営業マネジメントの現場では「進捗が見えづらい」「報告内容にばらつきがある」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
スプレッドシートや口頭での報告では状況を正確に把握するのが難しく、適切な判断が後手に回ることもあります。
営業の進捗や成果をリアルタイムで把握し適切なマネジメントにつなげるには、ダッシュボードの活用が不可欠です。
「営業活動をもっと見える化したい」「現場の状況をスピーディーに把握したい」とお考えの方であれば、今後のマネジメントに役立つヒントがきっと見つかります。
この記事の内容
営業ダッシュボードとは
営業ダッシュボードとは、営業活動に関するあらゆるデータを一元的に可視化し、チーム全体の状況をリアルタイムで把握できる管理ツールです。
SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)と連携することで、売上や進捗・活動量などの情報をタイムリーに表示し、意思決定やマネジメントに役立てることができます。
特に複数の担当者が並行して案件を動かす営業組織では、各自の活動状況や成果がブラックボックス化しやすく、マネージャーによる適切なフォローが困難になる場面も少なくありません。
ダッシュボードを活用すれば、個人ごとのパフォーマンスだけでなくチーム全体の動きやボトルネックも明確になります。
関連記事:ダッシュボードとは?機能・活用方法の解説とツール13選
営業ダッシュボードを活用すべき理由
営業マネージャーがダッシュボードを導入すべき理由は大きく4つあります。
状況をリアルタイムで把握できる
営業活動の進捗を即時に確認でき、迅速な意思決定やフォローアップが可能になります。
報告を待たずに現場の状況を把握できるため、スピード感のあるマネジメントが実現します。
課題の早期発見につながる
案件の滞留・活動量の不足・受注率の低下など、目に見えづらい問題点を数値で把握できます。
感覚では見落とされがちな兆候もデータによって明確になります。
戦略的なマネジメントに活かせる
予実管理やパイプラインの可視化を通じて、リソースの配分や案件の優先順位づけがしやすくなります。
現場任せになりがちな戦術レベルの動きもマネージャーの視点で最適化できます。
メンバーごとの成果を正しく評価できる
属人的な印象に左右されず売上や活動履歴などの事実に基づいた評価が可能です。
優秀な担当者の行動パターンを抽出し、ナレッジとして共有することもできます。
営業ダッシュボードで管理すべき項目
営業ダッシュボードを効果的に活用するには、「どの指標を可視化するか」の選定が欠かせません。
成果・予測・行動・案件といった複数の観点から情報を整理することで、全体像がクリアになり、マネジメントの質が向上します。
具体的に注目すべき項目について4つのカテゴリーを用いて紹介します。
売上目標に関する項目
売上目標の管理は営業活動の軸となる要素です。達成に向けた進捗を可視化することで課題を早期に発見し、適切な打ち手を講じることができます。
営業担当者一人ひとりの動きだけでなくチーム全体のバランスや動向をつかむためにも、目標に関連する指標は欠かせません。
売上目標達成率
営業成果を示す基本的な指標です。期間ごとの売上目標に対して、どの程度達成しているかをリアルタイムで確認できます。
また個人とチームの両軸で数値を追うことで、目標達成意識の強化やメンバー間の健全な競争意識を生み出す効果も期待できます。
粗利目標達成率
利益視点から営業活動の貢献度を把握できる指標です。
粗利率の高い案件への集中や利益を意識した価格交渉など、質の高い営業戦略に導くための土台になり、収益性の改善に向けた意思決定にも有効です。
パイプライン目標達成率
営業プロセス全体の流れを管理するために不可欠な指標です。
各ステージに滞留している案件数や進捗の偏りを可視化することで、営業活動のボトルネックを早期に発見できるため、適切なリソース配分やタイムリーなフォローの判断に役立ちます。
関連記事:パイプライン管理とは?営業分析・改善のポイントを解説
予実管理に関する項目
予実管理とは「予算や目標」と「実績」の差異を把握し、適切な改善アクションを導くための管理手法です。
営業活動においても現状と見込みを的確に把握することが戦略的な意思決定につながります。
関連記事:営業の予実管理とは?目的や進め方5ステップとツールを解説
売上実績と売上予測
これまでの売上実績と今後の予測を並行して確認できる指標です。
進捗状況に加え、残りの期間で達成できそうかを可視化することで、達成見込みの低いチームや案件に対して早期のテコ入れが可能になります。
SFAやCRMに蓄積されたデータをもとにした予測であれば、勘や経験に頼らない再現性のある営業戦略が構築できます。
部門別 / 担当者別売上実績
組織全体では見えにくい個別のパフォーマンスを明らかにする指標です。
部門単位や個人単位で実績を可視化することで、成果を出している担当者やチームの成功要因を抽出できます。
優れた営業の動き方を社内に展開すれば、属人性の排除や組織全体の底上げにもつながります。
行動管理に関する項目
行動管理は売上という結果だけでなく、その背景にあるプロセスに目を向けるための重要な観点です。
担当者の努力や課題を適切に評価し改善につなげるために、以下の指標をダッシュボードに組み込むと効果的です。
関連記事:行動管理とは?営業の管理方法とPDCAサイクルの回し方
アポイント数/商談数
営業担当者がどれだけのアポイントを取得し商談に進めたかを測る指標です。
行動量が少ない場合は売上未達の原因となりやすく、早期に対策を講じる必要があります。
日々の活動に対してKPIを設定し到達度を可視化することで、自己管理力の向上や上司によるタイムリーなフィードバックも可能になります。
活動履歴
営業担当者がどのようなアクションを行ってきたかを記録・可視化する指標です。
たとえば「誰に」「どのチャネルで」「どのような内容で」アプローチしたのかを蓄積することで、成果につながった行動パターンを分析できます。
活動量の多さだけでなく接触内容やアプローチの質も評価対象とすることで、属人的な営業から脱却し、再現性のあるナレッジの共有につながります。
新規顧客獲得数
新たな顧客との接点をどれだけ創出できたかを測る指標です。
新規開拓の進捗を定点的に確認することで、リード獲得の活動が計画通りに進んでいるかを把握できます。
新規開拓の進捗が鈍化している場合は、ターゲットの選定やアプローチ手法に課題がある可能性があります。成果の出ている営業活動を可視化し、全体の底上げにつなげることが重要です。
案件管理に関する項目
案件ごとの進捗や状態を的確に把握することは営業の質を高めるうえで欠かせません。
営業プロセスがどこで停滞しているのか、どの案件に注力すべきかを見極めるために、以下のような指標を活用することでより精度の高い営業判断が可能になります。
関連記事:案件管理ツールおすすめ7選【比較表付き】導入メリット・選び方を解説
フェーズ別案件数
商談がどの営業フェーズに位置しているかを可視化する指標です。
各ステージにどれだけの案件が存在しているかを把握することで、プロセス全体のバランスや停滞ポイントを明確にできます。
例えば初回商談は多いがクロージングに至る件数が少ない場合、提案内容やクロージングスキルに課題がある可能性があります。
こうした傾向を早期に捉えることで的確な改善策の立案が可能になります。
受注確度別の案件金額
受注見込みの高低ごとに案件の金額を分類・可視化する指標です。
高確度の案件にどれだけの金額が集中しているかを把握すれば、売上予測の精度が向上し、重点的にアプローチすべき案件も明確になります。
案件数だけでなく「どの案件に力を注ぐべきか」を判断する材料として有効です。
関連記事:受注確度とは?管理するメリットや方法、精度を高めるコツを解説
失注案件数と失注理由
失注した案件の件数や理由を可視化し、営業活動の改善に活かすための指標です。
「なぜ受注に至らなかったのか」という理由を整理・分類することで、営業手法や製品・サービスの改善点が浮き彫りになります。
競合との比較、提案の質、タイミングの問題など、失注理由を深掘りすることで次回の提案や戦略立案の精度を高めることができます。
関連記事:失注分析とは?失注理由の5つの分析方法・便利ツールを紹介
使いやすい営業ダッシュボードの特徴
ダッシュボードはただデータを表示するだけのツールではなく、日々の意思決定に活用することで初めて成果が得られます。
導入効果を最大化するには使い勝手の良さが大きなカギとなります。
営業現場で「本当に使える」と実感されるダッシュボードの特徴を3つ紹介します。
直感的にわかりやすいデザイン
どれほど多くのデータが表示されていても、視認性が低ければ活用されません。
色やグラフ、アイコンの使い方などに工夫があり、ユーザーが直感的に情報を読み取れるデザインが求められます。
特に営業マネージャーや経営層などが短時間で全体像を把握したい場合、見やすさは成果に直結するポイントです。
リアルタイムでのデータ更新
現場で起きている変化を即座に把握するにはリアルタイム性が欠かせません。
例えば案件が商談中から受注に変わったとき、即時にダッシュボードへ反映されることで進捗管理や予測の精度が格段に向上します。
更新のタイムラグがあると判断の遅れや見誤りにつながるため、データの即時性は重要な評価基準となります。
カスタマイズができる
営業組織ごとに重視する指標やプロセスは異なります。
柔軟なカスタマイズが可能であれば、組織やマネージャーごとの運用スタイルに合わせて最適なダッシュボードを設計できます。
例えば新規開拓を重視するチームであれば「リード数」や「初回接触件数」を中心に、既存顧客の深耕を目的とするチームでは「リピート率」や「アップセル率」にフォーカスするなど、運用の幅が広がります。
まとめ
営業活動を効果的にマネジメントするには、「どの情報を、どのように可視化するか」が非常に重要です。
営業ダッシュボードを活用すれば、目標進捗・活動量・案件の状態といった多様なデータをリアルタイムで把握でき、チーム全体の状況を正しく捉えたうえでスピーディーな意思決定が可能になります。
ただし、効果を最大化するには自社の営業スタイルに適したツールを選定し、柔軟に運用できる環境を整えることが前提となります。
「必要な情報を見える化したい」「営業マネジメントを仕組み化したい」と感じている方には、Mazrica Salesがおすすめです!
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