この記事は、日々届く営業メールへの対応に悩むビジネスパーソンに向けて、丁寧かつ効果的な「お断りメール」の書き方を解説します。
相手に不快感を与えず、将来の良好な関係性を維持するための具体的なポイントを3つに絞って紹介します。
また、様々な状況ですぐに使えるお断りメールの例文集や、避けるべきNGな対応例も詳しく説明します。
スマートな断りの作法を身につけ、自社の品位を守りましょう。
この記事の内容
なぜ丁寧なお断りメールが重要なのか
そもそも、なぜ一件の営業メールに対して、わざわざ丁寧に断る必要があるのでしょうか。
その理由は、ビジネスの世界が「人」と「人」の繋がりで成り立っているからです。
今日断った相手が、明日の重要なパートナーになる可能性はゼロではありません。
雑な断り方は、相手の心象を損なうだけでなく、「あの会社は対応が悪い」というネガティブな評判に繋がるリスクを孕んでいます。
逆に、断る際にも敬意と配慮を示すことで、「しっかりした会社だ」という信頼感を残すことができます。
誠実なコミュニケーションは、たとえ取引に至らなくとも、長期的な視点で見れば自社にとって無形の資産となるのです。
関連記事:営業パーソンが行うべき正しい努力とは?最新の営業スタイルを解説
営業お断りメール作成の3つの基本ポイント
相手に好印象を残しつつ、明確に断るためには、いくつかの重要なポイントがあります。
ここでは、最も重要な3つの原則を紹介します。
①迅速かつ簡潔に伝える
興味がないからといって返信を先延ばしにするのは、相手の時間を奪う行為であり、最も避けたい対応です。
検討の結果、見送るという結論が出たのであれば、できるだけ早く返信するのがマナーです。
メールの本文も、長々と書く必要はありません。
まず冒頭で提案への感謝を述べ、続けて「今回は見送らせていただく」という結論を簡潔に伝えます。
相手も多くの企業にアプローチしているため、分かりやすい結論を求めています。
②感謝と敬意を忘れない
断りのメールで最も重要なのが、提案に対する感謝の気持ちを示すことです。
相手は、自社のために時間と労力をかけて情報を集め、メールを作成してくれています。
その行為自体に敬意を払いましょう。
「この度は、〇〇に関するご提案をいただき、誠にありがとうございます。」
この一文があるだけで、メール全体の印象は劇的に和らぎます。
断るというネガティブな内容を伝えるからこそ、ポジティブな言葉から始める配慮が不可欠です。
③断る理由は明確・簡潔に
「今回は見送ります」という結論だけでもメールは成立しますが、差し支えない範囲で理由を添えると、より丁寧で誠実な印象を与えます。
「予算の都合上」「弊社では既に同様のサービスを導入しており」といった簡潔な理由を伝えることで、相手も納得しやすくなり、その後の不要なアプローチを防ぐ効果も期待できます。
ただし、あまりに詳細な内部事情を説明したり、相手の提案内容を批評したりする必要はありません。
あくまで簡潔に、事実を伝えるに留めるのがスマートな対応です。
【状況別】営業お断りメールの例文集
ここでは、様々な状況を想定した、コピー&ペーストして使えるお断りメールの例文を4パターン紹介します。
件名は、相手が送ってきたメールに「Re:」を付けた形で返信するのを基本としますが、分かりやすいように内容を追記しても良いでしょう。
例文1:シンプルに断る基本のテンプレート
件名:Re: 〇〇サービスのご提案につきまして
本文:
株式会社△△
営業部 鈴木様
いつもお世話になっております。
株式会社〇〇の佐藤です。
この度は、「〇〇サービス」に関するご提案をいただき、誠にありがとうございました。
社内で慎重に検討を重ねました結果、誠に恐縮ながら、今回は導入を見送らせていただくことになりました。
ご期待に沿えず大変申し訳ございませんが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
末筆ではございますが、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
例文2:予算や条件が合わない場合
件名:Re: 〇〇システムのお見積もりにつきまして
本文:
株式会社△△
営業部 鈴木様
お世話になっております。
株式会社〇〇の佐藤です。
先日は、「〇〇システム」に関する詳細なご提案とお見積もりを賜り、厚く御礼申し上げます。
魅力的なご提案ではございましたが、社内で検討いたしましたところ、誠に残念ながら今回は予算の都合上、導入を見送るという結論に至りました。
ご期待に沿えず大変心苦しい限りですが、ご理解いただけますと幸いです。
今後また機会がございましたら、その節はどうぞよろしくお願い申し上げます。
例文3:既に他社サービスを利用している場合
件名:Re: 新規テレマーケティングのご案内
本文:
株式会社△△
営業部 鈴木様
お世話になっております。
株式会社〇〇の佐藤です。
この度は、テレマーケティングに関するご案内をいただき、誠にありがとうございます。
誠に恐縮ですが、同種のサービスにつきましては、現在他の企業様と契約しており、現状でのリプレイスは検討しておりません。
つきましては、大変申し訳ございませんが、今回は見送らせていただきたく存じます。
また別の機会がございましたら、ぜひお力添えいただけますと幸いです。
例文4:将来的な可能性を残したい場合
件名:Re: クラウドストレージサービスのご提案
本文:
株式会社△△
営業部 鈴木様
お世話になっております。
株式会社〇〇の佐藤です。
この度は、「クラウドストレージサービス」に関する大変興味深いご提案をいただき、誠にありがとうございました。
社内で検討いたしました結果、現時点での導入は時期尚早との結論に至り、今回は見送らせていただくことになりました。
しかしながら、貴社サービスの〇〇といった特徴には、大変魅力を感じております。
今後、弊社で同様のニーズが発生した際には、ぜひ改めてお声がけさせていただけますと幸いです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
NGな営業お断りメールの例
良かれと思ってやった対応が、かえって相手に悪印象を与えてしまうこともあります。
ここでは、絶対に避けるべきNGな対応を3つ紹介します。
NG例1:返信しない(無視する)
最も不誠実な対応が、メールを無視することです。相手は返信を待っているかもしれませんし、その時間は相手にとってコストです。
社会人としての最低限のマナーとして、検討の結果不要であれば、その旨をきちんと伝えるべきです。
NG例2:曖昧で期待を持たせる表現
断るのが心苦しいからといって、「前向きに検討させていただきます」といった曖昧な表現でその場を濁し、結果的に放置するのはNGです。
相手に無駄な期待を抱かせ、かえって時間を浪費させてしまいます。
断るときは、丁寧な言葉遣いの中にも、明確な「No」の意思を示すことが重要です。
NG例3:感情的・高圧的な表現
「何度も送ってこないでください」「一切興味ありません」といった、冷たく突き放すような表現は、自社の品位を著しく損ないます。
たとえ相手の営業がしつこいと感じたとしても、あくまでビジネスの場として冷静かつ丁寧に対応することを心がけましょう。
どうしても営業を止めてほしい場合は、「今後のご案内は不要です」と丁重に伝えれば十分です。
まとめ
営業お断りメールは、自社の品位を示し、相手への敬意を払い、未来のあらゆる可能性を閉ざさないための、高度なコミュニケーションです。
迅速・簡潔な対応、感謝と敬意の表明、そして明確な意思表示。この3つのポイントを心に留め、誠意ある断りの作法を身につけること。
それが、巡り巡ってあなたの会社への信頼となり、長期的なビジネスの成功に繋がっていくはずです。
日々の小さなメール対応こそ、ビジネスパーソンとしての真価が問われる場面なのかもしれません。

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