営業の育成はマネージャーの重要な役割の一つですが、会社としてはできれば即戦力となる優秀な営業パーソンや、これから伸びる可能性のある人を採用したいはずです。

そこで今回は、「優秀な営業」の定義をした上で、5つの採用のポイントと面接で使える5つの質問をご紹介していきます。

営業は売上に直結する部門です。

企業にとって営業の採用は、死活問題といっても過言ではありません。

しかし実際のところ、優秀な営業を採用するのはかなり難しい状況です。

平成26年度の営業の求人倍率は1.59(厚生労働省 労働市場分析レポート)で、このまま人口・労働人口が減少し続ければ、採用はますます困難になります。

そうなると「採用してから育てればいい」と投げやりになってしまうことにもなりません。

ですが、営業適正の無い方を採用してしまうのはコストや時間を無駄に使ってしまうだけ。

そうならないためにも、優秀な営業を見極めるポイントを知っておくことが大事なのです。

優秀な営業パーソンの特徴を定義する

優秀な営業職を採用する際の5つのポイントと5つの質問 | Mazrica Sales (旧 Senses)  Lab. | 1

優秀かどうかを見極めるには、「優秀」の定義や判断基準がなくてはなりません。

そこでまずは、みなさんに質問です。

あなたの会社で優秀な営業パーソンといえば、どんな人ですか?

「〇〇さんのような人」では抽象的ですし、人の主観によるところが大きすぎますね。

他にも「MVPを何回も獲得している」は客観的ですが、他社の実績がそのまま自社でも反映されるかというと、かなり未知数です。

では、何を判断基準にすればいいのでしょうか?

大前提として、継続して目標を達成できていること。

どんなにいい人であっても、努力していても、目標達成していなければ、優秀とは言えません。

誰もが納得できる数字やデータといった客観的事実がベースになります。

その上で、以下のような素質があるかどうかを見ていきます。

・当たり前のことを当たり前に、徹底的にやり切る

・素直、前向き、勤勉

・顧客のことを顧客以上に考える力、または考える姿勢がある

・自己を成長させたいという意欲が高い

・ポジティブに考えることができる

・コミュニケーション力が高い

・物事の本質を理解できる、または理解しようとする

この中から、自社の優秀な営業パーソンに共通するものをまとめておき、採用面接の際のチェック項目にするといいでしょう。

また、適性検査や能力テストを優秀な営業パーソンに受けてもらうという方法もあります。

応募者にも同じテストを受けてもらい、優秀な人と同じ傾向が出れば、優秀な営業パーソンである(またはこれから伸びる)可能性が高い、というわけです。

「優秀な営業パーソン」の定義ができたところで、次からは、採用のポイントを見ていきましょう。

課題解決能力をチェックする

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営業の役割は「顧客の課題を解決することだ」と言われます。しかし、日々営業活動をしているみなさんならおわかりだと思いますが、課題を課題として認識できている企業は意外と少ないもの。

そこで必要となってくるのが、聴く力です。

顧客の不安や不満、「こうなったらいいな」という要望にしっかりと耳を傾け、その中から課題を発見し、解決策を提案する―これが、営業に求められる課題解決能力です。

一つ、例を挙げてみましょう。

顧客から「営業が見積書の作成に時間が掛かっているようだ」という話を聞いたとします。

ここですぐに、「自動で作れるシステムを導入しましょう」と提案してしまうのは早計です。

見積書のどの項目に時間が掛かるのか、全員の対応スピードに差はないのか、毎月どのくらいの数を作るのかなど、深く掘り下げて聞くことで、真の課題を発見することができるのです。

なお、こうした能力があるかどうかを面接時にチェックするには、以下のような方法が有効です。

・今まで営業してきた製品やサービスを、実際にその場で提案してもらう

・応募者同士でお互いのことを聞き出してもらい、その情報をもとに相手の紹介をする

勉強法や問題への対処方法を見る

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優秀な営業パーソンは、提案書を作ったり、商談をしたりといった営業本来の仕事をしているときだけ、瞬発的に力を発揮しているわけではありません。

仕事をする姿勢や考え方そのものが、優秀な営業とできない営業とではまったく異なるのです。

特に、以下の3つが重要なポイントです。

①やる気があるかどうか

優秀な営業とできない営業の一番大きな違いは、やる気があるかどうかです。

できない営業は「仕事をしないといけないからしている」というスタンスのため、何事も受け身で、高い目標を設定したり、成長しようという意欲もありません。

一方で、優秀な営業の場合は、溢れんばかりのやる気を原動力に、日々、たくさんの知識やスキルを習得していきます。

「好きこそものの上手なれ」ということわざにもある通り、人は好きなものに対しては熱心に努力や勉強をしますし、上達も早いものです。

「トップセールスになりたい」「顧客の悩みを解決したい」「自社の製品が好き」・・・など、やる気の源泉になっているものは人それぞれだと思いますが、こうした想いが、行動や向上心に繋がっていることは間違いありません。

やる気さえあれば何でもできる、とまでは言いませんが、少なくとも「これから伸びる可能性が高い」人材だと言えます。

②問題への対処法

何かトラブルが起きたり、上手くいっていない時にどう対処するのかでも、優秀な営業とできない営業の違いが明確に出てきます。

できない営業は、「ダメだった」とため息を吐いておしまい。

トラブルが早く通り過ぎるのを待つだけで、対処すらしようとしません。

そのため、同じような問題を何度も引き起こしてしまいます。

これが優秀な営業だと対処法は180度違ってきます。

まずは、なぜ上手くいかなかったのかを分析し、原因の究明に努めます。

また、同じような経験を持った先輩や上司がいれば、事例や改善に向けて何をすべきかということまで、しっかりとヒアリングをします。

こうして、あらゆる機会を知識やノウハウを得るチャンスにして、成長していくことができるのです。

③上司からの指示やアドバイスに対する反応

前出の「優秀な営業パーソンの特徴」でも挙げましたが、優秀な営業は、素直であることが多いです。

上司からの指示やアドバイスをまずは素直に受け入れてやってみる。

こうした姿勢は、教える側からしても好ましいもので、どんどん教えたくなりますし、応援したくもなるものです。

その一方で、指示やアドバイスに対して「そんなの上手くいくわけない」と反発をしたり、自分のやり方を押し通すなど挑発的な態度を取る人もいます。

これだといつまで経っても何も学ぶことができません。

できない営業は、こうした行動を取るパターンが多いです。

未経験者の採用も検討する

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冒頭で触れた通り、優秀な営業パーソンの採用は年々難しくなっていきます。

そこで「すでに優秀な営業として活躍している経験者」ではなく、「優秀な営業になる可能性の高い未経験者」を採用して自社で育てる方向へ、発想を切り替えてみることも一つの方法だといえます。

未経験者を採用することには、人材の充足以上の大きなメリットがあります。

営業経験者の場合、自分の営業方法に癖や間違いがあることが多く、これを正すにはかなりの労力がかかります。

それに対して営業未経験者は、まっさらな状態なので、教えたことをそのまま吸収してくれます。

また、営業職を希望している=営業の仕事に、ある一定の希望を持っているという点で、モチベーションも高いのが特徴です。

即戦力として営業経験者を採用したい気持ちもわかりますが、ぜひ一度、未経験者の採用を検討してみてください。

優秀な営業パーソンを採用プロセスに組み込む

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なぜ、優秀な営業パーソンを採用に関わらせた方がいいのでしょうか。

営業活動では、顧客の課題を見極め、課題の解決策を通じて購入するための動機づけを行います。

一方で採用活動では、応募者が優秀な営業パーソンであるかどうかの見極めをして、入社に向けた動機づけをしていきます。

つまり、営業活動で培った「見極める力」と「動機づけ」は、採用活動でも同じように活かせるというわけです。

営業の採用面接時に聞くべき5つの質問

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最後に、応募者自身の普段の行動から、優秀な営業パーソンの素質や能力があるかどうかを見極めることができる5つの質問と、その質問で何がわかるのかをご紹介します。

■質問1

もし、上司の状況理解不足が原因で、案件に対する指示が最も良い行動でないと気づいたら、どうしますか?

【質問でわかること】

できない営業は「言われたことさえやっておけばいい」と考えて上司の指示に従いますが、優秀な営業は「顧客や自社にとって最善の行動は何か」を自分の頭で考えて行動します。

■質問2

新しいことを学ぼうとするとき、自信を持ってできるようになるまでに何回繰り返しますか?

これまでの経験から具体的な事例を教えてください。

【質問でわかること】

勉強方法や進め方、理解のスピードのほか、そもそも学ぶ意欲を持っているかどうかがわかります。

これにより「やる気があるかどうか」を測ることができます。

■質問3

初めての顧客へ訪問する前に、どんな情報を調べておきますか?

また、どのように調べますか?

【質問でわかること】

商談で必要な情報を把握しているか、どのように商談を進めているかを聞く質問です。

事前準備をしっかり行い、どれだけ的を射た質問ができるかが、顧客の課題発見への第一歩。

この質問で、課題解決能力の有無がわかります。

■質問4

当業界の最新のニュースはどこで見ていますか?

【質問でわかること】

業界に興味があるのか、どの程度の知識があるのかがわかります。

ネットニュースを流し見しているくらいなら「仕事はしないといけないからやる」できない営業タイプ。

業界専門紙や書籍を購入するなど、自分から情報を取りに行っていれば、優秀な営業になる素質があります。

■質問5

あなたがクロージングで必ず聞く質問を教えてください。

また、初回の訪問時に聞く質問とどのような違いがありますか?

【質問でわかること】

営業のフローを理解しているかと、具体的な商談スキルがわかります。

断られるのが恐いからと、クロージングをしないで曖昧に終わらせてしまうのは論外。

自分なりにロジックを立てて考えられているかどうかが、判断のポイントです。

まとめ

優秀な営業パーソンというのは、どんな時代であっても、引く手あまたです。

そのため、採用活動では一瞬たりとも気を抜かずに、目の前の応募者が優秀な営業なのか、そうでないのかを、素早く、そして的確に見極める必要があります。

ぜひ、今回の記事で紹介した方法を使って、優秀な営業パーソンを取りこぼしてしまうことのないよう、採用に結びつけていただければと思います。

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Mazrica Business Lab. 編集部
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