この記事では、多くの営業担当者が悩む「営業メールの返信率」を向上させるための具体的な方法を解説します。
営業メールが読まれない原因分析から、件名の作り方や本文の構成、相手の心を動かす一言まで、明日から実践できる7つのポイントを解説します。

また、すぐに使える例文も紹介します。営業メールの返信率低下に悩んでいる方は、ぜひ読んでみてください。

営業メールの平均返信率とは

本題に入る前に、まずは営業メールの平均返信率について触れます。
様々な調査機関のデータがありますが、一般的に、面識のない相手に送る新規開拓の営業メール(コールドメール)の平均返信率は1%未満と言われています。

これは、100通送って、ようやく1通返信が来るかどうかという非常に低い確率です。つまり、営業メールの99%は、開封すらされずにゴミ箱へ直行しているか、読まれても無視されています。
しかし、これはあくまで平均値の話です。

これから紹介する方法を実践すれば、この数値を5%、10%、あるいはそれ以上に引き上げることは十分に可能です。
その他大勢の「読まれないメール」から抜け出し、「返信が来るメール」を送る側へと回りましょう。

関連記事:メールマーケティングとは?メルマガとの違いや実施のための5つのステップ

営業メールに返信がない4つの原因

返信率を上げる方法を学ぶ前に、まずは「なぜ返信が来ないのか」という原因を理解することが重要です。
読まれないメールには、共通する4つの欠陥があります。

件名が魅力的でない(開封されない)

相手が最初に目にするのは件名です。ここに「自分ごと」と感じる要素がなければ、メールは開封すらされません。
「〇〇のご案内」「新サービスのご提案」といった自分本位の件名は、広告メールと判断され、即座に読み飛ばされてしまいます。

誰にでも送れる内容(自分ごと化されていない)

メールを開いても、冒頭が「突然のご連絡失礼いたします」で始まり、誰にでも送れるような定型文が続けば、相手はすぐに読むのをやめてしまいます。
なぜ「自分に」送ってきたのか、その理由が明確でなければ、相手の心は動きません。

メリットが分からない(読む価値がない)

延々と自社製品の機能や特徴を説明されても、相手は退屈するだけです。
「このメールを読むことで、自分にどんな良いことがあるのか?」というメリットが瞬時に伝わらなければ、そのメールに時間を割く価値はないと判断されます。

何をすればいいか不明確(行動を促していない)

メールの最後に「ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます」とだけ書かれていても、相手はどうしていいか分かりません。
具体的な次のアクションが示されていなければ、返信する意欲も湧かず、そのまま忘れ去られてしまいます。

返信率を上げる営業メール作成の7つのポイント
それでは、いよいよ返信率を上げるための具体的な方法を見ていきましょう。
これら7つのポイントを意識するだけで、あなたの営業メールは劇的に変わります。

関連記事:メール開封率が高い曜日を狙え!統計データから考えるアウトバウンド施策の改善方法

①件名で「自分ごと」だと気づかせる

件名の目的は、開封してもらうこと、ただ一つです。そのためには、「これは私に関係があるメールだ」と相手に一瞬で認識させる必要があります。

(悪い例)
× 新サービス「〇〇」のご提案
(良い例)
◎ 【株式会社△△ 〇〇様へ】貴社のメディア運営を加速させる〇〇のご提案
◎ 〇〇様のプレスリリースを拝見し、ご連絡いたしました(株式会社□□ 佐藤)

相手の会社名や氏名を入れる、相手のアクション(プレスリリース、記事掲載など)に言及するなど、パーソナライズされた件名は、その他大勢のメールの中で際立ちます。

②最初の1文で心を掴む

定型的な挨拶は不要です。メールを開いた最初の1文で、「なぜ私があなたに連絡したのか」という理由を明確に伝え、相手の関心を引きつけましょう。

(悪い例)
× 突然のご連絡失礼いたします。私、株式会社□□の佐藤と申します。

(良い例)
◎ 貴社の〇月〇日付のプレスリリース「△△の開始」を拝見し、その革新的な取り組みに感銘を受け、ご連絡いたしました。
◎ 先日の〇〇展示会で、貴社ブースにお伺いした株式会社□□の佐藤です。

「リサーチした上で連絡している」という事実が伝わることで、相手は「自分のことを分かってくれている」と感じ、続きを読む気になります。

③「あなた」を主語にメリットを語る

営業メールで語るべきは、自社の製品がいかに素晴らしいか(We)ではなく、その製品を使うことで相手がどうなれるか(You)です。
徹底的に相手を主語にして、得られるメリット(ベネフィット)を伝えましょう。

(悪い例)
× 弊社のツールはAIを搭載しており、高機能です。

(良い例)
◎ 貴社が現在〇〇でお困りの課題を、弊社のツールで解決することで、月間の作業時間を50%削減できます。

具体的な数字を交えて未来を想像させることができれば、相手の関心はさらに高まります。

④相手を徹底的にリサーチする

高い返信率のメールは、送る前に相手企業を徹底的にリサーチできています。
ウェブサイト、中期経営計画、プレスリリース、SNS、経営者のインタビュー記事など、読み込める情報は全て読み込みましょう。
リサーチで得た情報こそが、メールをパーソナライズするための材料となります。

⑤本文はスマホで読める長さに

現代のビジネスパーソンは、移動中などにスマートフォンでメールをチェックすることがほとんどです。
スクロールが何度も必要な長文メールは、それだけで読む気を失わせます。

伝えたい要点は3つ以内に絞り、30秒~1分程度で読み終えられる簡潔さを心がけましょう。適度な改行や箇条書きを使い、視覚的な読みやすさを意識することも重要です。

⑥行動を促す「CTA」を明確にする

CTAとは「Call to Action(行動喚起)」の略で、相手に取ってほしい行動を具体的に示すことです。メールの最後は、このCTAで締めくくります。

(悪い例)
× ご興味がございましたら、お気軽にご連絡ください。

(良い例)
◎ もし少しでもご興味をお持ちいただけましたら、より詳しいご説明のため、15分ほどお電話でお話しさせていただくことは可能でしょうか。
◎ つきましては、来週の下記日程のうち、ご都合の良い時間帯をお教えいただけますと幸いです。
・〇月〇日(月) 13:00~15:00
・〇月△日(火) 16:00~18:00

相手が「Yes/No」で答えられる、あるいは選ぶだけの状態を作ることで、返信へのハードルを劇的に下げることができます。

⑦パーソナライズされた追伸で差をつける

メールの最後に添える「P.S.(追伸)」は、人間味を出し、相手の記憶に残るための強力な武器です。

(良い例)
◎ P.S. 〇〇様のブログ記事で紹介されていたご趣味の登山、私も大好きで、先日は八ヶ岳に登ってきました。いつか山のお話も伺えたら嬉しいです。

ビジネスとは直接関係のない、リサーチで得た個人的な共感ポイントに触れることで、相手との心理的な距離を縮めることができます。

関連記事:パーソナライズとは?意味やマーケティング事例を紹介

【コピペで使える】高返信率を狙う営業メールの例文

これまで解説した秘訣を盛り込み、実践的なメール例文を2つ紹介します。

相手のプレスリリースを起点にしたメール

件名:【株式会社△△ 〇〇様】貴社のプレスリリースを拝見し、ぜひお力添えしたくご連絡いたしました
本文:
株式会社△△
マーケティング部 部長 〇〇様

はじめまして。
株式会社□□にて、コンテンツマーケティング支援を担当しております、佐藤と申します。
この度、貴社が発表された新サービス「Wonderful」に関するプレスリリースを拝見し、
その画期的なコンセプトと、ターゲット層への深いインサイトに大変感銘を受けました。
リリース記事の中で、「今後はWebコンテンツを通じて、より幅広い層へ認知を拡大していきたい」と述べられていたかと存じます。
まさにその領域で、私たちが貴社のお力になれるのではないかと考え、ご連絡いたしました。

私たちは、貴社と同じBtoC領域のスタートアップ企業様を中心に、これまで50社以上のオウンドメディア立ち上げ・グロースをご支援してまいりました。
もし弊社のノウハウをご活用いただければ、貴社の「Wonderful」の認知拡大を、現在の2倍のスピードで加速させることが可能です。

つきましては、一度オンラインにて15分ほど、私たちの支援事例や、貴社に特化した認知拡大の具体的なプランについてお話しさせていただく機会をいただくことはできませんでしょうか。
来週でしたら、下記の日程で調整が可能でございます。
・8月19日(火) 14:00~16:00
・8月21日(木) 11:00~13:00
上記以外でも、〇〇様のご都合の良い日時をいくつかお教えいただけますと幸いです。

P.S. 〇〇様が先日登壇されたセミナー「マーケティングの未来」、現地で拝聴しておりました。
特に「共感の連鎖」というお話が心に残っております。
お忙しいところ恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。

業界のトレンドや課題を起点にしたメール

件名:【株式会社△△ 〇〇様】「物流DX」の課題について、ご意見を伺いたくご連絡いたしました

本文:
株式会社△△
物流管理部 部長 〇〇様

はじめまして。
株式会社□□にて、物流・サプライチェーンのコンサルティングを担当しております、佐藤と申します。

物流業界の現状について調査する中で、貴社の「〇〇における物流最適化への取り組み」に関する記事を拝見し、貴社が業界の課題に積極的に向き合われている姿勢に感銘を受けました。

現在、物流業界では「ドライバーの労働時間規制」や「燃料価格の高騰」といった課題が深刻化しており、多くの企業が抜本的な対策を迫られています。

これらの課題を解決する手段として「物流DX」が注目されていますが、その導入には多くの企業がコスト面やシステムの複雑さでつまずいているという調査結果があります。

私たちは、そのような物流DXにおける課題解決を専門としており、これまで複数の大手メーカー様と共同で、コストを抑えつつスムーズなシステム移行を実現するプロジェクトを成功させてまいりました。

もし弊社のノウハウをご活用いただければ、貴社の物流DXを成功させ、コスト削減と効率化を両立できると確信しております。

つきましては、一度オンラインにて15分ほど、私たちがどのように課題を解決してきたか、具体的な事例をご紹介させていただけないでしょうか。

来週でしたら、下記の日程で調整が可能でございます。
・8月19日(火) 14:00~16:00
・8月21日(木) 11:00~13:00

上記以外でも、〇〇様のご都合の良い日時をいくつかお教えいただけますと幸いです。

お忙しいところ恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。

まとめ

営業メールは、「数打てば当たる」の時代から、一通一通の「質」で勝負する時代へとシフトしました。その他大勢から送られてくるテンプレートメールでは効果を発揮しません。

返信率向上の鍵は、相手への徹底的なリサーチと、そこから生まれる敬意に尽きます。
あなたがどれだけ相手のことを考え、相手の成功を願い、そのために自分の時間を費やしてメールを書いたか。その「想い」は、必ず文面に表れ、相手に伝わります。

今回ご紹介した7つのポイントを武器に、作業としてのメール送信から卒業し、価値あるコミュニケーションとしてのメール作成へと進化させていきましょう。

「顧客の声」が語る SFA/CRMの導入・活用が 営業組織に与える効果とは?

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Mazrica Business Lab. 編集部
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Mazrica Business Lab.はクラウドアプリケーションMazricaの開発・提供を展開する株式会社マツリカが運営するオウンドメディアです。営業・マーケティングに関するノウハウを中心に、ビジネスに関するお役立ち情報を発信しています。

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