今回は、営業の生産性を向上させる方法について紹介します。
生産性を向上させるためにはどうしたらいいのか、また具体的にどんな方法があるのか見ていきましょう。
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この記事の内容
営業生産性とは
そもそも生産性とは、あるモノをつくるにあたって、生産諸要素がどれだけ効果的に使われたのかを意味しています。
営業の仕事に当てはめてみると、あるモノをつくる=「売上を達成する」にあたり、生産諸要素=「時間やコストがどれだけ効果的に使われたかを測るもの」になります。
つまり、営業生産性とは売上成果に対して時間やコストがどれだけ効果的に使われたのかを示す指標です。
営業生産性の計算方法
営業生産性の計算方法は下記の通りです。
営業生産性 = 売上成果(アウトプット) ÷ かかった時間やコスト(インプット)
つまり、売上成果(アウトプット)が大きくなるほど、もしくは時間やコスト(インプット)を小さくするほど、営業生産性を向上させることができます。
関連記事:生産性指標とは?算出手法や種類・向上のための取り組みを解説
営業生産性と営業効率化の違い
「生産性向上」との類似のワードとして、よく目にするのが「効率化」です。
似た意味ではありますが、両者は区別可能です。
「営業効率化」とは、業務における無駄な時間を削り、より効率的に業務進行を行えるようにすることを指します。
例えば、普段の営業業務を振り返り、不必要な業務を、自動化などによって取り除くことでリソースの無駄を削減することは効率化に当たります。
一方、「営業生産性向上」とは、少ない資源で生産量の増加などを目指すことであり、製品価値を高めることを指します。営業業務で言うと、顧客情報の入力や営業ナレッジの共有の時間効率を早めた結果、今ある営業組織のリソースで今まで以上の数値を達成できた場合、生産性の向上になります。
つまり、営業効率化は営業生産性の向上のための手段であり、効率化自体が目的ではありません。以上の点を区別した上で、施策を考えることも重要です。
営業生産性の向上が重要な理由
「生産性を向上させましょう」というと、「これ以上は無理」「十分に改善している」といった反応をする人(会社)もいますが、果たして本当にそうでしょうか?
公益財団法人 日本生産性本部の調査によると、日本の労働生産性はOECD加盟38ヶ国中で30位とかなり低い状態です。
年間の総労働時間が近しいアメリカ(121,187ドル/1,807万円)と比較してみると、6割程度(74,315ドル/1,108万円)の水準でしかありません。
出典:「労働生産性の国際比較 2023」(公益財団法人 日本生産性本部)
自分はできていると思っていても、まだまだ改善する余地はあるのです。
もっと身近なことに目を向けてみると、ライバル(競合)に勝つにも生産性を高めることが有効です。
年間の労働日数・営業時間は、どの会社もほぼ同じで、商品やサービスにも大きな優位性がない。
つまり多くの企業が労働時間や商品・サービスでは、ライバル企業と「差」をつけることができない状態だと言えます。
抜きん出て売上を上げていくには、時間やコストを効果的に使い、生産性を高めることが必要なのです。
関連記事:日本の生産性が低いのはなぜか?生産性を向上すべき理由と4つの改善策
営業生産性が低下する7つの原因
ここでは、営業生産性が低下する主な原因を7つ紹介します。
営業活動を可視化できていない
営業活動が可視化されていないと、各営業担当者がどのような活動を行っているのかが不明瞭となります。
例えば、営業担当者Aがどの顧客とどのくらいの頻度で接触しているかが分からないため、効果的な指導や支援ができません。
また、営業プロセスのどのフェーズがボトルネックになっているかが可視化されないために、効率よく改善策を打つのも困難でしょう。
結果として、営業活動が非効率的になり、全体の生産性が低下してしまいます。
関連記事:営業プロセスの見える化とは?可視化の3ステップを解説
根拠の乏しい数値目標設定
営業組織の現状や市場動向を理解せず、根拠の乏しい数値目標を立ててしまうと、実現可能性の低い目標数値を追い続けることになります。
目標達成できない状況が続き、目標達成に必要以上の負担がかかる状態が当たり前になると、営業マンのモチベーションは下がってしまいます。
根拠に基づいた適切な目標設定を行い、営業マンが高いモチベーションを保ちながら営業活動を行えるようにすることが大切です。
商談管理が不十分
商談管理ができていないと、商談ごとの優先度を考えることが難しくなります。
結果として、確度の低い商談や単価の見込めない商談に多くのコストを割くことになり、本当に注力するべき商談に本来割くべきリソースが不足してしまうことが考えられます。
また、過去の商談管理ができていないと、顧客から聞いた現状や課題を共有することができず、非効率な商談になる可能性があります。顧客としても、同じ話をしなくてはならない状況では、信頼を損ね、発注確度が下がるでしょう。
関連記事:商談管理のポイント|SFAを使った営業効率化の方法とは?
会議や打ち合わせの目標が不明確
会議や打ち合わせの目標が不明確だと、時間を有効に活用できず、無駄な時間を過ごすことになります。
例えば、定例会議で具体的なアジェンダや目標が設定されていないと、話が脱線し、結論が出ないまま終わってしまうこともありえます。営業部の限られた時間が浪費され、生産性が低下する原因になってしまうでしょう。
関連記事:営業会議とは?効率的な進め方や具体的な議題例を解説
目標達成へのモチベーションが低い
営業メンバーの目標達成へのモチベーションが低いことも、営業生産性が低下する原因の1つです。
モチベーションの高い社員は自発的に業務へ取り組むため営業成績が良く、顧客に対する貢献度も高い傾向があります。
一方モチベーションが低い社員は、高い能力を持っていたとしても、やる気がない発言を繰り返したり、他メンバーの士気を下げるような態度や発言をしたりと、営業生産性に対して悪影響を与えやすくなります。
チームの連携が取れていない
チームの連携が取れていないと、情報共有が滞り、営業生産性の低下につながります。
例えば、メンバーの1人が新しい顧客情報を持っているにもかかわらず、他のチームメンバーと共有しないことで、重複したアプローチや情報不足などの問題が発生してしまうでしょう。
名刺や資料の管理ができていない
名刺や資料の管理ができていないと、重要な顧客情報や提案資料が紛失したり、必要なときに利用できなかったりします。
具体的には、重要な顧客との打ち合わせ前に必要な資料を見つけられず、準備不足の状態で商談に臨んだ結果、提案がうまく伝わらず、契約を逃すなどの問題が想定されます。
営業資料や名刺はツールを用いて管理し、誰でもアクセスしやすいように環境を整えると良いでしょう。
関連記事:営業資料の管理・共有で変わる受注率!資料の種類やセールステックの活用方法
営業生産性を向上させる方法
生産性を向上させるには、大きく分けて2つの方法が考えられます。
業務にかかる時間を短縮する
業務にかかる時間を短縮するには、「質と量を変えずに(落とさずに)、今までよりも少ない時間でやる」か「質と投下時間を変えずに、今までよりも仕事の処理量を増やす」の2種類があります。
たとえば、提案書の作成に2時間かけていたのを1時間に短縮したり、1時間で20件しかテレアポできなかったのを30件できるようになれば、空いた時間をほかの業務に当てたり、残業をしなくて済むようになります。
意味のある仕事をする
Salesforceが調査した「ある営業マンの1日」によると、データ入力やカレンダー処理、アカウント管理など、営業以外の仕事に費やしている時間は全体の64%を占めるそうです。
ですが、注力すべきなのは顧客との接点をつくることや、実際に会うといった営業本来の業務です。
そのためには、PDCAをしっかりと回して、営業以外の仕事の中で効果のない仕事を捨てる、もしくは減らす必要があります。
生産性を向上させるための方向性はおわかりいただけましたでしょうか。
営業生産性向上に必要な4つの施策例
それでは次項から生産性向上に必要な4つの施策の具体例を紹介します。
1. 自分の時間を管理する
経営の神様ともいわれるドラッカーは、著書『経営者の条件』の中で「生産性を上げて成果を出すために”身につけておくべき習慣的な能力“」として5つの事柄を挙げています。
その中の一番目の教えでは「私の観察では、成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。」と言っています。
つまり、まずは「自分の時間が何に取られているかを知ることから始めるべき」なのです。
すべての仕事を全力で時間をかけて取り組んでいては、いくら時間があっても足りません。
だからこそ、何に時間を使っているのかを知り、さらにそこから、成果に繋がる効果の高い仕事だけを抽出することが重要です。
方法は、以下のステップを試してみてください。
▼STEP.1:業務+業務にかかった時間をメモする
スケジュール帳やパソコン・スマホのカレンダー機能を使うと、時間の把握がしやすいです。
▼STEP.2:1週間後、効果検証をする
業務がKPI(アポ数や顧客訪問数、売上)にどれだけ貢献したのかを検証します。
▼STEP.3:検証結果をもとに仕事を振り分ける
効果のあった仕事と効果のなかった仕事に振り分け、翌週からは効果のあった仕事のみを行います。
なお、STEP.2とSTEP.3を繰り返し行うことによって、効果の高い仕事だけが残り、限られた時間の中で成果(=売上)に繋げることができるようになります。
関連記事:タイムマネジメントのコツとは?用途別ツールとフレームワーク紹介
2. 同僚から見習う
剣道や茶道の修行では、「守破離(しゅはり)」という段階を踏んでいきます。
まずは師の教えや型を忠実に身につけ、次に他のいいものも取り入れ発展させ、最後にやっと自分独自の新しいものが生み出せるようになる。つまり、いきなり自分だけの力でやろうとするのは難しいということです。
営業の仕事も同様です。
生産性の高い仕事ができている先輩や同僚の資料や見積もり、案件の管理方法などを見習って、自分も同じようにやってみる。もちろん、誰か一人に限定する必要はありません。
色々な人のすごいところを、いいとこ取りしていくイメージでやってみてください。
また、こうした知識やノウハウをみんなで共有することで、組織全体の生産性も改善させることができます。
関連記事:情報共有の方法とは?社内における効率的な仕組みの作り方
3. ツールを導入する
案件を管理するのに、ExcelやTrelloのようなプロジェクト管理ツール(誰が、いつ、何をするかを管理できるツール)を使っているところも多いでしょう。
使い勝手がいい、可視化できるなど、それぞれメリットはありますが、どのツールも「入力作業に(精神的なものも含めた)時間や負担がかかる」などのデメリットがあります。
プロジェクト管理ツールのデメリットを解消できるのが、SFA(Sales Force Automation:営業支援システム、営業支援ツール)です。
▶︎▶︎営業効率が劇的に向上する!SFA/CRMの基本機能や導入メリットを知りたい方はこちら
顧客や案件の進捗など営業に関する情報を記録、管理できるツールで、報告作業などがなくなり、入力負荷を軽減させることができます。
マネジメントツールとしてはもちろん、ナレッジの共有や分析など、さまざまなメリットのあるSFAですが、使いこなさなければ無用の長物になってしまいます。
使いこなせなくなってしまう原因としては、入力が項目が多いことや、操作性が悪い、何の役に立つかがわかりにくい、機能が複雑すぎる、といったことが考えられます。
SFAを効率よく使いこなすためには、事前に現場の営業担当者にヒアリングをした上で、以下のポイントをSFAの選び方の指標としましょう。
- シンプルな機能
- スムーズな操作ができる
- 入力が自動化されている
また、導入後には、どんな効果があるのか、生産性向上に役立つのか、などの説明もしっかりと行うことで、「やらされてる感」を減らすことができます。
SFA(営業支援ツール)に関する記事はこちら:
SFAの導入成功事例
一正蒲鉾株式会社 ✕ Mazrica Sales
同社では、営業の情報共有の仕組みに課題がありました。
「弊社では各部署の目的や困りごとに対して、情報システム課が一つ一つ個別にシステムを内製し、複雑な情報管理を行っていました。
営業領域では商談日報の管理システム以外にも営業関連の多数のシステムが存在しています。システム一つひとつに情報を入力したり、情報集約のため報告資料を作る等、事務作業に時間を割かれる状況が続いていたのです。」
以上の課題を解決するために、シンプルで入力のしやすい「Mazrica Sales」の導入を決定。
導入後の変化については、以下の通りです。
「Mazrica Salesで案件の進捗をリアルタイムで報告するとともに、失注リスクも日々共有し合い、案件に応じて営業担当と営業推進とで打ち合わせを行ってきました。さらにMazrica Salesの機能を活用して商談の提案資料の共有を行うなど、全国の営業所間のコミュニケーションも生まれました。
結果、導入からの半年間で、既存顧客への営業活動における商品の採用率がおおよそ2倍にまで伸びた成果があがり、現在も効果を継続できています。」
このように、SFA/CRMの導入により、複雑な情報管理を排除し、営業組織の生産性向上を図ることが可能になります。
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4. 営業プロセスの改善をする
顧客リスト獲得から、アプローチ、提案、交渉、見積り価格の提示、クロージング、アフターフォローに至るプロセスのすべてを洗い出し、そこから課題を見つけ、改善策を講じていきます。
外部のコンサルタントを活用すると、社内では気づかなかった課題や問題点が見つかりやすいため有効です。
営業ノウハウや進捗状況を一元的に管理できることで無駄な作業時間を減らせるメリットがある一方、やり方に慣れるまでに時間がかかってしまうことがデメリットになる可能性があります。
関連記事:営業プロセスとは?見える化の効果と営業力強化のポイント
プロセス改善の導入成功事例
国分グループ ✕ G Suite
国分は、グループ企業41社、従業員約5,000名が在籍する、食品の総合問屋です。
2012年当時はオンプレミス型の電子メールを使用していましたが、3日経過すると自動的にメールが消えてしまうため社員が各自で保存するしかない、カレンダー機能で会議を予約しても、手動でメールを送らなければいけないといった工数が発生していました。
Gmailが世界標準であることと、世界最速の検索機能を装備しコストパフォーマンスにも優れていることが決め手となり、G Suteを導入。
資料を複数人数が同時に確認・更新できることで無駄な待ち時間を削減できたことで、営業力の強化とスピード経営という目標に大きく一歩、近づくことができたそうです。
まとめ|営業生産性の向上で効率的に成果を上げよう
どうして生産性を向上させるべきなのか、そして、向上させる方法について説明させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
4つの方法のうち、2つ〜3つを組み合わせることで効果が出やすくなりますので、ぜひSFA/CRMなどのツール導入も検討してみてください。
Mazrica Salesサービス紹介資料
Mazrica Salesは「現場の定着」にもっともフォーカスした営業支援ツール(SFA/CRM)です。Mazrica Salesの特徴や機能の詳細についてまとめた概要資料と、実際の画面を確認できるデモ動画をお送りいたします。
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