マーケティングに携わっているビジネスパーソンなら必ず耳にするキーワード「ペルソナ」。
大体の意味は知っていても、実際のペルソナのマーケティングへの活用方法や、「ターゲット」との違いなどを理解していない人も多いのではないでしょうか。
今回は、マーケティング初心者でも実行できるペルソナの作り方や設定する際の注意点をお伝えします!

マーケティングにおける“ペルソナ”とは?

もともとはラテン語の「persona」から、古典劇で役者が使用する仮面のことをペルソナと言っていました。
そこから派生し、心理学者のユングが「人間の外的側面」をペルソナと呼ぶようになり、現在マーケティングで広く使われるような意味合いを持つようになったのです。

それでは、マーケティングにおける「ペルソナ」とはどのような意味なのかというと、商品やサービスの典型的で象徴的なユーザー像のことを指します。
氏名・年齢・性別・住んでいる地域・家族構成などの基本的な項目から、職業・役職・年収などの働いている環境、趣味・価値観・ライフスタイルなどのプライベートな部分まで詳細に設定し、実在する人物のように仮説することで、戦略の方向性や具体的な施策を立てやすくなるのです。

ちなみに、混同されがちな「ターゲット」との違いですが、ペルソナは上記のように具体的に細かいユーザーモデルを設定するのに対して、ターゲットは「30代女性」「50代の管理職」などの年代や性別などで幅を持たせたユーザー層を設定するので、人物像の設定の深さが異なります。

ペルソナマーケティングの3つのメリット

マーケティングにおいてペルソナを設定する3つのメリットを紹介します。

①ユーザーニーズを理解できる

典型的なユーザー像を徹底的に分析することにより、ユーザーのニーズを深く理解することができ、どのようにアプローチするとユーザーの心に響くのかを把握することができます。
ぼんやりとしていたユーザー層が、具体的な人物像に変わることで、「いつ」「何を」「どのように」アプローチするべきなのかが明確になります。

②ターゲットとなる顧客像を組織内で統一することができる

関係者の間でターゲットの人物像の認識がズレてしまっていると、意見の食い違いから戦略が決まらなかったり、無駄な作業が発生したりして、スケジュールの遅れなどのトラブルが起こりやすくなります。
しかし、ペルソナという共通認識があることで、トラブルを回避できるのです。
更に、社外のパートナー企業などとビジネスを進めていく場合も、ペルソナを社内外で統一しておくことでより効果的な施策を打ち出すことができるでしょう。

③サービスのコンセプトが固まる

ペルソナを設定することによってマーケティング戦略の方向性も決まってきます。
ペルソナを通してコンセプトが固まることにより、業務内容の意味や意義、目標を定めやすくなります。

ペルソナを作成する4つの手順

ケティング初心者必見!】ペルソナとは?|設定方法から注意点まで|1

それでは、実際のペルソナを設定するプロセスを確認しましょう。

1.自社分析を行う

まず、具体的なペルソナを設定する前に、自社の強み・弱み、市場の動向などを理解することが重要です。
そのために、自社の分析から始めると良いでしょう。
おすすめなのは「Customer:市場・顧客」「Competitor:競合」「Company:自社」の3つの視点から分析をする3C分析というフレームワーク。
3Cについて把握しておくことで、自社商材についても理解が深まったり発見につながったりします。

2.ペルソナ作成項目を考える

ペルソナは、ターゲット層よりも更に詳細な人物像を作ることで、どのようにアプローチすると効果的かが見えてきます。
そのため、ペルソナ設定のための項目は詳細に作りこみましょう。
一例として、ペルソナ設定項目を挙げてみます。

  • 基本情報(氏名、年齢、性別、居住地、出身地、血液型、誕生日など)
  • 学歴、職歴
  • 現在の職業(業界、業種、職種、役職、年収など)
  • 家族構成(独身or既婚、子どもの有無など)
  • ライフスタイル(起床時間、就寝時間、通勤時間、日々の食生活、休日の過ごし方など)
  • 趣味(インドアorアウトドア、好きな音楽、好きな雑誌、好きな映画など)
  • 性格(価値観、目標など)
  • インターネット利用状況(使っているデバイス、日々の利用時間、利用しているSNS、よく見るサイトなど)

「細かすぎるのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、上記のような詳しい項目を設定することで、自社商材のユーザーがどんなことに困っているのか、どんな情報を欲しがっているのかなどを明確に仮説立てられるようになります。

関連記事:セグメンテーション(セグメント分け)とは?事例で学ぶセグメンテーションと方法

3.具体的にペルソナを作る

先ほどの項目を埋めていく作業に入ります。
しかし、やみくもに設定しても的外れなものになってしまうため、データを活用することをおすすめします。
データの集め方は「WEBアンケート調査」「街頭インタビュー」「既存調査結果の活用」「WEBアクセス解析」「競合他社調査」などがあるので、データを収集して人物像を分析していきましょう。

関連記事:WEBフォーム作成ツール8選|選び方からメリットまで

4.PDCAを実行して改善を行う

ビジネスにおいて重要なPDCAは、ペルソナの設定でも実行しましょう。
一度ペルソナを設定したら終わりではなく、そもそも設定したペルソナ自体が間違っている場合があるため、定期的に見直さなければいけません。
実際のユーザーとペルソナの乖離はないか見直したり、新しく発見できたユーザー項目を足していったりして、ペルソナを更に具体的にしていきましょう。

関連記事:PDCAサイクルとは?PDCAサイクルを効率的に回す3つのコツを紹介

ペルソナ設定の注意点

ケティング初心者必見!】ペルソナとは?|設定方法から注意点まで|2

ペルソナとはどういうものなのか解説しました。
最後に、ペルソナ設定の際にはどのようなポイントに注意しなければいけないのかを確認しましょう。

①デモグラフィックだけでなくサイコグラフィックも考える

より具体的な顧客像を洗い出すために、デモグラフィックだけでなくサイコグラフィックも分析しましょう。
「デモグラフィック」とは年齢・居住地・職業・家族構成などの定量的な属性情報で、「サイコグラフィック」は性格・ライフスタイル・趣味などの心理的な特性のことです。

デモグラフィックはある程度のデータがあれば設定することが可能ですが、そこからはサイコグラフィックは見えてこないため、サイコグラフィックを設定するためにはより詳細なアンケートやインタビューなどを実施する必要があるのでサイコグラフィック分析にはリソースがかかります。

②新規顧客の目線を持つ

自社商材をよく利用している既存顧客にペルソナを寄せてしまうと、潜在的にニーズを持っている新規顧客の人物像とズレてしまう可能性があります。
既存顧客の囲い込みも重要ですが、より販路を広げるためには新規顧客の獲得は欠かせないものなので、新規顧客の目線も持ちながらペルソナを設定しましょう。

関連記事:顧客獲得の方法とは?新規開拓からリピーター獲得まで徹底理解

③一度設定したペルソナを何度も再考する

先述の通り、ペルソナを一度設定して終わるのではなく、何度も見直して再考していきましょう。
消費環境の変化によって、ユーザーの消費活動も日々変わってきます。
「現在設定しているペルソナと、実際の消費者はかけ離れていないか」と再考を続け、柔軟にペルソナを設定していくことがポイントです。

設定したペルソナが受注に至っているかどうかは、SFAやCRMなどのツールを活用して確認することでPDCAは回しやすくなります。

関連記事:

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更に詳しい情報は【BtoBマーケターのためのSFA/CRM活用術】の資料を参考に。

終わりに|ペルソナを適切に設定してマーケティングの成果を最大化しよう

マーケティング活動に重要なペルソナ。
今までターゲット層でしか把握していなかったユーザーがより鮮明になることで、効果的なマーケティング施策を効率的に行うことができるようになります。
「ペルソナの作り方」を参考に実際に設定することで、今まで見えなかった事実が見えてくるかもしれません。
ペルソナを活用して、より効果的なマーケティング施策やセールスプロモーションを実施していきましょう!

BtoBマーケターのためのSFA/CRM活用術

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