顧客の購買行動がオンライン化していることに合わせて、企業のマーケティングや営業活動もオンライン施策を強化しています。ですが、「電話」も高い効果が見込めるツールの1つです。
電話での顧客対応といえばコールセンターなどを思い浮かべるかもしれません。ですが、インサイドセールスやカスタマーサクセス部門などでも電話は活用されます。
電話を活用した営業現場をはじめとするビジネスシーンでは、電話システムである「CTI」を使うことで効率性や生産性の向上が期待できます。
今回は、Mazrica Business Lab.おすすめのCTI8選と、CTIと連携できるCRM/SFAを紹介します。
アウトバウンド/インバウンドのセールスシーンに役立ててくださいね。
この記事の内容
CTIとは?
CTI(Computer Telephony Integration)は、電話/FAXをパソコンと連携させるシステムの総称をいいます。
電話がきた際にPC画面上に着信先の顧客情報が表示されたり、過去の取引データを確認できたりするため、カスタマーサポートやコールセンターなどの顧客対応部署で用いられることが多いシステムです。
また、ほとんどのCTIに搭載されている録音機能は、トラブル発生時に対応しやすくなるだけでなく、人材教育にも役立てることができます。
他にも、マネージャーや先輩オペレーターが後輩や新人の通話内容をリアルタイムでモニタリングできる機能や、通話時間などのデータを分析する機能、着信をオペレーターに振り分ける機能などもあります。
最近ではCRM/SFAと連携できるCTIも多く開発されており、インサイドセールス(内勤営業)組織でも導入されるようになっています。
関連記事:SFAとは?CRM・MAとの違いや選び方から成功事例まで解説
CTIの主な機能
CTIに搭載される主な機能について解説します。
ポップアップ機能
CTIのポップアップ機能は、電話がかかってきた際に顧客情報が自動的にコンピュータ画面に表示される機能です。
オペレーターは電話を受けながらポップを見てすぐに顧客の名前、購入履歴、以前の問い合わせ内容などを確認できるため、スムーズな対応が可能になります。
制御機能
CTIの制御機能は、電話システムや通話の管理・操作をコンピュータ上で行えるようにする機能です。制御機能により、オペレーターや管理者は、電話操作を簡単かつ効率的に制御でき、業務の効率化やミスの防止に役立ちます。以下は、制御機能の具体例です。
- 通話の発信・受信管理
- 保留・転送
- 通話の割り込み・強制終了
- 通話のモニタリング・サイレントリスニング
- 自動リダイヤル
- 自動音声応答機能(IVR)
IVR (Interactive Voice Response) 機能は、顧客が自動音声の指示に従って番号を押すことで、簡単な問い合わせやサービスを自動的に行えるようにするシステムです。
顧客が特定の番号を押すと対応部門に転送されたり、必要な情報を直接取得できたりといった活用方法があります。
録音・着信履歴機能
CTIシステムでは、通話内容の録音と着信履歴の保存が可能です。
顧客とのやり取りを後で確認することができるため、トラブル対応や品質向上のための分析に役立ちます。また、録音データはトレーニングや業務改善にも活用可能です。
ワンクリック発信機能
ワンクリック発信機能は、連携させたCRMやその他のシステム上で顧客の電話番号をクリックするだけで、簡単に電話をかけることができる機能です。手動で電話番号を入力する必要がなく、特に営業やカスタマーサポートのように多くの電話をかける業務で、効率的な発信作業が可能になります。
関連記事:CRMとは?導入メリット・機能や選び方とツールも紹介
レポーティング機能
レポーティング機能は、通話データを分析し、詳細なレポートを作成できる機能です。通話時間、待ち時間、通話の件数、顧客満足度などの指標を把握し、業務のパフォーマンスを評価できます。CTIのデータ分析は、スタッフのトレーニングや業務プロセスの改善や、全体的な顧客対応の質向上のため重要です。
CTI導入のメリット
組織的にCTIを導入することで、さまざまなメリットを得ることができます。
業務効率化
CTIでは着信時に顧客情報を確認できたり、着信履歴を自動記録したりできるため業務の効率化につながります。
また、通話内容の録音データやお問い合わせ内容などをシステム上に一元管理できるため、組織内の連携がスムーズになります。
サービスの標準化、最適化
応対品質や回答内容が各オペレーターでバラつきが出てしまうと、お客さまの不満につながり会社の信用度も下がってしまいます。
CTIはシステムによってトークスクリプトやQ&A機能が搭載されているものがあるため、トークスクリプトで通話内容を標準化したり、Q&A機能で問い合わせへの最適な回答内容を掲載しておいたりすることで、サービスの質を高めることができます。
人材教育
コールセンターやカスタマーサポートで新人教育をする際にも、CTIを導入していると非常に便利。
CTIの録音機能で新人オペレーターの通話内容を聞き返してアドバイスをしたり、新人がベテランオペレーターの録音内容を聞いてスキルを学んだりすることができます。
また、モニタリング機能を活用すればマネージャーはリアルタイムで新人の通話内容を確認することができるため、すぐにサポートすることが可能。
通話データを分析することで「対応時間が毎回長すぎる」「着信に出るタイミングが遅い」などの各オペレーターの課題も把握することができ、トレーニングに役立てることができます。
関連記事:データドリブン営業とは?データドリブンセールスパーソンの育成方法!
他ツールとの連携
SFA、CRM、MAなどの他ツールと連携できるCTIもあります。
顧客(見込み客)の購買履歴ややり取りの履歴を参照しながら通話を進めることができるため、業務の効率化や顧客満足度の向上につながります。
また、通話内容や通話履歴が自動で他ツールへ反映されるものであれば、電話での応対履歴が他ツールでも確認できるため、部署をまたいで業務連携できるようになります。
CTI導入のデメリット
メリットがある一方でデメリットもあるため、注意すべきポイントも理解しておきましょう。
コストがかかる
クラウド型のCTIの場合、導入コストは抑えることができますが毎月のランニングコストがかかります。
通話料金にプラスしてシステム利用料金がかかるため、毎月の予算との兼ね合いを考えなければいけません。
オンプレミス型は毎月の通話料金のみでいいのですが、導入時の初期費用が多大にかかるため最初の負担が大きくなってしまいます。
運用定着まで時間がかかる
初めてのツールを導入した場合、現場が操作に慣れるまでは時間がかかってしまうものです。
現場にとって使いにくいツールの場合はさらに時間がかかってしまうだけでなく、せっかく導入したのに定着せずに失敗してしまうケースも。
定着まで根気強く現場をサポートしていきましょう。
ツールによっては運用定着までサポートしてくれるものもあるので、そのようなものを利用するのも良いですね。
CTI・クラウドIP電話ツール8選
ここからは、Mazrica Business Lab.おすすめのCTIやクラウドIP電話ツールを8選ご紹介します。
pickupon(ピクポン)
「pickupon」は通話内容を自動でテキスト化(文字起こし)し、AIが顧客の発言から重要な箇所を抽出してくれます。
メモを取りながら電話をしていると通話に集中できずに聞き漏らしたり聞き返したりすることも多いですが、自動でテキスト化してくれるため会話に集中できるというメリットがあります。また、pickuponはCRMやSFAなどの他ツールと連携することで更に高い効果を発揮します。
録音データと通話内容テキストが記録された詳細ページのURLが、連携したツール(Mazrica Sales 、Salesforce、Hubspot、Slackなど)に自動で入力されるため、入力漏れがなくなり情報共有がスムーズになるのです。
電話をかけずに閲覧するだけのアカウントは無料で利用できる点も魅力。
以下はpickuponとMazrica Salesの連携イメージです。pickuponで通話した内容がMazrica Salesの活動履歴に連携されます。
フィールドセールスは商談前にpickuponのリンクから通話内容を聞いて事前準備を進めます。
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【料金】
月額:6,000円/1ID+電話料金
【URL】
https://service.pickupon.io/
CallConnect(コールコネクト)
クラウド型CTIの「CallConnect」は、カスタマーサポートやインサイドセールスで活用されています。
特に便利なのが着信時の自動応答機能。
自動応対フローで担当者や部署へ直接つなぐことができるため、電話によって他のメンバーの業務が妨げられることもありません。
自動音声認識機能で録音データをテキスト化したり、顧客とのやり取りを細かく記録できたりするため、コールセンターに必要な機能が充実しています。
Mazrica Sales、Salesforce、HubSpot、Slackなどさまざまな外部サービスとの連携も可能。
1アカウントで複数の電話番号を取得できるのも特長です。
【料金】
・Starter:月額2,400円/1ライセンス
・Basic:月額4,600円/1ライセンス
・Pro:月額8,800円/1ライセンス
・その他、電話番号代や通話代などが別途課金
【URL】
https://www.callconnect.jp/
MiiTel(ミーテル)
「MiiTel」は通話内容をAIが評価し、成約率アップや顧客満足度向上のための会話品質の改善に貢献してくれるCTIです。
評価の仕方は、話速、会話の被せ率、ラリー回数、Talk:listen比率、沈黙回数、抑揚などから定量的に評価されます。
会話の内容は全てが文字起こしされるため、全文をフィードバックしたり必要な箇所だけを抜粋したりするなど多様に活用可能。
また、会話の中から成果につながるキラーワードを自動判別するので、どのようなセールストークで会話を進めるべきかがロジカルに導き出すことができます。
【料金】
月額:5,980/ID~
【URL】
https://miitel.revcomm.co.jp/
BIZTEL(ビズテル)
自社に最適な電話環境をクラウド上で利用できる「BIZTEL」。
利用実績が豊富な「BIZTELコールセンター」は、コールセンター業務や管理に欠かせない機能が充実しているトータルバランスの良さが特長。
また「BIZTEL コールセンター PCI DSS」はクレジットカード情報を取り扱うために必要となるセキュリティ要件を満たしたCTIです。
他にも、今までは自分のデスクの電話のみで行われていた内線がNTTドコモやauの携帯端末で可能になる「BIZTELモバイル」、クラウド型IPビジネスフォンサービス「「BIZTELビジネスフォン」もあるので、組み合わせて利用することも可能。
電話サポートは24時間365日対応してくれることも嬉しいポイントです。
【料金】
お問い合わせ
【URL】
https://biztel.jp/
BlueBean(ブルービーン)
総合コールセンターシステム「BlueBean」は、PBX機能や独自開発のCTIやCRM機能をパッケージングしています。
アウトバウンド/インバウンドどちらの機能も充実しているので、自社の業務内容に合わせた機能を活用してコールセンター業務を円滑にすることができます。
Salesforceやkintoneなどの外部ツールや、AI「RECAIUS」との連携により、さらに利便性がアップします。
【料金】
・初期費用:5,000円/ライセンス
・月額:5,000円/ライセンス
・日割り:166円/ライセンス
【URL】
https://bluebean.softsu.com/
AmazonConnect(アマゾンコネクト)
AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)のひとつである「AmazonConnect」は、クラウド型のコールセンター構築システム。
最大の特徴は、コールフローを自作できるという点。
自分で好きなようにコールフローやアナウンスなどを設定でき、変更が必要になったときにもすぐに対応が可能です。
ちなみに、電話だけでなくチャットの対応フローも構築することができます。
また、初期費用や定額の月額費用などはなく、実際に利用した分の料金のみを支払うだけ。
少々複雑な料金体系なので、詳しくは下記のURLをチェックしてください。
【料金】
https://aws.amazon.com/jp/connect/pricing/
【URL】
https://aws.amazon.com/jp/connect/
zendesk talk(ゼンデスクトーク)
顧客対応のための総合ソフトウェアサービスzendeskのうち、コールセンターシステムの「zendesk talk」。
40カ国以上でフリーダイヤルもしくは任意の番号を選択可能。
IVR(自動音声応答)システムにより、適切なオペレーターや部署に電話を転送したり、あらかじめ録音しておいた回答メッセージで対応したりすることができます。
他のzendesk製品と組み合わせて利用することで、利便性・効率アップ!
【料金】
・Lite:$0+使用量
・Team:月額$19/アカウント+使用量
・Professional:月額$49/アカウント+使用量
・Enterprise:月額$89/アカウント+使用量
【URL】
https://www.zendesk.co.jp/talk/
dialpad(ダイアルパッド)
音声通話、ビデオ通話、チャット、グループチャットなどビジネスコミュニケーションに関わるツールが集約され、顧客対応などの情報連携をスムーズにします。
リアルタイムで文字起こしをしたり、ノートやアクションアイテムを切り取ったりする機能も搭載しています。
G suite、Office365、Salesforce、Zendeskなどの外部サービスと連携させることで、更に生産性を高める効果も。
【料金】
・STANDARD:月額1,000円
・PRO:月額1,500円
・ENTERPRISE:月額2,000円
【URL】
https://www.dialpad.co.jp/
CTIとCRM連携による営業強化
CTIと外部ツールを連携させることで業務効率化や生産性向上が期待できますが、特にインサイドセールス組織でCTIを導入する場合はCRM(SFA)と連携させることで営業を強化できます。
電話に特化したCTIと、営業に特化したCRMを組み合わせることにより、両社のメリットを最大限に引き出して活用することができます。
業務効率化
CTIとCRMを連携させることで業務の効率化が実現します。
今までは、通話履歴や会話内容のメモなどをCTIに記録したあとにCRMにも入力する必要があり二重入力・二重管理になっていましたが、ツール同士を連携させることで自動的に内容が同期されるため二重入力の工数を削減できます。
中には、CTI上の録音データもCRMに自動入力されるものもあります。
また、CRM上で見ている顧客情報の電話番号をクリックするだけですぐに電話を発信できる「クリックトゥコール機能」を活用することで、二つのツールを開きながら電話をかけるという工数もなくなります。
顧客エンゲージメントの向上
顧客の満足度を上げるためには、スピーディで適切な対応が求められます。
そのため、CTIとCRMを連携させることで通話中に顧客情報や購買履歴などを確認することができ、無駄な質問を省いたり的確な内容を答えられたりするというメリットがあります。
過去の購買履歴や営業履歴を確認しながら通話をすることで、クロスセルやアップセルに役立てることもできるでしょう。
成功パターンを見つける
CTIでの通話内容をCRMへ営業アクションとして蓄積し、最終的な受注有無や受注金額と掛け合わせて分析することで「どのようなセールストークだと確度が高いか」「どのような発言にどんな反応をするのか」などの成功パターンを導き出すことができます。
関連記事:トークスクリプトとは?営業力が上がる作り方とテンプレートを紹介
インサイドセールスの成功パターンを見つけて標準化することで営業組織の強化が期待できます。
CTI・クラウドIP電話ツールと連携できるCRM/SFA4選
ここからは、CTIや電話システムと連携することができるCRM/SFAを4選ご紹介します。
Mazrica Sales
営業現場の使いやすさにこだわったSFA/CRM「Mazrica Sales」は、クラウド電話システムの「pickupon」と連携することが可能。
pickupon搭載のAIが通話内容の重要箇所をピックアップしMazrica Salesへ自動入力されるため、現場の入力負担を減らすことができます。
Mazrica Sales上のコンタクト情報(顧客情報)は自動でpickuponへ取り込まれ、正確な顧客情報を基にして電話営業をすることができるように。
また、2020年7月20日からは「CallConnect」とも連携を開始しました。
CallConnectでの発着信時にMazrica Sales上のデータを確認することができ、Mazrica Salesからのクリックトゥコールも可能。
通話内容も営業アクション履歴としてMazrica Salesに自動入力されるため、現場の負荷を大きく削減します。
【Mazrica Sales利用料金】
・Starter:月額27,500円~
・Growth:月額110,000円~
・Enterprise:月額330,000円~
【URL】
https://product-senses.mazrica.com/
sales cloud(セールスクラウド)、service cloud(サービスクラウド)
世界NO.1のSFAであるSalesforceの「sales cloud」は「MiiTel」や「CallConnect」などのCTIと連携することで、通話内容を営業活動として記録したり、顧客情報を同期したりすることが可能。
また「service cloud」もCTIとの連携が可能で、電話の際に顧客情報を参照したり、ワンクリックで発信したりすることができます。
「sales cloud」は営業組織向け、「service cloud」はカスタマーサービス向けのクラウドツールなので、自社にとって最適なものを選びましょう。
【セールスフォース利用料金】
・Sales Cloud:月額3,000円/ユーザー~
・Service Cloud:月額3,000円/ユーザー~
【URL】
https://www.salesforce.com/jp/
HubSpot(ハブスポット)
HubSpotの「Sales Hub」はCTI「pickupon」や「MiiTel」と連携させることができ、通話内容をHubSpotへ自動入力したり、顧客情報をCTIへ同期させたりすることができます。
ツール連携によって業務やPDCAを効率化し、生産性アップの効果が見込めます。
また、HubSpot独自でもコール機能が搭載されておりブラウザ上で発信が可能。
録音機能や自動入力機能を活用することでインサイドセールスが効率化します。
【HubSpot利用料金】
月額4,800円~
【URL】
https://www.hubspot.jp/
【コール機能詳細】
https://www.hubspot.jp/products/sales/click-to-call
Zoho CRM(ゾーホー)
「Zoho CRM」は、「Amazon Connect」をはじめとするクラウド型電話システムと連携することができます。
特徴的なのは、発信のリマインダー機能。
確実に架電しなければいけない場合にリマインダーをセットしていれば、漏れやミスをなくすことが可能です。
他にも購買履歴やメモの参照や外出中に見逃した着信を確認する機能もあります。
【Zoho CRM利用料金】
月額1,440円/ユーザー~
【URL】
https://www.zoho.com/jp/crm/
【電話連携詳細】
https://www.zoho.com/jp/crm/help/zoho-phonebridge/
終わりに|CTIとSFA/CRM連携で営業効率化を実現しよう
ビジネスで電話を使うシーンは少なくありません。
だからこそ、適切なツールや連携によって効率化を図り、ビジネススピードを早めて成果につなげたいですね。
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