アドテクノロジーを導入したいけれど、たくさん種類があって何をどう利用したらよいかわからないという人も多いでしょう。
また、データを活用したマーケティングの必要性が謳われる昨今では、DMPなどのアドテクノロジーを導入し始めるDMPの導入を始める企業が増えてきています。
今回は、アドテクノロジーの種類ごとに主要なプレイヤー、ツールをご紹介します。ぜひアドテクノロジーを導入する際には参考にしてください!
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この記事の内容
アドテクノロジーとは?
アドテクノロジーとは、「Advertising Technology」の略で、インターネット広告に関するシステム全般のことをさします。アドテク等とも呼ばれることが多いです。
アドテクノロジーを活用することで、瞬時の広告掲載や、予算管理、広告の効果測定などが一括でスムーズに行えます。
アドテクノロジーによって、広告主側は広告の効果測定が出来るので、投資対効果(ROI)の把握が容易になり、最適化がしやすくなります。
媒体側は、広告主が多く掲載されることで収益を上げやすくなる上、ユーザーにとっては、自分にとって有益な広告が出る機会が増えるというメリットがあります。
関連記事:アドテクノロジーとは?定義や基礎知識をわかりやすく解説します!
メディア(媒体)向けアドテクノロジー「アドネットワーク」プレイヤー5選
メディア向けのアドテクノロジーである、アドネットワークのためのプレイヤーを紹介していきます。
アドネットワークとは
アドネットワークとは、WebサイトやSNS、ブログ等様々な広告媒体を一つにまとめたネットワーク、一括で様々な媒体で広告配信ができる仕組みです。
アドネットワークを選ぶ際には、
- 広告配信目的、ターゲットユーザーの明確化
- 目的に合った広告フォーマット(画像か,テキストか,Flashバナーか,静止画か,など)
- 課金形態(クリック課金型か、インプレッション課金型か、成功報酬型か、など)
という項目に特に注意する必要があります。
1.Google Display Network/ 検索ネットワーク/動画広告
Googleが提供する世界最大のアドネットワークです。YouTubeやGmail、食べログ、Ameba、個人ブログまで、実に200万以上のWebサイトと65万種類以上のアプリに配信可能です。
ディスプレイ ネットワークでは通常はイメージ広告が使用され、主に潜在層~顕在層をターゲットユーザーとして、ユーザーが利用するサイトやアプリに広告が表示されます。
検索ネットワーク は 通常はテキスト広告が使用され、顕在層がターゲットユーザーとされ、Google 検索で広告主と同様の商品やサービスが検索されたときに、検索結果ページに表示されます。
動画広告では、通常は 6~15 秒の動画広告が使用され、ユーザーが YouTube のコンテンツを再生する直前や再生中に表示されます。
URL:https://ads.google.com/home/
2.Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)/検索広告
Yahoo! JAPANトップページ、Yahoo!ニュースや主要提携パートナーサイトに広告を表示できるアドネットワークです。
広告出稿の目的(コンバージョン、動画再生、サイト誘導など)に合わせた運用が可能です。ユーザーの興味関心や購買意向に基づくターゲティング機能も活用し、効果を最大化できます。
ディスプレイ広告では、
- バナー広告(商品の認知向上・ブランディング目的向け)
- レスポンシブ広告(スマートフォンユーザーを対象とした広告配信向け)
- 動的ディスプレイ広告(複数の商品を販売するECサイト向け)
- テキスト広告(手間をかけず広告を配信したい場合)
を選ぶことができます。
URL:ディスプレイ広告:https://marketing.yahoo.co.jp/service/yahooads/displayads-auc/
検索広告://ads-promo.yahoo.co.jp/service/sponsored-search/
3.楽天アドネットワーク
楽天株式会社が提供するアドネットワークで、国内最大級のショッピングサイト楽天市場の購買データを元に、様々なセグメントへの広告配信を可能としています。
楽天オーディエンスデータが基盤になっており、楽天市場との相性の良い商材には最適なアドネットワークです。
また、新規顧客獲得、認知拡大、販促支援、動画活用、楽天市場活用、オフラインの活用、インフルエンサーマーケティング、アプリプロモーションなど、様々な目的別に広告種類を選べるようになっており、ニーズに合った最適な広告運用が可能だといえます。
URL: https://adsales.rakuten.co.jp/
4. LINEアドネットワーク
SNS利用者中81.3%という利用率を誇るSNSアプリLINEが展開するアドネットワークで、LINEや関連サービス内で得たデータに基づいたターゲティング配信が可能です。
LINEやLINE関連アプリをはじめ、ルナルナやDELISH KITCHENなど4,600を超える人気アプリに配信できます。
URL:https://www.linebiz.com/jp/service/line-ads/
5. i-mobile Ad Network
アイモバイルアドネットワークとはスマートフォン・タブレット・PCに対応した国内最大級のアドネットワークです。
広告代理店や広告主は、i-mobile Ad Networkに出稿するだけで、「ディスプレイ広告」や「ネイティブ広告」に加えて、「動画リワード広告」(ユーザーが任意で動画広告の視聴を選択し、 完全視聴するとアプリ内インセンティブを得ることが 出来る)、「動画インタースティシャル広告」(スキップ機能が付く)、「プレイアブル広告」(ゲームなどユーザー体験型)にも配信可能です。
URL:https://adpf-info.i-mobile.co.jp/
ユーザー向けアドテクノロジー「DMP」ツール5選
ユーザー向けのアドテクノロジー、DMPのツールを紹介していきます。
DMPとは
DMPとは「Data Management Platform(データ マネジメント プラットフォーム)」の略で、インターネット上の様々な情報データを管理し、マーケティング活動に活かせる情報へと最適化するプラットフォームです。
MA(マーケティングオートメーション)ツールや、メール配信などのCRMツール、他にも広告配信媒体と連携しているプライベートDMPもあります。
プライベートDMP上で発見した優良顧客のデータを各種ツールが使える形にデータを変換しに対して効率的にアプローチをかけるといった施策にまで落とし込むことができます。
DMPツールを導入する際には、
- 自社の導入目的
- 連携しているツールは何か
- サポート体制はどうなっているか、
をよくチェックすることが大切です。
・オープンDMP
3rdパーティデータ(外部のデータ。ex.ユーザーごとの属性・興味関心データ、ユーザーごとのWebサイトの行動履歴)を利用するDMPをオープンDMPといいます。
・プライベートDMP
1stパーティデータ(自社で収集・保有したデータ。ex.自社サービスの会員情報、自社製品の購入データ、SFA/CRM、MAに蓄積された顧客データ)を利用するDMPをプライベートDMPといいます。
DMPから提供される顧客情報をもとにしてより鮮明な顧客像を意識したカスタマーサクセスを目指しましょう!
関連記事:カスタマーサクセスとは?具体的な業務から2つの意識すべきことまで
1.juicer
ログリー株式会社が運営するjuicerは、ビッグデータと人工知能(AI)により、見込み客を理解することを目的とした無料で利用できるDMPです。
ユーザー分析、アクセスログ解析、A/Bテスト、パーソナライゼーション、ポップアップ、NPS、広告連携、CRM連携などを提供し、「専門知識がなくとも、誰でもかんたんに正しいデジタルマーケティングできる」をコンセプトに、5,000社以上の企業に導入され、Webサイトの分析と改善に利用されてきました。直感的なUXで構成されているため、これまでDMPを使ったことのない企業がスモールスタートするには最適のサービスと言えるでしょう
2.Treasure Data CDP
Treasure CDPは国内で200社以上が利用しているデータの収集・分析・連携ができるカスタマーデータプラットフォームです。こちらは同社の従来の製品であるTreasure private DMPの強化版になります。
一般的なDMPでは、データの保持には期間が設けられ、期間を延長して保持する場合は追加で費用がかかってしまいますが、CDPではデータの保存ができるのが強みです。
ビッグデータ分析基盤を中核として、各種サービスへ容易に連携が可能です。また多くの企業と提携しているため、多種多様なデータを自社データに結びつけることも可能。初期費用も0円と導入しやすいのが特徴です。
URL:https://www.treasuredata.co.jp/
3.b→dash
株式会社dataXが提供するb→dashは、Webアクセスはもとより、アプリや広告、自社基幹システムまで、すべてを統合運用できるプライベートDMPです。
「いつでも」、「ひとつで」、「誰でも」データが使えることをコンセプトにしており、例えばb→dash内にMAツールなどが内蔵されていたり、操作がシンプルで簡単だったりと、データ活用初心者にもやさしい仕様になっています。
URL:https://bdash-marketing.com/
4.Rtoaster
DMP市場において5年連続でNO1の業績を誇るプロジェクトです。
Rtoaster(アールトースター)は様々なデータを収集・蓄積・統合し分析、可視化できるプライベートDMPとしての側面と、統合されたデータを使ってレコメンド(パーソナライズ)するアクションツールとしての2つの側面を持っています。
成果向上を支援するデータマーケティングのコンサルタントがアシスト可能であり、万全なサポート体制が用意されています。
URL:https://www.brainpad.co.jp/rtoaster/
5.Adobe Audience Manager
Adobe Audience Managerは、顧客とエクスペリエンスを中心に据えた次世代型のDMPです。
Adobe Experience Cloudを含むあらゆるマーケティングテクノロジーと連携できます。
また、現在利用している顧客IDを、IDマッピングや関連付けを通じて組み込むことができるため、使い慣れたシステムを継続して利用することができます。
Adobeの独自分析データを導入していないため、導入企業はAdobe以外の第三者から習得したデータでも、中立的立場を保ちながら活用可能です。
キャンペーンに行き詰まりを感じている企業におすすめ。
URL:https://business.adobe.com/jp/products/audience-manager/adobe-audience-manager.html
広告主向けアドテクノロジー「DSP」ツール5選
続いて、広告主向けのアドテクノロジーであるDSPのツールを紹介していきます。
DSPとは
DSPは「Demand Side Platform(デマンドサイドプラットフォーム)」の略で、広告主側の広告出稿の費用対効果を最大化するツールです。
DSPツールを選択する際には、
- 自社の導入の目的
- 課金方法(DSPはツールによってが異なるため)
- 配信デバイス(PCだけなのか、スマートフォンでも配信可能なのか、など)
- 連携先のSSP「Supply Side Platform(サプライサイドプラットフォーム)」(連携するSSPによっては、配信したいターゲット層に届かない場合があるため)
に注意する必要があります。
1.FreakOut
日本で初めてのDSP広告サービスであるFreakOut(フリークアウト)は、国内トップクラスのシェアを誇り、保有する広告枠は月間1,500億インプレッションにまでのぼっています。
ターゲティング配信が可能で、ユーザーの性別や興味関心、起業属性など幅広いユーザー情報を収集し、最適な広告配信を行っています。
また、広告の配信先は「ブランドセーフティ機能」によってコントロールできます。スマートフォン広告に特化したサービス「Red」と連携することで、パソコンだけでなくスマートフォンユーザーにも合わせて広告配信を行うことができます。 評価するのが難しいとされるブランド施策効果を数値化することも可能です。
課金形態は、CPM課金とCPC課金の二種類になります。
URL:https://www.fout.co.jp/freakout/product/
2.Bypass
Bypassはマルチデバイスに対応したDSPサービスです。
媒体・アドネットワーク毎に異なる仕様のため複雑化していたキャンペーン設定/入稿/管理もBypassの統合管理インターフェースでひとつの管理画面から操作が可能になります。
海外とパートナー連携しているので、国内外あわせて広告配信を行うことができます。 自動最適化アルゴリズムにより、自動で広告配信を最適化し精度の高い広告効果の最適化を行います。
アカウント発行・システム利用料は無料となっています。
3.Piano DMP
Piano Software社が提供する、パブリッシャーやeコマース向けにフォーカスしたDMPです。
zeroパーティデータ(自ら提供することを選択した個人情報や興味関心情報)と1srパーティーデータの活用ができる統合プラットフォームとなっており、クッキーレス時代に対応することを強みとしています。
URL:https://piano.io/ja/product/dmp/
4.GMO SmaAD DSP
GMO SmaAD DSP はGMOの開発したアプリ向けのDSPです。国内最大級のアプリ配信面在庫を保持しています。
既存ユーザーの行動履歴データから利用状況ごとにユーザーをグルーピングし、高精度なターゲティング配信を行うことが可能です。
既存ユーザーの利用促進を目的とした広告配信だけでなく、類似拡張配信を利用することで良質な新規ユーザーを獲得することも可能となります。リスクの少ない成果報酬での広告配信プランがあります。
5.Amazon DSP
Amazon DSP Amzaon DSPはAmazon株式会社が運営するDSPサービスです。 Amazon内に商品を出品していなくても利用することができます。
Amazonが保有する購買、閲覧履歴や性別、年齢、家族構成からユーザーに最適な広告を配信します。
47都道府県から選べるエリアターゲティングや、企業属性など幅広いターゲティング機能があります。セルフサービス広告(営業担当者や採用された広告運用に人間の干渉なしに公開する広告)の場合は無料、マネージドサービスの場合は要問い合わせとなります。
URL:https://advertising.amazon.com/ja-jp/solutions/products/amazon-dsp
メディア(媒体)向けアドテクノロジー「SSP」ツール5選
最後に、メディア向けのアドテクノロジーである、SSPのツールを紹介します。
SSPとは
SSPは「Supply Side Platform(サプライサイドプラットフォーム)」の略で、広告媒体側の収益を最大化させるためのツールです。
SSPを活用することで、複数のアドネットワークのなかから最も高い掲載費を支払うことができる広告を自動で配信することができます。
SSPツールを選択する際には、
- 連携先のDSP(提携DSPが多いほど、より高額での広告枠入札が期待できる)
- 対応するクリエイティブの種類(対応しているクリエイティブの種類が多いSSPほど、配信したい形に沿って広告配信が可能)
<クリエイティブの配信種類>
- インフィード
- レコメンドウィジェット
- インタースティシャル
- オーバーレイ
- カルーセル(1つの広告枠に対し複数の画像やリンク)
<クリエイティブのフォーマット例>
- バナー画像
- 動画
- GIF
- JPEG
- アイコン
- レポート(取得したインプレッションや、クリック数などをまとめたもの)の出力方法
に注意するべきです。
1.Google Ad manager
Googleが運営するSSPサービスです。
「ユーザー目線」で自動で広告の最適化が行われるようにプログラムされています。
動画コンテンツ内に広告を表示することも可能です。また、一元化された管理画面・優秀なデータ分析ツールにより、収益管理などが簡単に行えます。
一定のインプレッション数以下であれば、無料で運用できますが、詳細は要問合せです。 Googleが持っている広告ネットワークに出せるので、他のSSPよりも配信ボリュームが大きいのが特徴です。
URL:https://admanager.google.com/intl/ja/home/
2.忍者AdMax
媒体前の事前審査がなく、また管理がしやすいため、他のSSPサービスと比較して導入しやすくなっています。
PCのバナー広告以外にも、スマートフォン用広告やアプリ広告など幅広い種類の広告に対応しています。
一つの画面でレポートも一元管理可能です。 媒体側は、媒体に広告タグを設置するのみで運用が始められます。 導入費・運用費は無料です。
3.アドフリくん
「株式会社ADFULLY」が提供する、メディアの立場で作成されたスマーとフォン向け広告に特化したSSPサービスです。
Androidアプリ、iPhoneアプリ、スマートフォンサイト、PCサイトなど、全てのデバイスで利用できます。
一つの画面でレポートも一元管理可能です。 ひとつのSDKやJavaScriptの導入のみで複数の広告タイプに対応します。インタースティシャル型広告、オファーウォール形広告と呼ばれる広告に対応していることが特徴です。
新規申し込みに関しては無料となっています。
URL:https://adfurikun.jp/adfurikun/
4.MicroAd COMPASS
株式会社マイクロアドが提供するSSP。
国内最大級の自社DSP「UNIVERSE Ads]と接続しており、高単価な独自案件の配信が可能です。
スマートフォンメディアへの対応が強いほか、純広告含めたすべての配信を一元管理するアドサーバー機能も備わっているという強みがあります。
URL:https://www.microad.co.jp/services/adplatform/microad-compass/
5.GENIEE SSP
株式会社ジーニーが運営する媒体者向けのSSPサービスです。
登録媒体数は1万サイト以上あります。 1時間おきにレポートを反映するため、より広告配信における機会損失を抑えることが可能です。 また、ビッグデータ・AI活用を会社の強みとしており、最適な広告配信に力を入れています。
RTB(Real Time Bidding)制によるインプレッションごとのリアルタイムでの課金制です。 導入費・運用費は無料です。
URL:https://geniee.co.jp/products/ssp.php
おわりに
広告主、媒体主、ユーザーの三方にとって利益のあるアドテクノロジーを最大限効率よく活用するには、自社に合ったプレイヤーやツールを使用するのが一番です。
当ページで紹介しました特徴や、ツール選びの際の注意点を参考にして失敗することなくアドテクを導入し、売上アップを目指しましょう!