仕事でメールを使う機会が多くなっている現代。文章として記録に残るので、書き方には気を付けたいですよね。しかし、「こんな場合はどう送ったらいいのだろう?」と悩む機会も少なくないはず。
新入社員なら尚更ですよね。
ビジネスメールについての基礎を解説する「今さら聞けないメール作法」シリーズ。
第一弾はこちらをご覧ください。
第二弾の今回は、営業活動の「商談後」と「トラブル対応(お詫び)」のプロセスで、
顧客に送るメールについて解説します。
商談後のお礼メール
訪問して無事に商談が終わったら、あなたとの商談のために時間を割いてくれた先方に対して、
お礼の気持ちを伝えましょう。そんな時もメールを使うと便利です。
お礼のメールを送ることは、あなた自身だけでなく会社に対しても好印象を抱いてくれてその後の関係構築に
非常に有効なのです。営業で訪問したあとは、必ずお礼メールを送る習慣をつけましょう。
関連記事:営業の後追いメールの書き方|種類別の例文・フレーズも
まずはメールアドレスを登録!
メール本文を作る前にまずやってほしいことが、メールアドレスの登録。使っているメールサービスにもよりますが、自分が登録した名称で送信先にも表示されることがあるからです。
例えば、○○○○○@○○.co.jpというメールアドレスを持つ○○株式会社のAさんにメールを送ったとしましょう。
あなたからAさんに届くメールの宛先について、
通常は
TO:○○○○○@○○.co.jp
と表示される部分が
TO:○○株式会社 A様
と表示されます。
ちょっとしたことですが、きちんと登録してもらえたことで印象も良くなり誠実さも伝わります。
あなたにとっても、誤送信などを防ぐために有効です。
初めての訪問後は、必ず名刺のメールアドレスを登録することを忘れないようにしましょうね。
訪問から24時間以内に
訪問のお礼のメールなので、訪問後に時間が開いてしまってから送っては意味がありませんよね。お礼メールは、なるべく訪問後24時間以内に送ると良いですよ。目安として、お礼のみの内容であればその日のうち、先方から宿題をいただいた場合は上長への確認などがあるので翌日には送るようにしましょう。
商談内容の振り返りを記載する
簡易的な備忘録・議事録代わりとして、お礼メールに訪問時の商談内容の振り返りを記載しておくことをおすすめします。後から確認してどんな内容を話したかを思い出しやすいですし、もし誤解や齟齬があった場合でも先方から指摘していただくことで認識のずれを早い段階で埋めることができます。
宿題への回答も記載
商談では、大なり小なり宿題をいただくことが多いです。コスト面、納期、発注フローなど。
商談の場で即答できない質問は宿題として持ち帰り、会社に戻ってから上長に確認しますよね。
その回答内容は、お礼メールを送るときに一緒に記載しましょう。
これにより何度もメールのやり取りをせずに済み、先方にとっても役に立つ情報を提供することができます。
また、先述の通り24時間以内に送ることで、「行動が早くて信頼できる」という印象も持ってもらえますよ。
今後のアクションを提示する
宿題に回答するだけでは受注には繋がりません。再度の訪問が必要だったり、見積書の提出が必要だったりするはずです。具体的な今後のアクションについて提示することで、初回訪問だけで終わらずに次回に繋げることができます。
また、納品までの具体的な流れと日数を記載しておくことも効果的。特に、前向きに検討してくれている相手であれば「どのようなフローで、どのくらいの日数をかけたら納品になるのだろう」と具体的に考えることができます。
メールテンプレート例
(件名)訪問のお礼と今後の流れについて(株式会社□□ □□)
〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様
お世話になっております。
株式会社□□の□□でございます。
本日はお忙しい中、□□サービス(商材名)のご提案に時間を割いていただき
誠にありがとうございました。
本日○○様からヒアリングさせていただいた内容から、
弊社の□□サービスを導入いただくことで、貴社の営業活動の課題を解決でき、
売上向上のお手伝いができるのではないかと感じております。
今回の商談内容について、
簡単ではございますが下記に記載させていただきます。
また、いただいた宿題についての回答も
併せてご報告申し上げます。
【商談内容】
・□□サービスの概要について
・□□サービスの料金プランについて
・貴社の営業活動の課題について
【ヒアリング内容】
・営業活動が属人的になってしまっている
・受注率上位の営業担当者の必勝法を社内で共有したい
・受注率や売上をグラフにして営業担当者ごと/顧客ごとに管理したい
【宿題内容とその回答】
・導入まで最短でどのくらいか
→最短一週間で導入可能でございます。
・ユーザー数が50でカスタマイズを加えるとどのくらいのコストになるか
→お見積書を作成いたしましたので、添付にてお送りいたします。
また、今後の流れについては下記のようになります。
おおよその日数も記載しておりますので、
目安としてご参考くださいませ。
・トライアル用のアカウント発行【弊社】 *月*日まで
・トライアル版にてご試用後、ご検討【貴社】 *月*日まで
・プラン決定、お申込み【貴社】 *月*日まで
・ご請求【弊社】 *月*日まで
・ご入金【貴社】 *月*日まで
・納品【弊社】 *月*日まで
ご不明点やご要望などがございましたら、
お気軽にご相談くださいませ。
*月*日に、一度ご検討の進捗状況について
お伺いのご連絡をさせていただきます。
それでは、何卒よろしくお願い申し上げます。
(署名)
お詫びメール
どんなに気を付けていても、ミスは誰にでも起こってしまう可能性のあるものです。ミスをしてしまったからと言って、それを隠したり嘘をついたりしてはいけません。更なるトラブルに発展しないため、そしてミスの後も関係を続けてもらうためには、ミス後の対応に左右されると言っても過言ではありません。ミスの大きさに関わらず、相手に迷惑をかけてしまったことに対するお詫びの姿勢はきちんと伝えましょう。
ミス後の対応は迅速に
事態の重大さによって、実際に訪問するべきだったり電話にするべきだったりします。しかし、最初からメールだけで謝罪を済ませることは避けたほうが無難でしょう。相手の表情や声色が分からないためにどのような感情なのかを把握しにくく、ちょっとした表現の仕方で「責任転嫁しようとしているのではないか」などの更なるトラブルに発展するケースもあります。
まずは実際に訪問して謝ることがベストですが、お互いに多忙であり、一刻も早く状況を伝えなければいけない場合は急に面談の時間を作ることは難しいですよね。そのため、取り急ぎ電話にてお詫びをするのがベスト。そしてメールにて再度謝罪することで、相手へ誠意が伝わりやすくなります。
ミスの内容をきちんと伝える
誰しも、ミスを起こしたら隠したくなるものです。しかしビジネスでそのような嘘がバレてしまったら、どうでしょう?相手の怒りを更に煽ることにもなりますし、その後の取引もなくなってしまうかもしれません。自分の非は素直に認め、損害を与えてしまったり迷惑をかけてしまったりしたことに対してはきちんと謝るという姿勢が大事。ミスやトラブルの内容(できれば原因も)を迅速に把握し、それを偽りなく相手に伝えましょう。
対応策・再発防止策も記載する
状況の報告だけでなく、今後の対応策もきちんと明記することで、相手の不安や怒りを和らげることができます。「すみません、ミスをしてしまいました。」という内容だけでは不安は消えませんが、その後にどのような対応をしてくれるのかまで伝えることで、相手は安心感を抱いてくれることが多いです。
また、その後も取引をしてもらうためには、同じミスは絶対に起こしてはいけないですよね。再発防止策も社内で検討して相手に伝えることで、その後も取引を継続してもらえる可能性が高くなります。
メールテンプレート例
(件名)誤請求についてのお詫び(株式会社□□ □□)
〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様
お世話になっております。
株式会社□□の□□でございます。
先ほどはお電話にてご対応いただき、
ありがとうございました。
お電話にてご説明させていただいた通り、
*月*日に発行させていただいた請求書について、
誤りがございましたのでご報告申し上げます。
*****円でご請求させていただきましたが、
正しい金額は*****円でございます。
大変申し訳ございませんでした。
本件について、社内で確認したところ
事務担当者の誤入力が原因だと判明いたしました。
正しい金額での請求書は本メールに添付させていただいておりますので、
ご確認いただきますようお願いいたします。
また、今後は入力ミスを防ぐために、
社内でのチェック体制を一層強化していく所存でございます。
ご不明点やご不安などございましたら、
お気軽にご連絡くださいませ。
改めまして、○○様へご迷惑をお掛けしましたこと、
心よりお詫び申し上げます。
今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
(署名)
終わりに
メールは便利な反面、文章に残って何度も読み返すことのできるツール。ちょっとした表現や文面が、誤解を生むこともあります。
自分の感謝や謝罪の気持ちをきちんと伝えたいなら、細かい部分にも気を付けてメールを作りましょう。ポイントは、スピード感と誠意。そこを抑えたメールで円滑にビジネスを進めましょう。
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