Excelは非常に便利なツールである一方で、「データが多すぎると重くなる」「関数の知識が必要」といった、不便な点もあります。
Excelを業務管理で使っている企業は多いですが、Excelによって不便さを感じたり非効率になったりしては意味がありません。
しかし、脱エクセルによって課題を解決できる場合があります。
本記事では、脱エクセルのメリットや方法について詳しく解説するので、Excel管理に限界を感じている人はぜひご参考ください。
この記事の内容
脱エクセルとは?
「脱エクセル」とは、Excelで行っている業務をITツールを活用して効率化し、生産性を高めようとする取り組みのことです。
Excelの使用を辞めることが主目的ではなく、個人のスキルに依存する属人化を解消し、誰もが簡単に使える環境を構築して、業務の停滞やリスクを減らすことが目的です。
脱エクセルを実現するITツールとしては、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)、タスク管理ツール等、クラウドベースのツールが挙げられます。
関連記事:SFAとExcelのメリット・デメリットとは?営業プロセスを見える化する2つの営業管理方法
脱エクセルが必要な3つの理由
Excelは使いやすさや汎用性などが魅力です。しかし、業務効率化のために脱エクセルを進める動きが広まっています。
脱エクセルが必要とされる3つの理由を紹介します。
データ収集・整形に時間がかかるため
データ分析の際、他のExcelに入力されているデータを引用したい場合もあるでしょう。
たとえば、顧客情報を蓄積しているExcelAと取引実績を蓄積しているExcelBのデータを取り出して、分析用のExcelCに貼り付けて分析するといった場合です。
Excelシートを使いすぎていると、データの収集に大幅な時間がかかります。また、AとBのフォーマットがCとは異なると、Cのフォーマットに合うようにデータを作りかえなければなりません。
このように、データを収集して、使いやすいよう整形するための時間や手間がかかりすぎると、本来やるべきデータ分析に充てる時間を確保できない可能性もあります。
逆に、脱エクセルによって代わりのツールを導入することで克服しうる課題であるともいえます。
関連記事:Excelでは限界!営業管理・データ管理を効率化する4つの方法
複数人でのデータ編集が困難だから
インストール版のExcelは、1人しか編集できないため、複数人での同時編集が不可能です。
他のメンバーがExcelを編集していると自分は利用できないため、業務が止まる時間が生まれてしまいます。
クラウド版のExcelでは同時編集が可能ですが、複数人で同時編集しているとファイルが重くなったりデータの反映に時間がかかったりすることもあります。
Excelの代わりにデータ収集やデータ入力、出力が自動で行えるSFAのようなツールを導入することで、デメリットを克服することができるでしょう。
関連記事:エクセル日報の作り方と管理方法・改善策を紹介【テンプレート付】
他の業務管理ツールと連携ができないから
Excel上のデータを、会計ソフトやMAツールなどのデータとクロス分析したい場合もあります。
しかしExcelは他の業務管理ツールとの連携ができないので、データのクロス集計や分析が不可能です。
他のツールのデータを取り出す際には、CSVで抽出してからデータを貼り付けるなどの手間が発生し、業務が非効率になります。
脱エクセルのために多くの企業が導入しているSFAやCRMは、チームで同時に使用でき、リアルタイムで情報共有できるものがほとんどです。
脱エクセルの4つのメリット
脱エクセルによるメリットは、主に以下の4つが挙げられます。
- 作業ミス防止により予実管理の精度が上がる
- 入力業務を削減し営業管理の生産性を向上できる
- 共同作業・リアルタイム更新によって顧客関係管理を効率化できる
- 業務の属人化を解消できる
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①作業ミス防止につながる
Excelで業務を行っている場合、以下のような課題が生じます。
- 計算式を間違えそうで心配
- データが多くなりすぎて、ファイルが重くて起動できない
- 分析をするために高度な関数の知識が必要
上記の課題をそのままにしておくと、やがてミスやトラブルに発展しかねません。
そこでITツールを活用すると、作業ミスを防止し、課題を解決できます。
特に予実管理をExcelからITツールに切り替えると効果的です。
予実管理(予算実績管理)とは、あらかじめ決められた予算目標に対して、どのくらい実績が進んでいるか管理することです。
予算と実績を比較して進捗率を把握し、予算目標を達成できるかどうか判断するために、重要な業務になります。
ITツール(SFA)で予実管理を行うと、初めに営業案件の情報を入力した後は自動で予実の集計・分析が可能です。ツールによって、予算への達成度をグラフ化してくれるものもあり、直感的に現状を把握できます。
関連記事:営業の予実管理とは?5ステップと成功のポイント・ツールを解説
②入力業務を削減できる
入力業務を削減できる点も脱エクセルのメリットです。
例えば、営業管理はExcelで行いがちな業務の一つです。
しかし、Excelで営業管理を行うと以下のような課題が生じる可能性があります。
- 同じデータを何カ所にも入力しなければいけない
- データが膨大で、知りたい情報を確認するのに時間がかかる
- 営業活動が忙しくて入力が漏れてしまう
上記のような課題も、営業管理にITツールを活用することで解決できます。
案件の進捗をダッシュボードで確認したり、顧客に紐づいて商談履歴や問い合わせ履歴などを管理したりできるため、営業情報を把握しやすくなるからです。
関連記事:営業管理とは?管理すべき6つのデータと管理方法を解説
③共同作業・リアルタイム更新ができる
Excelを使い続けると、以下のような課題が浮かび上がります。
- 項目が多すぎて、入力の手間がかかる
- 顧客数が増えすぎて、シートが見にくい
- 入力した最新の顧客情報をリアルタイムに共有できない
上記の課題も、ITツールによって解決が可能です。
ITツールでは、決められた項目に沿って入力するだけで、見やすいように情報が整理されます。
また、メールツールやカレンダーツールなどと連携することで情報が自動同期するため、入力の手間が大幅に削減されるでしょう。
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④業務の属人化を解消できる
Excelを使いこなす人をExcel職人と呼ぶことがあるように、Excelを使う際には複雑な関数やVBAなどの機能を駆使するためのスキルが必要になります。
組織にExcel職人が1人いて、関数が組み込まれたファイルを作ってくれたとしても、ファイルの改修が必要な際に職人がいなければ作業が止まってしまうかもしれません。
このように、Excelを利用していると、個人のスキルに依存してしまう問題があるのです。
脱エクセルによって誰もが簡単に使えるツールへ乗り換えができれば、上記のような属人化の課題は解消できるでしょう。
関連記事:営業の属人化はなぜ起こる?4つの原因と7つの解決方法
脱エクセルのデメリット
脱エクセルのデメリットを挙げるとするならば、費用面でしょう。
Excelはインストール版とクラウド版が提供されていますが、どちらもリーズナブルに利用できます。
インストール版のパッケージ製品は数百万円する製品もある一方、Excelは1万円台で購入できます。
クラウド版ツールでは毎月数万円の利用料金がかかるものもありますが、ExcelはMicrosoft 365を契約すると月々1,000円台でWord(ワード)やPowerPoint(パワーポイント)なども併せて利用できます。
ですが、Excel管理を続けることで発生しうるミスやトラブル、作業の遅延を考慮すると、少し費用をかけてツールを導入し業務精度を上げた方が商談の成約率アップ、ひいては業績の向上への近道です。
関連記事:Excelで営業の案件管理をするポイントと使い方【無料テンプレあり】
脱エクセルを実現する3ステップ
Excelでの業務管理に限界を感じている人は「すぐにでもITツールを導入したい」と考えるかもしれません。
しかし見切り発車で脱エクセルに踏み切っても、うまくいかずに失敗してしまうこともあります。
脱エクセル化を進める際には、以下の3つのステップを意識しましょう。
①自社の業務課題を明確にする
まずは、Excel運用による自社の業務課題について明確にします。
- データが多すぎて起動するのに時間がかかる
- 同時編集できなくて業務が滞る
- 営業の進捗を時系列で把握できない
このように、自社で非効率に感じている部分を明確に洗い出します。
現場担当者にもヒアリングし、なるべく多くの意見を集めることで、隠れていた課題も浮き彫りにできます。
②各課題の解決策を考える
次は、明確になった自社の課題について、どのように解決できるかを考えます。
Excelの使い方を学んだり、業務フローを改善したりすると解決できる課題もあるでしょう。
しかし、やはりExcelでは限界を迎えている課題もあるはずです。
例として、先述した「Excel管理のデメリット」についての解決策を紹介します。
【解決策例】データ収集・整形に時間がかかる場合
Excelでは時間のかかっていたデータ収集や整形も、ITツールを活用すると解決できます。
決められた項目に沿って必要な情報を入力するだけで、さまざまな集計や分析が可能です。
何度も同じデータを入力したり、データのコピペをしたりする必要もないため、入力や貼り付けのミスも防げます。
またドラッグ&ドロップでデータを整形できるツールもあり、業務が効率化するでしょう。
【解決策例】複数人でのデータ編集が困難な場合
ITツールはクラウド上にデータが保存されているため、複数人による同時編集が可能です。
他メンバーの入力待ちの時間も発生しないため、スムーズに業務が進みます。
また、「商談内容を忘れる前に、すぐに情報を入力しておきたい」場合にも、モバイルからアクセスしてすぐに情報を登録できます。
さらに情報がリアルタイムで反映されるため、スピーディな情報共有にもつながります。
【解決策例】他の業務管理ツールと連携ができない場合
Excelは他のツールとの連携ができませんが、ITツールを活用すると連携が可能になります。
たとえば「営業データとマーケティングデータを組み合わせて分析したい」場合にも、ツール同士を連携させることでデータが自動同期し、ツールをまたいだ分析ができます。
部署や業務ごとに異なるツールを使っていても、ツール連携によりシームレスな情報共有ができるのです。
業務効率化ツールを導入して脱エクセルを図る場合には、メールやカレンダーツール、チャットツールをはじめ身の回りのデータ管理ツールと連携できるものを選んで導入するようにしましょう。
③課題解決に必要なツールを導入する
課題の解決策が見つかったら、課題解決に適したツールを見極めます。
業務管理に活用できるツールは、ざっと挙げるだけでも以下のように複数あります。
- SFA(営業支援システム):営業に関するあらゆる情報を一元管理できるツール
- MA(マーケティングオートメーション):マーケティングに関するあらゆる情報を一元管理できるツール
- CRM(顧客関係管理):顧客に関するあらゆる情報を一元管理できるツール
- 会計システム:財務会計上の必要情報を一元管理できるツール
- 勤怠管理システム:従業員の勤怠について管理できるツール
- タスク管理ツール:タスクの振り分けや進捗情報を管理できるツール
- スケジュール管理ツール:各従業員のスケジュールを管理できるツール
以上の他にも、業務管理用のツールは多岐にわたります。自社の課題に沿って、適したツールを導入しましょう。
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営業管理の脱エクセルに必要なツールMazrica Sales
営業活動では、顧客情報や取引情報、案件の進捗状況などさまざまな情報があります。
営業活動の情報を適切に管理することで、営業の状況を把握したり見通しを立てたりできます。
しかしExcelでは、データが多すぎると探すのに時間がかかったり、時系列で情報を把握できなかったりするなどの限界が訪れます。
そこでおすすめしたいのが、営業管理に特化したSFA/CRM「Mazrica Sales」です。
Mazrica Salesでは、自社で抱えている案件がボード上で一覧表示され、営業フェーズごとに分類されるので、直感的に進捗状況を把握できます。
最終対応日からの経過日数に応じて色分けされるため、対応の漏れや遅れにも早く気づけます。
そして、分析機能も充実しています。売上実績だけでなく、予実管理ができる売上予測レポートや、時系列で売上金額の推移を可視化できる売上推移レポートもあります。
さらにフェーズごとの進捗率や営業アクション数などの分析機能も搭載。
以上の分析が簡単な操作だけで可能なので、高度な関数スキルを持っていなくても分析ができます。
他にも、外部ツールとの連携によるシームレスなデータ同期、AIによる受注率の予測、次に行うべき営業アクションのレコメンドなど、Excelにはない機能が豊富に搭載されています。
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脱エクセルで営業活動を最適化できた成功事例
実際にMazrica Salesを活用したことで脱エクセルを成功させた企業事例を紹介します。
株式会社翻訳センター様では、営業活動をExcelで管理していました。
しかし、営業活動についての詳細な情報は属人化しており、管理用Excelは顧客情報についての記録のみとなり、ほとんど機能していなかったそうです。
そのうちにExcelへの登録件数は1,000件を超え、ファイルの起動や扱いにストレスを感じるようになった同社。
さらに1,000件以上の営業データを活用しないことはもったいないと感じ、営業データの活用ができるMazrica Sales導入へと踏み切りました。
Mazrica Salesによって新規顧客と既存顧客との対応を分けて管理できるようになったことで、既存顧客へのフォローが充実し、サービスの継続率は90%以上を維持しています。
また、Excel管理では難しかった複雑な分析も、Mazrica Salesの分析機能により簡単にできるようになったため、適切なアクションを見極められるようになったそうです。
関連記事:【Mazrica Sales活用事例】Excel管理から脱却し営業活動を効率化する方法
終わりに|SFA導入で脱エクセルを社内に浸透!
Excelは多くの企業で導入されている、非常に認知度も利用率も高い業務用ツールです。
一方で、業務管理ではExcelが適さない場面も少なくないため、Excelを利用し続けると限界が訪れる場合もあります。
SFAをはじめとするITツールを導入することで、Excelでの不便や非効率を解決できる可能性が高いです。
ぜひ本記事で紹介した内容を参考に、脱エクセルに挑戦してみませんか?
エクセルから脱却すべきタイミングとは?
営業管理におけるExcelの課題とSFA/CRMの特徴についての資料です。ExcelからSFA/CRMに移行すべきタイミングとSFA/CRM導入によるメリットを紹介します。
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