YouTubeやTwitterをはじめとするSNSの利用者数がどんどん増加しており、検索エンジンと並んで情報収集のツールとして広がっています。

SNSを活用したマーケティング施策も広まっているなか、インフルエンサーに商品を紹介してもらったりレビューしてもらったりする「インフルエンサーマーケティング」が注目されています。

今回は、インフルエンサーマーケティングの特徴やメリット、さらに実践方法までご紹介します。

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インフルエンサーマーケティングとは


インフルエンサーマーケティングとは、インフルエンサーを介して企業や商材についての情報を発信するマーケティング手法です。

インフルエンサー(influencer)とはSNS上で他のユーザーに対して大きな影響力をもつユーザーのことで、芸能人や著名人だけでなく、もともと一般ユーザーだった人でも発信力があればインフルエンサーになることができます。

インフルエンサーを介することでフォロワーなどの多くのユーザーにアピールでき、広く拡散される可能性を秘めているマーケティング手法として注目されています。

インフルエンサーマーケティングの背景

インフルエンサーマーケティングが注目されている理由として、購買活動の変化とSNSの急速な広がりが背景にあります。

「AIDMA」という購買モデルを聞いたことがある人は多いと思います。

「注意→興味→欲求→記憶→行動(購入)」という購買活動の流れを表したものですが、近年のインターネットの普及により、AIDMAのようなシンプルな購買モデルでは対応できなくなってきました。

そこで、インターネットでの情報収集プロセスを含んだ「AISAS」や、良い商品をSNSでの拡散する「AISCEAS」、SNSでの口コミを参考にする「AISA」などの新しい購買モデルが登場しました。

時代の変化に伴って購買活動も多様化しており、特にインターネットやSNSの影響力が大きくなっていることがわかります。

関連記事:ミレニアル世代・Z世代の違いとは?購買活動の特徴を解説

サイバー・バズとデジタルインファクトが行った調査によると、2020年の国内ソーシャルメディアマーケティング市場規模は前年比107%の5,519億円の見通しとしました。

また、試算では2025年には2020年の約2倍である1兆1,171億円に達するとみています。

さらに同調査ではインフルエンサーマーケティングの市場規模も算出しており、2020年に前年比105%となる317億円、2025年には723億円にも及ぶと予測しています。
(出典:サイバー・バズ/デジタルインファクト調べ

インフルエンサーマーケティングのニーズを裏付けるデータが、コンテンツマーケティングを行うサムライト株式会社からも発表されています。

同社が2019年1月に行った調査によると「好きなインフルエンサーの投稿を見て、商品を買ったことがある」と回答した人は全体の37.6%にも及びます。

購入までは至らなかったものの、店頭に行ったり商品について検索したりしたユーザーもかなりの割合がおり、インフルエンサーの投稿は大きな影響力があると言えるでしょう。
(出典:サムライト調べ

インフルエンサーマーケティングのメリット

インフルエンサーマーケティングには、どのようなメリットや効果を得られるのでしょうか。

・広告感や営業感を抑えた消費者目線の訴求ができる

企業発信の情報はどうしても広告感や営業感が出てしまい、消費者に敬遠されてしまうこともあります。

しかし一人の消費者であるインフルエンサーを起用することで、広告感の主張が抑えられて自然なアピールにつながるのです。

企業発信だと良いところばかりをアピールしがちになりますが、インフルエンサーは消費者として正直にレビューしてくれるので、信頼性の高い情報発信が可能になるでしょう。

・ターゲットに確実にリーチできる

幅広く活動しているインフルエンサーだけでなく、ファッションや旅行などのジャンルに特化したインフルエンサーも多く存在します。

何かに特化したインフルエンサーにはその分野に高い関心をもつフォロワーが多数いるため、そのインフルエンサーに商品をアピールしてもらえれば確実にターゲットに情報を届けることができるのです。

また、ジャンルに特化しているインフルエンサー以外にも、10代の学生に大きな影響力をもつインフルエンサーや経営者を多くフォロワーにもつインフルエンサーもいます。
自社の商材と親和性の高いインフルエンサーを起用すれば、効果的な訴求が可能になるでしょう。

フォロワーに情報を拡散されることにより、さらなる認知度拡大も図れます。

関連記事:ペルソナマーケティングとは?ペルソナの設定方法から注意点まで

・さまざまな訴求方法を実行できる

インフルエンサーマーケティングで行える施策は、インフルエンサーに商品・サービスを紹介してもらうだけではありません。

たとえば現地を訪れてレポートしてもらったり、ライブ配信でリアルタイムの情報を届けたりすることも可能です。

またインフルエンサーマーケティングとハッシュタグキャンペーンなどの企画を同時に行うことで、大きな話題を生む可能性もあります。

さまざまな施策を実行して効果測定を行い施策をブラッシュアップしていくことで、さらに成果を出すことができるでしょう。

・効果測定がしやすい

インターネット上で行われる施策は、データを取りやすく効果測定がしやすいというメリットもあります。

SNS上のシェア数や口コミ数、さらに自社サイトへの流入数やコンバージョン数など、複数のデータを掛け合わせて分析することで、より効果の高いインフルエンサーマーケティングの施策につながります。

 

インフルエンサーマーケティングで使われるSNS


現在世界中で利用されているSNSはさまざまな種類があり、それぞれ特性やユーザー目的なども異なります。

インフルエンサーマーケティングでは、各SNSの特徴を踏まえた訴求をしなければ成果を出すことができません。

インフルエンサーマーケティングでよく使われるSNSと、その特性と訴求方法、そして事例をご紹介します。

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Youtube

動画プラットフォームのYouTube(ユーチューブ)は、老若男女が利用しているため幅広い層へのアピールが可能です。

企業と有名youtuberがタイアップした動画を配信するなどのインフルエンサーマーケティングもあります。

長時間の動画やライブ配信もでき、商品やサービスに合わせて柔軟に動画配信ができることもメリットとなるでしょう。

動画内にボタンを配置して外部サイトへリンクさせたり、概要欄にリンク先のURLを貼り付けたりすることも可能なので、自社サイトへの流入や商品購入などコンバージョンにもつなげやすいです。

また、ゲーム実況やおもちゃ紹介、メイクや料理などジャンルに特化したYouTuberも多く、自社商材と親和性の高いYouTuberを起用することでターゲットを絞ったアプローチができます。

Instagram

Instagram(インスタグラム)はテキストよりも写真をメインにしているSNSなので、写真の見栄えがユーザーの反応を左右します。

そのため、グルメ、旅行、インテリア、ペット、ファッション、メイクなど写真映えしやすいジャンルに特化したインフルエンサーが多く見受けられます。

また、Instagramは長々とした文章を書くよりも、短文や単語の「#(ハッシュタグ)」で投稿する傾向があるため、効果的なハッシュタグを付けるテクニックが求められます。

タイアップ投稿には企業アカウントのタグ付けが必須となっており、ステマを廃止できるだけでなく企業アカウントへの遷移も期待できます。

企業アカウントに商品購入のショッピング機能を設定すれば、そのまま購入ができるという利便性も。

Twitter

Twitter(ツイッター)はテキストメインの投稿で、最大140文字という短文が特徴のSNSです。

他人の投稿を自分のタイムラインに流せる「リツイート」という機能があり、大きな拡散力をもっています。

新商品・新サービスを広く認知してほしいときには、Twitterの拡散性は大きなメリットになるでしょう。

いま話題になっていることやトレンドをいち早く手に入れられるだけでなく、検索エンジンのように情報収集のために利用しているユーザーも多く、インフルエンサーマーケティングでは欠かせないSNSのひとつです。

Tiktok

Tiktok(ティックトック)は若年層のユーザーが多い動画投稿SNS。

動画はショートムービーがメインで、BGMやエフェクトなどを活用したオリジナリティあふれる動画であるほど人気が高くなる傾向です。

TwitterやFacebookへのシェア機能もあり、他SNSで拡散されて大きな話題になることも期待できます。

最近ではTiktokから人気に火が付いてテレビ出演をするようになるタレントも多く、これからますますインフルエンサーが増えていくことが予想されます。

インフルエンスマーケティングの成功例

YouTubeでの成功例

人気YouTuberはじめしゃちょーは、株式会社ムーンスターとタイアップしてスニーカーを着用した検証動画を配信しています。

検証前と検証後ではタイムが縮んだという結果から、スニーカーの品質や機能を充分にアピールできる動画になっています。

商品を紹介するのではなく、検証という企画動画にしていることでプロモーション感を抑えて受け入れられやすい動画にしていることもポイント。

ムーンスターのスニーカーは子ども向け商品なので、子どもにも人気のはじめしゃちょーを起用したことで、多くの子どもにムーンスターのスニーカーが認知されました。

Instagramでの成功例

タレントのローラさんは、自身がアンバサダーを務めるYSL beautyとのタイアップ投稿をしています。

 
 
 
 
 
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𝐑𝐎𝐋𝐀🇯🇵🇧🇩🇷🇺(@rolaofficial)がシェアした投稿

新作リップの紹介でありながら、ローラさんの美しさを際立たせた写真なので広告感が少ないことが特徴。

ローラさんのようになりたいと思う女性の心を響かせる写真の技術が見事です。
ローラさんの飾り気のない文章も親しみやすく、好印象な投稿になっています。

Twitterでの成功例

料理研究家のリュウジさんは複数の食品企業とのタイアップをしており、KAGOMEのケチャップもその一例。

テレビ番組の出演も多く、主婦を中心にフォロワーが多いリュウジさんを起用していることで、ターゲットとなる主婦や女性に確実にリーチできています。
また具体的なレシピも公開しているため、購買意欲を刺激する訴求力の高い投稿です。

TikTokでの成功例

テレビ番組やCMで引っ張りだこの山之内すずさんも、もともとはTiktokで人気になったうちの一人。

@suzu____chan

これからミニストップさんハロハロのCM撮影です!ハロハロ●●●をパラパラで表現してみるよ!パラパラダンス上手く出来るかな~●●●に当てはまる果物は何処でしょうか??CMお楽しみに!!

♬ オリジナル楽曲 – 山之内 すず

コンビニのミニストップとタイアップをして、パラパラを披露しています。
誰でも真似できる簡単な振り付けと、山之内さんのかわいさで、多くの「いいね」を獲得している投稿です。

ミニストップの夏の名物「ハロハロ」の爽やかな夏らしさが演出されていますね。

インフルエンサーマーケティングの実践


インフルエンサーマーケティングは宣伝効果が高く、大きな成果につながる可能性を秘めています。

それでは、インフルエンサーマーケティングをはじめるためにはどのようなステップで進めたら良いのでしょうか。

ここからは具体的にインフルエンサーマーケティングをはじめるための3つのステップをご紹介します。

1.マーケティングの目的の設定

まずはインフルエンサーマーケティングを実行する目的を設定しましょう。

なぜ目的設定が重要なのかというと、各SNSやインフルエンサーによって特徴が異なるため、目的に合わせた施策を行わなければ効果につながらないからです。

例えば「新商品の認知拡大」が目的であれば、拡散が期待できるSNSを選択したりフォロワーが多いインフルエンサーに依頼したりする必要があります。

一方「商品購入」が目的ならば、購入ページへの導線が設置できるSNSを選んだり、インフルエンサーにはより具体的なレビューをしてもらったりすることがポイントとなります。

目的により選択するSNSの種類や訴求方法も異なるため、まずは明確な目的設定をしてからインフルエンサーマーケティングを始めましょう。

2.インフルエンサーマーケティングのKPI設定

インフルエンサーマーケティングではKPIを定めて、定期的に効果測定を行いましょう。

インフルエンサーマーケティングで見るべき数値はSNSや目的によって異なりますが、主に以下の項目となります。

・リーチ数、リーチ率:投稿を見たユーザーの数と割合
・エンゲージメント数:いいねボタン、GOOD/BADボタン、リツイート、シェアなど
・関連ハッシュタグの投稿数
・自社サイトへの遷移数、遷移率

SNSによっては、リンクやキャンペーンのURLをインフルエンサーごとに作成できるものもあります。

複数のインフルエンサーを起用してマーケティングを行う場合には、それぞれのインフルエンサーのURLを作成して、各インフルエンサーの効果を検証することもおすすめです。

3.インフルエンサーの選出・依頼

 

「誰を起用するか」は、インフルエンサーマーケティングを行ううえで非常に重要なポイントです。

インフルエンサー選定を誤ってしまうと、ターゲットにリーチできずに効果につながりません。

自社商材やブランドと親和性が高く、多くのフォロワーを抱えているインフルエンサーをキャスティングしましょう。

インフルエンサーに依頼する方法は、主に4パターンあります。

1.インフルエンサーに直接依頼する方法

キャスティングしたいインフルエンサーのSNSやホームページから直接連絡する手段があります。 メリットとしては、企業とインフルエンサーが直接やり取りすることによって企業の意図を正確に反映したスピード感のあるPRを行うことができます。

また、中間マージンが発生せず金銭支払いがインフルエンサーへの報酬のみとなるのでコストを抑えて実施できる点もメリットです。 デメリットとしては、商品の発送や投稿ディレクション、炎上対策などを全てを自社で行う必要があります。

さらに、個人事業主の多いインフルエンサーに対して個別の支払いや源泉徴収の手続きなどを自社で行う必要も出てきます。

最近ではキャスティング会社を通さないとPR依頼を受け付けないインフルエンサーも増えていたり、フォロワーを買っているインフルエンサーを見極めるのが難しくなっているため、現実的ではないことも多い方法です。

2.インフルエンサープラットフォーム・ツールを使う方法

インフルエンサーが登録しているインフルエンサープラットフォームを利用することでインフルエンサーの選定やPR依頼を行います。インフルエンサーのSNSデータを元に自社にマッチした人物を選定できるメリットがあります。

また、ダッシュボード機能により、複数のインフルエンサーへの連絡や投稿の状況を管理したり、効果分析ツールによるレポーティングなどが可能です。

デメリットとしては、インフルエンサーへの商品発送やマネジメントを自社で行う必要があり、また、プラットフォームの月額利用料の他にキャスティング費用が別途必要になる場合もあります。

自社にインフルエンサーマーケティングに関するノウハウと人的リソースが十分ある場合に特に有効と言える方法です。

3.インフルエンサーマーケティング会社にキャスティングを依頼する

インフルエンサーキャスティングを専門とする企業に依頼を行うことで、以下の一連のプロセスを一括代行してもらうことが可能です。

・目的に沿ったインフルエンサー施策提案

・過去実績を元に成果を出せるインフルエンサーの紹介

・各インフルエンサーとの交渉・報酬支払い

・サンプリング品の個別発送やディレクション ・ステマ防止、炎上対策

・最終的なレポーティング キャスティングサービスの利用料(マージン)が発生することがデメリットであり、それに見合うノウハウや業務委託が可能であるかを判断する必要性があります。

自社にインフルエンサー施策のノウハウや人的リソースがない場合に特に有効です!

4.広告代理店に依頼する方法

広告代理店はさまざまなマーケティング施策に精通しているので、インフルエンサーマーケティングだけでなく他のWEBマーケティング施策とミックスした施策の実行をおすすめします。

ただし広告代理店にはインフルエンサーが所属しているわけではないので、インフルエンサーをマッチングするために広告代理店からさらにインフルエンサーマーケティング会社へ依頼するケースが一般的です。

そのため仲介手数料が増額されてコストが割高になることが懸念されます。

インフルエンサーマーケティングの費用

インフルエンサーマーケティングでは、どのくらいの費用がかかるのかも気になるポイントです。

フォロワー数に応じた料金設定である場合が多いですが、フォロワーひとりあたりの単価はインフルエンサーの影響力や施策内容によっても変動します。

つまりインフルエンサーや投稿内容によって、1フォロワーあたり2円の場合もあれば10円の場合もあるのです。

例えばフォロワー10万人/フォロワー単価3円のインフルエンサーに商品のレビューを依頼する場合、一回の投稿で10万人×3円=30万円がかかります。

動画配信であれば、撮影や編集などの工数に応じてさらに費用は上乗せになり、移動にかかる交通費も企業側が負担する必要があります。

また、インフルエンサーマーケティング会社や広告代理店に依頼する場合には、さらに料金が上乗せされることも考慮しましょう。

終わりに

SNSが大きな影響力をもっている現代では、ユーザーにとって身近な存在であるインフルエンサーを活用したインフルエンサーマーケティングの効果が高まっています。

SNSによって活躍しているインフルエンサーや訴求方法も異なるため、自社商材のアピールに最適なSNSとインフルエンサーを選定しましょう。

マーケティング〜営業のプロセスの劇的に効率化|Mazrica Marketing概要資料

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