多くのリードはあるものの、購入意欲の高い「今すぐ客」はなかなか見つからず、苦戦している、セールスならあるあるのお悩みだと思います。

リードナーチャリングから商談化で、今すぐできるティップスというテーマで、「List Finder」を提供するイノベーションと共催で、ウェビナーを開催させていただきました。そのときの様子をお届けします。

株式会社Innovation & Co.
取締役
内田 雅人氏
2010年株式会社イノベーション入社。
IT企業を中心に営業戦略の立案やWebマーケティングのコンサルティングを担当。
2016年よりイントレプレナーとして新規事業創出をミッションに活動。現在、List Finder、Sales Docの事業責任者を担当。

 

株式会社マツリカ
営業本部長/Sensesエバンジェリスト
金澤 彬
大学卒業後、飲食業界にてチェーン展開初期における店舗開発、事業開発全般に携わった後、不動産テック企業にてベンチャー企業向けのオフィスコンサルティング事業に従事。営業本部長を務める傍ら、新規事業としてクリニック / 各種店舗向けの開業支援サービスを立ち上げる。
その後、飲食業界向けCRM事業を行うITスタートアップにジョイン。福岡支社の立ち上げや本社セールス事業部のマネジメントを担い、同社を業界シェアNo.1に成長させる。現在は BIZTAKE.LLC を設立。代表 / CEOとしてICTコンサルティング業務を行う。
日本の『現場』を『IT』の力でアップデートしたい。という思いからマツリカに入社し、現在はセールス部門のマネージメントを行うと共に、エバンジェリストとして、数多くのイベントセミナーに登壇。SFA「Senses」の普及や、セールステックの啓蒙活動を行う。

 

Tips1:「過去名刺」の管理について

明日から使える!商談化率をアップする5つのティップス|イベントレポート|Senses Lab.1

内田さん:まず、過去名刺の管理についてお伺いしたいのですが、マツリカさんは普段どのようにされていますか?

 

金澤さん:名刺管理ツール「SanSan」を使ってデータ化し、自動的にSenses(センシーズ )やMAに連携されるように設計しています。

Senses_Marketo連携2

内田さん:なるほど。そのオペレーションはまさに最上位の管理スキームですよね。弊社だと、名刺管理ツールは使っていなくて、SFAに直接手入力をしています。名刺管理ツールを使う一番の利点はどこにあるのでしょうか?

 

金澤さん:表記ゆれがないところですね。

 

内田さん:手打ちだと、表記ゆれが起こってデータベースがワークしないということでしょうか?

 

金澤さん:そうです。ドットとカンマを間違えて入力したり、ハイフンを入れ忘れたり、それをなくすためにコストをかけています。

 

内田さん:管理をするための、いわゆる「タグ」と呼ばれる情報は付与していますか?

 

金澤さん:使っています。主に役職、職種でセグメントしていますね。セグメントすることで、受注率も高くなるので。

 

内田さん:当社も一緒ですね。資料をダウンロードしているがアポにつながっていない人、セミナーに参加したけど、商談の機会をもらえない人など、タグでセグメントしないと、適切な人に適切なフォローアップができなくなりますよね。

Tips2:ホットリードの抽出

内田さん:ホットリードの定義について相談されることが多いのですが、御社はどう定義していますか?

 

金澤さん:まず、弊社はオウンドメディアの資料ダウンロード経由の受注が多いです。だいだいたいe-bookが20種類くらいあるのですが、その中でCV率が高いものは「Aランク」、次に高いものが「Bランク」のような定義付けをしています。

 

内田さん:それは商談化率が高くなることを計算して意図的に作ったのか、PDCAを回した結果分かったことなのかでいうと、どちらでしょう?

 

金澤さん:後者ですね。なので、今はAランクになる割合は増えています。これからはじめる方にお伝えしたいのは、どんなサービスでも「概要書類」と「トライアル」を閲覧したお客さんはどんな定義でもホットリードに該当するので、そこからやってみると良いと思います。

 

内田さん:弊社も同じく、お役立ち資料とかホワイトペーパーをたくさん作っているので、CV率が高い資料の優先順位は上げていますし、導入事例や価格表、フォーム離脱など、確実に見込みがありそうなリードは、セールスがアプローチをしています。

また、ホットリードらしきものを抽出して営業にパスしてもアプローチしてくれなくて困っているみたいな質問もよく受けるのですが、何か気をつける点はありますか?

 

金澤さん:まず、受注が目的になっている目的設計に問題があります。受注と失注のジャッジをするのが営業の仕事だと思っていて、宙ぶらりんになっている案件を一つも残してはいけないと思っています。しっかりとアプローチできれば、失注という判断ができて、一旦マーケティングに戻してナーチャリングするなど手が打てます。

 

内田さん:マーケとセールスはどうしても衝突しがちだと思うのですが、御社はどのようにしていたのでしょう?

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金澤さん:マツリカは仲良い社風なので、そこまで時間がかかりませんでしたが、前職は時間がかかりました。基本的にゴールは同じはずなので、コミュニケーションをとってすり合わせていくほかないかなと思いますね。

 

内田さん:マーケとセールスって、活動が分断されていることが多いですよね。長期的な視点で同じ方向を見て、セールスとマーケが密にコミュニケーションをとることは、すごい大事ですよね。

 

金沢さん:マーケも受注のKPIを持ったほうがいいし、セールスにもフィードバッグのKPIを持たせるべきですよね。そうするだけでも、ぜんぜん変わってくると思います。

内田さん:結局、セールスとマーケでPDCAを大きく回してもらうのには、目標を設定することが有効な手段なのかもしれませんね。

Tips3:アポイントの準備

明日から使える!商談化率をアップする5つのティップス|イベントレポート|Senses Lab.|2

内田さん:このテーマはマツリカさんの主戦場な気がしますが、SFAベンダーだからこそ、何かされていることはありますか?

 

金澤さん:SFAでは、業種だけでなく事業規模、営業プロセスなどでセグメントできるので、過去の商談履歴から傾向を詳細に把握できます。最近だと、クラウド型CTIシステムで録音した商談時の音声データも連携しているので、受注や失注の事例が頭に入った状態で、万全の体制で商談に臨むことができます。

 

内田さん:CTIシステムは教育やOJTの面でも活用できますよね。たとえば、新人のコール内容をずっと横で聞きながらフィードバックするのは手間もかかるし、現実的に難しいことも多いじゃないですか。ただ、CTIの録画・録音機能を使えば、移動時間にメンバーにフィードバックができます。間違いなく、事前準備の効率化、アポの獲得効率は上がるのかなと。

 

金澤さん:教育と準備ができるのは、本当に革命的だなと思いますね。

 

内田さん:弊社だと、公開されている企業情報を定期的にSFAツールに流し込んで、それを確認してから商談に臨むのですが、そのようなことはされていますか?

 

金澤さん:セールストークになってしまいますが(笑)Sensesに登録した時点で、基本的な企業情報が表示されるようになっています。弊社代表が、経済情報プラットフォーム「SPEEDA」を提供しているユーザベースの出身ということもあって、そのあたりの機能は標準搭載されています。

 

内田さん:Webサイトやセールス資料の閲覧履歴は参考にしていますか?

 

金澤さん:参考にしています。MAツールに、webの行動履歴が表示される機能が搭載されています。

 

内田さん:MAツールを導入すると、ブラックボックス化したお客さんのニーズを見える化して、その情報をもとに商談できるのがいいですよね。

 

金澤さん:勘のいい営業はセンスでやってしまいますが、そんな人は10人に1人で、他の9人も当たり前にできれば、さらに何倍もの利益になりますよね。

Tips4:アポ獲得について

明日から使える!商談化率をアップする5つのティップス|イベントレポート|Senses Lab.|3

内田さん:リモートワークが増えていて、そもそも電話がつながらないことが増えています。弊社の「Sales Doc.(セールスドック)」というツールを使うと、お客さんが資料を見ている瞬間に、営業担当者にその旨の通知が来て、その瞬間アプローチできるようになります。

 

金澤さん:それ大事ですよね。弊社も過去のユーザーが資料を読んだという情報をSlackで通知するようにしています。また、ほかに「YouCanBook.me」という日程調整ツールを活用して商談化率を上げています。

セールスが空いている日が自動的に候補日としてカレンダー出力されます。お客さんは、送付されたURLから候補日を選択するだけで商談予約が完了します。アポをとりやすい仕組みを構築するかが重要だと思っていて、メールで日程調整って面倒くさいじゃないですか。

 

内田さん:そうですよね。「この日は難しくて、〇〇日はいかがでしょう?」というラリーがなくなるだけで、お客さんもストレスが減りますよね。

Tips5:商談からクロージングについて

明日から使える!商談化率をアップする5つのティップス|イベントレポート|Senses Lab.|3

金澤さん:まず、弊社は受注と同じくらい失注を大切にしています。たまに、「なんとなく受注してしまった」ときってありますよね?ですが、失注には必ず理由があるんですよね。その失注理由を、マーケやインサイドセールス、またセールスにフィードバックし、それをSFAツールに記録し、日々改善しています。

内田さん:フィールドセールスの人が失注理由を入力し、棚卸しをして解析することだと思うのですが、改善の業務はどのポジションの方がされるのでしょう?

金澤さん:われわれマネジメント層ですね。まず、弊社では失注理由を機能要因と営業要因に分けていて。機能要因は「この機能がない」といった理由で、プロダクト側にフィードバッグします。営業要因は、「不急」「不要」「不適」「競合失注」の4つに分けています。この要因を材料にボトルネックを探し、そこを改善する、というようにPDCAを回しています。

Q&Aコーナー

Q:過去名刺の情報をSFAツールに入力されるのは、誰が担当していますか?
内田さん:各営業メンバーが手入力しています。展示会などで大量に名刺を獲得する場合は、代行業者に依頼します。そのほか、「Eight」や「myBridge」といった無料ツールを使う場合もあります。

Q:タグ付けはどのくらい細かくされていますか?
内田さん:弊社は細かく管理しています。営業としての情報、例えば「最終のステータス」、「誰が最初に会っているか」といった情報や、マーケの情報、例えば「資料請求の有無」「Webサイトの閲覧履歴」など、掛け算でタグの種類を作っているので、数百はあるかなと思います。

金澤さん:簡単にやれてしまうからこそ、タグがどんどん増えてしまうんですよね。ただ最初はシンプルにやったほうがいいですね。新規の区分が5つ、既存の区分が5つみたいに。

 

Q:失注した顧客をマーケに戻すというお話しでしたが、どのタイミングでマーケから外していますか?
金沢さん:外すタイミングはシンプルで、「メールを送らないでくれ」とボタンを押されるときと、受注したときですね。

Q:MAツールのスコアリングについて
内田さん:高度なスコアリングやシナリオを設計しても、まず機能しないです。それよりも、「ホワイトペーパーを閲覧」「価格のページを閲覧」したユーザーは基本的に確度が高いというシンプルな仮説から始めます。総量が多すぎてアプローチできない、または全く引っかからないとなれば、そのたびに定義を見直していきます。このように、PDCAを回しながら精度を高めることが大事です。

 

Q:SFAに情報を入れていますが、営業が活用してくれてません。活用させるにはどのようにすればいいでしょう?
金澤さん:活用できていない理由は、「SFAが使いにくい」「目的が理解できていない」の2つに集約されると思っていて。2点目に関しては、活用しなくても運用できる業務設計がそもそも問題で、正の情報が入っているプラットフォームをSFAに半ば強制的に移行させて、SFAを軸にした案件レビューや実績の評価をすれば、使わざるをえなくなりますよね。

今ある業務にツールをフィットさせようとする企業が多いですが、本来新しいことをはじめたくてツールを入れているはずなんですね。だから、ツールを活用するために、柔軟に業務設計を変革する覚悟みたいなものは必要かなと思いますね。

投稿者プロフィール

Mazrica Business Lab. 編集部
Mazrica Business Lab. 編集部
Mazrica Business Lab.はクラウドアプリケーションMazricaの開発・提供を展開する株式会社マツリカが運営するオウンドメディアです。営業・マーケティングに関するノウハウを中心に、ビジネスに関するお役立ち情報を発信しています。
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