顧客管理アプリ(CRM)は、顧客情報の管理や営業効率の向上を実現するために重要なツールです。
特にスマートフォンで利用できるCRMアプリも数多く提供されており、時間や場所を問わず情報の取得や共有が可能になっています。
本記事では、顧客管理アプリ(CRM)の基本情報や優れた点、さらに無料・有料のおすすめCRMアプリを紹介します。
この記事の内容
顧客管理アプリ(CRM)とは?
顧客管理アプリは営業活動や顧客関係を最適化するためのツールです。
特にスマホアプリを利用することで、場所や時間を問わず営業情報を取得、参照、共有ができます。
関連記事:CRMとは?導入メリット・機能や選び方とツールも紹介
顧客管理ツールとの違い
顧客管理ツールとの違いは、モバイル端末(アプリ)で使用できるかどうかです。
顧客管理アプリも顧客管理ツールも、顧客管理できる点は機能として同じです。
モバイル端末(アプリ)でCRMを使用できない場合、PCを開いての情報入力が必要になりますが訪問営業や外回りが多い営業パーソンにとっては大きな手間になります。
モバイル端末(アプリ)でCRMを使用できる場合、訪問前の移動中に顧客情報を確認したり、訪問後すぐに情報入力が可能になります。
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顧客管理アプリ(CRM)を導入するメリット
CRMを自社のビジネスに導入することで、どんなメリットが得られるのでしょうか。
関連記事:CRMシステムを導入する3つのメリットと機能|選定のポイントとは?
顧客情報を一元管理できる
顧客管理アプリ(CRM)を導入することで、会話ログや営業活動を含むすべての顧客情報を一元管理することが可能になります。
業務を効率化・最適化できる上、蓄積されたデータを分析することで、次なる施策の一手を生み出すためのインサイトを得ることができます。
またモバイル端末で入力も可能になるので、営業の業務効率化に大きく寄与します。
関連記事:顧客情報とは?一元管理方法・活用術とCRM(顧客管理システム)を紹介!
スマホからリアルタイムで情報共有ができる
顧客管理アプリ(CRM)を活用すれば、入力された情報が即座にチーム内で共有されます。
営業パーソンが出先で登録した情報をその場で確認できるため、売上進捗を把握する際に直接確認する手間が省けます。
報連相の手間の削減だけではなく、定量的にデータで分析することが可能なので営業組織全体の効率化に繋がります。
関連記事:営業のスマホ活用メリット|営業活動での賢いアプリの利用法とは?
業務効率化が実現する
顧客管理(CRM)アプリを活用することで、外回りが多い会社にとっては特に大きな業務効率化になります。
顧客管理(CRM)ツールにモバイル端末での入力ができない場合、事務所に帰ったり、PCを開いての入力作業が必要になります。
入力迄のタイムラグがあると、顧客との会話内容が鮮明で無くなってしまったり、CRMに反映されるまでに時間がかかってしまいます。
顧客管理アプリ(CRM)の場合はモバイル端末ですぐ入力することが可能なので、業務効率化を実現することができます。
顧客満足度向上につながる
CRMを活用することで、顧客に対してのメルマガや提案の最適化を行い顧客満足度を高める手段としても有効です。
また顧客管理(CRM)アプリを活用することで取引先へ直接訪問へ行く際、直前に取引状況や過去ログを確認することが可能になるため、「こんな情報まで覚えてくれていたのか」と信頼性の向上に繋がる可能性もあります。
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顧客管理アプリ(CRM)の選び方
顧客管理アプリ(CRM)を選定する際、確認すべきポイントを解説します。
関連記事:CRMの正しい選び方とは?導入前に確認すべき5つのポイント
データ入力がしやすいか
データの入力を行いやすいかどうかは顧客管理アプリ(CRM)を選定する際非常に重要なポイントです。
データ入力の方法が煩雑だったり、操作が難しいと入力を手間と感じてしまい運用に乗らないケースも考えられます。
簡単に、必要な情報が入力可能かは必ず確認しましょう。
関連記事:顧客データベースの作り方 CRMとエクセルでの顧客管理方法を解説
他システムと連携できるか
メールやカレンダーなど、現在使っているツールとの検討している顧客管理アプリ(CRM)の連携が可能かどうかも確認が必要です。
例えば、メールが連携ができる場合は顧客とのやり取りが全てCRM上に自動で記録されるなどがあります。
連携が少ない場合、こういった情報が残せないか、全て手作業で実施する必要があります。
そのため、検討している顧客管理アプリ(CRM)が他システムと連携できるかは重要な選定基準になります。
関連記事:CRMのデータ連携とは?メリットと営業・マーケ連携を円滑にする方法
サポート体制は万全か
導入後のトラブルや不明点に備え、充実したサポート体制が整っているかどうかを確認することが重要です。
顧客管理アプリ(CRM)を導入しても、活用の仕方がわからなかったり効果的な運用ができていない場合は導入したのに運用できないということになってしまいます。
トラブルや不明点が発生した際のサポート体制など、導入前に必ず確認しましょう。
セキュリティ対策は十分か
顧客情報を一元管理するため、セキュリティは万全なものにしましょう。
個人情報の漏洩は会社全体の信頼性の低下や売上損失に繋がります。
顧客管理アプリ(CRM)を選定する際は、ISMS認証されているものなど、情報セキュリティの高い製品を選定するようにしましょう。
無料でも使える顧客管理アプリ(CRM)4選
顧客管理アプリ(CRM)で、まずは無料で活用することができるものを紹介します。
関連記事:CRMツールおすすめ14選! 主要機能や選び方を徹底解説【比較表あり】
Excel
Excelはマイクロソフトが開発・販売している表計算ソフトです。
データを分析・視覚化したり、計算を実行したり、グラフを作成したりすることができます。
馴染みがあるツールなので、顧客管理で既に活用されている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
顧客情報を手軽に入力・編集でき、フィルタリングや並べ替えを行いデータを抽出することができます。
ただ、大規模なデータ管理や複雑な分析や、メルマガなど具体的な施策を実行するのはExcelだけでは限界があります。
製品サイト:https://www.microsoft.com/ja-jp/office/homeuse/device-tablet-edit2
Notion
Notionは、ドキュメント・データベース・タスク管理を全て行うことができるプラットフォームツールです。
CRMとしても活用することができ、 テンプレートを利用することで顧客情報のデータベースを作成することが可能です。
顧客の連絡先、対応履歴、購入履歴などをNotionで一元管理することで、チームで共有することが可能です。
無料プランもあり、完全無料で活用できることも大きな魅力です。
ただし、顧客管理に特化したツールではないので顧客データの詳細分析など、営業としては活用に限界があります。
製品サイト:https://www.notion.so/ja/mobile
HubSpot CRM
HubSpot CRMは上限はあるのですが、無料版でありながら非常に多くのことができるCRMツールです。
1,000件までの顧客情報であれば登録でき、ユーザーも2名まで登録する事ができるツールです。
顧客情報の登録やメールの追跡、商談メモや商談フェーズ管理など、無料でもできることが数多くあります。
リストが1,000件以下の場合はCRMツールとしてしっかり活用することができます。
上限を超えた場合、有料プランにアップデートすればそのままHubspotを活用し続けることができるので、リストの数が少ない方にはおすすめのツールです。
製品サイト:https://www.hubspot.jp/products/mobile
関連記事:HubSpotは使いづらい?CRMとしての評判・口コミ・料金を徹底解説
Fullfree
Fullfreeとは無料のおすすめツールの中で唯一日本が作っているCRMツールです。
すべての項目を無料で自由にカスタマイズすることが可能で、単純な表はもちろん、階層データ、表と表とのリンクも可能です。
顧客情報の管理だけではなく、Excelファイルをテンプレートとした各種帳票を出力することも可能なので、通常業務の効率化にも役立ちます。
無料版でもできることは多いですが、有料版も1ライセンス8,800円の買い切りのため、アップグレードする場合でも安価に導入することができます。
製品サイト:https://www.fullfree.jp/
有料のおすすめ顧客管理アプリ(CRM)10選
続いて、有料の顧客管理アプリ(CRM)を10個紹介します。
導入することで大きな効果が見込めるのでぜひ導入を検討してみてください。
Mazrica Sales
Mazrica Salesのアプリは誰でも使える、誰でも成果を出せるSFA/CRMです。
モバイルアプリでは顧客情報の確認だけではなく、取引情報の入力や名刺データ読み取りを行うことができるので、入力漏れがなくなりリアルタイムでチーム内に情報共有ができます。
Mazricaに登録している顧客への電話の発信をアプリ上で行うことや、メーラーや地図アプリの起動などもアプリから一貫して行うことができるので、アプリを使う人がストレスなく業務を効率的に進めることができます。
ダッシュボードで分析したデータなどもリアルタイムで確認することができるので、会議や商談の最中でもすぐに最新の情報を確認することができます。
製品サイト:https://product-senses.mazrica.com/
UPWARD
UPWARDはUPWARDのアプリは外回り営業に特化した顧客データの記録・活用を効率化できるアプリです。
いつ・誰が・どこに訪問したかをアプリが自動で記録することができるので、外回りの営業パーソンが多い会社では従業員管理を簡単に行うことができます。
また、報告内容のテンプレートを設定することができるので、日報や月報をバラつきなく社員に提出してもらうことが可能になり管理の簡易化をすることが可能です。
マップ上にピンの色や大きさで訪問の優先度を見える化することも可能なので、外回りをより効率的に行うことが可能です。
製品サイト:https://upward.jp/
eセールスマネージャーRemix Cloud
eセールスマネージャーRemix Cloudは営業現場での使いやすさが特長です。
モバイルでの活用を前提に作られたCRMで、名刺読取機能や業務報告をアプリ上で簡単に行うことが可能です。
スケジュール管理と合わせてToDo機能もついており、ToDoを共有・登録が自由に行えるため、ネクストアクション漏れの部下のスケジュールにToDoを登録で指示を出すこともできます。
また、商談ログを残すだけではなく「キーマンに接触できているか」なども確認することが可能なので営業成果の向上に期待ができます。
製品サイト:https://www.e-sales.jp/functions/smartphone-app/
GRIDY SmartPhone(Knowledge Suite)
GRIDY SmartPhone(Knowledge Suite)のアプリでは、商談管理から顧客情報の管理まで一貫して行うことができる国産のアプリです。
さまざまなオールインワンで利用できるCRMで、アプリでは過去の商談管理から名刺情報の管理まで幅広く行うことができます。
画面の表示も難しくなく、初心者でも簡単に活用することが可能です。
また表示画面の編集も簡単に行うことができ、自社に最適な操作画面に変更することができます。
ワークフロー申請もアプリで行うことができるので、承認フローの簡略化含めて業務効率化をすることが可能です。
製品サイト:https://www.bluetec.co.jp/knowledgesuite/service/smartphone.html
関連記事:kintoneは使えない?評判や口コミ・導入の向き不向きを紹介
GENIEE SFA/CRM
GENIEE SFA/CRMのアプリは、営業現場での活用シーンをイメージした設計のアプリです。
外出先での顧客情報や商談情報などのデータ閲覧、入力・報告を簡単に行うことが可能で、出先でも情報不足や入力漏れを防ぐことができます。
カレンダーと地図を連携することで、1日の訪問スケジュールを最適なルートで定時してくれる機能や、営業現場に到着した際には会社や上司に自動で通知が発信されるチェックイン機能など、業務効率化を行うことができます。
製品サイト:https://chikyu.net/functions/basic/app/
関連記事:GENIEE SFA/CRM(旧ちきゅう)の評判・口コミ・向き不向き|導入前に知っておきたいポイント
Zoho CRM
Zoho CRMのアプリは移動の多い営業担当者が使いやすい機能を多く搭載したアプリです。
オフラインアクセスの機能もあり、入力したデータがオンラインになった瞬間に自動で送信されるのでどんな現場でもデータの即時入力が可能です。
他ツールにないユニークな機能としてはNear Me(ニア・ミー)という機能で、スマホ端末の位置情報機能を利用して、周辺の顧客を表示してくれる機能です。
次の打ち合わせまでの空いた時間で、訪問候補も表示してくれます。
製品サイト:https://www.zoho.com/jp/crm/feature/mobile/
ホットプロファイル
ホットプロファイルのアプリはお客様の名刺情報を簡単に管理することができるアプリです。
名刺データを読み込む「リアルタイム報告」という機能を活用することで、名刺を読み込んですぐ「資料提供」「課題把握」等を簡単にアプリ上に記録することができ、情報の入力漏れを防ぐことができます。
また「近くの名刺」という機能を活用することで、周辺○○kmなど、近くにいる名刺情報を簡単に分析が可能になります。
セキュリティ対策(MDM:モバイルデバイス管理機能)を搭載しているので、セキュリティ面でも信頼性があるアプリです。
製品サイト:https://www.hammock.jp/hpr/meishi/mobile.html
セールスクラウド(Salesforce)
セールスクラウド(Salesforce)のアプリはSalesforceの機能をアプリ上でも簡単に活用できるようになるアプリです。
外出先で商談フェーズの変更等をスマホでも行うことができるようになり、業務の効率化を行うことが可能になります。
また承認フローをSalesforce上で組んでいる場合、承認もアプリから行うことができるので外出先でも簡単に承認することが可能になります。
CRMシェア1位のツールをアプリで活用することが可能ですが、名刺の読み取り機能などはついておらず顧客情報の入力などは一度データを持ち帰る必要が出てきます。
製品サイト:https://www.salesforce.com/jp/solutions/mobile/overview/
関連記事:Salesforce(セールスフォース)は役に立たない?評判・口コミ・料金を紹介
yappli CRM
yappli CRMのCRMアプリは、アプリを起点とした顧客管理を簡単に行うことができるツールです。
「モバイルアプリを、かんたんに。」というコンセプトのサービスがYappliですが、顧客行動に合わせて施策を管理画面からノーコードで誰でも簡単に実行可能になります。
リピーター作りのためのポイント管理や、自社オリジナルの電子マネーの発行も可能なので顧客の利便性を高めることが可能になります。
顧客分析・施策設計・実行/評価まで一貫して行うことができるので、店舗型集客の方であれば非常に頼りになるツールです。
製品サイト:https://yapp.li/crm/
Sales Force Assistant
Sales Force Assistantのアプリは、日本のコンサルティング会社が作ったCRMアプリです。
AI秘書が営業活動に必要な情報をプッシュ通知でお知らせしてくれるので、営業担当者の業務向上や、訪問スケジュールや日報、新着メールも通知してくれるので確認の抜け漏れを防ぐことが可能です。
他にも、予定スケジュールに関連した顧客情報や履歴の確認できるだけではなく、クレームなどが発生していたら電子秘書がお知らせしてくれる機能も搭載しています。
スマホでもタブレットでも活用することができるので、外回りが多い営業パーソンには活用シーンが多いCRMアプリです。
製品サイト:https://www.salesforce-assistant.com/mobile/
顧客管理アプリ(CRM)を導入する際の注意点
顧客管理アプリ(CRM)は外回りの営業活動を効率化し、業務の見える化を実現する有用なツールです。
しかし、導入する際にはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。
以下で、導入時に注意すべき点を具体的に解説します。
導入を目的にしない
CRMを導入する目的は、顧客管理の効率化や営業成果の向上です。
しかし、ツールを導入すること自体が目的になると、本来の目的が見失われてしまいます。
導入前には自社の課題や解決したい業務上の問題を明確にし、それに基づいて導入計画を立てることが重要です。
また、社内全体でCRM導入の目的や期待する成果を共有しておくことで、導入後もスムーズに運用することができます。
必ずトライアルを試す
CRMは種類が多く、それぞれの特徴や操作性が異なります。
自社に最適なツールを選ぶためには、無料トライアル期間を活用し、実際の操作感や機能を確認することが大切です。
トライアルでは、以下の点をチェックすると良いでしょう。
- 実際の業務フローに適した機能が備わっているか
- ユーザーインターフェースが直感的で使いやすいか
- サポート体制が整っているか
現場の営業パーソンからフィードバックを集め、導入後の運用イメージを具体的に掴むことが成功のカギとなります。
効果がすぐには出ないことを理解する
CRMを導入したからといって、短期間で劇的な成果が得られるわけではありません。
ツールを十分に活用するためには、データの入力や分析、運用ルールの徹底などの取り組みが重要です。
また、運用初期には慣れない操作や新しいフローに戸惑うこともあるでしょう。
しかし、定期的な研修や改善を重ねることで、次第に効果を実感できるようになります。焦らずに長期的な視点で取り組むことが重要です。
▶︎▶︎CRMツールの活用術についてより詳しく知りたい方は、併せてこちらの資料もご覧ください。
まとめ|CRMアプリ活用で営業活動を効率化しよう
CRMアプリを効果的に活用することで、顧客情報の一元管理や営業プロセスの効率化が期待できます。
ただし、導入を成功させるためには目的を明確にし、トライアルでの確認や長期的な視点を持つことが必要です。
最適なCRMアプリを選び、継続的に活用することで営業活動の質を大きく向上させることができるでしょう。

SFA/CRM徹底比較8選
SFA、CRMを導入したいけど、ツールの種類がたくさんありすぎて、それぞれの特徴や自社に合ったものがわからない…という方向けに、SFA/CRMツールを8つピックアップし、それぞれの特徴をまとめてみました。
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