デジタルマーケティング担当者の中には、WEBサイトにタグを設置して効果測定や分析を行っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、複数のタグを設置すると管理が大変になるだけでなく、WEBサイトが重くなってしまうというデメリットも。
そんな時に導入したいのがタグマネジメントツールです。
タグマネジメントツールを使えば、タグの管理が簡単になるだけでなく、WEBサイトを安定させるなどメリットが沢山あります。
今回はタグマネジメントの基礎知識や運用方法、タグマネジメントツールを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
タグマネジメントとは?
インターネットが普及した現代では、WEBサイトは営業ツール・集客ツールとして効果的に活躍してくれるものとなっています。
自社のWEBサイトへの訪問者を分析したり、閲覧されたページを分析したりすることは、もはやデジタルマーケティング担当者にとっては基礎中の基礎。
その分析のために、WEBサイトにアクセス解析ツールや広告の効果測定ツールなどの機能を組み込む必要がありますが、具体的にはhtmlやJavaScript形式のコード(タグ)を埋め込みます。
このようなWEBサイトに埋め込まれているさまざまなタグを一括管理することを「タグマネジメント」と言い、タグマネジメントを実行するためのツールをタグマネジメントツール=タグマネージャーと言います。
近年、デジタルマーケティングが主流となっているとなっているビジネスの世界では、タグマネジメントを活用してデジタルマーケティングを促進していく必要があるのです。
尚、タグマネジメントをする際に必要な「アクセス解析」については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:アクセス解析とは?目的・指標・手順とおすすめツール9選
タグマネジメントのメリットとは?
タグマネジメントを行うメリットは大きく以下の3つが考えられます。
それぞれ見ていきましょう。
・タグの設置・修正・削除が簡単になる
WEBサイトによってはページが数百、数千になっているものもあります。
その一つひとつのページに複数のタグを設置したり修正したりするとなると、膨大なリソースがかかってしまいますよね。
しかし、タグマネジメントツールを導入していれば、新しくタグを全ページに設置する場合や、修正や削除の必要がある場合でも、リソースをかけずに実行することが可能です。
・タグを実行する条件を設定できる
「AのページからBのページへ移動したユーザーに対してのみ、Cの広告を表示する」というように、ユーザーのサイト内行動や滞在時間、流入元などに合わせて実行するタグを設置することが可能です。
広告やコンバージョンのタグを実行する条件を設定することで、戦略的なデジタルマーケティングが可能になり、更に詳細なユーザー分析にも役立ちます。
・安定したWEBサイト運用ができる
複数のタグを大量に組み込んだWEBサイトは、それぞれのタグをロードする時間がかかってしまうため表示速度に影響を及ぼしてしまいます。
しかし、タグマネジメントを導入することでHTMLタグを大量に設置する必要がなくなり、安定した表示速度のWEBサイト運営が可能になるのです。
タグマネジメントツールの中には、一部のタグでエラーが生じてもWEBサイト全体の稼働には影響しないように制御してくれる機能が備わっているものもあります。
代表的なタグマネジメントツール
ここでは代表的な5つのタグマネジメントツールを紹介します。
Googleタグマネージャー
「Googleタグマネージャー」はGoogleアナリティクスやGoogle AdWordsなどのGoogleタグ以外のタグにも対応し、あらゆるタグを一括管理できるタグマネジメントツールです。
特定のアクションが起きた場合にのみタグを配信する設定をしたり、タグ同士の順序を整理して確実に実行できるように設定したりできるため、複雑なコードをいちいち設定する必要もありません。
タグの追加や編集は数回のクリック動作のみで完了し、数秒のうちに反映されて公開されるため、タグマネジメント初心者でも安心ですね。
これほどまでに充実した機能を無料で利用できるのも嬉しいポイントです。
【料金】
無料
【URL】
https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/tag-manager/
Yahoo!タグマネージャー
「Yahoo!タグマネージャー」は国内外200以上のタグに対応しており、カタログに掲載されていないタグに関してもカスタムで設置することが可能。
エラー検出機能があるため、万が一タグにエラーが生じてもすぐに対応することができます。
もちろん、WEBサイト上で発生したイベントに応じてタグを動作させることも可能なので、より細かいアプローチが可能になります。
Yahoo!広告を利用中であれば原則無料でサポートを受けられるため、もし使い方が分からなくても安心です。
【料金】
無料
【URL】
https://marketing.yahoo.co.jp/service/tagmanager/
dynamic tag management
Adobeが提供している「dynamic tag management」(DTM)は、Adobe Experience Cloud 製品を契約していれば無料で利用することができるタグマネジメントツールです。
Adobe Analytics やAdobe Target などのAdobe製品の設定の際に使いやすいことが特徴。
タグ実行ルールの設定や、ユーザーをセグメントしてコンテンツを配信する設定など、必要に応じて柔軟な使い方ができます。
設定を保存してすぐに公開するのではなく、間に承認の作業を挟むという公開フローになっているため、新入社員に設定を任せても先輩や上長が確認することができます。
そのため、管理もしやすくなっています。
【料金】
Adobe Experience Cloud 製品契約者であれば無料
【URL】
https://docs.adobe.com/content/help/ja-JP/dtm/using/c-overview.html
TAGエビス
WEBサイトに一つのタグ(ワンタグ)を設置しておくだけで、その後からは複数のタグを一括管理することができる「TAGエビス」。
ワンタグはWEBサイト上に最大10個まで設置でき、一つのワンタグにつき最大20個までのタグを登録可能。
単純計算で最大100個までのタグを設置することができるのです。
「アドエビス」はデジタルマーケティングの分析を一括管理できるツールですが、TAGエビス単体でも利用することが可能です。
【料金】
・TAGエビス単体:月額30,000円(税別)
・アドエビスユーザー価格:月額15,000円(税別)
【URL】
https://www.ebis.ne.jp/function/tag.php
Tealium
全世界で20,000以上のWEBサイトに導入されている「Tealium」は、アクセス解析・広告効果測定・リマーケティング・SNSなどのほかメール配信やCRMなども連携できる統合型のタグマネジメントツール。
タグテンプレートは750以上も用意されており、複数の担当者でタグマネジメントを運用することができます。
Cookieを使用してユーザーの行動をセグメントして表示広告を設定することができるため、詳細なデジタルマーケティング戦略を実行できます。
【料金】
お問い合わせ
【URL】
https://tealium.com/ja/
Googleタグマネージャーを活用したタグの実装方法
実際にGoogleタグマネージャーを使って、WEBサイトにタグを実装する手順について見てみましょう。
1.Googleタグマネージャーにログインする
まずはGoogleタグマネージャーにログインします。
初めての方はアカウント登録の必要があります。
2.コンテナを設定する
Googleタグマネージャーでは「コンテナ」と呼ばれるタグを管理するための枠を作ります。
ひとつのアカウントに対して複数のコンテナを作ることができ、コンテナごとに設定するWEBサイトやタグを変えて管理します。
任意のコンテナ名を付けることができるため、分かりやすいコンテナ名で管理しましょう。
コンテナの使用場所は、WEBサイトに使用する場合は「ウェブ」、モバイルアプリに使用する場合は「iOS」もしくは「Android」、AMPページに使用する場合は「AMP」を選択します。
3.タグをWEBページに埋め込む
コンテナの設定が完了するとGoogleタグマネージャーのタグが発行されるので、表示された通りにWEBサイトに埋め込みましょう。
4.コンテナにタグを追加する
ワークスペースの「新しいタグ」からタグを追加していきます。
「タグの設定」の「タグタイプ」から挿入したいタグを選択し、項目に沿って選択・入力しましょう。
その後、「トリガー」から、タグ実行が発生するための条件を設定します。
全てのページにタグを設置したい場合は「All Pages」を選択します。
5.プレビュー画面で確認する
プレビューモードを起動してからタグマネージャーを埋め込んだWEBページにアクセスすると、Googleタグマネージャーのプレビューモードが表示されます。
「Tags Fired On This Page」に設定済のタグが表示されていれば、タグがきちんと発動していることを意味しています。
6.タグを公開する
プレビューでタグを確認できたら、プレビューモードを終了して「公開」をクリックしましょう。
タグマネジメントツールの選び方・注意するべきこと
タグマネジメントツールは無料/有料のもの、海外製/日本製のものなど、さまざまな製品がありますが、選定の際にどのような点に注意するべきなのでしょうか。
注意すべきポイントをまとめてみました。
・タグの対応数
既に様々なデジタルマーケティングツールを導入している企業では、タグマネジメントツールを導入しても設定するための工数がかかってしまうため、自社が導入しているサービスがタグマネジメントツールのタグテンプレートの中に含まれていると便利です。
テンプレートに含まれていない場合はカスタムで設定する必要があったり、そもそも対応していなかったりする場合もあるため、どのタグに対応しているのか事前に確認しましょう。
・同期処理 or 非同期処理
同期処理とは、設定した複数のタグを上から順番に処理していく作業です。
一方で非同期処理とは、複数のタグを同時に処理するために処理スピードが速いことが特徴。
同期処理はエラーなどで一つのタグが処理できない場合はその後のタグが動かなくなってしまうのに対し、非同期処理の場合は停止タグ以外のタグも正常に処理されます。
・複雑な実行条件でも対応できるかどうか
大半のタグマネジメントツールは、タグを実行するためのトリガーの設定ができますが、実行条件が複雑であればあるほどシステム上での対応も難しくなります。
上級になるとパラメーターの値や変数の設定なども行うようになるため、そのような複雑で詳細な設定にも対応できるツールかどうかもポイントでしょう。
終わりに
現代のマーケティング担当者は必ず覚えておきたいタグマネジメント。
これから更にさまざまな広告ツールや分析ツールが開発されていくことが予想されるため、早いうちからタグマネジメントツールを導入しておきたいですね。
本記事を参考にして、タグマネジメントでデジタルマーケティングを促進していきましょう!
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