1月14日(木)に株式会社スマートドライブ様とセミナーを開催いたしました。

本セミナーでは、営業成果の最大化に特化したSFA「Senses」を提供するマツリカ(執行役員 VP of Sales & Marketing 中谷 真史)と、クラウド型車両管理サービスを提供する株式会社スマートドライブ (CRO 弘中 丈巳さん)が、SalesTechとMobility Dataを活用して、営業生産性を高める方法や、面倒な業務を効率化する方法について対談いたしました。

株式会社スマートドライブ CRO
弘中 丈巳氏
日系コンサルティング会社にてキャリアをスタート。北海道支店長として拠点立ち上げに携わる。その後、株式会社セールスフォースドットコムにてリージョンの立ち上げと新しいモデル構築を行う。

その後株式会社マルケトの1人目の従業員として、インサイドセールス、セールス、カスタマーサクセスなどの立ち上げをおこなった後、コマーシャル営業部の責任者として組織拡大に従事。

2019年にスマートドライブに参画しCRO(Chief Revenue Officer)に。マーケティング〜カスタマーサクセス・ビジネス開発を統括し収益の最大化に取り組む。

株式会社マツリカ 執行役員 VP of Sales & Marketing
中谷 真史

新卒にて外資系製薬会社へ入社、MR約1000名中トップセールスを経験。その後コンサルティングファーム2社にて、セールス分野のプロジェクトを中心としたコンサルティングに従事。

2018年よりマツリカに入社。カスタマーサクセス統括部長に就任し、顧客のSenses活用による営業成果向上の支援に従事した後、現在では執行役員として営業・マーケティング組織を管掌する。また平行し、Sales Science Lab, Inc. Founder & CEOを務める。

攻めの顧客深耕をデザインする

中谷さん:最初に、よく語られる営業生産性についてお話しします。我々は、営業生産性にをこのように定義しています。

SalesTech × MobilityDataを活用した 営業生産性を高める方法|イベントレポート | Senses Lab. | 1

分子の部分が売上に関することで、分母がコストですね。商談数と成約率、単価を上げて、リードタイムと分母であるコストを下げると、生産性が向上します。

この数式は、新規営業には効くのですが、既存顧客の深耕では活用できません。そこで異なる方程式を使います。

 

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中谷さん:まずTargetingですね。営業では、既存顧客の売上を最大化しつつ、新しい売上を作ることが求められます。そのため、既存と新規の割合を定量的に可視化します。次に売上比率で分類し、有効なターゲットを絞ります。

次がQuantityです。「月に何件訪問しなさい」というKPIが課されているケースは多いと思いますが、これだと「とりあえず訪問した」みたいなことが起こります。そこで、先ほど割り出した有効なターゲットに行動量を掛け合わせることで、適切な顧客に適切な活動量を担保できる状態を作れます。

最後がQualityですね。有効なターゲットに対して、どれだけ有効な活動ができているか。より精緻なKPIを作ります。

これらの指標をもとに、全体像を設計してCRMに戦術を落とせると、無駄なく有効な手を打ち続けられ、さらに異常から示唆を発見し、次の活動に生かせる強い組織になります。

トップセールスを型化する方法

中谷さん:なかなか実際の商談では、上で描いたような戦略通りにはいかないですよね。そこで、大切なのはトップセールスの特徴やスキルを知り、それを徹底的に模倣することです。

 

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中谷さん:ここで紹介しているスキルが活きるのは、すでに商談を済ませているお客さんとの信頼関係を深く強く、長くできるかの部分に限られます。そもそも誰かよくわからない状態だと、アポイントの取得も難しいと思います。

 

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中谷さん:最初は誰もが「赤の他人」からスタートします。それが、右上の「頼れるビジネスパートナー」になると、向こうから頼まれる状態になります。この時点で、競合との差別化が図れます。

 

ただ、いきなり「頼れるビジネスパートナー」になれないので、まずは「友人」として信頼関係を築き、専門家として認知される必要があります。信頼関係を築く部分は、話がうまい、話していて気分がいいみたいに、アート的な要素として語られがちですが、実は全て科学的に実践できます。

 

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商談前に、このスライドに記載したポイントを意識しながら、話す内容を検討することで、プレセンスを高めることができます。

 

続いて、専門家としてのポジション獲得について。まず、クライアントと親密でも、仕事である以上、情報格差がなければ会うにまで至りません。中立性を保ちつつ、情報格差がある状態になってはじめてアポイントがとれます。要素分解すると、下記のようになります。

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営業組織の課題はどこにありますか?

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中谷さん:最後に、Sensesを活用し、どのように営業組織の課題を抽出するかという部分についてお伝えします。

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中谷さん:受注プロセスを細分化し、どこで失注しているかを特定します。

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中谷さん:かつそれを個人ごとで分析します。すると、この人は「クロージングが得意」みたいな情報が明確になるので、そのポイントを模倣し、全体のレベルを平準化していきます。

 

「敵を知り己を知れば百戦殆からず」という言葉がありますが、これはまさしくCRMやSFAにピッタリの言葉なのかなと。顧客を知り、自社を知れば、必然的に打ち手は明らかになってくるでしょう。

 

モビリティデータとは?

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弘中さん:まず、モビリティデータについて解説します。モビリティデータとは、走行距離、現在地情報、走行ルートなど、自動車にまつわるデータを指します。モビリティデータの特徴は大きく3つあります。それが以下です。

 

①誰にでもわかるシンプルなデータ・・・地図情報でだれがどんな動きをしたかひと目でわかるデータ(例:車両動態データ、車両走行データなど)

 

②視点を変えることで多くのことがわかるデータ・・・配車計画の見直しによる売上アップ、運転効率の改善によるコスト削減、アイドリングストップによるCSR推進など

 

③他のデータと掛け合わせることでさらなる価値が出るデータ・・・売上情報、業務内容、日報情報とかけ合わせることで、顧客接点の最大化につなげるなど

モビリティデータによる顧客接点の最大化

モビリティデータの活用の話の前に、まず、営業生産性の考え方についておさらいします。

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営業生産性とは、以上のスライドのように営業効率×営業稼働率で算出されます。

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ビフォーアフターをわかりやすく図で解説したものがこちらになります。非効率な訪問計画、移動や社内報告を効率化することで、商談いわゆる顧客接触の時間を多く確保することができます。効率化するには、訪問計画の立案の前に、ターゲティング分析をおこなうことが重要です。

訪問計画

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縦軸が前四半期の売上、横軸が前四半期の訪問回数です。この図を見ると、右下のお客さんは、訪問回数は多いが売上につながっていないことがわかります。反対に左上のデータは、訪問回数が少ないわりに売上が高いお客さんで、非常に営業効率が良いことがわかります。

 

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左側に出しているのは、30分以上滞在していたお客様の一覧で、クリックをすると訪問したクライアントの半径500mにいるお客さんが一覧で表示されます。上のクライアントは訪問しているものの、下の方は訪問回数が少ないことがわかります。このようなお客さんに対してアプローチの回数を増やせば、稼働率を高めることができます。

 

移動

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続いては「移動」です。この紫色のルートを見ていただくと、移動範囲が多く、移動効率が低いのがわかります。水色の丸で囲っているエリアは重複が発生していますね。このようなデータから、最適なエリア配置や担当遵守などの改善点が見えてきます。

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また、最適なルートの例をケースごとに出すこともできます。お客さんとの関係値もあるため、完ぺきに実行できませんが、条件をセットすれば、効率的な移動ルートの管理もおこなうことができます。

Sensesとの連携について

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最後に、SmartDriveとSensesの連携についてお話しいたします。

まず、SmartDrive上で、「住所情報の半径何kmに入ったら訪問したとみなす」という設定をします。運転をして条件内のエリアに入ると、コンタクト情報のアクションに訪問情報が自動的に追加されます。

もちろん、車を止めている時間と、商談時間はイコールではないので、滞在時間はSmartDrive側で、面談時間はSenses側で収集することで、営業担当者の負荷削減と業務効率化をはかれます。

Q&Aコーナー

Q:トップセールスの方がSFAを入力してくれないのですが、解決策はありますか?

中谷さん:ポイントは3つあります。1つ目は元も子もないですが、自分の活動を正しく報告できない人はトップセールスと呼べないということですね。2つ目は、入力や報告の工数を下げて、SFAを使うハードルを低くすることです。最後の3つ目はミーティングの資料作成の手間が省ける、上司が部下にフィードバックをして褒める、組織の中でスポットライトを当てるなど、何かしらのインセンティブを付与することです。

弘中さん:加えて説明すれば、入力しなければ受注しないとみなす、みたいに人事評価制度に組み込んでしまうのも一つの手ですね。

Q:得意先を見つけるコツを教えてください。

弘中さん:まず、組織の意思決定の力学を把握することが重要です。どの部門が売上を立てているかを分析し、その責任者をサーチします。必ず大規模なディールになると、他の勢力が入ってきたときに一対一だと外される可能性があるので、現場、マネージャー、経営層など、3つ以上の利害関係者をグリップすることが大切です。

Q:反対勢力がいるとき、誰が音頭をとりますか?

中谷さん:だれにアプローチすればその組織が動くのかというのが重要です。さらに、その人が動くメリット、インセンティブの設計も重要かなと思います。

Q:モビリティデータを活用して、会社が販売を増やしているケースはありますか?

弘中さん:車に関するアフターマーケットは特に需要が大きいです。タイヤの摩耗状況やメンテナンス最適化、保険につなげるケースが特に多いです。今後、もっと他のデータと連携することで、市場規模はさらに大きくなると思います。

Q:電車と車を両方使用している場合の活用法は?

弘中さん:電車の移動情報も収集できるので、最寄り駅までは電車でそこからレンタカーの場合でも、データを収集できます。

Q:どの部署が営業効率化を推進するのが適切でしょうか?

中谷さん:経営企画、営業企画など第三者的に営業と関わる部署がある場合は、その部門が推進するのが適切です。

Q:個人的な動きが把握されるのを嫌う反対の声が出た場合、どうしたら良いでしょうか?

弘中さん:「この走行時間は無駄だよ」や「ここでコンビニ行っていたよね」といった分析をしているケースって実はほとんどないです。活動管理というよりは、効率化してセールス一人ひとりの目標達成をサポートしたいというスタンスを、経営層がしっかりと伝えることが大切かなと思います。

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Mazrica Business Lab.はクラウドアプリケーションMazricaの開発・提供を展開する株式会社マツリカが運営するオウンドメディアです。営業・マーケティングに関するノウハウを中心に、ビジネスに関するお役立ち情報を発信しています。
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