日本の労働生産性は、OECD加盟国38ヶ国中で28位、先進主要7カ国の中で最も低くなっています。

 

日本の生産性が低いのはなぜか?生産性を向上すべき理由と4つの改善策 | Senses Lab. | 4

参考:「労働生産性の国際比較」2021年版

では、労働生産性を高めるには、具体的にどうしたらいいのでしょうか?

今回は、生産性を向上すべき理由と、生産性向上に役立つ4つの施策をご紹介いたします。

生産性とは?

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まずは、生産性という言葉の意味について考えてみましょう。

生産性とは、あるモノやサービスを生み出すにあたり、ヒト・モノ・カネといった経営資源がどれだけ効果的に使われたかという割合のことです。

「あるモノやサービスを生み出すにあたり」ということは、成果を出すことが大前提だということ。

どれだけたくさんの仕事を早くこなせたとしても、成果に繋がっていなければ意味がないということですね。

もう一つ、「資源が効果的に使われる」という点について見てみましょう。

たとえば、1,000円で10個のネジしか買えないよりも、100個買えたほうがいいですよね。

ヒトの場合も同じです。

1時間で10件のテレアポしかできないよりも、20件、50件できたほうがいいわけです。

ですが、すべての能力に長けた人はいません。

個人でも会社(法人)でも、必ず強みと弱みがあります。

であれば、強みを活かせる仕事をしたほうが、早く、上手にできますよね。

これが、資源を効果的に使うということです。

以上をまとめると、生産性を高める=「成果に繋がる行動に対して、強みを活かして取り組むこと」だと言えます。

なぜ、生産性を向上させる必要があるのか?

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現時点で、日本のGDP(国内総生産)は世界3位(2016年)。

これだけを見ると、何をそんなにがんばる必要があるのか、と思うかもしれません。

しかし、ここで楽観視はしていられません。

将来推計人口によれば、2050年には9,707万人と1億人を割り込みます。

また、生産年齢人口も2016年の7,665万人から2050年には5,000万人を割ると予測されています。

生産年齢人口(=労働力)が減少すれば、それに比例して、企業で生み出される利益や価値は減っていきます。

こうした中で、今の経済力や社会保障、豊かな生活を維持していくのであれば、労働者一人ひとりの生産性を上げていくほかないのです。

生産性を向上させられるかどうかは、マネジメント次第

会社で生産性を高めよう、という話になったとき、なぜか、個人の能力を高めたり、業務を効率化するといった方向に話が行きがちです。

ですが、ちょっと考えてみてください。

いくら労働者個人が努力しても、そもそもマネジメント側から与えられている役割や作業自体が無駄なものであれば、何の成果も生み出せません。

生産性を高めるためには、経営者を含めたマネジメント側が「その仕事・事業が、どんな成果や価値を生み出すのか」をしっかりと考えた上で、目標や戦略を立てることが必要なのです。

生産性を向上させるための4つの改善策

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生産性についての理解を深めていただいたところで、生産性を向上させるための具体的な施策をご紹介いたします。

今回は、組織でできる取り組みとして4つの改善策を取り上げてみたいと思います・

①会議数を減らす

毎日の朝会、週1のチームミーティング、月1の定例会議など、みなさんの会社でも、毎日たくさんの会議が行われていると思います。

役職が上がるほど参加しなくてはならない会議が増え、一日中会議をしているという人もいるのではないでしょうか。

この会議を、いったんすべて止めてみてください。

止めてみることで、「朝会をしないと集中力が続く」「支社のメンバーと話す機会がなくなってしまった」など会議の目的や必要性が明確になり、本当に必要な会議だけを設定することができるようになります。

なお、進捗共有は会議で行うよりも、Slackなどのチャットツールを使うことで、報連相や意思決定がスムーズになり、便利です。

ぜひ一度、試してみてください。

②訪問営業をやめる

営業の仕事は、電話でアポを取って訪問するという流れが定石となっています。

しかし、訪問をするとなると、往復の移動時間を含めて1社で2〜3時間はかかってしまいます。

この状況だと生産性を高めると言っても、限界があります。

移動時間は削れないし、効率的に訪問するためにスケジュールをパズルのように組み合わせるのも、なかなか大変なもの。

そこで思い切って訪問営業をやめて、Webでの商談に切り替えてみてはいかがでしょうか。

・顧客が納得しない

・訪問しないとアポを断られそう

・受注率が下がるのでは?

・・・など、不安もあると思います。

ですが、実際に訪問営業をやめてWebでの商談に切り替えた会社によると、顧客からのネガティブな反応はほとんどなかったとのこと。

また、移動時間を含めずに商談を組めるようになったことで、1日4件の訪問・商談がMAXだったのが、Webでは1日最大8件の商談ができるようになるという成果にも繋がったそうです。

もちろん、初めてのお客さまや、大人数の商談になるときなど、訪問したほうがいいこともあるので、相手と状況に応じて訪問とWebでの商談を使い分けてみてください。

※Web商談には無料の会議システムが便利です。

営業効率を上げるために今すぐできる3つの方法とは?(BtoB編)」でご紹介していますので、興味があれば、ご覧ください。

③紙での情報管理をやめる

紙で情報を管理していると、

  • すぐに見つけられない
  • 情報共有がしづらい
  • 紛失の恐れがある・・・といった、さまざまなデメリットが出てきます。

これを避けるには、情報共有ツールを導入することが有効です。

これまでに溜まっている資料を入力したり、情報共有システムやツールの使い方を覚えることは必要ですが、大変なのは最初だけ。

顧客情報などが見える化されることで、製品企画やマーケティング、営業などに活かすことができ、大きな価値や成果を生み出すことができるようになります。

<無料で使える!おすすめの情報共有ツール>

Evernote

Evernote

「ノート」と呼ばれるドキュメントを書いて保存し、共有できるツールです。表や添付ファイル、音声メモなども追加できます。

また、ビジネスプランであれば、管理者がノート単位で編集や閲覧の権限を切り替えることができます。

Trello

Trello

タスクごとにカードを作成し、進行状況に合わせてリストを「進行中」から「完了」といったように移動することで、ひと目でプロジェクトの状況が把握できます。

カード内ではメンバーの追加やコメント記入が簡単にできるため、チームでの情報共有がスムーズにできます。

Asana

Asana

各チームごとにワークスペースを作り、その中でプロジェクト>タスク>サブタスクと複数の階層をつくって管理することができます。

タイムトラッキングツールの「Toggle」、コスト管理ツールの「Hatvest」など、外部ツールとの連携が充実していることが特徴です。

<SFAで情報共有もおすすめ>

上記のツールのほかに、SFA(営業支援ツール)もビジネスの情報共有にお勧めです。

関連記事:

④ルーティンワークを見直す

日々の仕事の中で、ルーティンワークというのは意外と多いもの。

ほぼ無意識でこなしているので、「何を」「どのくらいの時間」やっているのか、上司も自分も把握していないのではないでしょうか。

こうした、なんとなくルーティンになってしまっている業務は、定期的に棚卸しをして、効率化できないか考えてみることが必要です。

たとえば、決裁をもらうために、各部署を回り歩いて、部長を捕まえて、一人ひとり説明をして承認印もらう・・・なんてことをしていませんか?

これだと決裁が出るまでに数日〜場合によっては数ヶ月かかってしまう可能性もあります。

デジタル署名・捺印ができるツールを導入すれば、一瞬で情報共有ができ、歩き回ることもなく、しかも短時間で承認をもらうことができます。

短期的に見るとコストがかかってしまうこともありますが、効率化した時間を使って、提案や企画などもっと生産性の高い仕事に注力できるようになることで、会社にとってより大きな成果に繋がります。

また、やり方を変えてみるのも一つの方法です。

請求書の作成など不定期に発生するものを都度対応するのではなく、週1回などまとめてすることで、効率的に処理することができます。

まとめ

上述した4つの施策を見ていただくとわかるように、生産性を高めるには「減らす」「やめる」ことを考えてみる必要があります。

この時に注意してほしいのが、ある程度、マネジメント側が主導すること。

部下の意見を取り入れるのはいいことですが、生産性向上のためのプロジェクトチームを立ち上げたことで、会議が増えてしまうなんてことになれば、本末転倒ですからね。

また、部下だけで話し合うと「どうせこんなことはできないだろう」と、知らず知らずのうちにブレーキをかけてしまい、結局、大きな改善には繋がらなかったということも、往々にして出てきます。

生産性向上に取り組むという強い意志を見せるためにも、ここはぜひ、トップダウンで進めてみてください。

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