したCRMの選び方
CRMの名寄せ機能を活用することで、効率的かつ正確な顧客情報の維持が可能となります。
しかし、CRMによって機能や特長が異なるため、自社の課題や目的に合ったCRMを選定することが重要です。
CRMを選定するには具体的にどのようなポイントを押されば良いのか、名寄せ機能を活用するためのCRM選びのポイントを解説します。
関連記事:CRMの正しい選び方とは?導入前に確認すべき5つのポイント
自社の目的に合う機能が搭載されているか
まず、CRMに名寄せ機能が標準搭載されているかを確認しましょう。すべてのCRMが名寄せ機能を備えているわけではなく、手動でのデータ管理が前提となっているツールもあります。
具体的には以下のような機能について確認すると良いでしょう。
- 類似データの自動検出・統合が可能か
- 統合ルールのカスタマイズができるか
- 誤統合を防ぐための手動確認機能があるか
名寄せ機能がない場合、別途データ統合ツールが必要になるため、コストや運用負担が増加する可能性があります。 そのため、あらかじめCRMの機能を確認し、適切な選択をしましょう。
操作性が良いか
名寄せ作業は、データの精度を高めるために定期的に行う必要があります。そのため、CRMの操作が直感的で使いやすいかどうかも重要なポイントです。
具体的には、以下のポイントを確認すると良いでしょう。
- データの統合・編集が簡単にできるか
- 管理画面がわかりやすく、検索・フィルタリング機能が充実しているか
- 名寄せの作業履歴を確認できるか
ツールの操作が複雑すぎると、営業やマーケティングチームの負担が増え、結局活用されなくなることもあります。
導入前に、無料トライアルやデモを試し、操作性を確認するのがベストです。
外部ツールと連携可能か
CRM単体で名寄せ機能を備えていても、他の営業・マーケティングツールとのデータ連携ができないと、情報の一元管理が難しくなります。
そのため、名寄せを行うCRMが既存の業務ツールとスムーズに連携できるかをチェックしましょう。
例えば、以下の機能面についてチェックをすると、他ツールとの連携がしやすくなります。
- SFA(営業支援ツール)やMA(マーケティングオートメーション)とデータ連携が可能か
- 名寄せされたデータが他のツールにも自動反映されるか
- APIやCSVインポート・エクスポート機能が充実しているか
CRMの名寄せ機能が強力でも、他のツールとのデータ統合がスムーズでないと、営業・マーケティングの業務フローが複雑化する原因になりますので、 自社の利用ツールと連携可能かを事前に確認しましょう。
関連記事:CRMのデータ連携とは?メリットと営業・マーケ連携を円滑にする方法
名寄せ機能があるおすすめCRMツール
Mazrica Sales(マツリカセールス) は、営業支援(SFA)と顧客管理(CRM)を統合したツールで、データの名寄せ機能を活用しながら一元管理が可能です。
- 類似データの自動検出・統合
・企業名・担当者名・メールアドレスを基にした類似データを抽出
・統合候補の提示による誤統合を防止
・精度の高い名寄せが可能 - 手動調整が可能なデータ統合機能
・自動名寄せ後の手動確認・修正が可能
・統合ルールのカスタマイズ設定が可能
・データ統合履歴の管理とロールバック機能 - 外部ツールとの連携
・MAツールやSFAツールとのデータ同期が可能
・APIを活用したCRM外のシステムとの連携
・名寄せデータのリアルタイム更新による一元管理 - シンプルで直感的なUI・UX
・ドラッグ&ドロップによるデータ編集機能
・初心者でも操作しやすいシンプルな管理画面
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まとめ|CRMの名寄せ機能を適切に行い営業成果を向上させよう
顧客データの重複や誤りは、営業・マーケティング活動の効率を低下させ、機会損失を招く要因になります。
そのため、CRMの名寄せ機能を活用し、正確なデータ管理を徹底することが重要です。
名寄せを適切に行うことで、営業チームは精度の高いリード管理が可能になり、マーケティング施策の成果も向上します。
データの整理は作業の効率化だけでなく、企業の成長を支える基盤の一つです。 CRMの名寄せ機能を上手く活用し、営業活動の効率化と成果の最大化を実現しましょう!

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