営業活動において企画書や提案書は、商談を前に進めるための重要なツールです。しかし、「どのように構成すれば伝わるのか」「相手に響く提案内容になっているか」といった点に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
企画書や提案書において、ただ情報を並べただけでは相手の心には届かず、相手の課題を的確に捉え、解決策を明確に示す“刺さる企画書”が求められます。
本記事では、営業企画書・提案書の基本から作成手順、成果につなげるコツまでをわかりやすく解説します。
また、効率的な資料作成を支援するおすすめツールについてもご紹介しますので、実務にすぐ役立てられる内容となっています。
企画書や提案書の質を高め、営業成果を最大化したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の内容
営業企画書・提案書とは
営業企画書・提案書とは、顧客に対して自社の商品やサービスを提案する際に、その価値や導入効果を伝えるための資料です。商談の中で口頭では伝えきれない情報を整理し提案の根拠を明確に示すことで、相手の理解と納得を得やすくなります。
また、法人営業では社内外の複数の関係者が提案内容を確認するため、論理的かつ説得力のある構成が不可欠です。営業の成功確率を高めるためにも、戦略的に設計された企画書・提案書の作成が重要だといえるでしょう。
営業企画書・提案書の作り方
企画書・提案書の作成では、フレームワークや押さえるべきポイントが存在します。
ここでは具体的にどのようなフレームワークやポイントがあるのか、代表的な3つを解説します。
FABE分析を行う
営業企画書や提案書を効果的に構成するためには、最初に「FABE分析」を行うことが有効です。
FABE分析とは、以下の4つの視点で自社の商品・サービスを整理するフレームワークです。
- Feature:企画の特徴。製品やサービスの具体的な仕様・機能
- Advantage:企画の優位性。他社と比較した際の強み
- Benefit:企画による便益。顧客が得られるメリット
- Evidence:企画を裏付ける証拠。実績やデータなどの裏付け
FABE分析を使うことで、単なる機能紹介にとどまらず「なぜそれが顧客にとって価値があるのか」を論理的に伝えることができます。
たとえば、ある業務効率化ツールを提案する際「操作が簡単(Feature)」という特徴をはじめに説明し、「導入教育の手間が少ない(Advantage)」という優位性と「業務時間を30%短縮できる(Benefit)」という便益を「導入企業での成果データ(Evidence)」とともに提示することで、提案に説得力が生まれます。
提案の軸がぶれないようにするためにも企画書作成の前段階でFABE分析を行い、情報を整理しておくことが成功への第一歩です。
論理構成を組み立てる
営業企画書や提案書では伝える内容だけでなく「どの順序で伝えるか」も非常に重要です。
優れた内容であっても資料の構成がバラバラでは相手に伝わりにくく、説得力も半減してしまいます。
構成の最適化には「論理構成」が有効です。
代表的な構成としては、以下のような流れが有効です。
- 課題提起(現状の問題やニーズの明示)
- 提案内容(自社の製品・サービスの紹介)
- 導入メリット(顧客にもたらす効果やベネフィット)
- 根拠・実績(数値データや事例などの裏付け)
- 導入ステップ・費用(導入プロセスやコストの明示)
読み手の理解を助ける順序で情報を整理することで、相手の納得感が高まり、意思決定に繋がりやすくなります。
特にBtoB営業では複数のステークホルダーが関与するため、誰が読んでも一貫してわかりやすい論理展開を意識することがポイントです。
ドキュメンテーション
論理構成が整ったら実際に提案書として文書を作成する「ドキュメンテーション」に進みます。ドキュメンテーションでは読み手にとって分かりやすく、読み進めやすい資料をつくることが重要です。
たとえば、FABE分析の「Feature:企画の特徴」を単なる特徴説明ではなく「貴社の〜という課題に対して、弊社サービスの○○機能が有効です」といった相手視点で書かれた資料は、より高い共感と納得を得やすくなります。
提案書は、内容だけでなく“伝え方”でも差がつきます。誰が読んでも理解しやすく、魅力的に感じてもらえるよう、丁寧なドキュメンテーションを心がけましょう。
営業企画書・提案書を作る時のコツ
営業企画書や提案書は、構成や見た目だけではなく「読み手にどのように受け取られるか」という視点が成果を左右します。提案の本質が正しく伝わるためには、いくつかの重要なポイントを意識しておく必要があります。ここでは、特に重視すべき2つのコツを解説します。
顧客ニーズを捉えられているか
企画書・提案書で最も大切なのは、提案が顧客の課題に的確に応えているかどうかです。自社の製品やサービスを一方的に説明するのではなく、まずは顧客の状況やニーズを深く理解し、それを資料内で的確に表現することが求められます。
たとえば、「営業活動が属人化しており、成果にばらつきが生じている」といった課題を明示したうえで、その解決策としての提案内容を提示する構成が効果的です。読み手が「自社の状況を理解してくれている」と感じられることが、信頼と納得感につながります。
関連記事:企画営業とは?営業企画との違いや成果を出すためのポイントを解説
ページの目的が明確か
もう一点意識したいのは、各ページに明確な目的があるかどうかです。1ページに複数のメッセージが混在していると、主張がぼやけてしまい、読み手の理解を妨げる要因となります。
「現状の課題を伝える」「提案の全体像を示す」「導入効果を数値で示す」など、各ページの役割を明確に設定し、それに沿って内容を構成することで、資料全体に一貫性が生まれます。また、タイトルやリード文で主旨を明示することで、読み手にとってもスムーズに理解できる構成となります。
営業企画書・提案書に入れるべき項目
企画書・提案書では内容に過不足がないよう、基本的な構成要素を押さえておく必要があります。主に以下の4つのブロックに整理して構成すると、読み手にもわかりやすく、スムーズな理解につながります。
1.提案の概要と背景
表紙や提案タイトルに加え、提案の目的・背景を簡潔に記載します。誰に、なぜ、どのような提案を行うのかを最初に明示することで、提案書全体の意図が伝わりやすくなります。
2. 提案内容と詳細
提供する商品・サービスの内容、活用イメージ、導入方法などをまとめます。特徴の列挙にとどまらず、「どう課題を解決できるか」という視点を中心に構成すると、読み手の納得感が高まります。
3. 効果・費用・導入体制
導入によって得られる成果、想定される費用、スケジュールやサポート体制を記載します。数字や実績に基づく根拠があると、提案の信頼性が向上します。
4. クロージング
提案の要点を簡潔に振り返り、次のアクション(検討依頼、面談設定など)への導線を明確にします。
このように大項目ごとに情報を整理して構成することで、読み手が内容を素早く把握でき、企画書の説得力が一層高まります。
関連記事:クロージングとは?営業の成果を上げるコツ・テクニック14選
営業企画書・提案書の作成におすすめのツール
営業企画書・提案書の作成において、手作業だけで毎回一から資料を整えるのは非効率です。特に、提案内容が複雑化しやすいBtoB営業では、業務の属人化や情報の分断によって資料品質にばらつきが出るケースも少なくありません。
そこで注目されているのが、営業支援ツール(SFA)の活用です。
SFA(Sales Force Automation)とは、営業活動に関わる情報を一元管理・自動化するシステムで、顧客管理や案件進捗、提案履歴などの営業ナレッジを可視化できるのが特長です。蓄積された情報をもとに、顧客ニーズに即した提案書をスピーディかつ精度高く作成できる点が、大きなメリットといえます。
たとえばMazrica Salesでは、以下のような活用が可能です。
- 過去の提案書や成功事例をチームで共有し、資料作成のベースとして活用
- 顧客ごとの課題や興味関心を可視化し、提案内容に反映
- 提案プロセス全体を一元管理し、抜け漏れなく資料を整備
このように、ツールを活用することで、「誰でも一定品質の提案書を短時間で作成できる」環境が整います。資料作成そのものの工数を削減しながら、提案の質を高められる点で、SFAの導入は非常に有効です。
SFAとは何なのか?
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まとめ
営業企画書・提案書は、単なる説明資料ではなく、顧客との信頼構築や意思決定を促すための「営業戦略の一部」として機能します。構成や表現を工夫することで、同じ提案内容でも相手の受け止め方は大きく変わります。
営業ナレッジを活かして提案精度を高めたい企業には、SFAの導入が非常に有効です。営業情報を一元化し、属人化を防ぐことで、資料作成の質とスピードの両方を高めることができます。
まずは、SFAの基本から活用方法までを5分で把握できる資料をご活用ください。
自社に最適な営業支援のあり方を見つけるヒントが得られるはずです。

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