営業情報が属人化している組織や、メンバーによって成果に差がある組織は、適切な営業管理ができていない可能性があります。

本記事では、エクセルを活用した営業管理のポイントを紹介しています。

また、エクセルのメリット・デメリットをふまえて、営業管理の最適解についても紹介しているので、営業管理に課題を抱えている方はぜひお役立てください。

営業管理とは

営業管理とは、営業活動を最適化するためのマネジメント手法のことです。

営業活動では、案件の進捗管理、顧客情報管理、スケジュール管理などさまざまな情報管理が必要となりますが、営業メンバーが属人的に管理していると「進捗を把握できない」「今月の着地見込みを予測できない」などの事態に陥ります。

また、営業活動が属人化していると、一人の営業メンバーに案件数が偏ったり、営業スキルの高さで成績が左右されたりするなど、組織としての成果が停滞してしまいます。

こうした状況を解消するために、営業に関する情報やメンバーの活動内容などをマネジメントする営業管理を行って営業活動を最適化する必要があるのです。

関連記事:営業管理とは?6つの基本項目と効率的な管理方法を解説

営業管理を適切に行うメリット

営業管理を行うメリットは、主に以下の5点が挙げられます。

意思決定の質・スピードが高まる

適切な営業管理を行うと、必要なデータを確認したり、異常値があった際にすぐに検知したりできるようになるため、意思決定の質やスピードが高まります。

勘や憶測ではなく、データを基にして判断や評価ができるようになるため、意思決定の質が向上します。

また、営業戦略の立案や、営業活動のボトルネックの把握などの際にも、必要なデータをすぐに確認できるためスピーディな意思決定が可能になるでしょう。

案件情報が共有できる

営業管理によって誰のどの案件がどこまで進んでいるのか全体で把握でき、チーム内でフォローし合いながら成果を高められます。

たとえば、ある案件の進捗が滞っていても、属人化していると他のメンバーはなかなか把握できないため、そのまま失注する可能性もあります。

しかし営業管理ができていれば、進捗の遅れや漏れにもすぐに気づくことができ、早急なリカバリーが可能です。

また、営業活動が思うようにいかず悩んでいるメンバーがいても、案件の進み具合を見て他のメンバーがアドバイスやフォローをすることで適切な顧客アプローチができるようになり、チーム全体の営業力の底上げにつながるでしょう。

業務効率化が図れる

営業管理は、業務効率化につながることも期待できます。

たとえば、営業ミーティングを行う場合、メンバー全員にスケジュールを聞いて空いている日時を調整するのは多くの時間がかかってしまい非効率です。

しかし営業管理ができていれば、全員のスケジュールを把握できるため、すぐに日程調整ができるでしょう。

また、提案資料を作成する際にも、過去の提案資料や他のメンバーが作成した資料を参考にできるため、作成時間を短縮しつつ質の高い資料を作成できます。

営業ノウハウが蓄積する

営業活動が属人化していると、営業メンバー一人ひとりの営業ノウハウも属人化してしまい、スキルに偏りが生じかねません。

一方、営業管理ができている組織は全員の営業ノウハウが蓄積できているため、成果の高い営業メンバーのノウハウを参考にして他のメンバーの営業スキルを向上できます。

また、成功パターンを基にした営業プロセスを設計でき、新人でも成果を出しやすくなるでしょう。

メンバーのモチベーション向上

適切な営業管理ができていると、チームの協力体制が整ったり、スキルが向上したりするなどの効果があるため、メンバーのモチベーションアップにもつながります。

また、自分の頑張りが可視化されるため適正に評価されるようになり、さらに頑張ろうという意欲も持てるでしょう。

▶︎▶︎営業管理についてより詳しく知りたい方はこちら

エクセルでできる3つの営業管理

営業管理を行う方法は多岐にわたりますが、最も手軽なのがエクセル(Excel)です。

ビジネスパーソンであれば普段からエクセルを使い慣れている人が多く、デザインや項目なども自社独自でカスタマイズできるため、即日にでも営業管理ができるようになります。

エクセルでは「顧客管理」「案件管理」「行動管理」の3つの営業管理が可能です。

▶︎▶︎Excelで行う顧客管理についてより詳しく知りたい方はこちら

顧客管理

顧客に関する情報を集約し、架電や商談などの際にすぐに確認できるようにします。

また、顧客管理をすることで、休眠状態の顧客に再アプローチしたり、既存顧客にアップセル・クロスセルを提案したりするなど、売上の拡大も狙えるでしょう。

エクセルによる顧客管理では、以下のような項目を入力します。

ただしBtoB・BtoCや業種、商材などによって管理すべき項目は変わってくるため、自社に適した項目を管理しましょう。

  • 企業名・団体名
  • 担当者名
  • 部署・役職
  • メールアドレス
  • 電話番号
  • URL
  • 業界
  • 企業規模

関連記事:顧客情報とは?一元管理方法・活用術とCRM(顧客管理システム)を紹介!

案件管理

エクセルでは案件の売上や進捗状況の管理も可能です。

案件ごとのステータスや売上予測金額を一目で把握できるため、いつ・どのくらいの売上が見込めるのか予測しやすくなります。

また、対応の漏れ・遅れがあってもすぐに発見してリカバリーでき、失注リスクを軽減できるでしょう。

案件管理では、以下のような項目を管理します。

  • 案件名(商材名や企業名など)
  • 営業担当者名
  • 現在のステータス(初回訪問、商談、見積り提出など)
  • 受注確度
  • 受注見込数
  • 受注見込金額
  • 受注見込日

関連記事:案件管理とは?効果的な実現方法・おすすめツールと選び方

行動管理

営業メンバーの行動管理(アクション管理)も、重要な営業管理のひとつです。

いつ・誰に・どのような営業アクションを実行したのか、どのような結果だったのか記録することで、各メンバーの行動量や成果を把握できます。

行動管理では、以下のような内容を管理しましょう。

  • 日にち
  • 営業先名
  • 実施したアクション(架電、メール、商談など)
  • 内容(架電内容、商談内容など)
  • 顧客からの反応
  • 結果・受注確度

関連記事:行動管理とは?営業の管理方法とPDCAサイクルの回し方

エクセルで営業管理を行うメリット・デメリット

営業管理はエクセルで行うことが可能ですが、そのメリットとデメリットを見ていきましょう。

エクセルで営業管理を行うメリット

まずは、エクセルでの営業管理のメリットからお伝えします。

カスタマイズが自由にできる

エクセルは、既存システムのように決められたフォーマットがあるわけではないため、デザインや項目、入力形式などを自由にカスタマイズできる点がメリットです。

自社の業務フローや顧客層などに合わせた設計にでき、入力や情報管理が効率化します。

コストがかからない

エクセルはほとんどのパソコンに入っているため、新たにコストをかけなくても営業管理を始められます。

初期費用やランニングコストがなく運用できる点はメリットと言えるでしょう。

使える人の幅が広い

エクセルは普段の業務で利用する人も多いツールのため、操作方法を学ばなくてもすぐに始められます。

新しいシステムを導入すると、操作方法をレクチャーしたり使い方に慣れたりする必要があるため組織に定着するまで時間がかかりますが、エクセルなら使い慣れている人が多いためすぐに定着できるでしょう。

エクセルで営業管理を行うデメリット

エクセルでの営業管理はメリットが多い一方で、注意すべきデメリットも存在します。

情報の更新が遅い

営業管理を適切に行うには常に最新の情報を追っていく必要がありますが、エクセルの場合は手動でデータを入力しなければならないため更新スピードは遅い傾向にあります。

最新の情報をリアルタイムで得られず、判断が遅れたりトラブルに発展したりするリスクもあるため注意が必要です。

他のツールと連携ができない

エクセルは他ツールとの連携機能はないため、他ツールに入力したデータを再度入力しなければなりません。

システムであれば他ツールと連携すると、どちらか一方に入力したデータが同期されてもう一方へ自動で反映されます。

しかしエクセルは他ツールと連携できないためデータが自動同期されず、同じデータを再度入力することによる業務の遅延や入力ミスのリスクが考えられます。

外出先で入力が難しい

営業活動では顧客へ訪問することも多く、外出が重なる日も少なくありません。

しかしエクセルはパソコンを開いて操作する必要があるため、外出先ですぐに情報を入力するのは難しいでしょう。

情報を入力するためにオフィスに戻らなければならず、時間外労働が発生しやすいうえに、情報の鮮度が落ちてしまうという懸念もあります。

セキュリティ管理が難しい

エクセルのファイルをUSBメモリなどで管理する場合、紛失や盗難に気を付けなければなりません。

また、メールでエクセルファイルを送る際にはハッキングなどのリスクもあり、セキュリティ管理に注意する必要があります。

高度な分析は難しい

エクセルは分析機能が充実していますが、関数やマクロなどの知識がなければ使いこなすことは難しいでしょう。

また、他ツールのデータとかけ合わせた分析をしたい場合には、他ツールからデータを取得する必要があり、膨大な手間がかかります。

エクセルで営業管理を行うための4つのコツ

エクセルでの営業管理はメリットだけでなくデメリットもあります。

そこで、エクセルで効率的に営業管理を行うために意識したいポイントを紹介します。

分析項目を最低限に絞る

営業管理を始めると「あのデータも知りたい」「このデータも管理したい」という状況に陥りやすくなりますが、あれもこれもと項目を増やしていくと管理しきれなくなります。

項目が多すぎると営業メンバーの入力負荷が増えるだけでなく、どの数値を見るべきかわからなくなり営業管理が非効率になるでしょう。

まずは、自社の営業課題を解決するにはどのデータを管理・分析する必要があるのか選定し、最初は最低限の項目から始めるのをおすすめします。

事前に入力ルールを決めておく

複数の営業メンバーでデータを入力して運用していくため、事前に入力ルールの取り決めをする必要があります。

ルールが決められていないと「アルファベットの半角・全角で同じ会社名が登録されてしまっている」「10,000円と10000円と数値表記に違いがあり、適切に分析できない」などの支障が起きかねません。

また「毎日○時に入力する」「毎週月曜に分析する」などのルールを定めておくことで、営業管理が習慣化して定着しやすくなります。

ファイルのメンテナンスルールを作っておく

顧客数や案件数が多くなるほど、ファイルの容量が重くなり動作が遅くなります。

必要なデータを検索するのに時間がかかったり、入力欄にたどりつくまで何度もスクロールしなければならなかったりすると、データの入力・管理に時間がかかりすぎて非効率になります。

円滑に営業管理できるように「一定期間経った過去のデータは別ファイルに移動する」「重複しているデータがないか目視でチェックする」など、ファイルのメンテナンスに関するルールを決めておきましょう。

セキュリティ面に配慮する

営業管理では重要な機密情報を多く扱うため、セキュリティ面の配慮は欠かせません。

「USBデータを社外に持ち出さない」「誰がいつデータを入力したか把握できるように、変更履歴の記録を有効にしておく」など、セキュリティに配慮して運用しましょう。

より高度な営業管理を行うならSFA/CRM

エクセルは手軽さや使いやすさでメリットがある一方、膨大なデータを扱うのには向いていなかったり、複雑な分析がしにくかったりするなどのデメリットもあります。

エクセルでの営業管理に限界を感じ、「脱エクセル」を目指す営業組織も少なくありません。

エクセル運用の課題を解決できるのが、SFA/CRM(顧客管理もできる営業支援システム)での営業管理です。

SFA/CRMは営業活動の管理や効率化に特化したツールで、顧客情報や案件情報、アクション情報などを一元管理できます。

分析機能も充実しているため、数回のクリックという簡単な操作だけで高度な分析が可能です。

視覚的にわかりやすいレポートとして出力されるため、分析作業にかかる手間も削減できます。

また、SFA/CRMによってはAIが搭載されており、ネクストアクションの提案や営業メンバーごとの強み・弱みの示唆などをしてくれるものもあります。

エクセルでは難しい高度な営業管理をするには、これらのような特徴をもつSFA/CRMの導入がおすすめです。

関連記事:SFAとは?CRM・MAとの違いや選び方と営業の成功事例まで解説

脱エクセルで営業管理を効率化した成功事例

SFA/CRMを導入して脱エクセルを実現した企業の事例を紹介します。

株式会社翻訳センター様では長年エクセルによる営業管理をしていましたが、「顧客情報の詳細は属人化してしまっている」「データ数が1,000件を超えて動作が重くストレス」など、限界を感じるようになりました。

そこでSFA/CRM「Mazrica Sales(マツリカセールス)」を導入。新規顧客と既存顧客との情報を分けて管理するようになり、既存顧客へのフォローを充実させることに成功しました。

また、従来のエクセルでは難しかった複雑な分析も、Mazrica Salesの分析機能を使うことで実現。

売上確度を見極められるようになり、適切なフォロー体制を取ることで解約率1桁台を維持しているといいます。

▶︎▶︎SFA/CRMの導入方法について詳しく知りたい方はこちら

まとめ

営業成果を高めるには、適切な営業管理は欠かせません。

エクセルでの営業管理は手軽である一方、データ量が増えた際の取り扱いにくさや、セキュリティ面の心配、高度な分析の困難さなどのデメリットもはらんでいます。

エクセルでの営業管理の課題を解決できるのが、SFA/CRM「Mazrica Sales(マツリカセールス)」です。

シンプルな操作性は営業現場で使いやすく、他ツールとの連携によりデータの同期が可能なため入力負荷がかかりません。

また、案件の進捗を一目で把握できる案件ボードや、売上実績や予実管理などの分析レポートなど、マネージャーにとって利便性の高い機能も充実しています。

営業現場とマネージャーどちらにもメリットのあるSFA/CRM「Mazrica Sales」については、以下の資料で詳しく紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。

「5分で分かるMazrica Sales ・ 失敗しないSFA/CRM導入方法 ・ 導入事例」3点セット

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Mazrica Business Lab. 編集部
Mazrica Business Lab. 編集部

Mazrica Business Lab.はクラウドアプリケーションMazricaの開発・提供を展開する株式会社マツリカが運営するオウンドメディアです。営業・マーケティングに関するノウハウを中心に、ビジネスに関するお役立ち情報を発信しています。

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