組織内で対立が起きたとき、皆さんはどのように考えるでしょうか?
対立というものをネガティブに捉える方が多いかもしれません。
しかし、「コンフリクトマネジメント」という考え方では対立をネガティブに捉えるのではなく、ポジティブに捉えることで組織の発展を促すものとみなします。
コンフリクトマネジメントを会得することで、組織内で対立があってもその対立を新たな進展をうながすものとして捉えられ、対立している両者に win-winの効果をもたらすことができるのです。
この記事ではそんな「コンフリクトマネジメント」について紹介いたします。
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コンフリクトマネジメントとは?
コンフリクトマネジメントとは、コンフリクト(対立)をうまくマネジメントすることで組織の成長をうながすように解決しようという考え方。
対立している両者にとっても win- winの解決になるだけでなく、組織全体にいい影響を与えます。
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コンフリクトマネジメントのメリット
では、具体的にコンフリクトマネジメントのメリットとはなんなのでしょうか?
①誰もが意見を言い合える組織となる
組織は、みんなの意見を汲み取らなければうまく発展することができません。
メンバーが対立を恐れて縮こまっており、意見を闊達に交換できない場合、組織の進展は望めないのです。
コンフリクトマネジメントがきちんとなされている場所では、メンバーは対立を恐れることがないので意見を自由に言い合えます。
対立が起きてもそれがいい影響を与えるという共通認識があると、組織は風通しよく、のびのびと発展ができるのです。
②クリエイティビティを上昇させる
組織で自由に意見を言い合うことができれば、みんなの意見がアイデアに取り込まれることとなり、組織全体のクリエイティビティが上昇していくことになります。
さらに、小さなコンフリクトを解消することに慣れておけば、より大きなコンフリクトにも迅速に対応できるようになるので、最終的に生産性の上昇にも繋がります。
コンフリクトマネジメントの方法
実際のコンフリクトマネジメントはどのように進んでいくのでしょうか。
まずはコンフリクトの原因とコンフリクトに対する一般的な反応を学ぶことでコンフリクト自体への理解を深めましょう。
コンフリクトの原因
コンフリクトの原因は、以下の3つに分けることができます。
①条件の対立
お互いの目指すところやお互いを拘束する条件が違うがゆえに起こる対立が条件の対立です。例えば、品質VSコストや安全VS納期といった対立が考えられます。
②認知の対立
お互いの認知・解釈の違いゆえに起きる対立のことです。例えば理想VS現実などの対立が考えられます。
③感情の対立
お互いの感情が原因となって起きる対立のことです。根深いものが多く、複合的な原因が考えられるので解決も一筋縄ではいかないものが多いです。例えば、優越感VS劣等感や満足感VS不満足感などが考えられます。
コンフリクトに対する5つの反応
コンフリクトの原因について学んだ後は、コンフリクトに際して起きる5つの反応について学ぶ必要があります。
5つの反応は以下の通りです。
①強制
一方が権力などを用いて高圧的に問題を解決しようとするのがこの「強制」です。一方の意見は握りつぶされてしまうためwin-loseの関係になります。
②受容
相手の意見や要求を自発的に取り入れて自分の意見を押し殺してしまうような反応が「受容」です。自分の意見が通らないためlose-winの関係になります。
③妥協
双方の意見の妥協点を探る反応が文字通り「妥協」です。この反応は一見良いもののように見えますが、お互いの意見が完全に通された状況ではなく、あくまでも妥協に過ぎないので双方にとって不満足感の残るものになります。
④回避
お互いに解決を避け、先延ばしにする方法がこの「回避」です。お互いの意見が見直されることはなくlose-loseの関係になります。
⑤協調
双方の意見を尊重して解決案を探るのがこの「協調」です。win-winになる可能性が高くなり、コンフリクトマネジメントにもっとも適しています。
コンフリクトを解決する5つのステップ
コンフリクトに対してどのような反応の時にもっともコンフリクトマネジメントに適しているかを学んだところで、コンフリクトマネジメントの具体的な方法について学んでいきましょう!
ここでは5ステップに分けて解説していきます。
①迅速な対応
まずは対立に速やかに対処することが大事です。対処が遅くなればなるほど組織内のストレスと不安感は大きくなります。
②コミュニケーション
対立している個人をコミュニケーションさせます。この時に重要なのは、各人がどのような視点を持っているかに着目したコミュニケーションを行うことです。ここでコンフリクトの原因3つのどれに当てはまるかを考えていきます。
③仲介者の介入
互いの要求をよく理解している上でコンフリクトの原因を理解した仲介者が必要となります。議論を整理できるような人が望ましいです。ここで、お互いの反応がコンフリクトに対する5つの反応のどれに当たるかを判断していきます。
④解決案の提示
考えうる全ての解決方法を考え出します。
⑤問題の解決
その中から最も妥当で未来を方向づけてくれるような案を1つ選びます。ここで、双方がその解決案に従うことが大事です。
このように、5つのステップを通して慎重に解決案を見ていくことが大事です。
コンフリクトマネジメントに必要なスキル
コンフリクトマネジメントにはそれをマネジメントする仲介者がいなくては成り立ちません。
そのような場合、コンフリクトマネジメントを行う仲介者に必要とされるスキルはなんなのでしょうか?
以下で解説していこうと思います。
コミュニケーション能力
一番初めに重要となるのはコミュニケーション能力です。
双方の意見や不満・観点を聞き出すためにコミュニケーション能力は欠かせません。
双方の意見を深くまでヒアリングすることで、解決方法が見えてくることが多いです。
エモーショナルインテリジェンス
エモーショナルインテリジェンスとは、自分と他人の感情をうまく理解し、それを処理する能力です。この能力が高い人は、自分自身の感情のマネジメントを行いながら他人の感情を満たすこともできます。エモーショナルインテリジェンスは聞き慣れない言葉かもしれませんが、感情のマネジメント能力と考えれば問題ありません。この能力を持つことが根深い問題を解決する際には必要になってきます。
創造性
解決案を考える時に重要になってきます。出来るだけ多くの解決方法を思いつくことがコンフリクトマネジメントの成功への近道であり、重要なポイントです。
そもそも解決案が思いつかないから対立している状況が多く、そこに第三者が冷静な視点と創造性を持って解決案を提示することで問題が解決されることが多いです。
終わりに
コンフリクトマネジメントは、対立で組織の危機にあるようなときにこそポジティブな反応をしようという非常に前向きな解決方法です。
一見こんなにうまくいくはずがないように思われますが、実際に解決案を全て提示してみたり、コンフリクトの原因を探ってみたりすると意外に解決に持っていけることがあるかもしれません。
ぜひコンフリクトマネジメントを取り入れて、風通しのいい組織づくりを果たしてください!
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