多くの会社で「日報」を作成する目的として「上司が部下の行動を把握すること」が挙げられます。
上司は「部下の働きをを監督する」という役割のもと日報を課していますが、提出することが目的になってしまっている日報も多いのが現状です。
本記事では、どのような日報管理がベストなのか?解説していきます。
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この記事の内容
日報を作成する目的とメリット
多くの会社で「日報」を作成する目的として「上司が部下の行動を把握すること」が挙げられます。
上司は部下の働きを監督するという役割を与えられていますが、部下個人が日々の業務の中でどんなことを考え、どんな行動をしているのかを把握することは容易ではありません。
そこで、部下に自分の業務内容を報告してもらうことで不足している情報を補おうとするのです。
しかし、「日報」の目的を「部下の行動把握」に留めてはいけません。
業務の情報が集まっている「日報」をうまく利用できれば、自分の組織に起きている変化を細やかに把握したり、思わぬ情報やチャンスを掴むことができます。
また「日報」を通して、部下の考え方への理解が深まれば、適切なフィードバックやフォローが可能になり、親密な関係構築へと繋がってきます。
つまり、「日報」は部下の行動把握の先に「適切なフィードバック」や「フォローアップ」「顧客情報の吸い上げ」といった目的があるのです。
また、部下が日々の業務を言語化することで、思考の整理をするのを手助けしたり、それを通じて自分で課題を特定する能力を身につけてもらうという目的もあるでしょう。
しかし、多くの企業で行われている日報管理では、形式的なやりとりにとどまり、その先の目的にまで到達しないというのが現状のようです。
エクセル(Excel)テンプレートによる日報管理がうまくいかない理由
日報管理がうまくいかない最大の理由として、「部下側に日報を書くメリットが見当たらない」ということが挙げられます。
部下の目線で考えると、「日報」は自分の案件は自分で把握しているので上司にわざわざ情報を共有する必要性を感じず、詳しく書けば書くほど二度手間になり、そもそも上司に見られているかもわからないものとなっているのです。
また、上司の立場で考えてみても、部下一人一人の活動を事細かに知りたいというよりは、「受注額の大きい案件の進捗や途中経過を知りたい」であったり、「コミュニケーションが取れていない部下の様子を知りたい」といった気になる情報を拾うために日報を使っているのではないでしょうか。
そのため、適切なフィードバックやフォローにつながる日報の形を取れる企業は少なく、提出することが目標となってしまっている日報が散見されるのです。
その解決策の1つとなりうるとなるのが営業支援ツールのSFAです。
SFAがどう「日報」を改善しうるのかについては後述します。
(※SFAは営業の業務改善を支援するツールで案件管理、顧客管理、日報管理など従来エクセルで行われていた情報をクラウド上で簡単に管理できるようにするのが特徴の一つ。SFAについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご確認ください。
【関連記事】SFAとは?CRM・MAとの違いは?意味・役割・主な機能を徹底解説
まずは、「エクセルによる日報管理」がうまくいかない個々の理由について掘り下げていきましょう。
理由1:日報に必要な項目・情報が多い
先述の通り、日報の目的としては「部下の行動の把握」「部下へのフィードバック」「部下のPDCAを促す」「顧客状況の把握」といったことが挙げられます。
しかし、それらの目標を達成するためには多くの項目・情報が必要になります。
例えば、「部下の業務に適切なフィードバックを行う」という目的を達成するためにはどんな情報が必要になるか考えてみましょう。
まずは部下がその日「どこに訪問したのか」「どんなアプローチをしたのか」「それはどんな意図に基づいた行動だったのか」ということを知る必要があります。
そして、それらの行動の妥当性を検討するために、訪問先では「どんな事業が展開されていて」「どんなことに課題感を持っていて」「どれぐらい自社製品の導入可能性があるのか」といった前情報が必要となってくるでしょう。
しかしながら、日々の業務とは膨大であり、その全てを把握することは困難であるでしょう。
1日に「2件の外回り営業と1件のウェブ面談、10件のメール」という業務をこなしたとして、その行動内容、行動の実施結果、そしてその行動をとる根拠となる顧客情報を丁寧に記入するとどれほどの時間を費やさなければいけないのでしょうか?
読み手の方も、その膨大な情報を探し出すのに苦労してしまいます。
そのため世間一般で行われている「日報」は「情報は多いが入力時間を恐ろしく費やさなければいけない日報」か「提出することが目的となった情報不足の日報」のどちらかのパターンになってしまうことが多い様です。
理由2:入力負担が大きい
・書けば書くほど二度手間
次に日報管理が上手くいかない理由として「入力負担が大きい」ということが挙げられます。
日報とは「日々の報告書」です。
これが示すのは日報とは自分がわかっていることを上司に報告するためだけにもう一度書かないといけないということです。
つまり日報は、営業個人にとっては「入力すればするほど二度手間」という側面を持っているのです。
さらに、せっかく書いた日報も上司に読んでもらえるとは限りません。
上司の側から考えると、いつでも情報を参照できる状態を作っておきたいが、全員の日々の業務を事細かに把握したいわけではないからです。
自分の気になっている案件の進捗や実施結果がわかれば十分なのです。
・日報の入力・共有までの工数が多い
さらに、エクセルを用いて日報管理を行うのはとても「工数が多くなる」行為であると言えます。
日報が提出・共有されるまでには、「出先から戻ってきる→パソコンを立ち上げる→本日の行動を手帳で確認する→書く内容を考える→エクセルに記入する→ファイルに入れる/上司にメールで共有する」という手順を踏まなくてはいけません。
理由3:リアルタイムで確認できない
エクセルに記入された内容は即時に更新されるわけではないので、部下からメール等で送られてくるのを待つ必要があります
また、フィードバックをしても、更にそれを送り返さなければなりません。
この作業も出先で簡単にできる事ではないので、会社に戻ってパソコンに触ってから・・・ということになるとなかなかとりかかることができません。
このように、スムーズな情報共有には向かず、時間がとられてしまうため、日報に触れるのがおっくうになってしまう人もいるようです。
以上見てきたことが、日報のエクセル管理がうまくいかない原因と言えます。
【関連記事】なぜ脱エクセルが必要なのか?Excel以外のツール活用のメリットを解説!
それでは日報管理にSFAを用いた場合はどのような変化があるのでしょうか?
エクセル(Excel)日報とSFA日報のイメージの違い
両者による日報管理にどの様な違いがあるのか端的に示すと、エクセル日報は「上司が部下の報告書を読む行為」で、SFA日報は「上司が部下の行動を検索する行為」であると言えます。
これはエクセル日報は「部下が上司に向けて日報を作成する」のに対して、SFA日報では「上司が部下の日報を作成する」とも言い換えられます。
これにより何が起こるのかというと、部下は「日報作成業務から解放され」、上司は「欲しい情報を過不足なく入手すること」ができる様になるのです。
なぜこの様なことが可能になってくるのかは、SFAが「データベース」としての役割を果たしていることに関係してきます。
「エクセル日報」と「SFA日報」が作成される過程を考えてみるとこのことがよくわかります。
営業日報・営業報告書の書き方については以下の記事で紹介しています。
Excelテンプレートも併せてご確認ください。
【関連記事】営業日報・営業報告書の書き方|Excelテンプレート付き
エクセルを用いた日報の作り方・管理方法のイメージ図
「エクセル日報」を作成するとき、作成するのに必要な情報は部下の中にしかありません。
そのため、部下が自分の手帳や予定管理アプリ、PCの中で管理している「顧客情報」や「活動内容/予定」「実施結果」をエクセルに移し替えるという一手間が必要になってきます。
SFAを用いた日報の作り方・管理方法のイメージ図
それに対して「SFA日報」を作成するときはSFA内に管理されている部下の「顧客情報」「活動内容/予定」「実施結果」を検索によって絞り込むことによって情報を抽出しているのです。
それが実現するのは部下がSFAを案件情報管理のための「メモ帳」としてや、予定管理のための「カレンダー」として、やることをまとめた「Todoリスト」として使っているからです。
つまり、普段自分のメモ帳やカレンダー、メールが果たしている機能をSFAが代替しているのです。
それにより、部下側は普段の入力負担と変わらずに情報を管理しているだけで日報作成の一手間から解放されるのです。
実は、SFA日報は上司の側に大きなメリットをもたらします。
それは「アクセスできる情報量が劇的に多くなる」ということです。
今まで、自分のところまで上がってくる情報は日報や日々の会話に限定されていましたが、
それにSFA内に蓄積された部下の活動ログが加わります。
「提出された日報」には部下のフィルターがかけられています。
どこまで詳しく書こうか、これは必要ない情報だろう、今日は急いでいるから早く日報を書いてしまおう…こういった思考の過程で振り落とされてしまった情報や、説明不足に感じるので詳細を知りたい情報に気軽にアクセスできる様になるのです。
【関連記事】SFAで日報・案件管理をするメリットとは?Excelや日報では案件を管理しきれない!
SFAで日報を管理するとどうなるの?
次に「SFAによる日報管理」について具体的に説明していきます。
ここでは「SFA日報」で部下Aの一日の業務を把握し、その案件の詳細を確認してみましょう。
まず、SFAにアクセスし「名前/日付を絞り込んで検索」することで「部下Aの本日の活動とその実施結果」を知ることができます。
その中の「案件Bの進捗が滞っていること」が気になったならば、「案件Bをクリック」のワンアクションで「部下Aの案件Bへの過去アプローチ一覧」をみる事ができます。
もしそこで「先方の懸念材料が”競合との差別化ポイントが不明確”なのにそれに対して的確な対応が取れていないことが気になったならば、部下に適切な資料を渡したりといったフォローアップが可能になるでしょう。
今回は、SFAツールであるSensesを用いて実際に絞り込みを行ってみます。
※日報管理ができるSenses(センシーズ)の詳細についてはこちら
関連記事:【Senses活用事例】Excel管理から脱却し営業活動を効率化する方法
手順1:SFAにアクセスし、「日付:5月28日/担当者:北条政子」で検索
手順2:5月28日の北条政子の活動一覧が表示される。そのうちの案件「kubo_20170113」のアクション「課題特定のための面談」の詳細を確認
手順3:「案件の実施結果と過去の株式会社kuboへのアプローチ」を確認
【関連記事】クラウド型日報アプリ・ツールのおすすめ7選!価格(無料あり)・特徴など徹底解説
終わりに
この記事では、エクセルによる日報管理とSFAによる日報管理の違いを見てきました。
日報をエクセル管理している会社は他の「案件情報」「行動情報」「売り上げ情報」などもエクセルで管理しているのではないでしょうか。
しかし、膨大化するファイルに限界を感じている方も少なくないのではないでしょうか。
SFAは「エクセルからの脱却」を一つの目的に掲げているツールですので、エクセルでの管理に課題を感じている方は一度導入を検討してみてはいかがでしょうか。
記事内で紹介したSFAツールSensesの詳しい機能や料金プランなどはこちらから確認できます。

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