現在、人手不足に陥っているという会社は少なくないでしょう。それは、現代日本全体が人手不足に陥っているからなのです。 さらに、営業職にその傾向が顕著であるというデータも。営業パーソンにとって、人手不足は全く他人事ではありません。 この記事では、人手不足の原因・問題点・解決法について解説します。
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人手不足の現状
現代日本は人手不足の状況にあると言っても、いまいちピンとこない方もいるかもしれません。 そこで、実際の人手不足の状態がどうなっているのか、データから読み解いてみたいと思います。
多くの企業が人手不足を実感
まず、感覚としてどれくらいの企業が人手不足を実感しているのか、帝国データバンクの調査によって判明しています。
(https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p191105.pdfより)
2017年から2019年までのデータですが、ほぼ半数の企業が正社員の人手不足を実感しています。
詳しい数字の推移は、49.1%→52.5%→50.1%となっており、いかに多くの人が人手不足を実感しているか分かりますね。
また、不足感を感じる会社の割合は大企業では61.4%、中小企業では47.3%、小規模企業では43.8%となっており大企業の方がより正社員の人手不足を感じているようです。
ちなみに、非正規社員の人手不足感は大企業で33.7%、中小企業で28.1%、小規模企業で29.4%となっておりどの規模でも30%前後の企業に非正規社員の人手不足感があるとのことです。
では、企業が人手不足を感じていることはわかりましたが、実際の求人の件数から人手不足を見てみるとどのような数値が出てくるのでしょうか。
この際に便利なのは、「有効求人倍率」という指標です。
これは、1人に対し、何件の求人があったかを示すものであり、高ければ高いほど人手不足の状況にあることがわかります。
以下の有効求人倍率のグラフを見てください。
(https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/000550673.pdf 厚生労働省HPより)
厚生労働省によると有効求人倍率は10年連続で上がり続けていることが分かります。
最新の2018年には一人に対して1.62人分の求人があったことを示しており、人手不足の深刻さが垣間見えます。
実際に多くの企業が人手不足に陥っているようですね。
関連記事:やる気のない社員が生まれる原因とは?対処法も解説!
最も人手不足な職種は営業職!
エン・ジャパンの調査によると、もっとも人手不足な職種は営業職のようです。
(https://partners.en-japan.com/enquetereport/142より)
複数回答ありで多くの職種の名前が上がっている中、不足している人材の上位3つの職種を用いてグラフを作成しました。
営業職の不足を感じる企業は35%にのぼっており、営業職の人手不足は多くの企業にとって問題であると感じられているようです。
営業パーソンの不足となれば、企業がモノを売ることが滞ることとなるために深刻な問題です。
また、技術系の職種が不足するというのは、2020年問題とも関わりがありそうですね。
人手不足の何が問題なのか
では、人手不足の何が顕著な問題なのでしょうか。人手不足がもたらす問題を解説してみたいと思います。
・人手不足による企業倒産
人手不足が原因で倒産する企業が実際に存在します。
人手不足倒産という言葉があり、これは会社の経営自体には問題がないのに人手が足りないがために仕事を受注できず倒産してしまうことを指します。
そうした企業の数は年々増え続けており、帝国データバンクの調査によると2018年には153件に。
グラフからは人手不足倒産件数が年々増加しており、由々しき問題であることが分かります。
・残業時間の増加
人手が足りない分を少ない人数で賄わなければならないのですから、当然仕事量は莫大なものとなります。
その結果、時間が足りなくなり残業時間の増加が懸念されます。
残業時間が増えれば疲れて社員のパフォーマンスも下がっていき、残業→疲労→パフォーマンスの低下→残業という悪循環に陥ることが容易に想像されます。
・人口が減るにつれてますます深刻化する
人手不足の問題は、上記のような問題を引き起こしますが、このまま人口が減ればますます深刻化するという問題も孕んでいます。
今のうちに解決していかなければ、ますます大きな問題となって将来の私たちに悪影響をもたらすのです。
総務省統計局の調査によると、日本の人口は減り続けており、それに伴って労働生産年齢人口も減り続けています。
国立社会保障・人口問題研究所の調査を見ると、2015年には7728万人であった生産年齢人口は2040年には6000万人を割ると考えられており、ただでさえ人手不足な現在の状況がますます加速すると考えられるのです。
人手不足の原因
では、人手不足はどのような原因によりもたらされたのでしょうか。上記の生産年齢人口の減少という理由も含めて解説をします。
少子高齢化・生産年齢人口の減少
上にも書いたように、生産年齢人口の減少が人手不足を生み出しています。
例えば、15~34歳の若年就業者の数は1997年に比べて500万人近く減っているというデータがあります。
若年就業者数が減っていれば当然その後も人手不足の傾向が続くと考えられ、この人口の減少という問題がもっとも大きな原因と言えそうです。
離職の増加・人材の流動化
会社で人手不足が起きる原因の1つには、離職率の高さというものも挙げられます。せっかく苦労して人材を手に入れても、その人が離職してしまえば元の人手不足の状態に逆戻りです。
新入社員が3年以内に会社を辞める割合は約30%であり、高い割合を保っています。
さらに、最近は1つの会社に長く勤め続けるという日本型の雇用形態ではなくスキルに応じて様々な会社を渡り歩くという形態も一般的になってきました。
人材の流動化が全体として起こっており、それが企業の人手不足感を増長させているとも言えるでしょう。
関連記事:嫌いな部下がいる時の考え方や行動とは?
営業パーソンの人手不足の原因は?
営業職がもっとも不足している職種だと紹介しましたが、なぜ営業職がこのように不足してしまっているのでしょうか?
その理由について以下で紹介したいと思います。
・高い離職率
第一に、営業職の高い離職率が挙げられます。
営業職はノルマなどが課されることが多く、やりがいのある代わりにストレスも多い職種です。
また、対人営業の場合、土日に休みが取りづらい場合も。
その結果、高い離職率を誇ってしまっているのです。
・採用の難しさ
営業職は、採用自体も難しいと言われています。
営業系の有効求人倍率は2016年の時点で約2.6倍とかなり高いです。それだけ人材が不足しており、そもそも人材を探すことが難しいのです。
営業職の人手不足を実感している企業の59%は「採用が進まないため営業職を確保できていない」と考えており、これには有効求人倍率の高さが関係していそうです。
人手不足の解決方法
人手不足の解決方法としては、①働き方改革②ツールの導入という2点の解決方法が考えられそうです。
働き方改革の実施
働き方改革を行い、今まで仕事ができなかった人たちも仕事ができるようになれば、人手不足は解消されると考えられます。
・テレワークの導入
テレワークを導入することで、育児や介護に従事している人々も仕事をしやすくなります。
テレワークとはオフィス以外で仕事を行うことを指し、自宅からも仕事ができるようになるために自宅にずっといなければならなかったり通勤が手間だったりする人も仕事をできるようになるのです。
関連記事:テレワークを活用するやり方とは?テレワークの実態と導入成功のポイント紹介
・フレックス制度の導入
従業員自身が働く時間を決めることができるフレックス制度を導入すれば、テレワークの導入と同様に育児や介護に従事していた人々も仕事をしやすくなります。
保育園の時間やデイサービスの時間に合わせて出勤時間を決めることができるためです。
テレワークとフレックス制度を組み合わせることでさらなる効果が望めます。
・外国人人材の受け入れ
少子高齢化の解決方法として外国人人材の積極的な採用が1つのキーとなりそうです。
そもそも日本の人口が減ってしまっているのだから、その分の労働力を輸入してしまえばいいという考え方がこの方法の根底にはあります。
労働意欲が高いと言われる外国人人材を活用して、協力して企業を維持していくことが重要となってきそうです。
ツールの導入
業務を効率化するツールを導入することも1つの手です。
ここでは、特に人材が不足している職種である営業職に向けた業務効率化ツールであるSFAについて紹介したいと思います。
関連記事:業務効率化とは?5つのアイデアと成功事例・便利ツール7選
・SFAの導入
SFAとは営業支援ツールのことで、企業の営業活動に関するデータを管理することができるツールです。
今まで属人化していた営業ナレッジをみんなで共有できるようになり、誰もが同様に高いパフォーマンスを発揮して営業活動を行うことができるようになります。
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例えば、弊社のSFA・Mazrica Sales では、案件ボードという場所で案件の状況・状態を一気に感覚的に確認することができます。
さらにアクション機能で次に何を行えばいいかもAIが教えてくれるので一目瞭然。
レポート機能を使えば、どのような時点で失注しているのかわかるようになり、営業活動の改善に役立てることができます。
営業パーソンの人手不足をツールの導入により補うこともできそうですね。
終わりに
人手不足問題について詳しく解説してみました。
現在、人手不足問題は深刻なことになっていることが分かっていただけたかと思います。
働き方改革の実施・ツールの導入などでうまく人手不足問題を乗り越えたいですね。