はじめての方はこちら! ⇒ 顧客/営業管理の完全マップ【初級・中級・上級:15記事で解説】
営業職とは、その会社の売上を上げることが一番のミッション。自分の頑張りが売上となって反映され、それが自身の評価にも繋がります。
そして、より多くの売上を作る「売れる営業」は、スキルや経験などから培った独自のノウハウを持っており、そのノウハウを活かして営業活動を行っている人が多いです。つまり「売れる営業」は「売れるための営業ノウハウ」を持っているのです。
そのノウハウを会社全体で共有すれば、どうでしょう?営業担当者全員が「売れる営業」となり、営業組織は「売れる組織」となりますよね。
ノウハウの共有は、組織全体の営業力アップには欠かせない要素となっています。
特にスタートアップ企業では、商材が売れる方法について最も熟知している創業期メンバーがノウハウを落とし込まなければ、その後の会社の成長には繋がりません。
ノウハウを浸透させ営業力を強化するための方法を解説します!
営業のノウハウ可視化の必要性
売れるためのノウハウを持っている社員がいたとして、そのノウハウを独り占めしていたら、会社にどのような弊害を及ぼすでしょうか?
まず、最もデメリットなのが、その社員が退職や異動などで組織から離れた時です。
せっかく長い時間をかけて築いてきたノウハウが、その社員がいなくなってしまうのと同時になくなってしまうのです。会社にノウハウが残らないため、また一から「売れるノウハウ」を築き上げていく必要が出てきてしまいます。
会社としても、研修やOJTなどで投資をしたにも関わらず、「売れるノウハウ」がその社員と共に組織から離れてしまっては、これまでの教育にかけたリソースが無駄になってしまいますよね。
二番目が、新人営業を採用した時。
「売れるノウハウ」は、そのままマニュアルとして新人営業の教育に使うことができます。
ノウハウが可視化されていれば、新人営業でも早い段階で「売れる営業」にすることができますが、ノウハウが共有されていなければ教育に時間がかかってしまいます。
そして三番目が、営業組織のPDCAを回す時です。
一人ひとりの担当者の営業活動を分析したり、組織としての課題を分析したりする場合、ノウハウが可視化されていなければ「どこが課題で、どんな改善策を取るべきか」が分からなくなってしまいます。
結果としてPDCAが回らなくなり、営業組織の強化にもつなげることができません。
営業の仕組化が必要なタイミングとは
売れるための営業ノウハウを可視化させ、トップ営業の営業プロセスを共有することで、組織全体の営業力が強化されます。最小のリソースで最大の成果を出すことが求められる現代においては、営業担当者一人ひとりの受注率にバラつきをなくし、組織の営業を標準化することで、効率的に営業をしていこうという流れが強くなっています。
このように、営業活動を「仕組化」することにより、時間もコストもかけずに営業力を強化することができます。
特に、営業組織を拡大している最中というスタートアップ企業では、営業の仕組化ができていないと、次々に入ってくる新人営業と創業メンバーの間で営業力のバラつきが生じてしまいます。
商材について最も売れる方法を熟知している創業メンバーのノウハウこそ、新人営業に踏襲されるべきであるはずなのに、それが落とし込まれていないがゆえに成果に繋がっていないというケースが多いようです。
それでは、どんなタイミングで営業の仕組化を検討すべきなのか。
スタートアップ企業の営業組織の規模拡大を例にして見てみましょう。
まず、創業時。
社長や役員などの創業メンバーが、「これは売れる!」と自信満々で商材を世に送り出します。
自分たちが作り出したものなので、創業メンバーはどんなトークでどんな顧客に売っていくのか充分に熟知しています。
どんどん売上も伸び、会社の経営も安定してきたところで、第2創業メンバーを採用します。
第2創業メンバーは、創業メンバーの背中を見ながらどんどん営業力を高めていきます。
第2創業メンバーが営業マネージャーとして育った頃、営業スタッフの採用が開始。営業組織はどんどん拡大していきます。
このころには、創業メンバーは第2創業メンバーに営業現場を任せて、経営やマネジメントなどに費やす時間を増やすでしょう。
この、「創業メンバーが営業現場から離れる」タイミングこそが、実は「営業を仕組化する」タイミングでもあるのです。
創業メンバーの営業のノウハウをしっかりと可視化・仕組化することにより、拡大していく営業組織に比例して営業力も強化していくことができるのです。
トップ営業のノウハウを浸透させる方法
トップ営業の「売れるノウハウ」を可視化させ、組織の標準とすることは理解できたかと思いますが、問題となってくるのは「どうやってノウハウを共有したらいいのか分からない…」ということだと思います。
プロセスやワークフロー、トークテクニックなどをワークシートに落とし込んでマニュアル化させることが最も効果的かと思いますが、特に忙しいスタートアップ企業ではそのようなリソースを割けない場合が多いですよね。
今回は、手軽にできるノウハウ共有の方法をご紹介します。
商談で使う営業資料の標準化
トップ営業は、商談の際の資料にも気を配っています。
トップ営業は商談で商材についてのパンフレットや製品紹介の資料のみを提供しているわけではなく、顧客や商材に合わせてさまざまな資料を用意していき、タイミングよく提供することによって、顧客が本当に知りたい情報を得られたり購買意欲を促したりします。
製品やサービスを知ってもらう前に、会社について知ってもらうことが大事なので、会社案内や会社紹介の資料を提出するトップ営業は多くいます。持ち運びが難しい製品を扱っている場合はデモや活用事例の資料を提供して、実際の活用シーンをイメージしてもらうこともありますね。また、まだあまり世に知られていないサービスであれば、「お客様の声」の資料を提出することで信頼性がグッと増します。
このような営業資料は、トップ営業自身で作成している場合も多く、まだ自社内でも知られていないということが多々あります。
また、営業力のバラつきをなくすためには、アプローチブックも効果的です。これまで創業メンバー・第2創業メンバーが培ったノウハウを資料に落とし込んだアップローチブックなら、新人営業でも売れない営業でも、最適化された営業トークをすることができます。
つまり、成約に繋がったり顧客の購買意欲を後押しできるような営業資料を組織で標準化することにより、より受注率の高い商談をすることができるのです。
SFA導入による営業ノウハウの共有
案件の進捗管理や売上の予実管理に使われるというイメージの強いSFAですが、実は営業ノウハウの共有にも適しているんです。
トップ営業がどのような営業プロセスで受注に繋げているのか、商談ではどのようなことを話してどのようなことをヒアリングしているのか、どんなメールや電話でアプローチしているのか、などの情報が、SFA上で全て見ることができるようになるからです。
トップ営業の商談内容や営業フローのノウハウをSFAに蓄積しておけば、新人営業が入った際にもマニュアル代わりに使うことができますし、その営業担当者が退職や異動になった場合にもノウハウを損失することはありません。
また、SFA上で個々の営業実績を分析することができるので、トップ営業のデータを基準に他のメンバーのデータを分析することで、課題発見と改善策立案が用意になります。
終わりに
会社の財産ともなる、トップ営業の「売れるノウハウ」。誰でも売れる仕組みを作ることで、効率的に売上を上げていくことができます。
ツールをうまく使いながら、自社の営業ノウハウを浸透させていきたいですね。
「まだ営業を仕組化・標準化できていない…」という企業は、今すぐ実行してみましょう!
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